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'23秋の特別編 感想

現在当サイトでは、タイトルに『○○男』『○○女』が付く作品の人気投票企画を実施中(~12/31まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

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奇妙なお祭りの後半戦『'23秋の特別編』が、無事に放送を終えました。

 

今回は、数々の名作を生み出してきたレジェンド・星護監督5年ぶりの復帰に加え、2019年に大ヒットした「恋の記憶、止まらないで」を手掛けた岩田監督が2作品を引っ提げて帰ってくるなど、フリーク的にはかなり興奮する要素ばかり。

 

私としても放送前に行われた豪華な傑作選も手伝って、「ここ数年で最も注目に値する回だ!」と、放送の日を指折り数えて待っていました。果たして、その結果は──。

 

それでは以下、いつものように個人的な感想を。(評価は★5つが最高となっています)

◆ 永遠のふたり ★

深夜時代から番組に携わり、長年に渡って『世にも奇妙な物語』の礎を築いてきた演出家四天王の一人、星護監督5年ぶりの最新作。

 

星監督は、第1回「噂のマキオ」に始まり、「プリズナー」「女優」「サブリミナル」「恐竜はどこへ行ったのか?」「壁の小説」「パパラッチ」「エキストラ」「迷路」「越境」など数々の名作を多数手掛けてきた事から、フリークの間でも「雪山」の落合正幸監督と並び、非常に高い評価を得ている人気ディレクター。あの「古畑任三郎」のオープニングスタイルを発案したのも、実はこの方なんですね。

 

そんな星監督の5年ぶりの復帰作、しかも史上初となる監督自身の手によるオリジナル脚本とあっては期待度もMAXレベル。周りの友人知人にも「今度の特別編、特に『永遠のふたり』は絶対見るべき!」と、アツく勧めておいたくらいの期待作でございました。

 

 

そんな今回一番の目玉となった本作。開始早々「そうそう、この雰囲気こそ星護ワールドだよ~!」と大興奮。「(監督作品にはお馴染みの)ガーゴイルは今回出てくるのか?」と、画面の隅々に目を凝らしながら真剣に視聴していったのです……が!

 

作品の雰囲気に反して、やけにすっとぼけた演技の江口洋介に、(ん…?)となったかと思うと、物語が進むごとに(あれあれあれ…?)と不安がたびたび胸の中を過り、

 

終盤に至っては、(いや…ちょっと…これ…)と、私に勧められて番組を見ているであろう友人らの顔が脳裏を駆け巡る中、冷や汗が止まらなくなる始末。

 

……いくら何でも、これはまったく擁護できない……

 

本当にこれがあの星監督の作品なのかと、見終わった後もしばらく信じられませんでした。

 

 

最も気になったのは、何と言ってもシナリオと演出の極端な噛み合わなさ。『追い込まれた天才研究員の復讐譚』というストーリーでありながら、江口洋介パートは何故かコミカルな雰囲気。「一体どっちで見ればいいの?」と、見る側の軸足がいつまでたっても定まらないまま、最後まで置いていかれてしまった感が。

 

肝心のシナリオも、監督が初めて1人で書き下ろした脚本という要素を差し引いても、番組のツボがわかっているはずの監督にしては、あまりにもとっ散らかりすぎているだけでなく、練り込み不足で素材のままだしてきたという印象。これ新人が出してきたプロットなら、100%採用されてないと思うんですよね。

 

若手プロデューサー陣が日和ったのか、ネームバリューに甘えきってしまっていたのかはわかりませんが、『面白いプロットであれば大御所も新人も関係ない』という矜持でやってきたこの番組としては、かなり違和感を覚える仕上がりとなったのは確かかなと。ストレートに言えば、監督の手がけた作品の中では、桁外れのワースト作品だと思いました。

 

ファンにはお馴染みの映像美は文句無しに最高、キャスティングも申し分なし、本作のために17曲もBGMを書き下ろしてくださった蓜島邦明さんのカメオ出演も嬉しいサプライズ。何より、監督がお元気そうで本当に嬉しかった…(T_T)。でも、そんな絶大なレジェンドをリスペクトしているからこそ、評価はあえて忖度無しの★1つ。

 

偉大なディレクターが、別分野でも偉大な仕事が出来るかというと、なかなか難しいのも事実。もし長年の名コンビであった中村樹基さん辺りが脚本を担当されていたら、全然違った印象になったんじゃないかと思えてなりません。

 

今回は個人的に残念極まりない結果となってしまいましたが、それでも私は『ザ・世にも』な星監督の作品がやっぱり大好物。過去におっしゃられた「一生奇妙の監督だと思う」の発言通り、まだまだこれからも「さすが星監督!」と思える名作をどんどん生み出していってもらいたいです!

