世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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35周年SP 秋の特別編 感想

現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~来年8/31まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

(※ 9/1追記) 戴いた投票データを誤って削除してしまった事が判明しました。

既にご協力戴いていた皆様に深くお詫びするとともに、以下の新フォームより改めての回答をお願いいたします。

 

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前回、フジテレビ問題の影響により、オール傑作選で放送された『伝説の名作 一夜限りの復活編』。そのラストで、我らがストーリーテラーが放った台詞は……「あの頃は良かったと昔を振り返るために、このお話を紹介したわけではありません」「近々またお連れしましょう、新たなる奇妙な世界へ」。

 

「次は絶対に新作を放送してみせる!」という、スタッフからの熱いメッセージとも取れるこの言葉から約5ヶ月。テラーの宣言通り、約1年ぶりとなる新作を引っ提げて『秋の特別編』がやって参りました。

 

しかも、前回の好評を受けてか、はたまた未だ例の件の影響が残っているせいか、1枠を傑作選枠に当てた、新作3本+旧作1本という番組史上初となる特別編成に。放送35周年というアニバーサリイヤーを締めくくる、いつもとはちょっぴり違ったSPになること間違いなし。

 

……というわけで、今回もいつものように個人的な感想をつらつらと。節目の年ということで、いつも以上に面倒くさいマニアっぷりが溢れ出してると思いますが、所詮はネットの片隅に巣食うド素人の戯言として、ご笑覧頂ければ。(※ 評価は星5つが最高となっています)

「止まらなければ生きられないゲーム」★

「チェックイン漢陽」「ハートビート」「赤い袖先」などの韓流ドラマを手掛けた韓国の制作会社WEMADと共同で脚本を制作した1本。脚本をチュ・ジン氏、演出をベテラン土方政人監督が手掛けた、番組史上初となる日韓合作作品となっています。

 

 

さて、ベタなデスゲームのスタイルをあえて『世にも』で取り扱ってみるという挑戦的なテーマではありましたが、いざフタを開けてみると、あまりにストレートすぎる内容だったなというのが率直な感想。

 

あからさますぎる桃アレルギーの伏線、ラストの話運びもどこか野暮ったいキレの無さ、さらには怪しい看護師のキャラクターをミスリーディング用に数回出しただけで後は投げっぱなしという雑な処理など、ストーリー上の粗が多いのも非常に気になりました。

 

導入となる1本目として、エンタメド直球な割り切り方を評価する向きもあると思いますが、経験の浅い新人作家が書いた脚本ならまだしもですよ。これが日韓のクリエイターチームが共同で生み出した脚本となれば、話がだいぶ変わってきませんか、と。

 

とにもかくにも、日韓合同プロジェクトなんですよ。幾人もの大人が海を挟んだ打ち合わせを経た上でようやくGOサインが出た脚本だとは、とても信じられない完成度。誰かひとりくらい「この看護師のキャラ、もうちょい活かしたほうがいいのでは?」みたいな事言わなかったんでしょうか。それとも、そんな疑問が思いつかないほどの突貫作業だったのか。

 

さらに相手国のチームがどれだけ『世にも妙な物語』の世界観を理解してくれていたのか、逆に番組側がどれほど伝えられていたのかという所にも、やや疑問符。本当にこれで両国のスタッフが「いける!」と思ったのならば、あまりにも志が低すぎて、残念極まりない。終盤にかけての山田さんの熱演が本当に勿体ないですよ。

 

恐らく、最初にフジと韓国の制作会社の間で企画を共同開発してみないか?という流れがあり、そこから『世にも』での実施になったのではと推察しますが、この手の"コラボありき"の作品って、スタッフが相手側に遠慮してしまうのか、どうしてもしょっぱい出来になりがちだなーと。番組史に残るレベルの意欲的な試みだっただけに、この結果には普段の10倍ガッカリ。

 

一応、土方監督の画面を回転させる事で残り時間の分量を示すアイディアや、ブラックに攻めたラストなど、評価できる点もあったものの、私の印象を覆せるほどだったかというと……。せっかくの日韓合作だからこそ、番組に新しい風を吹かせてくれる挑戦的かつ新機軸なストーリーを見たかったですね。その辺はまた次の機会があれば是非。★1つ

「あなた博物館」★★★

ベテラン植田泰史監督によるサスペンス的な1本。主演の川口春奈さんは「Silent」の頃からいつか出て欲しいなと思っていたので、ようやく念願叶いました。

 

感想としては、「あなた博物館」という奇妙な世界観は、思わず引き込まれるアイディアで◎。また、小ネタに定評がある(?)植田監督らしく『悪夢のパンプキンアタック2』なる、どこかのシミュレーターで見たような映画チケットが出てきたのにも、思わずニヤリ。チョロいとわかっていても、こういうわかる人にだけわかるネタ大好きです!(^^;)。

 

終盤のどんでん返しは早い段階で読めてしまったものの、一見先行きの読めない展開や、ラストシーンのダークな見せ方はしっかり『世にも』らしさを発揮していて好感が持てます。ただ舞台が舞台だけに、所々で間延びかつ引き伸ばし感が否めなかったので、もっとスッキリした形で見たかったなというのも正直な所。4話編成である以上、仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね……。★3つ

「七階闘争」★★★★

原作は「となり町戦争」で知られる小説家、三崎亜記さんによる同名短編。収録されている『廃墟建築士』は既に絶版となっていますが、電子書籍が販売されているので、気になる方は是非お買い求めください。

 

さて、ここ数年擦り倒されてきた『突飛な設定×王道展開のギャップ系シュールコメディ』路線を一見継承しているようで、しっかり差別化した展開だったのには好感触。突然おバカな政策が決定してしまう所なんて、古き良き『世にも』感で何だか懐かしかったり。

 

オチについてはファンの間でも賛否あると思いますが、私は完全肯定派。というより、このストーリー展開で、ヘタなどんでん返しがあった方が逆に興醒めというものでしょう。昨今、類型的になりつつあった世にもコメディに小さな風穴を開けてくれた気がします。

 

解釈によっては、ただのおバカな奇妙とも、社会派アイロニー作品とも受け取れる余地があり、変に押し付けがましさがないのも◎。私個人としては令和版「ダジャレ禁止令」として評価したいですね。こういう洒落た社会風刺モノ、ずっと見たかったんです。

 

どうかこの先も、世界から『7階』が奪われる事がありませんように。★4つ

「ハッピーバースデー・ツー・マイホーム」

傑作選枠のため、今回は評価対象外。なので、ここは簡単な作品データと雑感を。

 

本作は、第2シリーズ最終回となる『'91冬の特別編(12月)』のトリを飾ったハートウォーミング作品。派手な内容ではないため、知名度はかなり低めですが、知る人ぞ知る隠れた一品。2000年に行われた傑作選以来、25年ぶりの再放送となります。

 

脚本は、後に「ずっとあなたが好きだった」や「踊る大捜査線」をヒットさせる君塚良一。演出は、番組最多演出数を誇り、「急患」「雪山」「おばあちゃん」などブラックやホラーの名作を手掛けた『世にも』演出家四天王のひとり、落合正幸監督。

 

また、主演の役所広司さんは、ちょうど世にもの裏番組であった人気時代劇『三匹が斬る!』シリーズの千石役としてメインを張っていた、いわば商売敵の一角。そんな彼を第4シリーズ終了から第5シリーズ開始までの隙間の時期に起用するという、当時としてはなかなか攻めたキャスティングでもあったりします。

 

 

さて、率直な印象としては『まさか、この話が選ばれるとは!』。これに尽きます。世界中の世にもファンは誰ひとり当てられなかったのでは。

本作を含む'91冬(12月)は、超高額な使用料が発生すると聞く海外版権作「23分間の奇跡」があるためか、完全未ソフト化かつ、CS・BS・配信などの全てで100%放送を見送られている欠番回のひとつ。その中の1編が、まさかこんな形で再放送&配信ラインナップに加わることになるとは……人生わかんないもんですよね。

 

内容は、前年に公開された映画「フィールド・オブ・ドリームス」の影響をモロに受けているなという感じですが、それでも歴代感動作の中では唯一無二の雰囲気を持っているよなと。フリークにはあまりに有名すぎる、あのBGMと共にクレヨン風のタイトルが出るラストシーンなんて、本当に反則級のワザ。改めて見てもやっぱり胸にクるものがあります。

 

落合監督はホラーやブラック作に定評がありますが、実は「さよなら6年2組」「時の女神」や『ifもしも』の「"別れましょう"か "結婚しよう"か」のような、叙情的な作品も本当にいい仕事されるんですよね。これを機に、ぜひ本作の知名度がグッと上がってほしい! 今回初めて見て、イマイチだなと思った若いファンの方も、是非20年後にまた再見してみてください。見方が大きく変わるかもしれませんよ。

 

 

……それにしても、この頃のテンポ、雰囲気、温度感……どれをとっても古き良き『世にも』全開で素晴らしいなと改めて。今のスタッフにも、この絶妙な乾きっぷりというか、その辺の匙加減を意識してもらいたいもの。落合監督、また1本撮ってくれませんかね…

総評 ★★★

日韓合作や傑作選など、一見ごった煮のような回でありながら、終わってみると意外に楽しめた今回のSP。ほん怖のような再放送枠を入れるのは、さすがに禁じ手なのではと思っていましたが、濃いめの新作の締めとしてちょうどいいテイストになっていて、これはこれで悪くなかったなと。

 

苦言としては、いつもの短縮OPやテラーパートの構成についてに。特に今回は、とうとう番組見所とOPを合体させて、さらなる短縮を図るという、行く所まで行ってしまった感が。「ハッピーバースデー~」のラストも、よく見ればオリジナル版より数秒早めに切ってしまっていて若干余韻が損なわれている始末。本編を引き伸ばしにかかる一方で、秒単位で切り詰められる所をどんどん刈り取ろうとする、あまりの忙しなさのアンバランスさが実に奇妙…(-_-;)。

 

ここ10年程、EDをテラーパートに組み込んだりするなど、番組の"外枠"となる部分にどんどん手を入れていく傾向が顕著になっていますが、本当に効果が出ているのか大いに疑問。長いスタッフロールはまだしも、僅か30秒ほどのOPを、もう5秒、3秒、と極限まで短縮しないといけないほど、昨今の視聴者に堪え性がなくなっているとはとても思えず。OPは番組の顔なのに、今回ほぼテラーのシルエットしか映ってませんし。

 

目先の数字を意識するばかりに、こういう小手先の真似ばかり増やした所で、結局は番組の魅力に1ミリも与しないどころか、制作側の「やらないよりは!」という過剰な保険にしかなってないんじゃないかという思いがますます強くなるばかり。例えるならば、『古畑任三郎』で、犯人が自白中にテーマ曲とスタッフロールを流して、二人が退場した所で放送終了みたいな事をしてる訳ですからねぇ…。それだとぜんぜん違ってくるわけじゃないですか、視聴後感が。

 

……ま、これも古参のうるさい小言でしかないのかもしれませんが。『世にも』の世界観を担う大事な構成要素であるかつてのOP、ED、テラーパート構成が、邪険にされているかのような最近の風潮には、ただただ悲しくなるばかりなんだという事は、せめて私だけでも書き記しておきたいんです!(T_T)。過去に何度も書いてますけどね!

 

そのうち、今の傑作選みたく5秒程度にまで縮んでしまうのもあながち杞憂ではないかもしれませんが、前回は特別版OPをじっくり流してくれたこともあり、今後の担当プロデューサーさん次第で改善される事もあるんじゃないかと、僅かな希望だけは持っておきます。

 

というわけで、個人的には前回の'24冬より楽しめたものの、枠部分のさらなる改悪っぷりへの強い悲しみ分を差し引いて、全体評価は★3つ

 

今回中村&狩野Pが突然復帰した所から見て、新たにサブとして登場した若手の江花&歌谷の両Pが、今後の番組を牽引していくのではないかと予想していますが、ここからまた番組にどのような色が加わっていくのかが非常に楽しみ。ホントこの番組は、担当プロデューサーのセンス次第でまるきりカラーが違ってきますからね。20年代後半の奇妙な世界にますます期待大です。

 

まだまだフジテレビも苦境な状況には変わりないので、今後また傑作選枠があるのかどうかも気になる所。新作が減るのは残念な気持ちもあり、こういう形でも蔵出しの機会が少ない過去作を放送できるチャンスという気持ちもあり……はてさて、どうなることやら。

 

 

最後に、スタッフ&キャストの皆さん、今年も本当にありがとうございました!

