世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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対談&30周年記念ラジオ紹介

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新年あけましておめでとうございます。昨年も毎度のように、世にもファンの方々には大変お世話になりました。本年も、当『ファンサイトの特別編』をどうぞよろしくお願いいたします!

 

さて新年一発目となる今回は、昨年12月に番組テーマの作曲家である蓜島邦明さんのラジオ番組『蓜島邦明のラッタラッタラ』で行われた番組特集回を書き起こしでご紹介していきたいと思います。

 

◆ 2020年12月22日 放送分より

 

12月22日放送分は、蓜島さんの友人でもあり、番組でも「常識酒場」「トラブルカフェ」等を手掛けた飯田譲治監督との対談。

NIGHT HEAD』の話が中心ではありますが、世にもに関する話題もチラホラあったため、その辺りを抜粋してご紹介。

 

 

蓜島えー今週は映画監督の飯田譲治さんのお宅に押しかけまして、ラジオ録音させていただいたものなのですが。まあ対談と言いましょうかね、部屋の中で足を投げ出してですね、2人で外の公園とか芝生の上でよくやるパターンの座り方なんですけど。

 

そういう感じで、一時リラックスモードでですね、色んなお話をお伺いさせていただきました。 『NIGHT HEAD』のことや『世にも奇妙な物語』のことも色々含めまして、非常に楽しいお話し合いで。 是非皆さんに聞いていただきたいと思います。飯田譲治監督

 


 

蓜島「今週は映画監督の飯田譲治さんのお宅に押しかけて、今録音させてもらっていますけど」

 

飯田「もう始まってんの?」

 

蓜島「もう始まってんの(笑)」

 

飯田「(笑) 久しぶりだよね、蓜島さん」

 

蓜島「何年ぶりですかね、もう」

 

飯田「会うのはもう10年どころじゃないでしょ?」

 

蓜島「えっ、そんな経ってますか?飯田さんがちょっと前に舞台やってたじゃないですか。中野?の時行った気がするんですよね」

 

飯田「そうだっけ?」

 

蓜島「うん、落合(正幸監督?)さんと一緒に行ったんですよ」

 

飯田「あ、そっかそっか。あれな」

 

蓜島「あの時見さしていただいて、それからですからね。3年? もっとか」

 

飯田「6年とか……あ、5年」

 

蓜島「あ、5年ぐらい? ほんとにまあ。元々『世にも奇妙な物語』をやらせてもらったのは、この飯田譲治監督のおかげで。共同テレビに言っていただいて」

 

飯田「そうだよ、蓜島さんの今があるのは俺のおかげだよ(笑)」

 

蓜島「そう、そうなんですよ(笑) 飯田さんのおかげなんですよ。ほんとに。冗談抜きで」

 

飯田「でもタイミングだからね?」

 

蓜島「そうですね。あの頃って深夜番組とか結構面白いのばっかりやってたじゃないですか」

 

飯田「そうそう、自由だったんだよ」

 

蓜島「その自由なのがすごいの生み出したんですよね。でまあ『NIGHT HEAD』もそうだし『世にも』もそうだし……『NIGHT HEAD』行きましたね。来年アニメやられるという」(筆者注:2021年7月放送予定の『NIGHT HEAD 2041』)

 

飯田「そうそう。でもあれは、俺は脚本に専念したというか」

 

蓜島「なんかいきなり未来行っちゃったんでビックリしちゃって」

 

飯田「そう、未来の話なんだよ」

 

蓜島「あのね、ちょっと前からみんな『NIGHT HEAD』のトヨエツ(豊川悦司)と武田真治の今が見たいって言う(声が)すごく多いんですよ。それだったら全然応援するっていう人たちが多くて……どうなんですか、今やられるの」

 

飯田「いや、実は実写でリブート版作りたいって話はしてるんだけど、まだ(企画が)動いてない」

 

蓜島「結構世にもファンとか、あの辺を見てた人達はかなり熱があって。クラウドファンディングやられても集まる気がすごいあるんですよ」

 

飯田「いやークラウドファンディングでやっちゃダメでしょ?(笑)」

 

蓜島「……と、いうあれもあるということを言っただけで(笑)」

 

(中略)

 

蓜島「『NIGHT HEAD』から出てった監督たちは今すごいじゃないですか。本広(克行)さんにしろ何にしろ。みんな結構良い所行ってしまって。 飯田さんも、みんなあそこらへんから上がってますよね。『世にも』が出発点の部分もあるんですよね」

 

飯田「そうだね。その前の『奇妙な出来事』ってのがあって、それで呼ばれてやって。それが『世にも奇妙な物語』になって。で、『世にも奇妙な物語』の中でやったドラマを『NIGHT HEAD』の原作にして出来たから。振り返ってみると企んだわけじゃなくて……自然な流れだったのかなって」

 

(中略)

 

飯田「(監督デビュー作の話から)『奇妙な出来事』が『世にも奇妙な物語』になるっていうんで。 で、作曲家探してるとかいうから。ちょうどほら、蓜島さんがあの時に三上博史の曲とか作ってたじゃん」

 

蓜島「あ、やってましたね」

 

飯田「あれ俺にくれたりしてたから。俺それ持っててさ、共テレに。で、『この人面白いよ、この人でやろうよ』つって俺言ったんだよ。 そしたらさ……今考えられないよ? だって、インストをメインテーマにしたんだもんね」

 

蓜島「そうですね(笑) テーマ出来上がるのに30曲ぐらい作ったような気がする」

 

飯田「でも今じゃもう、ね? あの曲を知らない日本人はいないって感じでしょ?」

 

蓜島「そうみたい……そうみたいっていうか、そう(笑) 30年やってたら刷り込みますよ」

 

飯田「30年続く番組の音楽を作ったっていうだけですごいよ? (笑)」

 

蓜島「いや、ほんとにね。みんなギターで弾いてもらって、YouTubeにあがってたりとかしてるんだけど、みんないつも一音が違うっていう(笑)」

 

飯田「ハハハ(笑)」

 

蓜島「実はね。あるんですよ、そこが(笑) あれね、即興で手弾きで作っちゃったんですよね。だからテンポとかズレてんですよ、最初の方。だからそこが気持ちいいんですよ。やっぱり生じゃないと」

 

飯田「いいね、70年代の。打ち込みと違う感じ(笑)」

 

蓜島「そうそうそう。バンドはさ、最初のテンポと終わったテンポで違うんだよ。それがカッコイイんだよ、ノリで(笑) そういう風に作っちゃったやつがみんな、タモリさんのテーマにしろ、あの時はすごかったですね」

 

飯田「面白かったよね」

 

蓜島「あの時代は監督とかプロデューサーも変わった人たちが多かったような気がするんですけど。勢いがあったっていうのかな。新しいものを生み出そうという、面白いもの出来てますね」

 

飯田「今と違うのはやっぱり、上の人の顔色窺ってなかったよね、みんな」

 

蓜島「そうですね、嫌なものは嫌だったっていう気がする。色んな監督もいましたけど、『世にも』やった時は5人の監督の意見を聞いて作んなきゃいけなかったっていう(笑)」

 

飯田「アハハ(笑)」

 

蓜島「それがまた、凄まじい人たちばっかりなんでもう……(笑)」

 

飯田「ほんとあれだよね……よくあの予算でやってたよね?」

 

蓜島「ほんとですねえ。まあ一時期は結構な予算で作ってたけど。なんかね、今年『世にも』が30周年なんで。キー局(フジテレビ)は何も……スルーをしよう(という風に見えた)というか、なんというか」

 

飯田「なんでだろうね?」

 

蓜島「うーん、コロナになってしまったし、予算も無くなったし……って色々あるかもしれないし。ただ今やってる『世にも』より、昔の脚本がすごかったような気がするんですよね」

 

飯田「なんだろうね。やっぱホラ音楽と同じでさ、マニュアルが出来るまでが面白いよね」

 

蓜島「うんうん、ですね。今ひとつ脚本がこう……若い子に合わせるという言い方は変ですけど。なんですかね、時代に合わせる?」

 

飯田「なんかこう、ルールが出来上がってて。そのルール通りにやることが正しいことみたいになっちゃうと、そっから面白くなくなるんだよね」

 

蓜島「それ役人仕事みたいじゃないですか。大体ホラ、創造していかなきゃいけないのが本来の筋で。なんか規定のもので売れるからってんで、そればっかりになっちゃってると……なんかねえ?」

 

飯田「そうそう。そうすっと面白くなくなってきて、だんだん違うのが突然出てくるとそっちが流れになったりするんだよね」

 

◆ 2020年12月29日 放送分より

 

続けて昨年12月29日に行われた世にも特集を。30周年記念として約1年ぶりとなる世にも関係の特集でしたが、既出音源がほとんどで初出のものは一部のみ。

 

そして、気になる30周年記念サントラについての言及もされましたが……。

 