 


 

……以上が、放送直後に書いた感想。ただ、これを書いた後も私の中では『一体どうしてこんな事になってしまったのか…』という疑問がずっと渦巻き続けていました。

 

いくら久々の「世にも」とはいえ、あの大ベテランがこんなぎくしゃくした演出でGOサインを出すだろうか。これで良しとするからには、何らかの意味があったのでは。だとすれば、一体監督の狙いとは何だったのか──。

 

そこで、何度か本作を見返しながら、ストーリー構造を私なりに分析してみた結果、あるひとつの結論に至りました。それはズバリ『監督の演出は全くブレておらず、むしろ意図通りだったのではないか』ということ。

 

一体どういうことか。恐らく私含む大半の視聴者は、本作を『ある天才科学者の悲しい末路が、刑事の目を通して描かれていく復讐譚』として見ていたはずですよね。だからこそ、やけにコミカルな刑事や、破壊ロボなどの唐突さ、投げやりなラストなどに引っかかる方が多くなったはずなんです。

 

ただ、これをですよ。逆にへっぽこ刑事が、突然消えた天才科学者の残した謎を追う様を描いたSFミステリー風コメディ』として考えてみたら、色んな事にちゃんとした説明がつくようになるんです。

 

あらゆるコミカルさはコメディなのだから当然の演出に。唐突に登場する破壊ロボも主人公を追い詰めるギャグ的なシーンに。草彅くんのやや誇張気味の演技やシリアスな末路も、そのための前フリに早変わり。一見投げやりなラストも、コメディ物のオチとしてむしろ王道。恐らく続編があれば、彼は何事もなかったかのように別な事件を追っている事でしょう。

 

そう、本作は『永遠のふたり』というより、『へっぽこ刑事・二宮康孝の世にも奇妙な事件簿① ~VS 天才科学者編~』と言っても差し支えないコメディ作品として作られていたんですよ!!

 

 

……はい、ここまで読んで「何だそのふざけた解釈は!」と思われた方もいるかもしれません。ただ、これに気づいた瞬間、私の中にあった疑問が全て氷解したのも事実でして。

 

要するに、全ての原因は『本来、狂言回しでしかない研究員の方を、さも唯一の主人公であるかのように構成してしまっている脚本上のミスであり、そんな土台の不安定さに監督ご自身が気づかないまま、中途半端な形で作品が出来上がってしまったのが真相なのではないかと。

 

勿論、これらは私個人が一番納得できた解釈という事なので誤解のなきようお願いします。「いいや、これは誰が何と言おうとシリアスものだ!」という異論反論も大歓迎なので、ご意見のある方がいらっしゃいましたら、是非お聞かせ願えれば嬉しいです!

◆ 地獄で冤罪 ★★★

これまで「0.03フレームの女」「墓友」「サプライズ」「夢男」「視線」などを手掛け、番組の2代目ホラー担当として定評のある松木創監督 最新作。

 

本作は、通常5~6回で済む台本の改稿をなんと11回も行ったそうで、確かに細かい作り込みがなされている事は十分伝わってくる仕上がりに。松木監督の色も今回はかなり炸裂しており、『善悪の天秤の動きを現しているであろう、左右に傾く画面』は、非常に印象に残りました。劇中にもしっかり正義の女神テミスの像を映してましたしね。

 

他にも『ムンクの「殺人者」の絵画』、『ラーメン屋の壁に掛かっている緑の丸いリースや、垂れ下がった植物があるシーンで大量の髪の毛らしき物に変化している』など、松木監督がまたしても仕掛けてきた謎も実にマニア好みで、考察欲をそそられます。(SNSでは全然触れられてませんが…(T_T))