この状況下で何とか年2回放送を守れた事はもちろん、春の上映会やグッズ販売に続き、今回も新宿駅の巨大広告、りんかい線の中吊り広告、ららぽーと豊洲でのフォトパネル&ステッカー配布など、積極的な宣伝活動があり、制作側がまだまだ『世にも』を大切にしている姿勢が垣間見れたのが本当に嬉しかったです。

 

本来なら次は40周年を目指して……と言う所ですが、今回ストーリーテラーの発言で、35億年後でも『世にも』は健在であることが発覚したので、今後も挑戦と原点回帰を織り交ぜつつ、より楽しくて怖い奇妙な物語を見せていただければ、もうそれだけで十分! 

 

スタッフのツイートによると、今回のコア視聴率、特に10代の占拠率は驚異的な数字だったらしく、そこもひと安心。どんなコンテンツも、若いファンがいないといけませんからね。その中から生まれてくる将来のマニアの向学ために、私もまだまだ情報収集頑張ります。

 

ではまた来年、36年目の奇妙な世界で。

サウンドトラックCD 発売のお知らせ

2020年、放送30周年を記念して発売される予定だった新サウンドトラックCDが、コロナ禍で有耶無耶になってしまった悲しい事件から5年──。ようやく念願の商品化が実現しました!

 

 

世にも妙な物語 35th anniversary

オリジナルサウンドトラック

 

1992年~2024年までに作曲家・蓜島邦明さんが手掛けられた約1300曲もの楽曲の中から、御本人が選び抜いてリマスタリングした44曲+35周年用に新録音したテーマ&ストーリーテラー+新アレンジ版のガラモン・ソングを収録した、全2枚組の計47トラック。

 

詳しい収録内容は、ポニーキャニオンの商品ページを見ていただくとして、35年ぶりとなる新サウンドトラックに相応しい圧巻のラインナップとなっています。

 

マニアにはたまらない「見たら最期」「恐竜はどこへ行ったのか?」といった90年代の旧作はもちろん、00年代の「夜汽車の男」「イマキヨさん」、10年代の「JANKEN」「ズンドコベロンチョ(リメイク版)」など各年代のファンも感涙物の懐かしい楽曲がたっぷり。あの「恋の記憶、止まらないで」や「友引村」の劇中歌なんかも入っています。

 

 

個人的には、初期のガラモンソングやストーリーテラーの各バージョン違いなんかも聞きたかったですが、今回は収録されず。91年以前の楽曲はマスター自体が現存してないのか、蓜島さんご自身が「ある時期の楽曲は音が気に入らないので収録をやめた」とおっしゃっているので、それに当てはまっていたのか……。

 

また、本CDは蓜島さん側からの働きかけによって実現したらしいためか、氏以外の方が作曲された「BLACK ROOM」「ママ新発売!」「Be Silent」「美女缶」などの楽曲も未収録。さらに版権の問題で、劇場版関連も収録できなかったそう。

 

この辺りは今後の続盤に期待したい所ですが、そのためにはしっかりした売上実績を積んでおかなければなりません。なんせまだ未収録曲が1200曲以上も残っている訳ですからね。なので、奇妙な世界を愛する皆様には、是非ともお買い求め頂ければと。この手のCDは廃盤になるのも早いですからね。

 

お金に余裕のある古参の皆様も、余裕がないけど気になっている若い方も、どうぞ一家に一枚、奇妙な銀盤を。

 

……以上、勝手に宣伝でした。

35周年SP 秋の特別編 見どころ

現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~来年8/31まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

(※ 9/1追記) 戴いた投票データを誤って削除してしまった事が判明しました。

既にご協力戴いていた皆様に深くお詫びするとともに、以下の新フォームより改めての回答をお願いいたします。

 

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史上初の傑作選SP『伝説の名作 一夜限りの復活編』から約5ヶ月。奇妙なお祭りの後半戦、『35周年SP 秋の特別編』の放送が発表されました。

 

しかも今回は、およそ1年ぶりとなる新作3本に加え、傑作選1本を加えた史上初の特別編成。新作が見たかったファンも、別な旧作を見たかったファンも、一石二鳥で楽しめる特別な回になること間違いなし。

 

そんなわけで、35周年というアニバーサリーイヤーを締めくくるSP回のスタッフ&キャストデータ、そして個人的な見どころポイントなどを一挙ご紹介して参ります!

 

※ 10/30 時点までに判明している情報に基づいており、今後も詳細の発表があり次第随時追加していきます。

◆ 第1話「あなた博物館」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:原野吉弘《 2 》

【主な代表作】『ガラピコぷ〜』『婚活1000本ノック』『ギークス/GEEKS』など

【主な奇妙作】『第1回田中家父親オーディション(2024)』

 

演出:植田泰史《 33 》

【主な代表作】ワンダフルライフ』『新宿セブン』『ばらかもん』など

【主な奇妙作】『声を聞かせて(2002)』『イマキヨさん(2006)』『JANKEN(2011)』『ああ祖国よ(2024)』など

 

主演:川口春奈《 初 》

【主な代表作】夫のカノジョ』『silent』『アンサンブル』など

【 注目ポイント 】

★『Silent』の人気女優・川口春奈が番組初主演 !

ご本人によれば「没入して見てもらえるといいなと」「35周年というアニバーサリーなので、たくさんの方に届いてご覧いただけたら嬉しいです」とのこと。

◆ 第2話「七階闘争」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:三崎亜記《 初 》

【主な代表作】『となり町戦争』『失われた町』『鼓笛隊の襲来』など

 

脚本:相馬光《 5 》

【主な代表作】『教祖のムスメ』『オクトー 〜ふたつの家族〜』『院内警察』など

【主な奇妙作】『成る(2021)』『何だかんだ銀座(2022)』『ああ祖国よ(2024)』など

 

演出:アベラヒデノブ《 初 》

【主な代表作】『ムショぼけ』『量産型リコ』『いつか、ヒーロー』など

 

主演:伊藤淳史《 3 》

【主な代表作】電車男』『チーム・バチスタ』シリーズなど

【主な奇妙作】『リプレイ(2006)』『理想のスキヤキ(2009)』

【 注目ポイント 】

★原作は小説すばる新人賞作家 三崎亜記による同名短編 !

映画化もされた「となり町戦争」で知られる三崎亜記が番組初登場。原作は『廃墟建築士』に収録。

 

伊藤淳史が『理想のスキヤキ』以来、16年ぶりの番組出演 !

ご本人によれば「(番組への出演は)とても大切なポジションというか、大きな存在」「不思議さと奇妙さを持つ作品になっていて、これぞ『世にも奇妙な物語』」とのこと。

◆ 第3話「止まらなければ生きられないゲーム」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:JU JIN (チュ・ジン)《 初 》

【主な代表作】『チャン・オクチョン』など

 

演出:土方政人《 23 》

【主な代表作】ショムニ』『Ns'あおい』『SUITS/スーツ』など

【主な奇妙作】『思い出を売る男(1994)』『黄色が恐い(1998)』『Be Silent(2004)』『追憶の洋館(2024)』など

 

主演:山田涼介《 初 》

【主な代表作】左目探偵EYE』『カインとアベル』『ビリオン×スクール』など

【 注目ポイント 】

★番組史上初となる韓国の制作会社との共同開発ストーリー !

「赤い袖先」「ハートビート」などの韓流ドラマを生み出した制作会社WEMADとタッグを組んだ1本。海外の制作会社が番組に携わるのは、35年の歴史上初の試み。

 

★人気アイドルグループ、Hey!Say!JUMPの山田涼介が番組初主演 !

ご本人によれば「『世にも』の不思議な空気感に飛び込めて嬉しかった」「『世にも』の中でも、ストレートでわかりやすい。誰でも楽しめるタイプの作品」とのこと。

◆ 第4話「ハッピーバースデー・ツー・マイホーム」(再)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:君塚良一《 10 》

【主な代表作】『ずっとあなたが好きだった』『踊る大捜査線』『教場』など

【主な奇妙作】『さよなら6年2組(1991)』『急患(1991)』『携帯忠臣蔵(2000)』『あけてくれ(2004)』など

 

演出:落合正幸《 36 》

【主な代表作】沙粧妙子-最後の事件-』『パラサイト・イヴ』『感染』『春の呪い』など

【主な奇妙作】『ミッドナイトコール(1990)』『急患(1991)』『扉の先(1997)』『雪山(2000)』『ヘイトウイルス(2012)』など

 

主演:役所広司《 1 》

【主な代表作】武田信玄』『Shall we ダンス?』『THE 有頂天ホテル』など

【 注目ポイント 】

★『'91冬の特別編(12月)』にて放送された名作が一夜限りの復活!

今回唯一の傑作枠に選ばれたのは、『待合室』『急患』『モルモット』などを生み出した君塚×落合コンビの隠れた一品。TV放送は2000年の傑作選以来、実に25年ぶり。未ソフト化&未配信の貴重な1本です。

◆ プロデューサー陣

※ どのストーリーを映像化するか、誰をキャスティングするか、回全体のコンセプト・テーマ決めなど、担当者によって新作SPのクオリティが左右される超重要ポジションです ※

【 編成企画 (フジテレビ) 】(名前横は番組参加回数)

・狩野雄太《 15 》

【主な代表作】『全力!脱力タイムズ』『デート ~恋とはどんなものかしら~』『Dr.アシュラ』など

【主な奇妙作】『人気番組競演編(協力P)』『'17春~'23夏』

 

・江花松樹《 初 》

【主な代表作】デジモンアドベンチャー:』『うちの弁護士は手がかかる』『問題物件』など

 

【 プロデュース (共同テレビ) 】(名前横は番組参加回数)

中村亮太《 15 》

【主な代表作】『その着せ替え人形は恋をする』『院内警察』など

【主な奇妙作】『'12秋(P補)』『'16秋(P補)『'18春~'19雨』『'20夏~'23秋』『一夜限りの特別編』

 

・歌谷康祐《 初 》

【主な代表作】『帰らないおじさん』『その着せ替え人形は恋をする』など

◆ 雑感

今回の特別編で私が特に注目しているのは…… 

 

・奇妙な設定×外部の制作会社のディレクターを招いて制作された『七階闘争』

・史上初の日韓合作脚本による『止まらなければ生きられないゲーム』

 

以上2作品。

 

 

5月のオール傑作選SPを経て、ようやく新作がお目見えすることなった今回。恐らくフジテレビ問題の影響による予算削減のためか、1枠を傑作選で埋める苦肉の策を用いたSPではありますが……そんな状況に反して、制作側の反骨精神が余計に発揮されているのが実に頼もしいなと。

 

まず何と言っても、韓国の制作会社と脚本を共同開発したという『止まらなければ生きられないゲーム』。「世にも」と韓国の関係性でいうと、これまで2004年のリメイク特番(2回)、あちらのWeb漫画を映像化した「妻の記憶」(2017年)などがありましたが、ここへ来て脚本の共同開発まで行うことになるとは、非常に驚き。

 

世界中を席巻している韓流コンテンツの色を新たに加える事で、「世にも」に新しい風を吹かせられるのか。それとも、海を挟んだ2国間でのやり取りの中で『奇妙』の認識にズレが出て大失敗してしまうのか。どのような結果をもたらすかはあまりに未知数ですが、20年代後半に向けての番組にとって偉大な1歩になるかもしれない意欲作。大いに期待したいところ!

 

また『七階闘争』では、新進気鋭の制作会社『BABEL LABEL』所属のアベラヒデノブ監督を招いており、昨年の「CITY LIVES」同様、外部ディレクター枠を設けたのも、挑戦的で◎。

 

さらにさらに、今回の傑作選枠に選ばれたのがあの『ハッピーバースデー・ツー・マイホーム』(1991年)だというんですから、攻めの姿勢は留まるところを知らず。

 

前回同様2015年の一般投票ランキングから選出されるか、手堅く人気作をチョイスするのだろうと思っていましたが、蓋を開ければ知る人ぞ知るレベルのマイナー作品を持ってくるんですからね。世界中の世にもマニアを集めても、誰ひとり当てられなかったのでは……。

 

もちろん、そんな作品をあえて持ってくるからには、クオリティは折り紙付き。「急患」「雪山」など、ホラーやブラックのイメージが強い落合監督でありますが、こういう路線も良い仕事をされるんだよと、若いフリークの皆さんにも知って頂きたいですね。

 

 

というわけで、この厳しい状況下でも攻めの姿勢を見せつけている心強さも加味して、今回の個人的な期待度は★★★★。一見、ごちゃごちゃしてるラインナップではあるものの、安心の大ベテラン・植田監督作を1枠入れて全体の重心をしっかり安定させているのが、実に心憎い。これは、いよいよ来てしまうんじゃないでしょうか…(?)