「ガラモン・ソング」(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「えー『ラッタラッタラ』。今週はですね、『世にも奇妙な物語』30周年になるんですね。30年間、このテーマ曲を聞いていただきまして、本当にありがとうございます。今年ももう終わりなのでございますが、テレビの方では30周年記念ということも、何も出来ませんで。コロナの影響ですねえ…。寂しい限りですね。

 

えーそれでですね、30年間色んな劇伴を作っておりまして、その中で最近見つけ出しました劇伴を聞いていただいて、こうだったと、あれだったんだなと思い出していただこうと思いまして。これはCDにしたかったんですね色々と。ま、それも叶わぬことになっております。いずれは色んな劇伴を集めた世にものCDを出したいと思っておりますが……。

 

とりあえずですね。ここでしかもう聞けないと思いますね、こういう劇伴。まず映画の劇伴というのがCDに出来ないので。映画でですね、『世にも奇妙な物語』でやりました『携帯忠臣蔵』というものなんでございますが、中井貴一さんが主演でしたね。それでは、映画バージョン、『携帯忠臣蔵』」

 

「携帯忠臣蔵(映画の特別編「携帯忠臣蔵」より)

 

蓜島「えー『世にも奇妙な物語』の『携帯忠臣蔵』映画バージョン。世にもの本格時代劇のやつでございますが。吉良上野介の討ち入りに悩んでおりました大石内蔵助がある日、携帯電話を拾った所から話が始まるんですね。

 

次はですね。『望みの夢』という……これはテレビの中で放送しましたね。私が好きな劇伴ですね。『望みの夢』」

 

「望みの夢」('97秋「望みの夢」より)

 

蓜島「『望みの夢』、星護監督だったと思いますが。『望みの夢』ね、これ結構手こずって作った曲ですね。

 

えー次はですね、本当に世にも初期の頃の作品でございまして。『噂のマキオ』とか、一番最初に世にもが放送された時に入ってたやつですね。あと、双六の話ですね。それを混ぜたやつの劇伴でございます」

 

「セリフ劇場 (噂のマキオ~楊貴妃の双六~悪魔のゲームソフト)」(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「30年前なので、ゲームソフトの音が古いですねえ。ああいう電子音の感じで作ってたんですね。

 

えー、それでですね。世にものクリスマスバージョンってのがありまして。クリスマスバージョン、ちょっと聞いていただけますでしょうか」

 

「ガラモン・ソング (クリスマスVer.)」('96聖夜の特別編より)

 

蓜島「世にもの聖夜バージョン。特別編のOPで作ったやつですね。次はですね、『ブルギさん』。『ブルギさん』お聞きください」

 

「ブルギさん」('95冬「ブルギさん」より)

 

蓜島「えー次はですね……『さとるの化物』」

 

「さとるの化物」('00秋「さとるの化物」より)

 

蓜島「当時はですね、5人の監督を相手にして、5パターン、色んなパターンを作んなきゃいけなかったんですね。それぞれ番組の内容によって、色んなものをね……作らさせていただきました。

 

最後にですね、映画のラストにかかってたんですが……これはですね、ダンスバージョンという形で『世にも』を作りたかったので、ダンスバージョン作ってしまったんですね。

 

30年間、本当にね……(楽曲を)聞いていただいて、ありがとうございます。来年もよろしく。来年も良い年だね」

 

「ガラモン・ダンス(劇場版ver)」(「映画の特別編」より)

 

 

というわけで、貴重な音源が多数放送されたわけですが……30周年記念サントラ盤企画が白紙になってしまったらしいのが本当に残念……!(T_T)

 

サントラの発売を心の支えのひとつに2020年を生きてきただけにショックも半端ないですが、こうなれば5年後、来る世にも35周年に向けて、より一層頑張らなければなと思いを新たにすることしかできません、はい。

 

そんなやがて来るであろう嬉しいサプライズの到来に期待しつつ、改めまして本年もどうぞよろしくおねがいします!

'20秋の特別編 感想

前回のEDで発表されていた『'20秋の特別編』の放送が終了しました。

 

前代未聞の春&秋同時撮影という衝撃のチャレンジにより、コロナの行方がどうなろうとも放送が決まっていることは本当に救いでした。そしてスタッフ・キャストの皆さんの遵法精神のおかげで「ほん怖」の二の舞にならなかったことも一安心! (よく知らない方はご自分で調べてみてください)

 

そんなわけで、30周年という記念の年を締めくくる今年最後のSP。今回も私の独断と偏見による感想を。評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「コインランドリー」★

原作は2019年にWebサイト『ジャンプ+』に掲載された鈴木祐斗さんの漫画「ロッカールーム」。公開直後からSNSで大きな話題となり、「世にも奇妙な物語みたい!」「世にもで映像化して欲しい」との声もあったため、当時読んだことがある方もかなり多かったのでは。

 

私は御存知の方も多い様に面倒くさいマニアなので、当時読んでみた際は「手堅くまとまってはいるけど『マジシャンのポケット』や『美女缶』とか似たようなネタの作品もあるし、オチも世にもに採用されるほどではないかな~ハハハ」なんてお気楽に判断していたんですが……とりあえず多くの方に土下座させていただこうと思いますm(_ _)m

 

 さて、そんなわけで原作を知った上での世にも版。「墓友」「サプライズ」の松木創監督3年ぶりの復帰作ということもあり、久々のブラックな松木ワールドを堪能できることを期待していました。序盤は所々ドキッとするカットもあって、十分楽しめていたものの……なんだか色々残念な仕上がりになってしまったような(- -;)

 

例えば、原作では仕組みを主人公がある程度把握した上で行動していましたが、ドラマではそこを完全に伏せたままどんでん返しに持っていくという構成に変更したため、やや終盤が説明過多になってしまったかなと。

 

また、ドラマでは原作での余韻を残すオチをバッサリカットして、真相が明らかになった所で突然ブツリと落とすという『昨日公園(2006)』的な『イヤ~な後味残し』の手法が取られたわけですが……どうも本作はそれがハマってないなと。

 

過去の松木監督作品は突然バッサリと終わらせる演出を割と行っており、それが良い効果を産んでいる時もありましたが、今回は3年前の「夢男」の時と同じく『そこで切るのはちょっと早すぎでは?』という印象を強く持ちました。「これからどうなっちゃうんだ…」よりも「えっ、ここで終わり?」感とでもいいますか。これなら原作のラストをそのまま付け加えていても良かったのでは。

 

さらに、原作をそのまま映像化するには尺が足りなさ過ぎるので、ヒロイン役を投入するという案は正しかったと思いますが……主人公の優しさに好感を持っていたとはいえ、数回会っただけの相手にあそこまで入れ込んで介入してくるというのは、さすがにちょっとアブない人なのでは…?と思ったりも。男から見たらちょっと怖いですよ。

 

そういったことから、個人的には演出以上にシナリオ面が難ありだったなという印象。種明かし後も『よくわからない』と言われるのを恐れすぎた筆致になっていたかなと。特にラストの「つまり、俺も……」というセリフはあまりにも野暮すぎるのでは。もしかしたらスタッフ側からの注文だったかもしれませんが、良い効果は生み出してなかったように思います。

 

近年関連記事などで「もっとわかりやすく!」という注文が付けられることがあるのは知っていましたが、いくらなんでも…というケースが度々出てくるのはどうにかしてほしいなぁと。(本作のオチがわからないという声もネット上にチラホラあったので、そういう時代なのかもしれませんが)

 

ここまで来ると、1991年の「そこでは、お静かに」や1992年の「おやじ」辺りの不親切ぶりが逆に愛おしくも…(^^;) 当時のスタッフも子供に理解できない内容でも放送するという目論見があったようですしね。

 

そんなわけで評価は厳し目に見て★1つ。脚本・演出・アレンジ、どれも同じ目的に向かって狙いを定めていたはずなのに、何故かすべてが上手く絡み合わない作品になってしまったなと。ファンにお馴染みの松木監督作ですが、個人的にはとても良い時と残念な時とのギャップが激しいのが長所でも欠点でもあるので、次回作では「墓友」「夢みる機械」のようなホームランを是非期待したいですね。

 

なお原作版はWebにて絶賛公開中ですので、未読の方は是非。

ロッカールーム - 鈴木祐斗 | 少年ジャンプ+

◆ 第2話「タテモトマサコ」★★★★

これまで「ニュースおじさん」「ボランティア降臨」に出演し、名作請負人と呼んでも差し支えないであろう大竹しのぶの主演作。私としても今回の大本命として期待してました。

 

率直な感想としては、やっぱり大竹しのぶ主演作にハズレ無し!