 

ただ一方で、やっぱり気になったのは主人公が地獄行きというオチ。SNSでもかなり指摘されていましたが、そこまで主人公が悪い事をしたように思えないんですよね……。必要以上に善良弁護士としてキャラ付けされていたのは勿論、殺される直前に、交番に向かおうとしてた訳ですから。

 

一応「人間の作った法律は、ここでは関係ない」というエクスキューズが添えられてはいましたが、納得できるかというと…。例えばこれが、怨霊によって地獄に引きずり込まれるという話ならまだしも、本作は"裁判"という、一見ちゃんとした形式に則っているせいで「いや、それでも情状酌量の余地はあるでしょ…」と、余計に釈然としない理不尽感を覚えてしまうのかなと。

 

また、若干こねくり回しすぎかな?と感じる部分もあり、例えば『男の首のタトゥー文字を並び替えると「YAMANE(山根) SIN(罪)」になる』といった隠し要素や、『三雲が発する4つの唸り声を並び替えたら「く~る~し~め~」になる』辺りのギミックも、アイデアとしては面白いですが、いかにも作り物然としすぎているきらいが。冷静に考えたら「順番をちょっと変えて一文字ずつ唸るって、何…?」と思わなくもないですしね…(^^;)

 

 

というわけで、ストーリーとしていくつか引っかかりがあるものの、松木監督の個性がちょうど良い具合にマッチしていた事もあり、評価は★3つ。最近の監督の安定っぷりには、今後もますます期待したいです。たまに苦手な時もありますけどね…(苦笑)

 

最後に。今回「夢男」以来、久々に裏テーマを潜ませてきたのには驚きました。「何もしない事は大きな罪です、あなたもわかってますよね」。……どれだけ気づいた方がいるかはわかりませんし、本筋がそれを活かしていたかというと難しいところですが、ドキュメンタリー畑出身である監督の気概は、しっかり伝わりました。

 


 

(※ 11/19追記)

 

脚本を担当された辻野正樹さんのFacebookによると『本来は気に入っている別なオチがあったが、フジのプロデューサーから去年の作品に似てるとの指摘を受け、放送されたオチの方向性に書き直すよう指示があった』のだとか。

 

 

いや~11回も台本が改稿された原因はこれだったんですねぇ。そう思って見返してみると、確かに苦労の跡が垣間見える気が…(^^;) そして、本来は一体どんなオチだったのか非常に気になる所。

 


 

(※ 11/29追記)

 

作品内に隠された様々な小ネタに関する情報を、常連のファンの方より頂きましたので、私の発見した物も含めて一度しっかりまとめてみました。

 

 

① 主人公の事務所にかけられている絵画、ムンクの「殺人者」。

はっきりと顔の見えない殺人者の姿を描いたこの絵は、沈黙する人間の罪を示唆するかのように様々なカットに登場。(ラーメン屋のTVで『あの絵を見てあなたが嘘をついているとわかりました』という台詞が指しているのはこのこと?)

 

② 獄中の三雲に差し入れされた「小林多喜二」の本。

プロレタリア文学の作家として知られる彼の代表作と言えば、ご存知『蟹工船』。その書き出しは「おい地獄さ行くんだで!」。暗に主人公の待ち受ける未来を示しているのか。

 

 

③ ラーメン屋の壁に掛かった植物が、途中で髪の毛に変化。三雲の怨念の為せる業か、もしくは主人公の世界が現実ではないことの隠喩か。

 

 

④ 男の首にある『SNYAAEIMN』のタトゥー。並び替えると『YAMANE(山根) SIN(罪)』に。

 

 

⑤ 主人公の事務所に飾られている夕顔の写真。夕顔の花言葉の中には「罪」「悪夢」といったものも。

 

 

⑥ 看板に書かれている電話番号が「259-19 (ジゴク イク)」とも読める。

 

 

⑦ 家族との回想シーンに、真実の口のオブジェ。この口に手を入れた際に、嘘をついている者は手首を切り落とされてしまう。主人公の罪を表す隠喩か。

 

 

いや~、わかりやすいものから、細かく見ないと気づかない物までこんなにあったんですね。

 