 

35周年のアニバーサリーイヤー後半戦かつ、20年代後半へ向けての助走となる今回の特別編。大人も子供もおねーさんもおにーさんも、ここからまた新たに番組が進化していくその瞬間を、しかとその目に焼き付けちゃいましょう。

 

『35周年SP 秋の特別編』は、2025年11月8日 (土) 夜9時放送です。どうぞお見逃し無く!

 

 

なお今回はちゃんとリアルタイム配信も実施されるようなので、前回涙を飲んだファンの皆様もどうかご安心いただければ。一方で、見逃し配信があるかはまだ不明ですが、あったとしても、先日の『ほん怖』のように旧作部分がカットされる可能性もあるので、不安な方は録画の手配をくれぐれもお忘れなきよう。

35周年SP 伝説の名作 一夜限りの復活編 感想

現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~来年6/30まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

(※ 9/1追記) 戴いた投票データを誤って削除してしまった事が判明しました。

ご協力戴いた皆様にお詫びするとともに、以下の新フォームより改めての回答をお願いいたします。

 

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35年の歴史上初となるプライムタイムでの傑作選SP『伝説の名作 一夜限りの復活編』の放送が無事終了。

 

今回はフジテレビ問題の影響による緊急措置的な企画ではありますが、ただでさえ再放送が困難なこの番組でこうした取り組みを行ってくれた事は、ただただ感謝の一言。この吉報を聞いて、ウン年ぶりに番組を見たという元ファンの方もきっと多かったのでは。

 

そんなスペシャルな一夜となった今回。タイトルは便宜上"感想"としていますが、既に何度も見ている作品群なこともあり、まっさらな感想を書くというのが難しいため、『2025年の今、改めて過去の名作を見ての雑感』といった形式でお送りさせて頂きます。

 

(※一部ネタバレしているので、お読みになる際はご注意ください)

「BLACK ROOM」('01 SMAPの特別編)

一発目は、歴代コメディ作品の中ではダントツと言っていいほどの人気を誇る「BLACK ROOM」。2015年の公式投票では第9位SMAP解散前となる2016年以来、実に9年ぶりの再放送です。

 

本作はファンの間でも好き嫌いが極端に分かれているタイプの作品ですが、私はこういうシュール系の笑いが大好きなので、これが令和の地上波で流れるという事実だけで大満足。SNSを見る限り、今の若年層にもそこそこ受けているようでホッと一安心ですが、今の地上波じゃ聞かない"ブス"という単語に、ドキッとする自分がいたのが何だか不思議な気分。24年前もやはり昔ということなのですね。

 

一方で『1話目に持ってくる話じゃないだろ!(^^;)』というのも率直な気持ち。前菜の段階でこんな味もクセも濃い物を出してくるなんて、フルコースとして完全に破綻してる気がしますが、それでも面白いんだからしょうがありません。

 

最近はとにかく『シュールな世界観+王道展開=ギャップ笑いを誘うタイプのコメディ』が乱発されている節がありますし、本作のような新しい奇妙コメディをまた生み出して欲しいもの。

「夜汽車の男」('02春の特別編)

2本目は「孤独のグルメ」を手掛けた久住昌之原作によるこれまた奇妙な1本。本作もこれまた人気が非常に高い作品でして、これを歴代ベストワンに挙げる人も数多く存在するほど。公式投票では第11位、地上波では23年ぶりの放送になります。

 

さて、「孤独のグルメ」に代表されるように、ひとりグルメ物は今や非常にメジャーな存在になっていますが、その辺に馴染みのなかった当時の世にもファンに本作が与えた衝撃は本当に大きいものでした。

 

最も画期的だったのは、とにかく『これまでにない新たな奇妙のジャンルを提示したこと』、これに尽きます。主人公が行うのは、弁当を最大限堪能する方法をあれこれ考えているだけ。コメディともシュールとも形容できないものの、ただ奇妙だとしか言いようのない内容。それなのにこの面白さ、このインパクト。あえてこれに目を付けた当時のスタッフのセンスがいかに尖っていたか……。未だに弁当を食べる時本作が頭に過ってしまうなんて方も多いのでは。

 

 

ただ1本目同様に『これも2本目に持ってくる話じゃないだろ!(笑)』と。初手はホラーやブラック物で掴んでおいて、この手の話は3~4話目に持ってくるのが定石ですが、いくらなんでも並びが通好みすぎやしませんかね…(^^;)。いや、そういうの好きですけれど。

 

SNS上では『これのどこが名作なの?』という声も割と散見されたように、本作もなかなか人を選ぶ作品。私のある知人も本作の面白さが全然わからなかったらしく、『世間じゃ、イカリングだと思ったらオニオンリングだったという事がそんなに衝撃的なのか?』と聞いてきたことが。ま、わからない人にはとことんわからない作風でしょう。

 

また、『ただの孤独のグルメじゃないか』という声も見受けられ、当時の衝撃をこの令和の時代に感じるのはなかなか難しくなっているのも現実だなと。斬新な作品が多方面に影響を与えすぎた挙げ句、現代では陳腐化してしまう……そう、本作はまさに映画『市民ケーン』のような存在でもあるのだ!……と言ったらさすがに大袈裟すぎでしょうかね。

 

 

あと放送中にSNSでの指摘で知りましたが、主人公の後ろのポスターに『珠根木(タマネギ)大学』の文字が。こんな伏線(?)が隠されていたとは、何度も見ていたはずの私もビックリ。いやぁ~過去の名作もまだまだ深堀りが必要なようです!

「ロッカー」('90 第1シリーズ)

本作唯一となるレギュラー回&90年代から選出されたのは、第4話という超初期作品「ロッカー」。過去「ベビーシッター」「言葉のない部屋」などを手掛けた制作会社KANOXによる他社版権作品となっており、公式投票では第14位。フジテレビに限れば、実に30数年ぶりの地上波放送となります。

 

さて、古くからの世にもフリークなら皆大好きであろう本作。私も例に漏れずお気に入りの1本ですが、何より令和の小学生たちが『ロッカー』を見てしまうという事実だけで嬉しさも百倍。古き良き『世にも』の洗礼はいくらでも子供たちに浴びせて欲しいものですよね(?)。本放送には無いラストのロゴが付け加えられてるのも、マニア的にはニヤリポイント。

 

一方、込み入ったシナリオが中心の近作と比べると、当時ならではの大味さも目立ち、『現場検証中に勝手に運んでいいの?』『潰したら血が出るから気づくでしょ?』というツッコミどころも当然存在しています。

 

が、それをほぼ気にさせないテンポの良さ、最後まで気を抜かないブラックな演出、そして心にず~んと残る苦い余韻……これぞ『世にも妙な物語』の真髄と呼べる力強いパワーが今なお健在であることも改めて実感。どうか、この魅力に取り憑かれてしまった未来の世にもファンが生まれている事を切に祈ります。

 

 

ちなみに、本作に関して公式側から『長年再放送が望まれていたものの、権利上の問題で封印されてきました』というコメントが出されていましたが、これに疑問を持ったファンの方も多かったのでは。

 

というのも、本作は25年以上前から各地のローカル局で流され続けており、直近では4年前にも千葉と神奈川で再放送されている定番作。CSでも過去2011~2012年、2014~2016年に放送されています。

 

SNSでは『権利上の問題とは劇中に流れる「スリラー」のことだ』という話も出ていましたが、ソフト化ならともかく、CSや地上波ではBGM関連は障壁にならないためこれは間違い。実は今回の放送の裏では、かなり深刻な問題が発生しており、スタッフは相当苦労していたのです。

 

なんと、地上波で最後に「ロッカー」が放送されてからこの4年の間に、「ロッカー」を制作したKANOX作品の権利者が所在不明になっていた様なのです。(※会社そのものは2010年に解散)

 

その事がわかったのは、今年4月に制作元の共同テレビが出した『「ロッカー」回の権利者捜索広告』。現時点でも広告の掲載が続けられているので、どうやら未だ権利者は見つかっていない様子。

 

では、どうして今回再放送できたのかというと、恐らく文化庁の『著作権者不明等の場合の裁定制度』によるものかなと。

この制度は、権利者がわからなくなった著作物を利用したい場合、文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料に見合った供託金を支払えば、そのコンテンツを合法的に使用する事ができるというもの。(※後に権利者が見つかれば供託金が相手に支払われます)


申請には前述の広告を出すことが条件に入っているため、制度利用を前提にした出稿であったのは間違いないでしょう。そう考えると、公式サイトに掲載された高丸プロデューサーのコメントの味わいが、より深みを増すというもの。

 

プロデューサー:髙丸雅隆

「“ロッカー”を今回放送するにあたり、権利者を探したところ、奇妙な世界に迷い込みそうになりましたが、なんとか皆様にお届けできることになりました」

 

いやぁ、たった1作の再放送のために、本当に頭が下がる思い。今後のためにもどうか権利者が見つかりますように。

 

もし、権利者に心当たりのある方がいらっしゃいましたら、どうか共同テレビさんへご一報を!

「美女缶」('05春の特別編)

第4話目は、2003年にゆうばり国際映画祭でグランプリを獲得した同名の自主制作映画をセルフリメイクした奇妙なロマンティックストーリー『美女缶』。公式投票では第10位。フジテレビに限れば、9年ぶりの地上波放送となります。

 

本作は、2000年代に多感な時期を過ごした現在30代辺りのファンの間では特に人気が高い1編。当時の特別編では20%超えの最高視聴率を記録。放送後には原作DVDが即完し、小説本の発売も決定。現在新作前に行われている傑作選では過去3回も選出されるなど、ゼロ年代を代表する名作のひとつとなっています。

 

放送当時は、なんてオシャレな映像なんだと感動したものですが、今回改めて見返してみると、「あぁ…2000年代半ばってこんな感じだったよな…」と本編に関係ない所で妙にしみじみ。さらに「そういえば、パスタに粉チーズを使う時、いつもこのシーンが頭に過ってたな…」という事さえ思い出し、2倍しみじみ……(笑)。

 

ストーリー面で言えば、主人公周りだけでなく、その彼女である春子の方にも感情移入してしまっている私が。そっちの視点で見ると、序盤からもう既にツラいツラい…(T_T)。結局これって寂しい人々の物語なのだなと。

 

そして、秒針の音が流れて暗転するという心に残るラストは、20年経っても未だ秀逸。やはり世にもの醍醐味は、こういう胸に残る余韻にありますよね。果たして、その後二人はどうなったのか。当時から様々な説が出ていますが、台本の最後には『サキの瞳の中の雄太は存在感がなく、今にも消えてしまいそうだ』とあるので、恐らくは──。

 

 

ちなみに本作は未DVD化ですが、FODにて視聴する事が可能となっています。見逃してしまい「せめて美女缶だけでも見たかった!」という方、ぜひ加入をご検討ください。

「恋の記憶、止まらないで」('19秋の特別編)

今回のラインナップの中では比較的新しい、6年前の近作。フジに限れば地上波放送は2年ぶり、FODでも配信中という比較的アクセスの容易な作品でありながら、2010年代のホラーの中では早くもネット上で伝説化している1本です。

 

改めて見ると、やっぱりシナリオが秀逸。私は『呪い』や『怪異』が前面に出るタイプの王道系世にもホラーはさほど好みではないのですが、番組のカラーと見事に調和させているこの妙味が本当に素晴らしいですね。

 

そして「最近は面白くないでしょ」と揶揄されつつも、こういう傑作が突然ポンと生まれるこの瞬間こそがファンとして至福の時だよなぁと改めて。今後もホラーやブラック物の傑作・迷作の誕生を心待ちにしています!