このインパクト、この圧。『番組史上最強の超能力系主人公』とのコメントに間違いはなかったですね。あまりに便利な能力すぎて『こんなの一体どうやって倒せばいいんだ!』と少年漫画を読んでるような気分になってしまいました。

 

序盤無口だった所から、突然饒舌になる演技の切り替わりもさすが名女優の風格。確かにこのキャラを大竹しのぶでキャスティングするしかなかったのも頷けます。

結局は己の力によって自滅してしまうというギリシャ神話のメデューサ的な展開になりましたが、ベタながらもカタルシスを感じる筆運びによってそこがバッチリハマって好印象。鼻血という視覚的効果も良いアクセントになっていたのでは。

 

僅かな不満点としては、やや間延びした部分があったことと、やや少年漫画的展開に重きを置きすぎていた部分もあったため、もう少し奇妙な世界観を堪能させてほしかったな~という所でしょうか。そんな部分もあり★4つ。

 

 

放送後はネット上でもかなり評判が良かったので、この調子で今後もこういった役者の魅力を引き出せる名作の登場に期待したいですね。

◆ 第3話「イマジナリーフレンド」★★★★

前回、姉の広瀬アリスに続いて、広瀬すずが番組初登場。演出が同じ植田監督であったためか、「しみ」と同じレストランをロケに使用するなど、隠しリンクを用意する小ネタもしっかり仕込んでいた模様(^^;) さすがです。

 

展開としては二転三転ありつつ、ハートウォーミングに落とすという手堅い作り。また、ここに来るまでの2作が良くも悪くもアクが強かったので、18年連続参加記録更新中のベテラン・植田監督らしい見慣れた画作りはホッと一息つくのにピッタリだったように思います。

 

特にユキちゃんをフルCGではなく人形の操演にした所が『そう!わかってる!』と力強く頷くばかりでした。

 

個人的に「メリーポピンズ」や九重佑三子版の「コメットさん」、ヤン・シュヴァンクマイエル作品といった実写に人形やクレイアニメを合成するタイプの作品が好きなこともありますが、私は「世にも」を『究極のB級ドラマ』であり、だからこそ『片足は絶対に日常の領域に着いているべき』と思っているので、大金をかけたハイクオリティな映像表現よりも、こういった一見チープに見えつつも現実味のあるアナログ演出の方がピッタリだと常日頃思っているんですよね。(たまにいくら何でも…という演出もありますけど(笑))

 

そういった映像の面白さもありつつ、世にもの王道的な展開とも相まって視聴後の印象は好感触。ただ、娘をあんな風に失ったのに、未だそこまで心を入れ替えてないっぽい母親のキャラクターは妙なリアルさを帯びていて「なんだかなぁ…」と思ったりも(^^;) まあ、でも主人公が笑顔になれたら良しですね! ★4つ。

◆ 第4話「アップデート家族」★★★

原作は『第2回 うすた京平漫画賞』にて準大賞を獲得したチョモランマ服部さんによる同名作品。

 

改めて原作を読んでみると「全部ドッキリでした」という、そのまま映像化するにはいささか雑すぎるオチになっていたため、ややブラックに脚色した判断は正解だったなと。(ちょっとだけ『マンホール』(2002年)のラストがチラついたりも)

 

放送時間も短めに、テンポ良くギャグを繰り出していくおバカ加減は、昨今の『世にも』ではお馴染みのシュールギャグコメディ枠としても、今回のシメとしてもピッタリだったように思います。★3つ。

 

なお、後で知りましたが、犬のコロンちゃん役ことハナちゃんは、ゲーム実況で有名なYoutuberの加藤純一さんという方の飼い犬だそうで、話によればスタッフから直接オファーが来たとのこと。Youtuberをチェックする世代が番組の中心部に来はじめているとは、今後の番組も色々変わっていくんだろうな~とちょっぴり感慨深くもなりました。

 

こちらの原作も、現在『ジャンプルーキー!』にて無料公開中なので、気になる方は以下のリンクからどうぞ。

アップデート家族 - ジャンプルーキー!

◆ 総評 ★★

というわけで、30周年記念となる最後のスペシャルが終わってしまいました。

 

まずは、年2回の放送が無事出来たことに対して、スタッフ&キャストの皆さんに本当にお疲れ様でしたと言いたいです。インタビュー記事等から窺い知れる撮影状況だけでも相当な苦労があったようですし、春頃は諸々覚悟していた部分もあったので、例年と変わらず2回のお祭りを楽しめたことには感謝の言葉しかありません。

 

その甲斐もあってか、前回に引き続き2桁を維持する10.1%という好視聴率を記録し、ドラマ部門第8位。さらに、一週間のフジテレビ全番組の中では第3位。平均視聴人数は759万人、1分以上番組を見た到達人数は1964万人でドラマ部門第1位。内容面でも特に『タテモトマサコ』の高評価の声がネットでも散見され、成績・内容共に一応成功したと言っても過言ではないでしょう。

 

ただ、やはり4話は物足りないかなというのが今回も。昨今のテレビ不況により番組制作費は10年前よりだいぶ下がってしまっているようなのですが、サクサク見れるテンポの良さはやっぱり大事にして欲しい……! ワガママなのはわかっているんですけどね……!

 


 

さて、ここからは今回どうしても言いたくなってしまった不満を。

いつも通り面倒くさい内容なので、興味ない方は読まなくて大丈夫です。

 

 

ではいきます。

まずひとつめは『30周年のお祝いムード』がほぼ皆無だったこと。

 

「世にも」は2000年の10周年以降、5年ごとに何かしらアニバーサリイヤーであることに触れてきたわけですが、今回は何故か番組内ではその件に関してほぼスルー状態。

 

コロナ禍もあり、予算削減もあり、25周年ほど大々的にお祝いできないことはわかっていたものの、テラーの口からでさえその辺りのことが一切触れられていないのはさすがに淋しかったですね。そこは撮影や予算関係ない領域ですし。

 

 

ふたつめは、『PR企画での西野ン推し偏重化の兆し』。

今年、広告関係者で知らぬ者はいないACC賞で銀賞まで取ってしまった西野ン企画。つい最近YouTuberとしてもデビューし、チャンネル登録者数5万人を突破するなど着実に結果を出している彼。

 

私も定期的に覗いては、動画を楽しんで見させていただいております……が、最近ちょっと西野ン周辺を見ていて「危険だな…」と思うようになってきていたり。

 

そもそも、ここ4年ほど「世にも」のPR企画周りを担当しているのは面白法人カヤックというイベント企画会社さんで、(私が調べた限りでは)番組スタッフは企画立案&運営に関してそちらにほぼお任せしてるようなんですね。

 

で、そこの世にも担当チームの方々が、どうも西野ンというキャラクターとその人気ぶりに感激してしまったせいか、思い入れがだいぶ深くなってしまったようなんですよ

 

あえてどなたかは申しませんが、西野ンの中の方も『ずっとこの仕事だけしていたい!』と言うほどの入れ込み様で。ご自分が以前から好きだという漫画や趣味のレトログッズ収集を西野ンの趣味として設定してしまうなど、このまま本当に西野ンになってしまうのでは?と心配するほどだったり。

 

もちろん、PRスタッフさんの頭の中には今後西野ンをさらなる人気キャラクターに仕立て上げて、番組PRを容易に行えるインフルエンサーに成長させる……という目論見もあると思いますが、最近のYouTubeを見ていると『西野ンファンとの交流が楽しい!』という方向性にどんどん突き進んでいて、PRを建前にした半ば趣味としての活動になってきている様相が……。

 

私個人も西野ンというキャラクターは好きですし、動画も面白いとは思っているんですが、今後のPR企画がそれ一辺倒になっていくならば非常に危険だなと。

 

マンネリへの懸念はもちろん、もしこれが今後『西野ンありきの企画立案』になっていくならば、これまで試行錯誤しながら様々なチャレンジを続けてきた『世にも』の精神にも反するんじゃないかなと。

 

もちろんPRはPRしてナンボですから、ウケる要素はどんどん使っていくのは企画会社として間違ってはいませんが、近年番組を構成する要素のひとつにもなりつつある部分で安易にウケを狙う方向に流れていくのは、本体にもあまり良い影響を与えないような気がするんですよね。難しい所ではありますが。

 

 

最後は、『横スクロール短縮ED』。

夏SPは次回予告があったための措置であろうことはわかっていたものの、そこは関係ない今回でもそこを踏襲しているのが地味にショックでした。

 

近年どんどん短くなるOPムービーや提供バックのコメント併記に加え、奇妙な余韻に浸れるEDまであっさり処理にされてしまうと、哀しくて……あまりに哀しくなってしまって、三日くらい引きずったんです!!! (T_T) 今でもまだ引きずってますけど。

 

いやね……気持ちはわかるんですよ。淡々とEDを流してたら視聴者が離脱してしまうので、このテレビ不況の中、何とか最後まで引き止めて少しでも数字を上げようと、何とかしようという今の若手Pの方々の苦肉の策なのは。

 

でも、哀しすぎるんですよ!!(T_T)

 

去年の『'19雨の特別編』での『スタッフの反対を押し切って決めました(笑)』事件のこともあり、どうもここ2年ほどの若手プロデューサー陣は「世にも」に思い入れが無さすぎるんじゃないかと。流れ仕事すぎないかと。数字しか見てないんじゃないかと。やることなすこと、最低限の番組愛さえ感じないんですよね。

 

本当にもう、30年の歴史の中で最も番組が軽く扱われている様を、現在進行系で見せられているのが、マニアとしては哀しくてしょうがないです。そういう傷心もあったため、今回は★2つ。

 

 

後藤P帰ってきてくれ~~~~~!!!!!!(T_T)

 

 

 ……というわけで、以上総評でした。

 

不満点を挙げだすとキリがないですが、めいっぱい楽しんだのは本当です。こうやって文句もいいつつ、なんだかんだ見続けちゃうのが、世にもファンの業じゃないですか。……ね?

