前回から2ヶ月ぶりとなる『世にも奇妙な没シーン』が第2弾として帰ってきました。
今回ご紹介する没シーンは、ファンから人気の高い第1シリーズ作品『死ぬほど好き』。
「101回目のプロポーズ」「高校教師」「ひとつ屋根の下」などの名作ドラマのほか、現在TBSで放送中のドラマ「ラブシャッフル」でも絶賛活躍中の脚本家 野島伸司さんによる番組唯一の執筆作です。
では、早速没となった箇所のひとつめをご紹介……する前に、まずはこちらをご覧ください。
≪冒頭の通学路のシーン~テニスコート場面の間≫
ゴムボールが順平の頭に当たって撥ねた。
子供が拾いに来る。
順平「(拾って)道路で遊ぶんじゃねぇ」
と反対方向に投げる。
子供、ムッとした顔で取りに走る。
順平「チェッ、近頃のガキは」
放送版にもあった後の伏線ともなるワンシーン。この子供の伏線が後でどう活きてくるかは既にご存じの方も多いでしょう。
しかし、その子供の再登場シーンには、実は映像版では使用されなかったある一行が存在しているのです。
〇 道路を走る霊柩車
棺桶の順平が、必死に棺桶を開けようとしている。
順平「助けてくれー! 俺はまだ生きてんだよー!」
霊柩車が停車する。順平、頭を打って気絶する。
ゴムボールが転がる。子供が拾い上げ、ニヤッと微笑する。
霊柩車、気絶した順平を乗せて発進する。
果たして主人公があのような結末になったのは、単に運が悪かっただけなのか。それとも──。色々と考えさせられる没箇所ですね。
最後にご紹介するのは本作最大の見せ場である"ラストシーン"に関する没。物語のクライマックス部分からご覧ください。
≪火葬場のシーン≫
棺桶の純平「あ……」
火葬場から出ようとしている一同の中、僧侶が怪訝な顔で振り返る。
父親「?」
僧侶「今、声が……」
父親「(苦笑して)空耳でしょう」
母親「(沈痛な顔で)空耳です」
僧侶「……失礼しました」
一同、両親を残して火葬場から出て行く。
棺桶の順平「(恐怖に歪んだ顔で)誰か……」
ボウッと炎が点火する。
棺桶の純平「まだ生きてるよー!」
母親、チラっと父親を見る。
父親が優しく肩を抱く。
≪中略≫
省吾「ごめんなさい。俺達が……」
太「ホンの軽いイタズラのつもりが……」
母親「いいのよ」
省吾「……ごめんなさい」
父親「これで良かったんだ」
省吾・太「え?」
と、怪訝に顔をあげる。
父親「お蔭で工場が立て直せる」
母親「そう。あの子にはたくさん保険をかけておいたから」
と、安堵の笑みを浮かべる。
省吾・太「!?」
〇 煙突の煙
映像版での印象がちょっぴり変わってしまう、そんな秘められた没シーンですね。
というわけで、以上『世にも奇妙な没シーン』第2弾でした。また何か発見しましたら是非第3弾を行いたいとおもいます。お楽しみに。