全体を振り返って

放送35周年目にして、初めて全国放送されたこの傑作選SP。

一見お手軽な作りでありながら、過去のOPをコラージュした特別版OPに始まり、故・大杉漣さんへのメッセージ、フルコースに例えながら各名作を引き立てていた新撮のテラーパートなど、細部までこだわった作りで非常に満足。

 

……しかし、わかっていても提供スポンサーが前回の24社からたった1社にまで激減しているのは、なかなかゾッとするものがありました(^^;)。信頼回復どうか頼みます。

 

 

ところで、今回いつもと違っていた"ある点"にお気づきの方はいましたでしょうか。実は本SPで流れていたテーマ曲『ガラモン・ソング』は、何とこのために再録音された新バージョンだったのです

 

しかも、当時テーマ曲の演奏に使った機材やソフトをそのまま用いているという、非常にマニアックな作り。

 

 

ただ、この件に関して何故か公式側がダンマリ状態なのが気になりますが、5年前に頓挫したサントラ再企画の布石だと思って、密かに期待しています。

 

 

……さて、無事放送を終えた今、恐らくファンの大半が思う事はただひとつでしょう。『いやいや、5話じゃとても足りないよ!』と。それもそのはず、これまで放送された577話の中には、多くの世にもファンが愛してやまない名作の数々が大量に眠っているのですからね。

 

SNSでは『何故この5本なのか』『人気タレントへの忖度で選ばれただけでは』という声も結構出ていましたが、恐らく今回の選出の際に参考資料として活用されたと思われるのが、2015年に番組が行った人気投票企画

 

2019年の『恋の記憶』以外の4本は、全てこのTOP15内にランクインしており、当時ネットが荒れに荒れる原因となった一部の組織票作品や、リメイク化された「ズンドコベロンチョ」「ハイ・ヌーン」などを除外した上での選出だったのかなと。

 

そう考えると、選出作品よりも上位だった人気作「懲役30日」は、恐らくコンプラ的側面から外されてしまったのだろうな、という大人の事情がぷんぷんと…(^^;)。(※その代わりなのか、放送前に行われたファンイベントにて上映)

 

ほか、人気作の「雪山」も映画版という事で枠違いでしょうし、私のマイベストワン「23分間の奇跡」も、版権料が相当エグいと聞く海外原作のため撃沈した様子。となると、女性主演作でめぼしいのは91年の「峠の茶屋」くらいなので、尺的に近年の人気作「恋の記憶~」の方に軍配が上がったという感じでしょうか。10年越しにこんな伏線回収の仕方があったんですね(^^;)

 

それでも『この選出はやはり納得できない!』という、世にも愛に満ち溢れた方。その気持ち、よ~くわかります。優れた名作・珍作の数々、もっと見たいですよね? 

 

ですが、過去このブログでも再三申し上げているように、この『世にも妙な物語』という番組は、20社近い企業によるバラバラな版権管理体制、膨大な数の出演者や脚本家・原作者など、複雑な事情が幾重にも絡み合っている厄介なコンテンツ。今回見逃し配信が出来なかったのも、全てはここが原因。

 

とはいえ、過去には(全てではありませんが)CSで一挙放送が行われた事もあり、完全に蔵出し不可能という訳ではありません。お金や手間が普通のドラマの何倍もかかるから、フジテレビの腰がとにかく重いだけなんです!!

 

では、どうすればその重い腰を上げられるのか。答えは簡単。それだけのお金と手間をかけてでも過去作に需要があると思ってもらうこと。なら、どうすれば思ってもらえるのか。

 

 

↓公式にリクエストを送ってください!↓

 

www.fujitv.co.jp

 

配信化・再放送・DVD化・今回のような傑作選の続編、何でも構いません。過去作に最も注目が集まっているこのタイミングが一番の好機。これを逃せば、また十数年先まで待たなければいけないかもしれません。

 

『リクエストなんて、実際そんなに効果ないでしょ~?』と思っている方。確かに100%の保証はありません。ですが、テレビ離れの激しい昨今……普段大して集まらない番組サイトへのメッセージに多くの声が集まるというのは、上層部への大きな説得材料になるそうです。

 

少し違った例を挙げてみると、昨今CMタイミングが改悪されている不満を、とあるファンの方が番組宛てに送った所、翌週フジテレビによる批評番組内で取り上げられたことが。それから約5ヶ月後の今回……(スポンサーがほぼいないことを差し引いても)わりと改善されていませんでした? そう、意外とスタッフさん、しっかり見てるようです

 

実際、23日に行われたファンイベントに参加された方の話でも、番組プロデューサーさんの口から『視聴者の皆さんにできることは、見る事と(配信)希望の投書』という発言が出たそうで、番組側としても視聴者の声による後押しというのはかなりの強みになるみたいです。

 

 

↓なので、どうか送ってください!↓

 

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……はい、私にはわかっています。「なるほど、確かにな!」と思っているのに、結局送らない人が大勢いることを。これまで私は嫌と言うほど痛感しているんです。

 

昔、あれだけみんな新作のDVD化を熱望していたのに、売上不振で2013年にリリースが打ち切られてから初めて『実はいつでも買えると思って、全然買ってませんでした…』と告白される方が結構いたんです。番組愛の深い常連さんたちですら、俗に言う『誰も◯◯していないのである!』状態に陥るのです。それほど人間はいい加減な生き物なのです。

 

今回の「ロッカー」の事例を見ればわかるように、今後いつまた他社の版権が宙に浮いてしまったり、不幸な火事や災害でマスターテープが失われたり、出演者がとんでもない不祥事を起こして作品が闇に葬られないとも限りません。ここから先は本当に時間との闘いです。

 

 

↓だから今すぐ送ってください!↓

 

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……いいですか?送りましたか?送りましたね?

文章が苦手な方は「他の名作5選も見たい」だけでもいいですから、是非送ってください。

 

この期に及んでまだ「動画サイトとかなら全部好きなだけ見れるでしょ」と思っている方、現実を見ましょう。そんな夢のような動画サイトはこの世に存在していません。(私は全話所有しているので、そもそも動画サイトでは見てませんが)

 

聞いた話では、20年近く経っても未だにYoutubeにアップロードされたことのない作品が結構あるとか。違法アップロードの定番みたいな番組だというのにです。海外のマニア達も十数年近く大捜索しているみたいですが、ネットで全話をコンプリートできたという方を見かけた事は未だ皆無。

 

いいかげん観念しましょう。この番組はそんなヤワな相手ではないのです。

 

 

↓なのでもう1回貼っておきます!↓

 

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……はい。というわけで。今後さらなる「世にも奇妙な物語」ファンを増やすためにも、死蔵されている作品を明るい所へ出してあげるためにも、ご協力いただければ幸いです。

過去作へのアクセス手段が充実することで、よりコアなファンも生まれやすくなり、それにより新作への熱も増していく訳で。今後の歴史を歩む新旧の両輪をこの機会に揃わせましょう。

 

 

では話を戻して、まとめに入ります。

今回の傑作選で私が特にグッと来たのは一番最後のエピローグ。まだまだ『世にも』を続けていくぞという決意表明が前面に出ている内容で、ファンとしてはかなりのナミダもの。

 

しかも今回あえて「一夜限り」と銘打ち、「厳しそうならまた傑作選で…」という逃げ道を自ら塞ぎ、テラーに新作での再会を予告させてしまうこの姿勢。だから「世にもって大好きなんだよなぁ!」と感激せずにはいられません。(本当に厳しければ傑作選でも全然ウェルカムですが(^^;))

 

TV業界が苦境に立たされ、番組予算が削減され続ける中、かつてのような5話構成ですら難しくなっている現在。それでも、毎年2回『世にも』が放送されることが、どれだけ貴重でありがたいことか。

 

2000年頃からでしょうか。ネット上で「もう潔く終わらせたほうがいい」という声を見かけるようになったのは。けれど、もしその通り終わっていたとしたら、今回取り上げられた名作の多くは誕生していなかったわけで。

 

私自身が“暗黒期”と捉えている2010〜2012年前半の作品群でさえ、当時子供だった人々により、心に残る名作として語られるケースを目にする事が増えてきました。そして現在もなお、小学生にまでその名が知られ、親しまれているというこの事実。

 

35年前の初回放送時点で「深夜の頃は面白かったのに、流行りの有名人ばかり使うようになって…」と今とさほど変わらない批判を受けてきた番組ですから、これからも新作への批判が絶えることはないでしょう。しかし、番組が続いているからこそ得られる“強み”もまた、絶えず存在し続けることでしょう。

 

この先も毀誉褒貶激しい中、時代時代に現れる奇妙な物語を泥臭く生み出し続け、数年後ふと振り返ってみたら「案外この話も悪くなかったな…」と思える。そんな形こそが「世にも」にとってのあるべき姿なのだろうなと、改めて思うのでした。

 

 

最後に『世にも妙な物語』35周年本当におめでとうございます。これまでの出演者、スタッフの皆さんに多大なる感謝を。そして──

 

「コアな人たちが見てるんですけども、その人たちのおかげで35周年、本当に続けられることができたことは感謝いたしております。これからもますます番組を続けていく予定ですので、今後ともよろしくお願いします」

(『35周年記念ファンイベントにて。タモリによるビデオメッセージより)

 

ストーリーテラーも言うように、我々世にもファンもこの35年の歴史に携わってきた大切な一員。まだまだ続く『世にも妙な物語』の未来を、今後も応援し、見守り続けていきましょう!

 

 

↓そしてリクエストもお忘れなく!↓

 

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ではまた次回、予告通り"新作"の特別編で。

 


 

★《お知らせ》★

 

現在、フジテレビe!ショップにて35周年記念のオフィシャルグッズが販売中。

番組ロゴのアクリルキーホルダーや、ステッカー、さらには初代OPやEDだけでなく「ロッカー」「夜汽車の男」のワンシーンがプリントされたTシャツまで、奇妙なアイテムの数々が揃っています。

 

 

リクエストも勿論ですが、こちらも売上によっては今後さらなる商品展開に繋がるかもしれません。既にアクリルキーホルダーとOPバージョンのTシャツは初回生産分が完売し、早くも追加生産が行われている模様。いつ品切れになるかわからないため、欲しい方はどうぞお早めに。

 

部屋着に、カバンに、持ち物に……あなたの日常にぜひ奇妙な彩りを添えてみませんか。

リクエストの件同様に、動くなら今です!

 

 

↓販売ページはこちら↓

eshop.fujitv.co.jp

35周年SP 伝説の名作 一夜限りの復活編 見どころ

現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~6/30まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

docs.google.com

 


 

35周年のアニバーサリーイヤーが、大変なことになっています。

 

前回『'24冬の特別編』の放送から1ヶ月も経たぬうちに発生した『フジテレビ社員と中居正広氏にまつわる性加害問題』。事件の余波は社長交代・役員総入れ替えに留まらず、多くのスポンサー離れを引き起こし、HD全体で前年度の最終的な損益は201億の大赤字。

 

そこから毎年恒例となっている『27時間テレビ』『FNS歌謡祭・春』などの放送中止が相次いで発表され、各番組の予算も大幅削減。さらにロケ地等の撮影協力も次々に拒否されて現場も大混乱という内情が、様々なニュース記事から漏れ聞こえてくる始末。

 

このような状況下で『「世にも妙な物語」の放送は大丈夫か?』と心配していたファンの方もきっと多かったはず。私も2月頃には番組の放送休止をほぼほぼ覚悟し、「35周年なのに…(T_T)」とすっかり意気消沈しておりました。

 

が。不幸中の幸いだったのは、この年が35周年という記念すべき年であったこと。かつて東日本大震災もコロナ禍も乗り越えてきた我らが世にもスタッフにとっては、社の危機すらも何のその──

 

 

なんと『番組史上初となるゴールデンタイムの傑作選SP』という荒業を繰り出して参りました。

 

ラインナップは、(2015年の視聴者投票リメイクが荒れに荒れたこともあってか)ストーリーテラータモリ自身が選んだ名作5本立てという、これまた今までにない試み。もちろんただ5本を垂れ流すだけではなく、このためだけに撮り下ろした特別なテラーパートが付け加えられています。

 

さらにさらに。5月23日には2000年の『世にも奇妙な2NIGHT』以来25年ぶりとなる、レジェンドスタッフ登壇によるトーク付き上映会の開催(抽選100名)&35周年限定グッズの販売も発表。

「苦しい状況であっても、めいっぱい番組35周年を祝ってやるぞ!」というスタッフの意欲がひしひしと感じられ、古くからのファンの私としては、ただただ感謝感激雨あられ…(T_T)。だから世にもって大好きなんです、はい。

 

 

ということで今回新作の放送はありませんが、またとない貴重なSPということで、全世界老若男女のファンの皆様の一助になることを願い、テラーの選んだ5本の名作にまつわるスタッフ&キャストデータ、そして個人的な見どころポイントなどを一挙ご紹介して参ります!