 


 

さてそんなこんなで改めまして…スタッフ&キャストの皆さん、今回もありがとうございました!

 

色々と不満点もあれど、30年目の奇妙を無事迎えられたことは本当に幸せでした。

 

いやー30年ですよ。当時XX歳だった私も今ではすっかりいい大人になってしまいましたが、初めて世にもを見た時の興奮と感動は未だずっとあの時のままなような気がします。

 

思えば、世にもに使われた小説や漫画に手を出して、様々な出逢いが広がっていきました。モチーフになった映画や使われていた音楽も聞いて、そこからさらに素敵な出逢いがあって───自分の中に生まれたエンタメの世界が広大な物になったのは間違いなく『世にも』があったからですし、物語の面白さに触れた原点でもありました。

 

これから番組は40周年に向かっていくわけですが、『浜の真砂は尽きるとも世に奇妙の種は尽きまじ』という言葉もあることですし(?)、まだまだ怖くて愉快で素敵な奇妙な物語が我々を楽しませてくれるに違いないでしょう!

 

そして、そんな素晴らしい未来に心躍らせているのは、きっと私だけではないはず。

 

これから先の10年も、ぜひ奇妙な世界の扉の前で待ち合わせしましょう。

 

 

『世にも妙な物語』30周年。本当におめでとう!

'20秋の特別編 みどころ紹介

『夏の特別編』のED内で突如発表され、多くのファンを驚かせた『秋の特別編』の放送告知から4ヶ月。

 

前期&後期の特番を同時撮影という史上初の試みもあってか、早い段階から安心してこの時を待つことができたわけですが……記念すべき30周年を締めくくる大事な回。前回以上に奇妙な世界を堪能できるか否かが肝心ですよね。

 

では、今回も『'20秋の特別編』の各話の見どころやスタッフ・キャストをご紹介!

 

※ 11/8 時点で判明している情報に基づいており、今後も情報が追加され次第更新して行きます。

◆ 第1話「イマジナリーフレンド」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 3 》

【主な奇妙作】『3つの願い』『配信者』(共に2020)

 

演出:植田泰史《 26 》

【主な代表作】『アンフェア』『遅咲きのヒマワリ』『人生が楽しくなる幸せの法則』など

【主な奇妙作】ネカマな男(2005)』『イマキヨさん(2006)』『しみ(2020)』など

 

主演:広瀬すず《 初 》

【主な代表作】ちはやふる』『anone』『なつぞら』など

【 注目ポイント 】

広瀬すずが遂に世にも初主演!

夏SPに出演した姉・広瀬アリスに続き、まさかの姉妹連続出演が実現!

◆ 第2話「コインランドリー」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:鈴木祐斗《 初 》

【主な代表作】『ロッカールーム』『骸区』

 

脚本:遠山絵梨香《 初 》

【主な代表作】『今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?』『アロハ・ソムリエ』など

 

演出:松木創《 10 》

【主な代表作】ラーメン大好き小泉さん』『警視庁いきもの係』『リカ』など

【主な奇妙作】『未来同窓会(2007)』『墓友(2014)』『夢みる機械(2016)』『夢男(2017)』など

 

主演:濱田岳《 2 》

【主な代表作】3年B組金八先生』『アヒルと鴨のコインロッカー』『フルーツ宅配便』など

【主な奇妙作】『ワタ毛男(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 原作は2019年にSNSで話題となったWeb漫画「ロッカールーム」!

昨年「世にもっぽい!」とネット上で話題になった『ジャンプ+』掲載漫画が舞台設定を変更して遂に映像化。

 

★ 10年代のホラー担当・松木創監督が3年ぶりの番組復帰!

2010年代のホラー担当として知られる松木監督の記念すべき10本目の作品とのこと。

◆ 第3話「アップデート家族」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:チョモランマ服部《 初 》

【主な代表作】『今週のかなでさん』『ゆずきさんのなぐさメシ』など

 

脚本:向田邦彦《 4 》

【主な代表作】みいつけた!』『わしも』など

【主な奇妙作】『空想少女(2014)』『大根侍(2019)』『恵美論(2019)』

 

演出:北坊信一《 初 》

【主な代表作】『She』『実況される男』『スター☆コンチェルト』など

 

主演:高橋克実《 2 》

【主な代表作】ショムニ』『トリビアの泉』『直撃LIVE グッディ!』など

【主な奇妙作】『来世不動産(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 原作は2017年「ジャンプルーキー」掲載の同名Web漫画!

本作の原作も、現代的らしいWeb漫画。「短編ならではのキレを楽しんで」とのこと。

◆ 第4話「タテモトマサコ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原案:荒木哉仁

 

脚本:山岡潤平《 5 》

【主な代表作】マジすか学園』『家政夫のミタゾノ』『仮面同窓会』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『冷える(2014)』『コールドスリープ(2019)』など

 

演出:小林義則《 8 》

【主な代表作】『アンフェア』『HEAT』『駐在刑事』など

【主な奇妙作】『採用試験(2002)』『まる子と会える町(2010)』『しらず森(2019)』など

 

主演:大竹しのぶ《 3 》

【主な代表作】男女7人夏物語』『黒い家』『後妻業の女』など

【主な奇妙作】『ニュースおじさん(1991)』『ボランティア降臨(2009)』

【 注目ポイント 】

★ 11年ぶりの登場となる大竹しのぶ主演による奇妙な一編!

プロデューサーによれば『番組史上最強の超能力系主人公』とのこと……!

◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは…… 

 

・ありそうでなかった新しい題材の相乗効果が期待できそうな『イマジナリーフレンド』

・主演作が全て名作な大竹しのぶ久々の主演作『タテモトマサコ』

 

以上2作品。

 

2連続で続いてきた完全オリジナル新作から、今回は原作付きとオリジナルが半々といった内容に。しかも原作は全てWeb漫画から採用と、今の時代ならではといった感じも。

 

そして夏SP同様の4話編成となっており、ショート奇妙枠らしきものも今の所未発表。前回は若干間延びした部分もあったため、個人的には何か他にサプライズも欲しい所ですが……はてさてどうなることやら。あったとしても、恐らく西野ン関係ですかね。

 

30周年のシメ回なだけあり、期待十分、不安もちょっぴりな今回。未だ続く過酷な現実からほんの一歩踏み出して、奇妙な奇妙な世界を覗いてみようじゃありませんか。

 

'20秋の特別編は、2020年11月14日 夜9時より放送。お見逃しなく!

'20夏の特別編 感想

今年最初のお楽しみ『'20夏の特別編』の放送が終了しました。

 

当初は春SPとして5月23日の予定だったものの、新型コロナの影響で一部作品の撮影が不可能となり放送延期。結果、26年ぶりとなる夏季放送が実現という異例の新作SPとなりました。

 

30周年という記念すべき年最初の回でありながら、奇妙な現実に翻弄されてしまった今回のSP。本編ではこの状況を逆手に取った挑戦も色々行っている様で、世にものチャレンジ精神は未だ失われていない模様。

 

そんなわけで、今回も私の独断と偏見による感想をつらつらと。評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「しみ」★★★

前回大ヒットした『恋の記憶、止まらないで』『ソロキャンプ』を引っ提げ、彗星のごとく現れた新人作家 諸橋隼人さんと、『イマキヨさん』や『コールドスリープ』などでファンにはお馴染みの植田泰史監督という新旧タッグによるホラー作品。

 

ここ最近コメディと感動物中心だった植田監督久々のホラーというマニア的な興奮ポイントもあり、今回の大本命として注目しておりました。

 

内容としては、序盤からテンポ良くホラーを展開してからのどんでん返し。勿論、そこに至るまでの様々な伏線と深読みできる余白も用意して……といった、前作同様の諸橋さんの細やかな仕事ぶりはさすがの一言。

 

ただ、個人的にはいくつか「うーん…」となってしまった部分もあったり。

 

ひとつめは、どんでん返しがあるとはいえ、中盤までのホラー展開がややベタすぎる点。全体の構成から考えれば決して無駄な展開では無いと思うんですが、『本来の世にもの怖さってこういうこと(幽霊や呪い)だけじゃなかったよなぁ…』と、昨今のホラー物に関することまで気にかかってしまい……。この辺は『恋の記憶~』よりも直球だったせいもあるとは思いますが。

 

ふたつめは、同じ系統の『箱』(2015年)とどうしても比較してしまうという点。

これはSNSなどでもかなり言われていたので、恐らく同じ印象を持った方も多いはず。

別に同じアプローチによる話があっても全然構わないのですが、いかんせん5年前の作品だと、さすがにまだ記憶に新しすぎるといいますか、既視感が拭えないというか……。また、個人的に番組に求めている要素を比べると、どうしても『箱』の方に軍配が上がってしまう部分も。

 

とはいえ、一発目に相応しいパンチの効かせ方は好感触。提供横の『しみ抜きの基本は早めの処置です』というメッセージも、オチを踏まえてみれば「なるほど!」と。当初はてっきり洗濯のワンポイントアドバイスだとばかり…(^^;)

 

いつか同じタッグによる新たなアプローチのホラー作の再登場に期待も込めて★3つ。諸橋脚本、まだまだ注目するしかないですよ……!

