現在当サイトでは、2020~2024年に放送された20年代前半作品の人気投票企画を実施中(~来年8/31まで)。ファンの皆様の投票をお待ちしております! m(_ _)m
(※ 9/1追記) 戴いた投票データを誤って削除してしまった事が判明しました。
既にご協力戴いていた皆様に深くお詫びするとともに、以下の新フォームより改めての回答をお願いいたします。
前回、フジテレビ問題の影響により、オール傑作選で放送された『伝説の名作 一夜限りの復活編』。そのラストで、我らがストーリーテラーが放った台詞は……「あの頃は良かったと昔を振り返るために、このお話を紹介したわけではありません」「近々またお連れしましょう、新たなる奇妙な世界へ」。
「次は絶対に新作を放送してみせる!」という、スタッフからの熱いメッセージとも取れるこの言葉から約5ヶ月。テラーの宣言通り、約1年ぶりとなる新作を引っ提げて『秋の特別編』がやって参りました。
しかも、前回の好評を受けてか、はたまた未だ例の件の影響が残っているせいか、1枠を傑作選枠に当てた、新作3本+旧作1本という番組史上初となる特別編成に。放送35周年というアニバーサリイヤーを締めくくる、いつもとはちょっぴり違ったSPになること間違いなし。
……というわけで、今回もいつものように個人的な感想をつらつらと。節目の年ということで、いつも以上に面倒くさいマニアっぷりが溢れ出してると思いますが、所詮はネットの片隅に巣食うド素人の戯言として、ご笑覧頂ければ。(※ 評価は星5つが最高となっています)
「止まらなければ生きられないゲーム」★
「チェックイン漢陽」「ハートビート」「赤い袖先」などの韓流ドラマを手掛けた韓国の制作会社WEMADと共同で脚本を制作した1本。脚本をチュ・ジン氏、演出をベテラン土方政人監督が手掛けた、番組史上初となる日韓合作作品となっています。
さて、ベタなデスゲームのスタイルをあえて『世にも』で取り扱ってみるという挑戦的なテーマではありましたが、いざフタを開けてみると、あまりにストレートすぎる内容だったなというのが率直な感想。
あからさますぎる桃アレルギーの伏線、ラストの話運びもどこか野暮ったいキレの無さ、さらには怪しい看護師のキャラクターをミスリーディング用に数回出しただけで後は投げっぱなしという雑な処理など、ストーリー上の粗が多いのも非常に気になりました。
導入となる1本目として、エンタメド直球な割り切り方を評価する向きもあると思いますが、経験の浅い新人作家が書いた脚本ならまだしもですよ。これが日韓のクリエイターチームが共同で生み出した脚本となれば、話がだいぶ変わってきませんか、と。
とにもかくにも、日韓合同プロジェクトなんですよ。幾人もの大人が海を挟んだ打ち合わせを経た上でようやくGOサインが出た脚本だとは、とても信じられない完成度。誰かひとりくらい「この看護師のキャラ、もうちょい活かしたほうがいいのでは?」みたいな事言わなかったんでしょうか。それとも、そんな疑問が思いつかないほどの突貫作業だったのか。
さらに相手国のチームがどれだけ『世にも奇妙な物語』の世界観を理解してくれていたのか、逆に番組側がどれほど伝えられていたのかという所にも、やや疑問符。本当にこれで両国のスタッフが「いける!」と思ったのならば、あまりにも志が低すぎて、残念極まりない。終盤にかけての山田さんの熱演が本当に勿体ないですよ。
恐らく、最初にフジと韓国の制作会社の間で企画を共同開発してみないか?という流れがあり、そこから『世にも』での実施になったのではと推察しますが、この手の"コラボありき"の作品って、スタッフが相手側に遠慮してしまうのか、どうしてもしょっぱい出来になりがちだなーと。番組史に残るレベルの意欲的な試みだっただけに、この結果には普段の10倍ガッカリ。