 

※ 5/22 時点までに判明している情報に基づいており、今後も詳細の発表があり次第随時追加していきます。

◆ 第1話「ロッカー」(第1シリーズ (1990年))

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:橋本以蔵《 1 》

【主な代表作】スケバン刑事』『君の瞳をタイホする!』『AKIRA』など

 

演出:瀧川治水《 3 》

【主な代表作】『怪談 KWAIDAN』『リング(TV版)』など

【主な奇妙作】『ともだち(1991)』『水を飲む男(1992)』

 

主演:織田裕二《 1 》

【主な代表作】東京ラブストーリー』『振り返れば奴がいる』『踊る大捜査線』『SUITS』など

【 解説 】

今回唯一となる90年代のエピソードから選ばれたのは、第1シリーズ放送開始間もない、第2回放送の『ロッカー』。今なおトラウマ作品との呼び声の高い1編で、織田裕二が「東京ラブストーリー」でブレイクする前年の貴重な出演作品となっています。

 

脚本は「スケバン刑事」や「君の瞳をタイホする!」実写版「漂流教室」などを手掛けた橋本以蔵。ホラーマニアには、あの『ギニーピッグ』シリーズの1本として作られたカルトホラー『LSD -ラッキースカイダイアモンド-』のクリエイターとしても知られているでしょうか。

 

ちなみに本作は「ベビーシッター」「海亀のスープ」「言葉のない部屋」などに携わったKANOX制作による、今回唯一の他社版権作品。番宣CM中に出てくる歴代タイトルリストには自社版権分しか載せていなかったのでやや心配していましたが、個人的には「よくぞやってくれた!」と拍手を送りたいです。

 

そんなこんなで実現した今回の貴重な再放送。初期作品ならではのテンポの良さとキレのあるオチ、そしていつまでも残る染みのような、どろりとした余韻が一体となった名作中の名作です。どうぞお楽しみください。

◆ 第2話「BLACK ROOM」(SMAPの特別編 (2001))

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本&監督:石井克人《 2 》

【主な代表作】鮫肌男と桃尻女』『山のあなた〜徳市の恋〜』『1本満足バー(CM)』など

【主な奇妙作】『水を預かる(2013)』

 

主演:木村拓哉《 4 》

【主な代表作】ロングバケーション』『HERO』『教場』など

【主な奇妙作】『言葉のない部屋(1992)』『トイレの落書(1995)』『パパラッチ(1999)』

【 解説 】

歴代「世にも」コメディ作品の中ではダントツと言っていいほど人気の高い1編。

脚本・演出は、シュールな作風で知られ、『1本満足バー』『ストロングゼロ』『アレグラ』などインパクトの強いCMも数多く手掛ける石井克人監督。

 

今回の中では唯一ソフト化されている作品ですが、その面白さは放送から24年たった今でも折り紙付き。まだ未見の人は、できるだけ情報を遮断してご覧いただければ。奇妙かつ笑撃のジェットコースターの如きこの物語は、きっとあなたの人生でいつまでも忘れられない1本になることでしょう。

◆ 第3話「夜汽車の男」('02春の特別編)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:泉昌之《 3 》

【主な代表作】『かっこいいスキヤキ』『ダンドリくん 』『食の軍師』など

【主な奇妙作】『理想のスキヤキ(2009)』『耳かき(2011)』

 

脚本:橋部敦子《 3 》

【主な代表作】救命病棟24時』『僕の生きる道』『僕のいた時間』『モンスター』など

【主な奇妙作】『私に似た人(1997)』『少年(2018)』

 

演出:鈴木雅之《 23 》

【主な代表作】王様のレストラン』『ショムニ』『HERO』『マスカレード・ホテル』など

【主な奇妙作】『恐怖の手触り(1990)』『ニュースおじさん(1991)』『公園デビュー(1996)』『携帯忠臣蔵(2000)』『AIRドクター(2013)』など

 

主演:大杉漣《 16 》

【主な代表作】ソナチネ』『バイプレイヤーズ』『相棒』など

【主な奇妙作】『怪我(1996)』『13番目の客(2001)』『影の国(2003)』など

【 解説 】

放送から23年を経た今なお、本作を『歴代No.1作品』に挙げる人も多い超人気作。

 

原作は「孤独のグルメ」の作者としてお馴染みの泉昌之久住昌之)。今ではすっかり定番となったこの手の食べ物系ドラマブームを大いに先どった異色作です。

 

演出は、世にもの演出家四天王の1人である鈴木雅之監督。レギュラー期には第1話「恐怖の手触り」に始まり、「猿の手様」「大予言」「目撃者」「奇遇」など数々の名作を担当。その後「王様のレストラン」「ショムニ」「HERO」などの人気作を手掛け、90年代中期以降のフジテレビドラマを支えたヒットメーカーのおひとりでもあります。

 

主演は、番組歴代最多出演(16作)の大杉漣。これまで数々の「世にも」作品で印象に残るキャラクターを演じてきた氏にとっての番組初主演作品です。

 

本作を見てしまったが最後、今後駅弁を食べる際にはこの主人公と同じ思考になってしまうかもしれない……そんな脳にこびりつくほどの強烈な『奇妙』体験を、どうぞご堪能ください。

◆ 第4話「美女缶」('05春の特別編)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作&脚本&演出:筧昌也《 2 》

【主な代表作】『ロス:タイム:ライフ』『素敵な選TAXI』『パラレル夫婦 死んだ"僕と妻"の真実』など

【主な奇妙作】『PETS(2011)』

 

主演:妻夫木聡《 2 》

【主な代表作】オレンジデイズ』『 天地人』『Get Ready!』など

【主な奇妙作】『幸せを運ぶ眼鏡(2015)』

【 解説 】

原作は、2003年にゆうばり国際映画祭でグランプリを獲得した同名の自主制作映画。脚本監督を手掛けた筧昌也の手によりセルフリメイクされ、00年代の作品の中ではこちらも非常に人気の高い1本。

 

本作は当時非常に大きな反響をもたらしまして、'05春の中では唯一20%超えの瞬間最高視聴率を記録。放送後には原作DVDが即完。小説本の発売まで急遽決定したほか、当サイトのBBSでも絶賛されていたのを今でも覚えています。

 

シンプルなストーリーながら、細かい所まで作り込まれたロマンティックかつ奇妙な名作です。今なお語り継がれるラストの余韻含めて、どうぞお見逃し無く。

◆ 第5話「恋の記憶、止まらないで」('19秋の特別編)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:諸橋隼人《 4 》

【主な代表作】『テッパチ!』『サザエさん』『院内警察』など

【主な奇妙作】『ソロキャンプ(2019)』『しみ(2020)』『追憶の洋館(2024)』

 

演出:岩田和行《 15 》

【主な代表作】絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』『家族のうた』『笑うマトリョーシカ』など

【主な奇妙作】『自殺者リサイクル法(2009)』『ベビートークA錠(2011)』『クリスマスの怪物(2018)』

 

主演:斉藤由貴《 3 》

【主な代表作】スケバン刑事』『はね駒』『はいすくーる落書』など

【主な奇妙作】『絶対イヤ!(1990)』『出られない(1994)』

【 解説 】

6年前という、あまりにも直近の作品でありながら、早くもネット上では『伝説』級の扱いがなされているほどの10年代大ヒットホラー作品。

放送当時、SNSでは大絶賛の嵐。さらに当サイトが行った10年代後半人気投票でも、本作がぶっちぎりで1位を獲得するなど、すさまじい反響がありました。私も2010年代の作品で唯一★5評価を付けてしまったほど。

 

SNSに蔓延る辛口なフリーク達にすら「最近のでもこれなら仕方ないか…」と思わせてしまう強大なパワーを持った、まさに10年に1度出るかどうかの1本。録画を逃してしまった方、今回が最後のチャンスかもしれませんよ!どうぞお見逃しなく

◆ 雑感

そんなわけで、まさかまさかの傑作選SP。かねてからファンが夢見てきた機会が35年目にしてようやく実現するとは……長生きはするものですね。

 

 

さて、まずは今回ラインナップされた5本についての雑感ですが、率直に言えば『ジャンル・年代的に人気作を手堅く押さえてきたな!』という印象。もちろん誰もが納得の5本なんて不可能であることは理解していましたが、予想以上に頑張ったのでは。

 

とはいえ、面倒くさいマニアとしては『番組黄金期の90年代作品が、たった1本だけってどうなのよ!?』『ソフト化も配信もされてないレアな作品が見たかった…』という気持ちも正直あります(^^;)。恐らく、そういう方も一定数いることでしょう。

 

でもまあ、今回は(真偽はともかく)ストーリーテラーが選んだ5本という趣向なわけですからね。奇妙な世界のメッセンジャーである氏が決めたのならば、ファンとしては文句は一切なし。また、あまり番組の過去作に馴染みのないライト層に向けたおすすめパックとして考えれば、非常に理想的かもなと。

 

そんな中で思い返されるのが、2001年に織田裕二の負傷により撮影が中断したドラマ「ロケット・ボーイ」でのケース。放送の穴埋めに「踊る大捜査線」を再放送した所、大きな反響を受けて後の劇場版2の制作に繋がったことがあるんですよね。

今回の特別編で「世にも」の面白さが再評価されたり、若年層のファンが増えて、何かしら良い未来に繋がればいいなぁと。最近各指標も落ち込み気味ですからね。そういう意味でも今回のラインナップは肯定寄りです。

 

 

他、評価したいポイントとしては『他社版権作品(「ロッカー」)が入ったこと』。ここが行けるかどうかでだいぶ変わると思っていたので、ひとまず1本入れてくれたことに感謝したいです。(※「BLACK ROOM」も他社制作ですが、こちらは下請け扱いであるため、版権自体は共テレ持ちの模様)

 

というのも、このブログをご覧になっているような方には最早説明不要でしょうが、レギュラー期の「世にも」では、毎週様々な会社が制作を担当していたため、20近い企業が各回の版権とマスターテープをそれぞれ個別に保有しているという、非常に複雑な権利関係になっているのです。

各再放送やFODでの配信ラインナップがあまりに飛び飛びでスカスカなのは、実はこれが大きな原因のひとつ。

 

例えば、今回SNS等で見かけたリクエスト作品で言うと──

  • ズンドコベロンチョ」「半分こ」「死ぬほど好き」「ネチラタ事件」→日活
  • 「ハイ・ヌーン」「にぎやかな食卓」「奇数」「冷やす女」→東映
  • 「峠の茶屋」「三人死ぬ」→大映テレビ
  • 「言う事を聞く子」「ビデオドラッグ」→東宝
  • 「言葉のない部屋」「ベビーシッター」→KANOX
  • 「死体くさい」「歩く死体」→PDS
  • 「大注目の男」「仰げば尊し」→オフィス・トゥー・ワン
  • 「バイパスの夜」「人形」→アズバーズ
  • 「常識酒場」「トラブルカフェ」→ユニオン映画

などなど……レギュラー期全244話のうち、その約60%を占める150作の版権が外部の管轄になっているという、あまりに悩ましい状況。

 

2015年には大半のカバーを目指した公式再放送企画も行われましたが、それでも大人の事情でNGとなった回も多々。はたしてタイムマシンの実現が先か、世にもの全話再放送&DVD化が先かというレベルであることは、長年番組情報を追ってきたマニアは骨身に沁みているわけです。……いや、本当に。

 

話を戻して。そんなややこしい他社版権作品ほど「世にも」の歴史を語る上で重要なピース。なので『伝説の名作復活』を謳う以上、そこが欠ける事は絶対避けて欲しかったんですよね。

テラーが歴代ベスト1に推している「ズンドコベロンチョ」は今回ダメだった(もしくはリメイクされたのであえて省いた?)ようですが、そこへ来て超初期の名作「ロッカー」の放送。これに文句を言うフリークはまずいないのでは。この1本で伝説感がグッと増したおかげで、早くも放送が待ちきれません。

 

ということで、私の期待度、もとい今回のオススメ度は★5つ。全国放送でこんなに豪華な傑作選が見られるまたとない機会、番組を見たことない方も、久々に見る方も、いつも見ている方も、初めて見る方も、みんなが楽しめる伝説の夜になりますように。

 

 

……さて本来ならばここで筆を置く所ですが、最後にひとつ大事なお知らせを。

今回のSPは、リアルタイム、見逃し、有料配信、全て一切行われません!

 

 

こうなったのは前述の他社版権作に加え、異様なまでに旧作の使用許可を渋ることでお馴染みのSTARTO(旧:ジャニーズ事務所)タレント出演作品が含まれているせいも大きいと思われますが、これは裏を返せば『後の配信収入を投げ捨てでも選んだ、"マジ"で"ガチ"なラインナップ』であるということ。

 

会社の危機を前にして、番組35周年を迎えたスタッフが本気で贈る、本当の本当に一夜限りの奇跡の特別編。世にもを愛する皆様は必ずリアルタイム視聴、もしくは録画予約をお忘れなきよう

 

今の今まで「後でTVerで見るからいいか」「FODで見れるでしょ」と思っていたそこのあなた。このブログを読み終えたら、すぐさま行動に移りましょう。奇妙な世界では、ちょっとの油断が大きな落とし穴となるのですから──。

 

『35周年SP 伝説の名作 一夜限りの復活編』は、2025年5月31日 (土) 夜9時放送です。どうぞお見逃し無く!