なお、松木監督のX (Twitter)では、これらの隠し要素を発見したファンの方のツイートを引用して『正解です』とコメントされているので、単なる深読みでない事は100%確実。そして、どうやら過去作品にも色々未発見の物があるようで、何だか深淵に入り込んでしまいそうな予感がしてきます。時間のある時にでも探してみましょう。

 

個人的には、ラーメン屋の謎のリースも気になっていましたが『我々の仕業ではありません』とあるので、全然関係なかった模様。でも、ここはあえて"円=永遠の地獄"を隠喩しているという事にしておきます(笑)

 

今後はこういった楽しみ方も、松木作品を視聴する上で押さえておくべきポイントになるかもしれませんね。こういう考察要素が大好きな方、監督の次回作はますます要チェックですよ!

◆ 走馬灯のセトリは考えておいて ★★★★

原作は、SF界で権威ある星雲賞の短編部門を2度受賞した事のある柴田勝家さんの同名小説。今回のドラマ化に際して冒頭試し読みも行われているので、興味のある方は是非ご覧ください。

 

さて、感想ですが……岩田監督って何撮らせても良い…!!!もうこの一言に尽きます。

 

以前から若いファンの方々に「岩田監督って良いですよね」「僕、岩田監督の作品好きなんですよ」と言われても、全然ピンと来てなかったんですが、ここ数年「クリスマスの怪物」「恋の記憶、止まらないで」などの良作メーカーっぷりを目の当たりにすると、否が応にも理解せざるを得なくなっちゃいますね。

 

そして、どう考えてもお涙頂戴のボーナスステージ同然のストーリーを、あえてじっくり抑えたトーンで描きながら、その積み重ねでじーんと来させるスタッフの手腕もさすがの一言。

「最後のライブシーンで泣きに泣かせた後は、感動的にキエラが消えていくダメ押しで終わりだろうな…」なんて俗物丸出しの予想をしていた自分が、本当に情けなくて嫌になりますね!

 

加えて、今回キエラ役で出演された実在のVtuber 七海うららさんも全く浮く事なく、世界観に溶け込んでいて◎。本作の為に書き下ろされたという、番組史上初となるタイアップ曲「茜光」も実に良い歌でした! (絶賛配信中なので、興味のある方は是非)

 

www.youtube.com

 

近未来SF×バーチャルアイドル×奇妙という、一見イロモノ感漂う題材でありながら、スタッフのあまりに丁寧な仕事ぶりに、大いに満足…という事で評価は★4つ。

 

いやぁ~それにしても、VTuberが出演する時代が来るなんて、想像もつきませんでしたね。でも、ちゃんと番組のカラーに合ってるんだから不思議です。その時代その時代に生まれ落ちる全てを受け入れてしまう「世にも妙な物語」の懐の深さを、改めて思い知らされました。

トランジスタ技術の圧縮 ★★

原作は、SF作家 宮内悠介さんの同名小説。収録本「超動く家にて」の読者投票では全作品中第1位に輝き、続編も制作されたんだとか。なお原作は、現在全文無料公開中なので、読んでみたい方はこの機会に是非どうぞ。

 

感想としては、もはやこれは令和版「JANKEN」だなと…(笑)。第一報を見た時は、絶対植田監督作品だろうと思ってましたが、岩田監督も負けじとなかなかのオールマイティっぷりで、ハイテンションな世界観の波に乗って最後まで楽しませていただきました。

 

ただ何というか、この手の『シュールな設定×王道展開=ギャップの面白さ』タイプのおバカコメディって、個人的にはもうお腹いっぱいすぎて苦しくなってまして……。なんせ、ここ十数年のコメディ物の半数近くを、このタイプが占めてる訳じゃないですか。人気のある路線ではありますが、さすがに擦りすぎじゃないかなと。

 

こういうコメディが作れるのが「世にも」の大きな魅力ではありますが、かといってそんなコメディばかりを量産するのはちょっと違う気がするんですよね。まあ、元々このタイプのコメディが嫌いではないけれど、さほどツボでもないせいもあるんですが……今後はもう少しコメディジャンルの広がりを感じさせてもらいたいですね。