一応、土方監督の画面を回転させる事で残り時間の分量を示すアイディアや、ブラックに攻めたラストなど、評価できる点もあったものの、私の印象を覆せるほどだったかというと……。せっかくの日韓合作だからこそ、番組に新しい風を吹かせてくれる挑戦的かつ新機軸なストーリーを見たかったですね。その辺はまた次の機会があれば是非。★1つ。
「あなた博物館」★★★
ベテラン植田泰史監督によるサスペンス的な1本。主演の川口春奈さんは「Silent」の頃からいつか出て欲しいなと思っていたので、ようやく念願叶いました。
感想としては、「あなた博物館」という奇妙な世界観は、思わず引き込まれるアイディアで◎。また、小ネタに定評がある(?)植田監督らしく『悪夢のパンプキンアタック2』なる、どこかのシミュレーターで見たような映画チケットが出てきたのにも、思わずニヤリ。チョロいとわかっていても、こういうわかる人にだけわかるネタ大好きです!(^^;)。
終盤のどんでん返しは早い段階で読めてしまったものの、一見先行きの読めない展開や、ラストシーンのダークな見せ方はしっかり『世にも』らしさを発揮していて好感が持てます。ただ舞台が舞台だけに、所々で間延びかつ引き伸ばし感が否めなかったので、もっとスッキリした形で見たかったなというのも正直な所。4話編成である以上、仕方ないっちゃ仕方ないんですけどね……。★3つ。
「七階闘争」★★★★
原作は「となり町戦争」で知られる小説家、三崎亜記さんによる同名短編。収録されている『廃墟建築士』は既に絶版となっていますが、電子書籍が販売されているので、気になる方は是非お買い求めください。
さて、ここ数年擦り倒されてきた『突飛な設定×王道展開のギャップ系シュールコメディ』路線を一見継承しているようで、しっかり差別化した展開だったのには好感触。突然おバカな政策が決定してしまう所なんて、古き良き『世にも』感で何だか懐かしかったり。
オチについてはファンの間でも賛否あると思いますが、私は完全肯定派。というより、このストーリー展開で、ヘタなどんでん返しがあった方が逆に興醒めというものでしょう。昨今、類型的になりつつあった世にもコメディに小さな風穴を開けてくれた気がします。
解釈によっては、ただのおバカな奇妙とも、社会派アイロニー作品とも受け取れる余地があり、変に押し付けがましさがないのも◎。私個人としては令和版「ダジャレ禁止令」として評価したいですね。こういう洒落た社会風刺モノ、ずっと見たかったんです。
どうかこの先も、世界から『7階』が奪われる事がありませんように。★4つ。
「ハッピーバースデー・ツー・マイホーム」
傑作選枠のため、今回は評価対象外。なので、ここは簡単な作品データと雑感を。
本作は、第2シリーズ最終回となる『'91冬の特別編(12月)』のトリを飾ったハートウォーミング作品。派手な内容ではないため、知名度はかなり低めですが、知る人ぞ知る隠れた一品。2000年に行われた傑作選以来、25年ぶりの再放送となります。
脚本は、後に「ずっとあなたが好きだった」や「踊る大捜査線」をヒットさせる君塚良一。演出は、番組最多演出数を誇り、「急患」「雪山」「おばあちゃん」などブラックやホラーの名作を手掛けた『世にも』演出家四天王のひとり、落合正幸監督。
また、主演の役所広司さんは、ちょうど世にもの裏番組であった人気時代劇『三匹が斬る!』シリーズの千石役としてメインを張っていた、いわば商売敵の一角。そんな彼を第4シリーズ終了から第5シリーズ開始までの隙間の時期に起用するという、当時としてはなかなか攻めたキャスティングでもあったりします。