◆ 第2話「3つの願い」★★

 1話減少となった影響によるものか、史上最長となる40分という長編作品。CMを入れると実質ちょっとした一時間ドラマくらいの体感でした…(^^;) さすがに長過ぎた様な気もします。

 

さて、この種の短編ではすっかりお馴染みの『3つの願い』ものを土台に、新たに刑事サスペンス物としての視点を入れたことで、あまり見ないタイプの作品になっている新しさは◎。40分もの長編を書くにあたって、脚本家さんもこの部分にかなり助けられたことでしょう。

 

そんなファンタジー+警察+サスペンスという食い合わせの悪そうな要素同士を上手くまとめているとは思うのですが……如何せんあのラストはしょっぱいことになっちゃいましたね。

 

既にネット上でも散々指摘されているように、心臓や妻の出処はどうなっているんだと。

いや、わかります。わざわざテラーに『親殺しのパラドックス』の説明をさせたりしている所から見て、スタッフ間にそこの懸念があったことは容易に想像できるんです。

 

ただ、それにしても引っ掛かりがありすぎるんじゃないかと。

最初だけ魔人が用意していたとしても『無から有を生み出してるじゃん』『等価交換じゃないじゃん』って話になりますし、テラーの言うような事後選択モデルに当てはめようとしてもちょっと苦しいですし、いっそ平行世界の主人公から持ってきて、そこで回していると考えても何だか変なことになり……。

 

他の創作物なんかではその矛盾込みで楽しませる物もありますし、矛盾があること自体は悪いわけではないのですが、本作のような『つじつま合わせタイプ』の種明かしでそこを放置されてしまうと、逆に粗だけが目立ってしまうなと。

 

先日放送されていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もそうですが、時間をテーマにした作品は矛盾がほぼ無くて面白いという所が一番の肝であり見せ所だと思っているので、こういう所で多くの視聴者をモヤモヤさせてしまっている時点で、あんまりスマートなシナリオではないなというのが正直な所。

 

長編としての意欲は買うものの、種明かしのツメの甘さとやや冗長気味だったことで★2つ。あんなことするなら最初に全部主人公に説明しといて欲しいですよね、ホント…(笑)

 

なお、パラドックスを克服できる説を思いつかれた方がいましたら、是非教えてください。

◆ 第3話「燃えない親父」★★★★

今年1月に起こった不倫騒動から初のドラマ出演となる杏主演の一編。ひとつ前の時間帯で放送されていた『ドッキリGP 2時間SP』では、騒動の発端である夫の東出昌大がゲスト出演というあざとさも印象的でした…(^^;)

 

さて、本作の感想ですが…今回文句なしのベストワン作品だと思います!

一個前の「3つの願い」でちょっと集中力が切れかけていた所で、ガラッと気持ちを切り替えられる清涼剤的な一本だったのでは。

 

父親が火葬できないというインパクト大の導入部からすぐさま掴まれ、ハートウォーミングとコミカルを適度に行ったり来たりする、緩急のバランス感覚もバッチリ。ラストはそれでも火葬できないというオチでも良かった所、ああいう素敵な落とし方でまとめた所も個人的には高ポイント。

 

ただ一点めちゃくちゃ気になったのは、オネェのジャスミンさんが登場する際にカルチャー・クラブの『カーマは気まぐれ』を流すという、とても令和のテレビとは思えないベタを通り越した古臭いバラエティ風演出。

 

シナリオはほぼ文句無しの出来だったため、チープ感を出したかったのだとしても、今時日テレのバラエティでもやらないレベルのダサさ&全体からの浮きっぷりが個人的にはかなり引っかかりました。そこで減点して★4つ。

◆ 第4話「配信者」★

フジテレビ局内のみでの撮影&一人芝居中心という、コロナ禍で撮影できる物を急遽用意した感のある本作。他の作品と違って、確実に脚本コンペ通過していないでしょうね。

 

さて、世にもだけでなく大半のテレビドラマに通じることですが、ネット描写があまりにも類型的すぎると、なんだかもやもやとなってしまうんですよね。もちろん、配信を批判するコメントを出した所で展開上ノイズにしかならないのはわかるんですが、『とはいえ、リアリティが無いよなぁ…』と気になる自分がいるという。

 

 さらに、本作はこれまで度々あったネット風刺ネタなのはわかるんですが、さすがに『バズるために好き勝手やっていたら罰が当たるぞ』というテーマは2020年にわざわざやるような物なのかなとも。そこを省いて見ても、あのラストは不完全燃焼感が残る仕上がりにもなっていたように思います。

 

ゲストキャラクターである西野ンの立ち回りがちょっと面白かったものの、単体として見ると"間に合わせ感"が強く感じられたため、★1つ。

◆ 総評 ★★

今年は新型コロナの感染拡大もあり、年内の放送はどうなってしまうのかとヒヤヒヤしていたので、まずは無事放送できたことがとにかく嬉しかったです!(T_T)

 

視聴率も1年半ぶりの2ケタ復帰となる10.7%で、ドラマ部門第8位。さらに、一週間のフジテレビ全番組の中で第1位&唯一の2ケタという結果に。

また、最近ビデオリサーチが新たに設けた『平均視聴人数データ』によれば、平均視聴人数は833.9万人。1分以上番組を見た到達人数は2139万人でドラマ部門第1位。これも、西野ンの頑張りのおかげなのでしょうか…(^^;) 

 

 

さて、今回40分の長編やテラーパートが各話を繋ぐという斬新な構成など、様々な挑戦が感じられた一方で、やはりコロナの影響で妥協せざるを得なかったであろう要素も感じられた特別編だったように思います。

 

その大きな要因としては、実質『3話+短編』という構成になったためか、全体的に引き伸ばし、冗長気味なところ。世にもらしい"テンポの良さ"を損なう形になったのではないかなと。やっぱり話数は4話以上ないとキツいでしょうね。

 

大変な状況での撮影であったことは公式の記事などからヒシヒシと感じますが、『頑張ったんだから多少問題があっても大目に見てあげようよ』というのも、逆に失礼だと思っているので……30周年一発目ということもあり、厳しめに見て★2つ。

 

 

そんなわけで、内容としてはもう少しという感じでしたが、EDの『秋の特別編』予告サプライズには度肝を抜かれました……横スクロールの短縮EDという、個人的に地雷ど真ん中のやり口でありながら、そんな事さえ吹っ飛ぶくらいの衝撃でした。全編撮影済みの次回予告なんて、前代未聞ですよ。

 

初期からの伝統芸であるスケジュールギリギリ進行により、放送日に完パケテープが出来上がることさえあるこの番組のスタッフとは思えない手際の良さ。

 

こんなの我々の知ってる『世にも』じゃない!!

 

しかも周年企画のお約束なのか、秋編の方が力が入ってそう!(笑) さらに、コロナ第二波で万が一のことがあっても、確実に放送できる所も非常に安心。夏編はこっちに注力するために色々妥協した結果だったとすれば、しょうがなくも……ないか。

 

 

というわけで、最後に…スタッフ&キャストの皆さん、今回もありがとうございました!

 

世界を巻き込む大変な状況の中、史上初の見逃し配信の実施や、過去作配信など30周年らしい企画を何とか用意しようとしてくれたことについても感謝の一言。

 

欲を言えば秋以降もサプライズを色々期待したいところではありますが、ひとまずは「秋の特別編」の出演者の皆さんが、薬物・不倫・その他犯罪行為をしないことをひたすら祈っています!(笑)

'20夏の特別編 みどころ紹介

 

……というわけで、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた『'20春の特別編』が『'20夏の特別編』として放送されることが決定しました!