'24冬の特別編 感想

現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~来年6/30まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m

 

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1996年以来、実に28年ぶりにファンの元へと帰ってきた『冬の特別編』。例年とは違ったこの奇妙な冬を、世にもファンの多くは懐かしくも新鮮な気持ちで迎えたことでしょう。

 

一介のマニアから見ましても、今回は'94春と並び歴代最多となる9人ものプロデューサー(!)が集まった超大所帯の布陣であったことに加え、翌年の35周年へとバトンを渡す20年代前半のアンカー的存在ということもあり、いつも以上に注目せざるを得ない重要回だったように思います。

 

そんな節目の回であるからこそ、今回は従来の感想記事としてお送りしたいと思うのですが、その前にひとつご報告を。以前お知らせした感想記事の雑感形式への移行は、一旦撤回させていただきたいと思います。

 

と言うのも、お知らせ後から『今後は出来が悪いと思った回だけ雑感にするということ?』『昨今の新作に失望してもう書く気が失せたということ?』といったお声をたびたび戴きまして。私の悪文&言葉足らずのせいとはいえ、この受け取られ方は非常によろしくないなと。

 

あくまで、感想記事のための準備時間が(根っからの凝り性が災いし)年々増加する一方だったことと、その負担があまりに大きくなってきたために、"自分にとって無理のないペースで感想記事を続けるための暫定措置"のつもりだったんですよね。ソフトランディングが難しいので、いっそすっぱり割り切ってしまおうと。(準備しないでやればいいだけじゃんというツッコミも当然あると思いますが、そう簡単にいかないのがマニアという生き物が抱える業なのです)。

 

とはいえ、やはりこのような中途半端な形はよからぬ誤解を招きやすいなと思ったこと、そしてそのような印象を与えてしまうのはこちらの本意ではないため、熟考の末『しばらくは従来通りの形式を継続しつつ、負担の少ないやり方を模索していく』ことに致しました。二転三転野郎で本当に申し訳ありません…(^^;)  今後何かしらの変更があった際は、またその時にお知らせできれば。

 

……というわけで、今回はなるべく準備に時間を掛けず、面倒くさいマニアの面倒くさい戯言を思う存分に垂れ流させていただきました。以下、そんな駄文にお付き合いいただける心の広い方だけ、どうぞご覧ください。(※ 評価は星5つが最高となっています)

「フリー」★★

来年1月放送の月9ドラマ『119 エマージェンシーコール』の主演を務める清野菜名を起用した今回唯一のホラー作品。

 

謎のフリー素材のおじさんに付きまとわれるというアイディアは抜群に面白く、まさに世にもでしかできないホラーといった内容。ネット上では『ホラーなんだから普通のおじさんではなく、もっと怖い存在にしないと』という声も見かけましたが、そうじゃないんですよ、この番組は。私はこの発想を100%支持します!

 

 

さて、ストーリーに関して。フリー素材という題材を軸に、人間の価値や他人を軽んじる社会の空気といった社会批判要素を折り込んだ展開は好感触。ですが、真っ先に誰もが考えるであろう手近なオチへストレートに着地したのには、落胆以上にただただビックリ。納得感を出すための伏線も十分なほど配置されていますが、それでもベタベタすぎる!

 

奇妙な存在と同居する羽目になるオチはある意味斬新ですが、微妙にギャグテイストな仕上がりになっていることもあり、若干全体的にチグハグした印象も残ったような。演出面もホラー初挑戦の若手・紙谷監督ということもあってか、どこか突き抜け不足な感も。

 

 

そもそも、自分の価値を軽んじられる事に怒っているなら、なぜ自分の画像をフリー素材として配布しているのだろう?という根本的な疑問まで。『もっと自分を見て欲しい+人の価値を軽くみる人間をおびき寄せて復讐したい』と仮定しても、あまりに回りくどすぎる。そして、ウラベさんが本当に復讐するべき人間は、残念ながらフリー素材を直接扱う仕事を100%してないであろう物悲しさ──

 

過去作の「3つの願い」といい「オトドケモノ」の脚色といい、荒木脚本って奇妙な展開に細かく理屈付けをしたがる一方で、巨大な穴や矛盾を放置する大味っぷりがいつも気になってしまいます。20年代前半の採用数No.1作家さんだけに、もう少しどうにか…発想は毎回面白いんですよ、本当に…(^^;)

 

 

以降濃いラインナップが続くことを考えれば、このシンプルなベタさがいい導入になっているとは思うものの、20年代前半ラストのホラーとしてはあまりの物足りなさ。ただ、アイディア自体は好みど真ん中なのでその辺りを加味して★2つ。

「第1回田中家父親オーディション」★★

お笑いコンビ・アンガールズ田中卓志主演の短編コメディ。キャスト先行企画ではなく、プロットの段階で既に"田中家"であったため、その繋がりもあって起用された模様。

 

視聴者に有無を言わさぬまま強烈なノリで奇妙な世界に引き込み、テンポよく展開を進めていく勢いの良さは、世にも特有のコメディ感たっぷりで満足。短編枠ならではの約15分という尺の短さも、往年の世にもファンの体によく馴染んで◎。

 

 

ただ、似たようなネタ&ノリの『小林家ワンダーランド』『アップデート家族』といった近作がどうしても脳裏をよぎってしまい、既視感を覚えずにはいられなかったのが非常に残念。34年も続けばネタ被りは避けられない宿命とはいえ、今この話をここに持ってくる意味とは…という面倒くさい事を考えずにはいられず…(^^;)

 

それにしても、最近何かと頻発される『突飛な世界観+王道展開ギャップ系コメディ』もそうですが、『家族が突然奇妙な事をおっ始める出落ち系コメディ』もそろそろ食傷気味になってきたかもしれません。年々、世にもコメディの幅が狭くなってきているようでちょっと心配。★2つ。

「CITY LIVES」★★★★

原作は、2023年にフジの深夜枠で放送された同名の連続ドラマシリーズ

timelesz(旧:Sexy Zone)の佐藤勝利が本人役で主演を務めており、これは獣神サンダーライガー(1991)、FUJIWARA・藤本、ドランクドラゴン・塚地(共に2010)、カズレーザー(2017)に続く、5例目のケースとなります。

 

 

さて、この『CITY LIVES』は私にとって非常に思い入れがある作品でして。当時オリジナル版の第1話を見て「世にも+放送禁止みたいで面白い!」とハマってしまい、毎週楽しみに視聴していたんですよね。本作の情報解禁時も、スチールを見るなり「『CITY LIVES』みたいなCGだな…」と思いきや、まさかのリメイク化でひっくり返りました(^^;)

 

そんな『世にも』版は、主人公&中盤以降のストーリーが一新されているものの、オリジナル版と同じスタッフにより制作された、ある意味"正式続編"とも呼べる仕上がりに。前作の主人公や疑似住民が登場しているのも、実に嬉しいサプライズ。

 

どんな風に変更されるか心配していた後半の新展開も、主人公がリズムを取り始めた瞬間に思わず「おぉ…!」と口元が綻んでしまいました。その瞬間に全ての伏線が1つに合わさった爽快感もそうですが、何よりあの原作をこんなエモい形にまとめる発想自体があまりにも予想外。なまじ原作を見ていただけに、気持ちの良い裏切られ方でした。

 

 

過去『BLACK ROOM』『ママ新発売!』などを手掛けた東北新社による、9年ぶりの他社制作作品ということもあり、この枠特有の「なんかこの話だけいつものと雰囲気が違うぞ!」という感覚を久々に味わえたのも大満足。どうしてもマンネリに陥りがちな特別編をピリッとさせる、こういうスパイス枠は今後も定期的にお目見えしてほしいもの。

 

 

なお、唯一苦言を呈する部分としては、大オチのタンザニア行き。どうもこのパートだけ急にオリジナルの雰囲気が一転し、妙に悪目立ちする形に収まってしまった印象が残ります。

「こういうオチこそが世にもっぽいのだ。王道なのだ」という、昨今のあまりよくない固定観念に引っ張られてしまうくらいならば、本来の雰囲気を維持したままふんわり締めてもよかったのではないかなと。せっかくの外部制作枠なんですから、もっと堂々と好き勝手にかき回してくれていいのです。

 

 

そんな不満点を差し引いても、非常に魅せる世界観+オリジナルの視聴者も楽しませる丁寧な仕事ぶりは十分高評価に値するでしょう。この番組に、またひとつ新しい風を吹かせてくれたスタッフの皆さんに感謝。★4つ。

「ああ祖国よ」★★

私も大好きなショートショートの名手・星新一の原作を映像化した1編。2004年春の『殺し屋ですのよ』以来、20年ぶりの採用となります。原作未読のため、あくまで『世にも』の映像作品としての感想を。

 

 

さて、まずは何といっても本作一番の売りとも言える、現代にも通じる痛烈な日本人風刺。ブラックな描写が連発する軽妙さは、見ていて苦笑いが出るほどキレッキレで◎。

 

そして、近年どうしても"わかりやすさ"や、"キャッチーさ"にばかり重きを起きがちだった特別編で、こういった渋めの作品を採用したことは素直に高評価。ネット上では若年層を中心に「オチの意味がわからない」という声も幾つか見られましたが、こういう年齢を重ねた上で評価が変わるであろうストーリーこそ、世にもの魅力のひとつでもありますね。

 

一方、「最後の喫煙者」や「ダジャレ禁止令」といった風刺に一捻り加えたスタイルと違って、本作は「不倫警察」のように直接的なテイストだったこともあり、若干の単調さを感じて世界観に100%乗りきれなかった部分も。

 

 

さらに気になったのは『星新一原作』という部分を意識しすぎていた点。

例えば、主人公含めた登場人物の口調があまりにも小説的。これを"原作リスペクト"、"戯画化的表現"などと好意的に見る向きも当然あるでしょうが、いざ映像作品として見るとあまりにも直接的・説明的すぎて、個人的には終始不自然な印象を覚えました。

 

また、多少の現代アレンジを加えていたものの、昨今の元気のない現状とはかけ離れたイケイケなマスコミ人描写や台詞回しなど、50年以上前の作品ということもあって、どうしても古さを感じずにはいられなかったり。

 

この辺りは、もう少し原作の良さを活かしつつ換骨奪胎なアレンジができたと思うんですが、やはり星新一というビッグネームに気圧されてしまったのか、原作愛が強すぎたのか、過去の映像化作品と比べてずいぶん硬い仕上がりになっているような……。

 

相当珍しい劇中での原作者名表記といい、エンドロールにわざわざ原作の発表年を付け加えていることといい、『あの星新一先生が、現代にも通じるこんな物語を書いていたんですよ!しかも50年以上も前に!凄いと思いませんか、皆さん!』というスタッフの興奮っぷりはよ~く伝わっているんですが、その熱量に見合うほどの出来だったかと言われると──。

 

ただ、濃い作品続きの中での安定の植田演出の雰囲気は、本当にホッとできますね。そういう最後のデザート的なさっぱり感も、本作の良さのひとつと言えるかも?★2つ。

 

 

最後に。『完成された短い原作を20分程度に膨らます作業が困難』という理由から、これまであまり採用されてこなかった星新一作品。最近はすっかりNHKにお株を奪われてますが、「やるなら俺が死んでからにしてくれ」とまで言うほど映像化嫌いで知られる氏が、存命中に6回(未放送分含む)も許可を出してくださった唯一の番組こそが、この『世にも妙な物語』だということは意外と知られていません。

 

そんなSF界の巨匠から認められていた名誉ある番組だからこそ、今後も埋もれた名作の数々に果敢にチャレンジして欲しいもの。今回燃えに燃やしたその熱意、まだまだ保ち続けてくれますように!

総評 ★★★

改めて全体の印象を振り返ってみると、各ジャンルのバランスの良さに加えて、全体の時間配分も大きく変わったことから中だるみもあまり感じず、思ったより悪くない視聴後感。放送順の並びもバッチリだったかと思います。

 

ただ、原点回帰を意識していたという割には、安直なラストに収まってしまった作品が多かったのが非常に残念。濃い作品が揃っていたこともあり、奇妙な世界観を堪能したい層には比較的好評の回であろうと思うんですが、従来からの番組イメージを期待している私のようなストーリー重視派には、どうしても物足りなさが残ります。

 

相変わらずのチャレンジ精神は大きく買いたいものの、世にもの保守本流かつ大看板である"日常に潜む恐怖を描く作品"の出来が、近頃芳しくないのはあまりに寂しい。この辺の余韻の軽視、類型的な締め方偏重は、今後の課題になりそう…?