さて、率直な印象としては『まさか、この話が選ばれるとは!』。これに尽きます。世界中の世にもファンは誰ひとり当てられなかったのでは。
本作を含む'91冬(12月)は、超高額な使用料が発生すると聞く海外版権作「23分間の奇跡」があるためか、完全未ソフト化かつ、CS・BS・配信などの全てで100%放送を見送られている欠番回のひとつ。その中の1編が、まさかこんな形で再放送&配信ラインナップに加わることになるとは……人生わかんないもんですよね。
内容は、前年に公開された映画「フィールド・オブ・ドリームス」の影響をモロに受けているなという感じですが、それでも歴代感動作の中では唯一無二の雰囲気を持っているよなと。フリークにはあまりに有名すぎる、あのBGMと共にクレヨン風のタイトルが出るラストシーンなんて、本当に反則級のワザ。改めて見てもやっぱり胸にクるものがあります。
落合監督はホラーやブラック作に定評がありますが、実は「さよなら6年2組」「時の女神」や『ifもしも』の「"別れましょう"か "結婚しよう"か」のような、叙情的な作品も本当にいい仕事されるんですよね。これを機に、ぜひ本作の知名度がグッと上がってほしい! 今回初めて見て、イマイチだなと思った若いファンの方も、是非20年後にまた再見してみてください。見方が大きく変わるかもしれませんよ。
……それにしても、この頃のテンポ、雰囲気、温度感……どれをとっても古き良き『世にも』全開で素晴らしいなと改めて。今のスタッフにも、この絶妙な乾きっぷりというか、その辺の匙加減を意識してもらいたいもの。落合監督、また1本撮ってくれませんかね…
総評 ★★★
日韓合作や傑作選など、一見ごった煮のような回でありながら、終わってみると意外に楽しめた今回のSP。ほん怖のような再放送枠を入れるのは、さすがに禁じ手なのではと思っていましたが、濃いめの新作の締めとしてちょうどいいテイストになっていて、これはこれで悪くなかったなと。
苦言としては、いつもの短縮OPやテラーパートの構成についてに。特に今回は、とうとう番組見所とOPを合体させて、さらなる短縮を図るという、行く所まで行ってしまった感が。「ハッピーバースデー~」のラストも、よく見ればオリジナル版より数秒早めに切ってしまっていて若干余韻が損なわれている始末。本編を引き伸ばしにかかる一方で、秒単位で切り詰められる所をどんどん刈り取ろうとする、あまりの忙しなさのアンバランスさが実に奇妙…(-_-;)。
ここ10年程、EDをテラーパートに組み込んだりするなど、番組の"外枠"となる部分にどんどん手を入れていく傾向が顕著になっていますが、本当に効果が出ているのか大いに疑問。長いスタッフロールはまだしも、僅か30秒ほどのOPを、もう5秒、3秒、と極限まで短縮しないといけないほど、昨今の視聴者に堪え性がなくなっているとはとても思えず。OPは番組の顔なのに、今回ほぼテラーのシルエットしか映ってませんし。
目先の数字を意識するばかりに、こういう小手先の真似ばかり増やした所で、結局は番組の魅力に1ミリも与しないどころか、制作側の「やらないよりは!」という過剰な保険にしかなってないんじゃないかという思いがますます強くなるばかり。例えるならば、『古畑任三郎』で、犯人が自白中にテーマ曲とスタッフロールを流して、二人が退場した所で放送終了みたいな事をしてる訳ですからねぇ…。それだとぜんぜん違ってくるわけじゃないですか、視聴後感が。
……ま、これも古参のうるさい小言でしかないのかもしれませんが。『世にも』の世界観を担う大事な構成要素であるかつてのOP、ED、テラーパート構成が、邪険にされているかのような最近の風潮には、ただただ悲しくなるばかりなんだという事は、せめて私だけでも書き記しておきたいんです!(T_T)。過去に何度も書いてますけどね!