 

いやー、良かった……本当に良かったです(T_T)。正直年内の放送は最低でも秋以降になるだろうと思っていたもので……スタッフの皆さんに感謝。

 

 

さて、放送が決まったとなれば夏SPの内容がさっそく気になってしまいますが、どうやら今回の30周年一発目でついに『コラボ企画からの卒業』を決意した模様。まあ、20、25周年でめぼしい物はやり尽くしてしまいましたしね…(^^;)

 

そして、『'18春の特別編』以来2年ぶりの4話構成にショート奇妙などの短編がプラスされるかどうかは現時点では不明。一部作品は予想通り緊急事態宣言前に撮影を済ませていたようですが、状況が状況なので単純に1話減らす判断になっていても仕方ないかなと。

 

これらの要素から、ここ最近の周年企画の中では地味なSPになっていますが、その一方で7/4から『過去作の順次配信』や、8/2よりCSで『奇妙な出来事』の再放送(7話は欠番)が決定するなど、30周年らしいお祝い企画をちゃんと用意してくれているので、古くからのファンの方もご安心ください!

 

……というわけで、そんな記念すべき30周年の始まりを告げる『夏の特別編』の各話の見どころやスタッフ・キャストをいつものようにご紹介!

 

※ 7/2 時点で判明している情報に基づいており、今後も情報が追加され次第更新して行きます。

◆ 第1話「しみ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:諸橋隼人《 3 》

【主な代表作】『パフェちっく!』など

【主な奇妙作】『恋の記憶、止まらないで』『ソロキャンプ』(共に2019)

 

演出:植田泰史《 25 》

【主な代表作】『アンフェア』『遅咲きのヒマワリ』『人生が楽しくなる幸せの法則』など

【主な奇妙作】ネカマな男(2005)』『イマキヨさん(2006)』『コールドスリープ(2019)』など

 

主演:広瀬アリス《 初 》

【主な代表作】明日の光をつかめ』『探偵が早すぎる』など

【 注目ポイント 】

★ 『恋の記憶~』『ソロキャンプ』脚本家が贈るホラーサスペンス!

昨年ファンの間で大好評を博した『恋の記憶~』で鮮烈デビューを果たした諸橋隼人さんの世にも最新作となります!

 

★ ドラマやバラエティで活躍中の広瀬アリスが番組初出演!

ご本人は『私のシリアスな新たな一面を見て頂けると思います』とのこと。

◆ 第2話「燃えない親父」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:坂本絵美《 初 》

【主な代表作】『ブスと野獣』『オトナヘノベル』など

 

演出:河野圭太《 15 》

【主な代表作】古畑任三郎』『マルモのおきて』『僕らは奇跡でできている』など

【主な奇妙作】『23分間の奇跡(1991)』『ボランティア降臨(2009)』『人間の種(2019)』など

 

主演:杏《 2 》※ 初主演

【主な代表作】ごちそうさん』『花咲舞が黙ってない』『デート』など

【主な奇妙作】『分身(2011)』

【 注目ポイント 】

★ 絶対燃えない父親の遺体に関するコミカルなハートウォーミングストーリー!

プロデューサーによれば『火葬場が舞台でも、少し笑ってしまって大丈夫なお話』とのこと。

 

★ 杏が今年1月の夫不倫騒動後初となるドラマ出演!

番組では2011年の『分身』以来9年ぶりの出演&世にも初主演作になります。

◆ 第3話「3つの願い」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 初 》

 

演出:河野圭太《 16 》

 

主演:伊藤英明《 3 》

【主な代表作】海猿』『悪の教典』『僕のヤバイ妻』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『蛇口(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 歴代最長(?)となる40分の中編作品に!

1話減少による妥協策か、はたまたチャレンジか…!? 深夜ドラマ並の長さの作品が登場です!

 

伊藤英明の8年ぶり3度目となる世にも主演作!

『大変な時期での撮影になり、少数精鋭で頑張って乗り越えたので、是非楽しみにしてください!』とのこと。

◆ 第4話「配信者」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 2 》

 

演出:淵上正人《 初 》

【主な代表作】『HOPE ~期待ゼロの新入社員~』『新宿セブン』など

 

主演:白洲迅《 3 》 ※初主演

【主な代表作】『刑事7人』『僕はまだ君を愛さないことができる』など

【主な奇妙作】『地縛者』『嘘が生まれた日』(共に2015)

【 注目ポイント 】

★ 動画配信をテーマにした現代版ホラーサスペンス!

プロデューサーによれば『SNSに象徴される現代社会の“責任のない悪意”を描きたいと思い企画しました』とのこと。

◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは…… 

 

・「恋の記憶~」の諸橋脚本×植田演出という新旧タッグが気になる『しみ』

・40分という歴代1番の長尺作品『3つの願い』

インパクト大のアイディアで期待できそうな『燃えない親父』

 

以上3作品。

 

そんなわけで、ひととおり情報が出揃ったわけですが……前回の好評ぶりを意識してか、今回も原作付きを排除した完全オリジナル脚本のみで勝負&ブラックテイスト中心。これはファンには嬉しい傾向ですね。

 

中でも、前回ネット上でも大好評を博した「恋の記憶~」と「ソロキャンプ」を手掛けた諸橋隼人さんの最新作『しみ』は、マニア的にはかなり注目したい所だったり。

 

なんせ、ここ最近の世にも新人常連作家はコメディ寄りの方が多かったので、質の高いホラーが書ける新人さんは貴重ですからね。本作が20年代の一発目というのも見逃せません。

 

そして、恐らくコロナ禍による1話削減の余波を受けたであろう長さの「3つの願い」や、今回の状況下で撮影できそうな脚本に急遽差し替えた感のある「配信者」など、スタッフの苦労の後がどことなく忍ばれる部分も。制作が見送られてしまった脚本も恐らくあったんだろうなと……。

 

 

さて、これまでアニバーサリーイヤーでのコラボ企画に慣れてきたファンからすると、あまりにも地味なラインナップとなった今回。

30周年一発目にしてはどこか寂しい気持ちを覚える部分もありますが、時勢が時勢。ひとまずは今年も奇妙な世界からの便りが届いたことが一番のお祝いだと思いたいです。(これまでのパターンだと記念の年は秋SPが本番だし…という気持ちもありつつ…(^^;))

 

奇妙で過酷な現実の中、しばしのあいだ奇妙で怖くて楽しい世界に一旦身をおいて、今年最初のリフレッシュ(?)してみませんか。

 

'20夏の特別編は、2020年7月11日 夜9時より放送です。お見逃しなく!

30周年!&「ifもしも」ラジオ特集

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2020年4月19日、『世にも奇妙な物語』の放送開始から遂に30年を迎えました。

記念すべきアニバーサリーイヤーということで、今年の番組展開に大いに期待したい!

 

……と、思っていましたが!

 

昨今の新型コロナウイルス感染拡大による自粛の嵐。そこから各テレビ局でも番組の撮影や収録が次々に休止となる事態に。

春の新ドラマやアニメの放送も続々延期され、再放送の割合も日増しに増えてきています。

 

我らが「世にも奇妙な物語」はご存じの方も多いように、どんなに早く撮影を始めても何故か放送当日まで編集作業が終わらないことがしょっちゅうなギリギリ進行。これはもう放送初期からの伝統芸でもあるため、既にすべての撮影を終えている…なんてことはまず無いでしょう。

 

過去のケースから考えて、現在はようやく脚本の大部分が出来ていて、そろそろ順次撮影、もしくは1本くらいは撮影を終えている頃かな?という段階だったと思われますが、連ドラの撮影が見送られている今、優先順位の低い特番ドラマの撮影となるとなおのこと厳しいでしょう。

 

テラーの年齢のこともありますし、先がまったく読めない状況でもあるため、最悪放送回数が減ってしまう可能性も無くはないと思っていたり。(ひとまずは今月24日発売のノベライズ帯に情報が載るかどうかですが……)

 

よりにもよって30周年という節目の年にこんなことになるなんて……と落胆半分、しょうがないかと諦め半分という心境ですが、それでも番組の30周年という大事な年には代わりありません。

 

今の「世にも」ファンに出来る唯一のことは「世にも奇妙な物語」を見たい。待っている。スタッフ頑張れ!……そんな気持ちを伝えることではないでしょうか。

 

もちろん、伝えたからといって感染症の流行が急速に収まるなんてことはないでしょうが……この先番組がどんな状況に陥ったとしても必ず後押しする力になれるのがファンの声だと思っているので、30周年のお祝い、再放送希望、新作への期待などなど、各々の想いを伝えてみませんか…?

 

www.fujitv.co.jp

 

 

ちなみに、同日『ファンサイトの特別編』も誕生16周年。今後とも是非よろしくお願い致します!