 

というわけで(?)、世にもの真価はまだまだこんなもんじゃないはずだろうという意味も込め、全体評価は★3つ。「CITY LIVES」が大いに気を吐いてくれたのが非常に頼もしくありましたが、個人的にはジンクス達成せず、でしたかね。

 

 

さて、2020年から昨年までを担当していたミーハー中村Pに代わり、今後の番組を担うであろう若手Pたちを引き連れたベテラン・高丸監督がメインプロデュースを務めることとなった今年。

 

特に今SPはその交代の影響が強く見られ、20年ぶりの星新一原作や、他社制作枠の復活はもちろん、ずっと固定化されていた最後の短編枠を2話目に移動させたり、10年ぶりに公式側から『原点回帰』という発言が飛び出すなど、番組がこれまでとまた少し違った色合いになったことを、まざまざと意識させられました。公式Xの告知・実況っぷりも、ずいぶん大人しくなりましたしね。

 

そんな中でも、中村P時代の定番だった長編モノがなくなり、各話を30分以内に収める時間配分の再調整&地味ながらも特番サブタイトルの積極的改良は大いに評価したいです。何しろ、20年代前半はとりあえず『今宵』と『珠玉』を付けておけばOK、みたいな風潮があったじゃないですか…(笑)

 

 

一方で、4話構成、CMタイミング、蝶EDカット……と、毎回お馴染みの不満点が相変わらず継続されているのは、わかっていても言わずにはおれぬ遣る瀬なさ。

その辺は大人の事情ということで飲み込むとしても、せめてテラーパートふたつ分を無理やりドッキングさせて、CMを挟まずに済ませるスタイルだけでもどうにかなりませんかねぇ…? ただただ忙しない印象だけが残って、作品の余韻もへったくれもありゃしないんですよ、ほんと。

 

恐らく、来年以降からは若手のプロデューサーさんがメインを張る事になるでしょうから、またそこで何か変化があればな……と、こっそり期待しておきます。

 

 

最後に、スタッフ&キャストの皆さん、今年も本当にありがとうございました!

来年はいよいよ35周年。30周年時はコロナ禍とまともにぶつかってしまい、"発表されていた記念サウンドトラック盤のリリースが、しれっと無かったことになる"という不運に見舞われてしまったこともあり、是非リベンジを果たして貰いたい。伝説の2015年並みにとまではいかなくとも、過去作配信や一挙放送など、旧いファンにも嬉しいサプライズがひとつは欲しいですね。

 

他方で、今回の劇中でやけに35周年を強調しているのが少し気になっていたりも。何分、巷では色んな噂が飛び交ってますからね……ひとまずは『ファンみんなが楽しくお祝いできるハッピーな年になる』ことを心の底から願っておきます!

 

そしてもちろん、35周年もいつもと変わらず、コワくて、素敵で、不気味で、泣けて、笑える、そんなとびきりの世にも妙な物語の数々と巡り会えますように。

では、また来年。

'24冬の特別編 みどころ紹介

さあ今年も、奇妙なお祭り後半戦となるお馴染み『秋の特別編』!……は、やってきません。

 

なんと今秋は1994年から31年間、毎年欠かさず制作されてきた秋SPが一切放送されないという異例の事態。では、とうとう『世にも』は年1番組になってしまったのか?と胸を痛めたそこのあなた、どうぞご安心ください。

 

 

 

今年の後半戦は『冬の特別編』としてお目見えします!

 

12月の放送も『冬』名義も、どちらも1996年以来28年ぶり。そんな、古くからのファンにとっては懐かしく、若いファンにとっては新鮮な気持ちで迎える冬SPということで、いつもとはちょっぴり違った冬らしい作品群の到来に期待したいところ。

 

 

てなわけで今回も、新作のスタッフ&キャストデータ、そして個人的な見どころポイントなどを一挙ご紹介していきましょう!

 

※ 12/4 時点までに判明している情報に基づいており、今後も詳細の発表があり次第随時追加していきます。

◆ 第1話「City Lives」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本&演出:小林洋介《 初 》

【主な代表作】『City Lives』『viewers:1』『YKK AP(CM)』『明光義塾(CM)』など

 

脚本&演出:針谷大吾《 初 》

【主な代表作】『City Lives』『viewers:1』など

 

主演:佐藤勝利《 初 》

【主な代表作】『49』『ブラック校則』『赤いナースコール』など

【 注目ポイント 】

★ 原作は2023年1月にフジで放送された同名の深夜ドラマシリーズ!

都市に擬態する謎の生物を追うモキュメンタリー番組『City Lives』が、新たなストーリーで世にもリメイク。連ドラ原作は番組史上初。なお今回の放送に際し、オリジナル版が全話無料配信中なので、予習したい方はお早めに。

 

★ 人気グループtimelesz(旧:Sexy Zone)の佐藤勝利が本人役で番組初主演!

本人役での主演は史上5例目。ご本人によると「子供の頃、特に印象的だった作品(超短編「痛点」)に負けないぐらい奇妙な作品になっていると思います!」「『世にも』チームが作る動物番組と思って頂ければ」とのこと。

 

★ 「BLACK ROOM」「ママ新発売!」等を手掛けた東北新社が製作!

過去、様々なインパクトのある作品を産み出してきた他社制作枠が9年ぶりに復活。東北新社は2013年の「水を預かる」以来、11年ぶりの参加となります。

◆ 第2話「ああ祖国よ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:星新一《 7 》

【主な代表作】『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』など

【主な奇妙作】『ネチラタ事件(1992)』『穴(1992)』『ブルギさん(1995)』など

 

脚本:相馬光《 4 》

【主な代表作】『教祖のムスメ』『オクトー 〜ふたつの家族〜』『院内警察』など

【主な奇妙作】『成る(2021)』『何だかんだ銀座(2022)』『トランジスタ技術の圧縮(2023)』

 

演出:植田泰史《 32 》

【主な代表作】ワンダフルライフ』『新宿セブン』『ばらかもん』など

【主な奇妙作】『声を聞かせて(2002)』『イマキヨさん(2006)』『JANKEN(2011)』『週刊 元恋人を作る(2022)』など

 

主演:尾上松也《 初 》

【主な代表作】半沢直樹』『ミステリと言う勿れ』『やんごとなき一族』など

【 注目ポイント 】

★ 原作はショートショートの名手・星新一による同名小説!

ファンから映像化希望の声が根強い星作品が「殺し屋ですのよ」以来20年ぶりに再登場。

 

★映画・ドラマでも活躍中の歌舞伎役者・尾上松也が番組初主演 !

ご本人によると「コミカルでありながら皮肉もたくさんあり、非常に不思議な世界観」「“奇妙”の作品の中でも唯一無二の作品」とのこと。

◆ 第3話「第1回田中家父親オーディション」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:原野吉弘《 初 》

【主な代表作】『ガラピコぷ〜』『婚活1000本ノック』『ギークス/GEEKS』など

 

演出:木下高男《 14 》

【主な代表作】『らせん』『1リットルの涙』『M 愛すべき人がいて』など

【主な奇妙作】『心の声が聞こえる(1994)』『友達登録(2001)』『人類の宝(2024)』など

 

主演:田中卓志《 初 》

【主な代表作】仮面ライダーフォーゼ』『にちようチャップリン』『呼び出し先生タナカ』など

【 注目ポイント 】

★人気お笑いコンビ・アンガールズ田中卓志が番組初主演 !

ご本人によると「不思議な話ですけど、残酷さと愛を感じる作品」「“え?田中!?”って驚いた人はぜひ見てください!“え?田中かよ…”とがっかりした人も、お願いですから見てください!」とのこと。

◆ 第4話「フリー」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 8 》

【主な代表作】『しもべえ』『トクメイ!警視庁特別会計係』など

【主な奇妙作】『3つの願い(2020)』『デジャヴ(2021)』『人類の宝(2024)』など

 

演出:紙谷楓《 3 》

【主な代表作】海月姫』『わたしのお嫁くん』『スノードロップの初恋』など

【主な奇妙作】『マスマティックな夕暮れ(2018)』『永遠のヒーロー(2019)』

 

主演:清野菜名《 初 》

【主な代表作】『婚姻届に判を捺しただけですが』『日曜の夜ぐらいは…』など

【 注目ポイント 】

★来年スタートの月9の主演も務める清野菜名が番組初主演 !

ご本人によると「最後の終わり方がまさに“奇妙”らしいなと」「ホラー作品になっていますので、本作でドキドキざわざわして頂ければと思います」とのこと。

◆ プロデューサー陣

※ どのストーリーを映像化するか、誰をキャスティングするか、回全体のコンセプト・テーマ決めなど、担当者によって新作SPのクオリティが左右される超重要ポジションです ※

【 編成企画 (フジテレビ) 】(名前横は番組参加回数)

・渡辺恒也《 13 》

【主な代表作】『HERO (2014)』『逃走中(2018~)』『テッパチ!』など

【主な奇妙作】『'18秋』~『'24夏』

 

・水戸祐介《 3 》

【主な代表作】『ラジエーションハウスII』『わたしのお嫁くん』など (※演出)

【主な奇妙作】『'23秋~'24夏』

 

・田淵麻子《 初 》

【主な代表作】『アロハ・ソムリエ』『純喫茶イニョン』など

 

【 プロデュース (共同テレビ) 】(名前横は番組参加回数)

・髙丸雅隆《 3 》

【主な代表作】ストロベリーナイト』『HOPE~期待ゼロの新入社員~』『ばらかもん』など

【主な奇妙作】『親切成金(1999) (※演出)』『相席の恋人(2012) (※演出)』『21世紀21年目(2011)』『'24夏』

 

山崎淳子《 2 》

【主な代表作】『リーガルハイ』『わたしのお嫁くん』『全領域異常解決室』など

【主な奇妙作】『'24夏』

 

・芳川茜《 2 》

【主な代表作】『リカ』『わたしのお嫁くん』『スノードロップの初恋』など

【主な奇妙作】『'17深夜(P補)』『'17秋(P補)』『'20夏~'20秋(協力P)』『'24夏』

 

・村木美砂《 3 》

【主な代表作】『ぼくの推しは王子様』『吉祥寺ルーザーズ』など

【主な奇妙作】『'19秋(AP)』『'23夏』『'23秋(協力P)』『'24夏』

 

【 プロデュース (東北新社) 】(名前横は番組参加回数)

・谷口宏幸《 4 》

【主な代表作】山のあなた 徳市の恋』『矢島美容室 THE MOVIE』『City Lives』など

【主な奇妙作】SMAP (BLACK ROOM)』『'01秋 (ママ新発売!)』『'02春 (マンホール)』

 

・青木卓郎《 初 》

【主な代表作】『City Lives』など

◆ 雑感

今回の特別編で私が特に注目しているのは…… 

 

・久々の他社制作&モキュメンタリー風味な異色枠『City Lives』

・20年ぶりとなる星新一の原作作品×安定の植田演出による『ああ祖国よ』

・今回の本命(?)であろう、王道世にもホラー作品感のある『フリー』

 

以上3作品。

 

 

さて、今回のラインナップを見て一番驚いたのが『City Lives』。というのも私、原案である2023年の連ドラバージョンを「世にも+放送禁止みたいで面白い!」と、当時毎週欠かさず見てまして。まさかこれが世にもでセルフリメイクされるとは夢にも思わず……これだから人生面白いですね(^^;)

 

そして、同作を11年ぶりの参加となる東北新社が制作というのもマニア的には大きな注目ポイント。特別編の他社制作枠というと、普段の共同テレビ作品群とは違った独特な映像美や世界観を持つ秀作が数多く誕生してきた伝統ある枠。

 

いまいちピンとこない方も、『ルナティック・ラヴ』『ゴリラ』『のぞみ、西へ』『奇数』『冷やす女』『バーゲンハンター』『BLACK ROOM(★)』『ママ新発売!(★)』『マンホール(★)』『行列のできる刑事』『水を預かる(★)』などのラインナップをご覧いただければ、どのような枠であるかが容易におわかりいただけるのではないでしょうか。(★マークが東北新社作品)。そう、非常に個性の強い作品ばかりですよね。

 

私はかねてから、どうしてもマンネリに陥りがちな昨今の特別編をピリッとさせてくれるスパイス的なこの枠をず~~~っと待望していたので、今回の参加は(オリジナル版からのスライドとはいえ)大いに歓迎したいところ。

 

 

残りの3作品も『星新一原作』『シュールコメディ』『王道世にもホラー』と、概ね安定していそうなラインナップで好感触。さらに今回は、原点回帰を意識していることが『'14秋』以来10年ぶりに公式で明言されていることもあり、私のような古くからのファンもワクワクが1.5割増。

 

唯一の懸念点は、期待のホラー枠である『フリー』が、個人的に不発続きの荒木脚本であることくらいですが、それでも『タテモトマサコ(原案担当)』『イマジナリーフレンド』はとても良かったので、そっち寄りの結果であることを切に祈ります…!(^^;)

 

 

というわけで、今回の個人的な期待度は少し高めの★★★★。来年の35周年へスムーズにバトンを渡してくれる事に期待大です。また私がたびたび唱えている『アニバーサリーイヤー直前の特別編は良回』というジンクスが果たして今回破られてしまうのか否か、その辺りの行方もドキドキしつつ見守りたいと思います。

 

以上が、今回28年ぶりに我々の前に帰ってくる『冬の特別編』の全容。例年とはちょっぴり違う冬の奇妙を、全世界の世にもファンの皆様と一緒に、思う存分楽しんで参りましょう!