そのうち、今の傑作選みたく5秒程度にまで縮んでしまうのもあながち杞憂ではないかもしれませんが、前回は特別版OPをじっくり流してくれたこともあり、今後の担当プロデューサーさん次第で改善される事もあるんじゃないかと、僅かな希望だけは持っておきます。
というわけで、個人的には前回の'24冬より楽しめたものの、枠部分のさらなる改悪っぷりへの強い悲しみ分を差し引いて、全体評価は★3つ。
今回中村&狩野Pが突然復帰した所から見て、新たにサブとして登場した若手の江花&歌谷の両Pが、今後の番組を牽引していくのではないかと予想していますが、ここからまた番組にどのような色が加わっていくのかが非常に楽しみ。ホントこの番組は、担当プロデューサーのセンス次第でまるきりカラーが違ってきますからね。20年代後半の奇妙な世界にますます期待大です。
まだまだフジテレビも苦境な状況には変わりないので、今後また傑作選枠があるのかどうかも気になる所。新作が減るのは残念な気持ちもあり、こういう形でも蔵出しの機会が少ない過去作を放送できるチャンスという気持ちもあり……はてさて、どうなることやら。
最後に、スタッフ&キャストの皆さん、今年も本当にありがとうございました!
この状況下で何とか年2回放送を守れた事はもちろん、春の上映会やグッズ販売に続き、今回も新宿駅の巨大広告、りんかい線の中吊り広告、ららぽーと豊洲でのフォトパネル&ステッカー配布など、積極的な宣伝活動があり、制作側がまだまだ『世にも』を大切にしている姿勢が垣間見れたのが本当に嬉しかったです。
本来なら次は40周年を目指して……と言う所ですが、今回ストーリーテラーの発言で、35億年後でも『世にも』は健在であることが発覚したので、今後も挑戦と原点回帰を織り交ぜつつ、より楽しくて怖い奇妙な物語を見せていただければ、もうそれだけで十分!
スタッフのツイートによると、今回のコア視聴率、特に10代の占拠率は驚異的な数字だったらしく、そこもひと安心。どんなコンテンツも、若いファンがいないといけませんからね。その中から生まれてくる将来のマニアの向学ために、私もまだまだ情報収集頑張ります。
ではまた来年、36年目の奇妙な世界で。
◆ サウンドトラックCD 発売のお知らせ
2020年、放送30周年を記念して発売される予定だった新サウンドトラックCDが、コロナ禍で有耶無耶になってしまった悲しい事件から5年──。ようやく念願の商品化が実現しました!

世にも奇妙な物語 35th anniversary
オリジナルサウンドトラック
1992年~2024年までに作曲家・蓜島邦明さんが手掛けられた約1300曲もの楽曲の中から、御本人が選び抜いてリマスタリングした44曲+35周年用に新録音したテーマ&ストーリーテラー+新アレンジ版のガラモン・ソングを収録した、全2枚組の計47トラック。
詳しい収録内容は、ポニーキャニオンの商品ページを見ていただくとして、35年ぶりとなる新サウンドトラックに相応しい圧巻のラインナップとなっています。
マニアにはたまらない「見たら最期」「恐竜はどこへ行ったのか?」といった90年代の旧作はもちろん、00年代の「夜汽車の男」「イマキヨさん」、10年代の「JANKEN」「ズンドコベロンチョ(リメイク版)」など各年代のファンも感涙物の懐かしい楽曲がたっぷり。あの「恋の記憶、止まらないで」や「友引村」の劇中歌なんかも入っています。
個人的には、初期のガラモンソングやストーリーテラーの各バージョン違いなんかも聞きたかったですが、今回は収録されず。91年以前の楽曲はマスター自体が現存してないのか、蓜島さんご自身が「ある時期の楽曲は音が気に入らないので収録をやめた」とおっしゃっているので、それに当てはまっていたのか……。
また、本CDは蓜島さん側からの働きかけによって実現したらしいためか、氏以外の方が作曲された「BLACK ROOM」「ママ新発売!」「Be Silent」「美女缶」などの楽曲も未収録。さらに版権の問題で、劇場版関連も収録できなかったそう。
この辺りは今後の続盤に期待したい所ですが、そのためにはしっかりした売上実績を積んでおかなければなりません。なんせまだ未収録曲が1200曲以上も残っている訳ですからね。なので、奇妙な世界を愛する皆様には、是非ともお買い求め頂ければと。この手のCDは廃盤になるのも早いですからね。
お金に余裕のある古参の皆様も、余裕がないけど気になっている若い方も、どうぞ一家に一枚、奇妙な銀盤を。
……以上、勝手に宣伝でした。