※ 追記 (4/24)

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この日、ノベライズ本「教室の裏側にひそむ暗闇編」が発売され、帯には『'20春の特別編』の放送日が掲載されましたが……。

 

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世にも奇妙な物語 ’20春の特別編 放送延期のお知らせ>


集英社より4月24日に発売された当番組のノベライズ本「世にも奇妙な物語 教室の裏側にひそむ暗闇編~」の帯に次回の放送日について「土曜プレミアム 世にも奇妙な物語’20春の特別編」5月23日(土)よる9時と掲載していましたが、放送は延期になりました。


今後の放送予定は未定ですが、決まり次第、このHPでご案内いたします。

( https://www.fujitv.co.jp/kimyo/ )

 

……ということで、春SPの延期が正式に発表。

収束の兆しが未だ見えないだけに、放送は早くても夏以降になるのは間違いなさそうですね。

◆ 第5回投票企画 結果発表 (5/5追記)

 昨年11月から約5ヶ月間行ってきました『ベストエピソード投票 10年代後半編』。

その集計結果ページを公開致しました。

 

kimyofansite.g1.xrea.com

 

第1位は大方の予想通りあの作品。第1位に選ぶ方が多かったのも頷けるクオリティの作品だったと思います。同じく得票数の高かった第2位と共に圧倒的な支持を受けました。

 

今回投票してくださった皆様、本当にありがとうございました。

次回第6回投票企画は現在考え中。何か良いテーマがあれば是非提案してください(^^;)

 

また、創作企画『あなたの考える世にも奇妙な物語』ですが、4月末を持って掲載期間の満了と共に終了とさせていただきました。ご応募してくださった皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

◆ 「ifもしも」ラジオ特集 書き起こし

 

このブログでは既にお馴染み『蓜島邦明のラッタラッタラ』3月17日放送分にて、姉妹番組『ifもしも』特集が行われました。

 

これまでの『世にも』特集と違いサントラ収録曲の紹介のみでしたが、貴重な回には違いありませんので、これまで同様書き起こしでご紹介。

 

「もしも」

 

コンピューターが世の中の全てのことを1か0かで理解している、と聞くとあなたはきっとこう思うはずだ。

 

『人生はそんな単純なものじゃない』

 

確かに生きていくもは大変なことだ。

悩んだり、迷ったりするのは、学校や会社のことだけではない。家族のこと、恋人のこと、お金のこと、将来のこと。

 

時には地球の未来のことだって考えるし、生きる目的について考えることだってあるかもしれない

 

(※ 「サウンドトラック」ブックレット (フジテレビ・小牧次郎氏)より)

 

「選択 (語り手)」

 

「フレンチシック」

 

蓜島「(ブックレットを読みながら)1993年4月にはじまった『ifもしも』。フジテレビの木曜夜8時から…そういうね、オーバーに言えば人生の岐路にたったあなたが、 選ばなかった方の道の結末まで見せてしまおうという結末のふたつあるドラマだったんですね。

 

一見奇抜なアイデアで作られた番組のようだが…そんなことはない。連続ドラマで主人公に感情移入したあなたが危機に向かう時必ず思う…あの時、ああしていれば良かった」

 

「ダーリン」

 

テレビとしては実に変な企画であるのは間違いないわけで、 制作にはこの人たちしかできないという『世にも奇妙な物語』のベストスタッフに結集してもらった。

 

その中でも最も重要なのが、音楽の蓜島さんだ。

 

彼が全体の雰囲気をつくってくれないと、人生の皮肉を味わう異空間をつくりだすことは絶対にできないからだ。

 

(※ 「サウンドトラック」ブックレット (フジテレビ・小牧次郎氏)より)

 

「富と地位」

 

蓜島「えー『世にも奇妙な物語』の後釜として作られた『ifもしも』。

これはね、結末が2つあるドラマだったんですね。もしあの時、道をこっちに行ってたらどうなっちゃうかっていう…滅茶苦茶な企画ですよね。素晴らしいです。

 

この時、皆さんすごい色んな発想をなさる方たちばっかりでですね。奇抜なことをやろうという、意気込みがとても多かった時代ですね。

フジテレビの深夜から始まって『世にも』になって、そして『世にも』終わった後『ifもしも』になってね。司会はもちろんタモリさんだったんですね。

 

2つ劇伴書かなくちゃいけなかったんですよ、結末を。途中も。結構大変だった記憶がございます。愚痴です」

 

「心臓を押さえるように」

 

「最低以下」

 

蓜島「これは、東京に生きるサラリーマンの話です」

 

「出勤兵士」

 

蓜島「『ifもしも』。この頃はイタリアに影響受けてたような気がしますねぇ。フェリーニ大好きでしたからね。

本当に3拍子多いですね。でも、新鮮ですね。……来週もまた。『ifもしも』でした」

 

「END THEME」

 

ラジオの特集放送が続々

当サイトでは現在2010年代後半作品の人気投票企画を実施中です。

投票期間は2020年4月19日(※延長しました)まで。アナタの投票をお待ちしておりますm(_ _)m

 

docs.google.com


※ 当サイト主催の非公式企画のため、フジテレビ等とは一切関係ありません。

 


 

今年は『世にも奇妙な物語』30周年という記念の年。年内には『記念サウンドトラック盤の発売』も控えており、世にもファンとしては5年ぶりの大きなお祭りを期待したいところです。

 

そんな最中、番組ファンとして注目せざるを得ないのが、Tokyo Star Radioで放送されている「ガラモンソング」の作曲家としても知られる蓜島邦明さんのラジオ番組『蓜島邦明のラッタラッタラ』。

 

番組内では、過去何度かサントラ発売に絡めた特集企画が行われていますが、いよいよ30周年が目前に迫ったこともあり、ここ最近『世にも特集』が続々と行われているんです。

 

そんなわけで、今回もこれまで同様、各回の内容を書き起こしでご紹介していきたいと思います!

かなり長い記事になっているので、目次も用意しておきました。

 

◆ 2019年12月31日放送分より

 

まずは、昨年12月31日に行われた世にも特集第3弾を。(別番組音源の紹介部分は省略)

 

蓜島「そういえばね、今年の発見なんですけど。 来年になって出していただける『世にも』の30周年記念でね、 来年『世にも奇妙な物語』のプロデューサーさんの植田(泰史)さんがこの番組に出ていただけることになりましてね。すごい深い話なんですよぉ~。色々と。

 

その中でね、植田さんが家に来て「蓜島さん、これわかりますか?『世にも』の何だか」って言って、かけていただいた曲がですね、私が歌ってるやつだったんですね。後になって嵐のメンバーに全部歌っていただいて、出来上がった作品の『オレのベッピンガール』って曲なんですけどね。こんなのやってたんですね。

 

ちょっと聞いて……デモなんですけどね。下手なんですよ私、あくまでもデモですから。ちょっと聞いてみちゃおうかね。

 

「オレのベッピンガール (デモVer)」('07春「才能玉」より)

 

蓜島「お宝ですねぇ~。いやぁ、意外と私も頑張って歌ってますね…うん。 後でね、これ嵐さんに歌っていただいてね、番組の中で放映したんですけど。私、その曲の録音持ってないんですよね。欲しいねこれ、どういうあれだったんだろうね。

 

来年ね。『世にも奇妙な物語』30周年記念ということでね、続々と色んなお宝が出てきてますねぇ。特に植田さんが持ってきていただいた中には……まあこれはですね、来年になって1月早々「世にも」特集、30周年特集で、まず プロデューサーの植田さんから始まってですね、色んな仕掛けがございます。

 

面白かったですよ。植田さん考えて来ていただいてね。 "蓜島さん なんとかクイズ"とかやっていただいたんですけど。来年になってお楽しみいただきたいと思いますね」

 

(中略)

 

「ガラモン・ダンス(劇場版ver)」(「映画の特別編」より)

 

蓜島「皆さん、良いお年を……ってまだ終わってないんですよね。 ホントになんか良い年が、越せそうな気がしますね。良い年でしたねまた。来年も良い年だねぇ。

 

映画のエンディングに流れた『世にも奇妙な物語』のテーマのダンスバージョンというかですね。 色んなものが入って、最後オーケストラも入ってくる形で終わるやつなんですけどね。

 

来年30周年記念で「世にも」のね、今まで作った劇伴が見つかりまして色々と。 それをCDで出したいなと思いまして。その中に入れたいと思っている曲なんですね。もちろん(この曲も)入れるんですねぇ」

 

「携帯忠臣蔵(映画の特別編「携帯忠臣蔵」より)

 

蓜島「あけましておめでとうございます! 来年もよろしくおねがいします。

 

え~映画の「携帯忠臣蔵」というの劇伴の中から……これは討ち入りのシーンまでいくのかなぁ? オープニングに近いような気がするんですけどね。冒頭かかってたような気もしますが。「携帯忠臣蔵」……これもね、CDの中に入れたいですねぇ」

 

「ブルギさん」('95冬「ブルギさん」より)

 

蓜島「これも『世にも』で作った「ブルギさん」っていうね、中の劇伴なんですけど。当時ね、結構民族音楽系ってのがすごく好きで。なるたけ民族系の音を入れたいなということで、こういう風なことになってしまう可能性も多かったんですけど。

 

「ブルギさん」ね。この間、まだまだね、色んな出てきてない劇伴がございまして、「世にも」の中で。どこ行っちゃったのかねぇ? こないだ植田さんが持ってきていただいた劇伴って、私が持ってないやつだったんですね。それをちょっとお借りして。その中の楽曲も良かったんです。

 

まだまだ「ブルギさん」の違う楽曲があるんで、これもちゃんとCDの中に収めたいなと思っております」

 