 

『'24冬の特別編』は、2024年12月14日 (土) 夜9時放送です。どうぞお見逃し無く!

復刻!世にも奇妙なマニアトーク FINAL

2015年に配信された幻のWeb特番『世にも奇妙なマニアトーク』特集。今回は最終回「仮想新作発表! ~私がやるならこんな奇妙な物語~」を、当時の書き起こしでお届け致します。

 

前回『世にも奇妙なマニアな話』を経て、いよいよ最後のコーナーは、世にもを愛する者なら誰もが一度は考えたことがあるであろう『オリジナル奇妙作品』。マニアたちが一生懸命考えた、個性豊かな仮想新作の数々をどうぞお楽しみください!

 

 

※ ご注意 ※

掲載内容は全て2015年当時、管理人が独自に書き起こしした物となっています。そのため実際の内容・ニュアンスとは若干異なる部分が存在している可能性があります。ご理解の上、ご覧ください。

◆ 最終回「仮想新作発表! ~私がやるならこんな奇妙な物語~」(2015年11月6日配信)

 

 

ヒデ「続いてのテーマはこちら。『仮想新作発表! ~私がやるならこんな奇妙な物語~』」

(拍手)

 

 

ヒデ「さあ、本日はプロデューサーの方がいらっしゃいますからね。私も含めた3人で……新作の発表。こんなん考えてきましたよっていうのをここでプレゼンして行きたいと思います。もしかすると採用ということも……」

小椋「もちろんです」

横澤「えーっ!」

 

《★仮想新作プレゼン 横澤夏子

 

横澤「私が考える『世にも妙な物語』こちらです。(スケブを捲り)『ドラマ好きなOL』っていうね、お話なんですけど」

 


横澤「平凡なOLがいるんですね。恋愛も上手く行かない、会社からも怒られる。そういう毎日が続くOLがいまして。で、ドラマを毎晩見るのが趣味で。どんどんどんどん見たら、月9を見たら次の日、月9の俳優さんが目の前に現れるんですね。その連続。


だから月9を見たら、次の日福士蒼汰さんが出られたりとか、あと『私が恋愛できない理由』の田中圭さんが現れたり、『昼顔』の斎藤工さんが現れて不倫しちゃったりなんかして。


で、どんどん私が『あれ?ドラマに入っちゃったんじゃないの?』っていうそういう錯覚を覚えさせてくれるドラマになっておりまして。主演がワタクシ横澤夏子ということで。是非ちょっとお願いしたいんですけど」

小椋「(挙手)はいはい!オチはどうなるんですか?」

横澤「あっ、オチ聞いてくださいます?」

ヒデ「核心を突きますねぇ~」

横澤「オチは、結局全部嘘だったんだって平凡な毎日になるっていう」

ヒデ「妄想!?」

小椋「まずキャスティング的に無理でしょこれ」

(会場笑い)

ヒデ「無理ですよ。合わない」

小椋「これ連続ドラマ4つくらいできますよ」

(会場笑い)

横澤「ウソ! えーっ、ホントですか」

ヒデ「ちょっとまあ、どうなんでしょう。乞うご期待ということでね」

横澤「よろしくお願いします。500本目(に採用)?」

ヒデ「それは諦めて下さい」

(会場笑い)

 

 

《★仮想新作プレゼン 大我》

 

(※大我さん側の事情により作品部分は割愛)

 

ヒデ「めでたしめでたしと、はい。……マジだね!?」

大我「はい、結構マジで考えました」

ヒデ「だよね。さあ、いかがでしょうか?」

小椋「人間の心理の怖さとか、そういうものがやっぱり奇妙に求められている怖さだと思うんですね。そういう意味ではすごい怖い話だったと思いますね」

ヒデ「おお、すごい! これはちょっと可能性無きにしもあらずじゃないでしょうかね」

大我「期待したいですね」

ヒデ「ねぇ?」

小椋「じゃあ来週フジテレビの11階でホンの打ち合わせやりますんで」

ヒデ「開けといてね」

小椋「2時にお願いします」

大我「えっ……これマジな話ですか?」

(会場笑い)

ヒデ「シャレ!(笑)」

 

 

《★仮想新作プレゼン ヒデ》

 

ヒデ「まずタイトルです。(スケブを見せ)これ何と読みますか、横澤さん?」

 

 

横澤「『みちとみらい』?」

ヒデ「違うんです」

横澤「えっ?」

ヒデ「これね……『みちとみく』なんです。(スケブを捲り)1分後の未来が見える青年の葛藤と苦悩を描いた超大作なんです。

 

このね、少し前この後のことっていうのは未知なる要素じゃないですか。未来と未知。表裏一体だと思ってるんですけども。1分後のことがわかるんです。

 

それで色んな危険は避けてきたんですけども、それ故にすごく臆病になっている主人公。主演:未知役に鈴木亮平さんです。もしくは……(スケブを捲り)はいこれ、ヒデ!」

(会場笑い)

ヒデ「これね、鈴木亮平さんのファンの方はごめんなさい。ほんとに申し訳ないんですが。インターネットに乗ってたんですけども、某スタッフが『ヒデさん、NHKの朝ドラ出てますか?』『いや、出てないけど』『いや……おかしいなあ』ってぐらい実は僕似てるんですって」

横澤「ウソだ~!」

ヒデ「目をね、ホント細めて見て下さい。(サングラスを外し横澤を見つめる)」

横澤「(わざとらしく)……あれぇ~!?」

ヒデ「優しいな!(笑)」

(会場笑い)

ヒデ「その未知を支える恋人『みく』と読みますけど、この未来を演じるのはもちろん石原さとみさんね。もしくは……(スケブ捲り)ヒデでも良いんです」

(会場笑い)

ヒデ「これは冗談でございますが。さあ、その特殊能力をひた隠しにする中で、何と1分後じゃございません。24時間後の未来が一瞬見えてしまうんです。さあ、その24時間後に見えたものは、国の存亡にも関わるレベルの一大事だったんです。これね、オチが大事じゃないですか。(スケブの『未来』を指し)この子が握ってるんですけども。


その24時間後、実際に救うことが出来ます。何らかの形で。ところが、(未来を指し)この子が裏で(国の存亡を指し)ここを操ってた人で……見えた! 1分後、採用っていう言葉が。未来が僕見えました!」

(会場笑い)

 

小椋「1分後の未来が見える……面白いですね、発想。それだけで最後まで行けば良かったですね。24時間ってのは、さらに新しい条件が出てきちゃうので」

ヒデ「(しゃがみ込み)いやぁ……欲張ったぜ~!」

(会場笑い)

ヒデ「なるほどね、その連続で……」

小椋「1分の中で今の恋人の裏切りも含めて、1分先の未来が見れるってことで、どんな奇妙が作れるのかって今ドキドキしましたけどね」

ヒデ「ま、三者三様ありましたけど、実際いかがですか。ファンだとこういうイメージを持って新しい作品を作っていただきたいなっていうのがあるんですけど」

小椋「あの、今でもやってるんですね企画開発って。新人の脚本家の皆さんに毎週毎週(机から30cmくらい手を上げ)これくらい送ってもらうんですよネタを。そのうち奇妙まで行くのは(机の上に手を置き)このくらいですね」

ヒデ「そうなんでしょうね……」

小椋「やっぱ一番多いのは、入り口は面白いんですけどオチがないじゃんってのが多いんですよ。やっぱりオチが大事だと思うんですよね、奇妙ってね」

ヒデ「ホントに我々が視聴している物っていうのは、選ばれし作品だってことですよね」

横澤「選りすぐりの物なんですねぇ……」

ヒデ「ということで、以上『仮想新作発表』でした~!」

(拍手)

 

ヒデ「さあ、皆さんこのエンディングまであっという間でございましたけど。さあ横澤さんいかがでしたか?」

横澤「いや、とっても楽しかったです。もっともっと聞きたい話とかもあるんで。これからもまだDVDにされていない作品とか、まだ見たことない作品とかも私あると思うんで、それも是非見たいですね」

ヒデ「そうですね。これどうなんだろう?っていう、ある意味良いフラストレーションをね、残してまたね。こういう機会があったら聞いてみたいよね。はい、ありがとうございました

横澤「ありがとうございます」

 

ヒデ「さあ、大我さん」

大我「はい」

ヒデ「いかがでしたか?」

大我「世にもファンって結構たくさんいるんですけど、こういうことを話せる場って意外と少ないんで……公式の企画でこういうことをやってもらって、そこに(自分が)呼ばれたっていうのがもう、すごい光栄でありがたかったです」

 

ヒデ「最後に小椋さんよろしくお願いします。一言」

小椋「奇妙が25周年ということで、この秋また25周年の特別番組を作ります。今制作中でございます。25年で一区切り付きますけども、またさらに25年続く。是非50年後もね、25年経って50年やりたいですね」

ヒデ「何となくね。皆さん気づきましたよね。次にお前たちと会うのは25年後だぞっていう」

(会場笑い)

横澤「ウソ~! そういうことですか?(笑)」

ヒデ「皆さんも、この秋楽しんでいただきたいと思います。ということで、以上『世にも奇妙なマニアトーク』でした~! また会いましょう~!」

(拍手)

 

 

(『イマキヨさん』に警官役で出演するヒデの映像が流れる)

 

◆ マニアトークこぼれ話 FINAL

① 幻となった?集合写真

番組の収録をすべて終え、最後に宣伝用に使うための集合写真の撮影に加わることになった大我さん (ちなみに撮影者は、90年代から番組のスチールを取り続けてきたチャールズ村上さん!) 。初めは遠慮がちに端っこに待機していたそうですが、司会のヒデさんから突然「真ん中行きましょうよ!」と提案が。

 

「いや、さすがに中央は司会者が…」とやんわり拒否するも、周りが盛り上がってしまい、あれよあれよという間にドセンターポジションへ。そうして出来上がったのが、『MC:大我』感全開の構図。

 

ご本人は終始「(こんな写真、本当に使えるの?)」と心配していたそうなのですが、予想通りどの媒体にも掲載されておらず、幻に終わってしまったそう。ちょっと見てみたかったですね…(笑)

② 最後に思わぬプレゼントが

収録を終えた数日後、お貸ししていたグッズの返却のため、大我さんと都内某所で落ち合うことに。すると席につくなり「管理人さんの分も戴いたので、お渡ししておきますね」と、大我さんが取り出したのは、出演者などの番組関係者にだけ配布されている25周年仕様の台本ノート(しかも共同テレビさんの封筒付き!)。

 

まっさらなノートに触れながら、(ああ、自分も世にもにほんの少しだけ携われたんだな…)と感慨に浸っていると、ふと大我さんのリュックの中に白いものを発見。それはなんと、劇中で使われたあの白マスクでした。

 

大我さんによれば、マスクは番組側で用意してくれた既製品で、自分の顔に合わせてハサミをあちこち入れているため、返却されても困るだろうし、何も言われなかったのでひとまず持ち帰った…とのこと。

 

手に取ってみると、ドンキなどで売っているような安物のパーティーグッズそのもの。しかし、これも立派な番組の小道具。そして大我さんも処分をどうするか悩んでいる様子……となれば答えはひとつしかありません。

 

 

その貴重なマスクを譲っていただきました!

 

いつか『マニアトーク』の第2弾が行われる暁には、そして今度こそ私の出演が叶った際には、是非このマスクを付けて出てやろう…という密かな野望を抱いているのは、ココだけの話……(笑)。

 


 

というわけで、6回に渡ってお送りしてきた『復刻!世にも奇妙なマニアトーク』も、これにて終了。まだまだ書ききれなかったエピソードも沢山ありましたが、貴重なトーク&裏話の数々、お楽しみいただけましたでしょうか。

 

今回この番組の書き起こし&裏話をまとめながら、2015年という年がいかにファンにとって素晴らしい年であったか。そして、スタッフの皆さんがファンのためにいかに頑張ってくれていたかを、改めて実感させられました。『雨の特別編』のマスターテープ発掘なんて、この番組がなければ未だに行方不明のままだったでしょうからね…。本当にスタッフさまさまです。

 

 

ということで、やっぱり締めは今更ながらこの言葉で。

スタッフの皆様、素晴らしいスピンオフ番組を、そしてまたとない貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました!(そして出演叶わず、誠に申し訳ありません!(^^;))

 

次回、50周年の「マニアトーク」第2弾実現の可能性に賭けるべく、私もまだまだ頑張ります!(笑)