 

という訳でニッチな題材を堂々と映像化した勇気を買いつつも、食傷気味な身には物足りなさもひとしおだったという事で評価は★2つ……ですが、小ネタはちょこちょこ面白かったので、0.5くらい+しても良いかもしれません。

◆ 総評 ★★

……はい。残念ながら今回はやって来ませんでした(^^;) 

 

いや~まさか「永遠のふたり」がこんな事になるとは……思いもよらぬ大誤算。ディープすぎる世界観で賛否両論に、という展開は一応予測していたんですけどね。う~む…。

 

良かった所としては、時間配分が前回よりも極端でなく、どれも20~30分程度に収められていた点。ここ数年感じていた間延び感も今回さほど感じず、良い傾向だったのでは。今にして思えば、劇中に出てきた「物語は短かければ短いほど良いものです」という台詞も、何かのメッセージだったような気がしてきます…(?)。まあでも、5話編成が一番良いんですけどね!(T_T)

 

他に細かい点でいえば、2002年から20年続いてきた植田泰史監督の連続演出記録が今年で途絶えてしまった事があまりにも残念! 氏が担当されていた夏ドラマ「ばらかもん」と撮影時期が被ってしまったせいだと思うんですが、悔しい気持ちが未だ燻ってます。記録が全ては無いですが、もうちょっとどうにかならなかったかなぁと……。

 

さて、SNSを覗いてみると、今回もやはり賛否両論という感じですが、概ね「走馬灯~」人気が目立っている印象。私自身も、この作品が全体を引っ張ってくれたおかげか、前回の夏よりかは好印象でした。とはいえ「永遠のふたり」の事を考えると、全体評価はガクッと下がって★2つ。期待値が高かった分、やや厳しめに。以上、総評でした。

 

 

……てなわけで、2023年の特別編もこれにてすべて終了。今年は「視線」と「走馬灯~」の2本が個人的ヒットでしたが、それでもやっぱり物足りない気持ちが。というのも、ここ数年は多くのファンが求めている「どんでん返しの驚き」「後味の悪いブラックもの」「ゾクッとくるホラー」を正攻法でぶつけて来る作品よりも、変化球の方にばかり重きを置かれているなと改めて思ったからでしょうか。

 

中村プロデューサー時代になってからの「世にも」の主な傾向として、話題になりそうな目玉作品を全体の中心にどーんと一本据える大黒柱路線と、人気声優やYoutuber、中村Pの趣味であるギャンブル、ゲーム実況、サッカーなどの関係者をやや職権乱用的に(笑)起用する…というミーハー路線とが一体になっていると思っているんですが、どちらの要素も、若者&ネット受けをあまりに優先的に考えすぎてないかなと。

 

確かに、放送中にトレンド入りはしますし、SNSでも話題になっています。ただ、そういったネタは瞬間的に消費されるのみで、満足度そのものに繋がってない雰囲気はここ最近のネットを見ていて強く感じています。2019年の「恋の記憶、止まらないで」が、そのクオリティの高さのおかげで、長期的にSNSの話題にのぼっていたのとは実に対照的。

 

これってどこか『演出は派手だけど、みんなが聞きたい定番のヒット曲を全然歌ってくれないアーティストのライブ』に似てきているような気もして。SNSのトレンド入りや、若年層へのアプローチを狙おうとする新機軸の楽曲を作るのも勿論大事ですが、やっぱり皆が期待していて、ちゃんと盛り上がれる"定番ナンバー"も上手く織り込んでこその楽しいライブになるんじゃないかと思うんです。だって、特別編って"ファンみんなのお祭り"なんですからね。

 

来年はどうか、今年以上に最高に奇妙で楽しいライブのセトリを考えておいてくれる事を祈りつつ、いつもの一言で締めさせていただこうと思います。

 

スタッフ&キャストの皆さん。今年も本当にありがとうございました!

 

次回は、傑作選のますますの充実にも期待しています!

令和の地上波で「恐竜はどこへ行ったのか?」の首チョンパシーンを(その後の血がドボドボ流れ落ちるシーンはカットされたとはいえ)夕方枠で流せるなら、もう何だって放送できるでしょう!(笑)