本回の目玉は、何と言っても『才能玉』(2007)の劇中歌『オレのベッピンガール』のデモテープの初出し。いや~実に貴重な物を聞かせていただきました。

 

歌詞が聞き取りやすくなったおかげで、これまで2度『ベッピンガール』を繰り返すと思っていた部分が、実は後半『ゼッピンガール』と歌っていたことを今更知りました…(笑)

◆ 2020年1月14日 放送分より

 

続いて1月14日放送分を。今回はファンにもお馴染みの植田泰史プロデューサーをゲストに迎えての特別版の前編。

なかなかコアな話が続々登場する濃密な25分に。

 

 

「ガラモン・ソング」(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「えー今週はね『世にも奇妙な物語』のプロデューサーの植田さん、来ていただきました。喋っちゃおうかね。植田さんお願いします」

 

植田「はい、よろしくお願いします。共同テレビの植田泰史と言います」

 

蓜島「あ、すみません蓜島です。よろしくお願いします。お世話になってますね、すごく」

 

植田「いえ、こちらこそです」

 

蓜島「今まで何本やりましたっけ、植田さんの作品やらせていただいたの」

 

植田「多分……10本ぐらい」

 

蓜島「あ、すごいやってますね。10本かぁ……記憶にないやつがきっと」

 

植田「そうですね。今日はその記憶を辿るような、ちょっとした催しもやりたいなと 思っています」

 

蓜島「いやいやいや……じゃ、盛りだくさんですねすごく。それでね、植田さんの作品で僕が覚えてるのは『JANKEN』って、最近やったやつですよね。あれ何年前でしたっけ。5年くらい経ったんですか?」

 

植田「いやいや、2011年ですから8年前ですね」

 

蓜島「あ、じゃあかなり古いんですね」

 

植田「そうですね、もう」

 

蓜島「なんかね、初めて歌ものを『JANKEN』の中に入れたいって言うんで。あの時3人、マイケルって子とガウちゃん。今ちょうど売れ始めたんですけど。あともうひとりいまして……あ、そうだ。マイケルとガウちゃんの二人で歌ってもらったんですね。結構その中にハマっててね、意外と。かなりすごい設定でしたよね『JANKEN』」

 

植田「『JANKEN』は、そうですね」

 

蓜島「中国拳法っぽいやつ入っていませんでしたっけ」

 

植田「そうですね。ひたすらジャンケンをするという話なんですけど、参考にしたのは『少林サッカー』とかそういう作品なんで。で、後はまあ『バックドラフト』とかですね、映画の。そういう熱い感じみたいな物をテイストとして入れたいなということで」

 

蓜島「いやね、かなりアクションが凄かった気がするんです。何て言うんですかね……壮大な感じもありましたよね、作品自体に。あれすごいよく覚えてるんですよね」

 

植田「そうですね。CGとかもかなり使って。バカバカしいことを大真面目に」

 

蓜島「結構お金かけてましたよね」

 

植田「お金は……当時ある程度かけられたんで」

 

蓜島「そうですね。『世にも』始まった頃はちょうどバブルの辺り、ちょっと落ち初めたぐらいの時かな。だからね、バブリーなんですよ。役者さんもね、かなりすごい人たちが毎回毎回作品の度に出てて。今もね、それなりの人気のある子たちを植田さん選んでいらっしゃって」

 

植田「いやいや」

 

蓜島「最近の役者さん、誰か面白いなと思ったのいますか?」

 

植田「そうですね……皆さん旬の人、もしくはちょっと驚きのあるキャスティングというような、両建てでやってますので」

 

蓜島「凄いねぇ。結構私の番組不真面目なんで(笑) ほんとお酒飲みながらとか色々。今日はわざわざ本当に植田さん、私の自宅まで来ていただいて……ほんとにね。結構かしこまってるね、今日ね。ぶっちゃけるっていう感じなんですけど」

 

植田「いやいや(笑)」

 

蓜島「ここでなんかね、ちょっと植田さんがやった作品の曲をかけてみようかなって」

 

植田「ちょっとリクエストでMDを何枚か持ってきましたので、かけさせてもらいたいなと。自分の家もいまMD聞ける環境じゃないんで、どんな曲が入ってるのか、ちょっと探り探りなんですが……」

 

蓜島「じゃ、ちょっと一曲目聞いてみましょうか」

 

植田「はい。じゃ、MDの方の準備ができましたので、流してみますね。蓜島さんがどのぐらい自分の曲を覚えていらっしゃるかということで……」

 

「追いかけたい」('03春「追いかけたい」より)

 

蓜島「何だったっけな……何だっけ」

 

植田「覚えてないですか?」

 

蓜島「あ、街の中走ってるやつ……でしたっけ?」

 

植田「街の中?」

 

蓜島「違うか。なんだっけな」

 

植田「これはですね……2003年かな」

 

蓜島「2003年?」

 

植田「ええ、ずいぶん前ですね。『追いかけたい』という、京野ことみさん主演の一本なんですけど」

 

蓜島「『追いかけたい』か。ストーリー(の内容)って、大まかに何でしたっけ」

 

植田「これですね、元々原案がですね『全日本ストーカー祭り』というタイトルのお話だったんですけど」

 

蓜島「ストーカーの話?」

 

植田「ストーカーの話なんです」

 

蓜島「なるほどねぇ」

 

植田「京野さんがある男性が好きで……まぁストーカーみたいになってるんですけど。京野さん自身がストーカーに追い回されていて。で、京野さんが好きな男というのも、ある女性を追い回していて。ある女性というのは、実は京野さんのストーカーのストーカーだったという。ストーカーをぐるぐる回っちゃうという話なんですね」

 

蓜島「それで走っている映像が(頭の中に)出てきたのかな、さっき」

 

植田「あーそうですね。"追いかけ回す"というところが。(劇中で)走ってはいないですけど」

 

蓜島「なんかね、記憶があるんですよ。そっか、そういうストーリーだったのか……失礼致しました(笑)」

 

植田「いえいえ(笑) これはだからその、ストーカーがループしていくという話なので。ループ感をすごい大事に作って欲しいという風にお願いしたんです」

 

蓜島「それで同じ形をメッセージでやってるんですね」

 

植田「そうですね」

 

蓜島「なるほどね。でも、アコーディオンだから同じ感じで回ってても飽きないですね」

 

植田「ええ、これは名曲ですね」

 

蓜島「なるほど。いや、僕の所(この曲)持ってないんですよ」

 

植田「あ、そうですか」

 

蓜島「結構多いんですよ。DAT(テープ)が、とりあえずうちで発掘したやつと、あともうひとつ"SPOT"さんにあったやつ。それを集めてやってるんですけど。 来年ね、こういう劇伴のCDを出したいなと思って、いま動いている最中なんですけど。いや、これも……あったんですね」

 

植田「是非、入れていただきたい所ですね」

 

蓜島「いやいや……これMDから録るしかないですよね」

 

植田「ははは(笑) そうですね」

 

蓜島「これ、音効(会社)さん何処でした?」

 

植田「これは"ヴェントゥオノ"の志田(博英)さんなんですね」

 

蓜島「あ、ヴェントゥオノだ。じゃ、ヴェントゥオノに聞いたらあるかもしれないですね、ひょっとして。良いこと聞いた」

 

植田「そうですね、ええ。なんか本当にあの……ちょっと内輪の話になってきちゃいましたが(笑)」

 

蓜島「いや、良いんですよ。編集で切れます」

 

植田「あ、そうですね(笑)……これ(『追いかけたい』BGM)は名曲ですね」

 

蓜島「そうですね、覚えちゃった今」

 

植田「頭(の中)にそれこそループする音楽ですね。当時アシスタントプロデューサーだったうちの同僚がですね、初めてこういう劇伴を聞いてすごくいいなと思って、ダビングさせて欲しいと言ってきましたので」

 

蓜島「なるほどね。いや、それは嬉しいですね。こういうのもやっていたんだ。すごい。今まで何作品やってるんですかね一体。植田さん自体も」

 

植田「僕は20本強作ってるんですけど。ですから、蓜島さんに音楽作っていただいたのが半数弱くらいだと思います」

 

蓜島「そうですか。すみません、お世話になってます」

 

植田「いえいえ(笑)」

 

蓜島「記憶になかったわ……面白い。何か次ありますか」

 

植田「はい。じゃ、次もまた」

 

イマキヨさん BGM1」(15周年の特別編「イマキヨさん」より)

 

蓜島「あ、これはわかった。アベサダ(阿部サダヲ)さんのやつ?」

 

植田「ん? 違います。アベサダさんのは『カウントダウン』という作品で。僕じゃないです、担当が(笑)」

 

蓜島「『カウントダウン』だ。すみません(笑)」

 

植田「あ、でもこのブカブカ言ってる音は『カウントダウン』っぽいですね」

 

蓜島「ですよね。なんか音が似てるなっていう」

 

イマキヨさん BGM2」(15周年の特別編「イマキヨさん」より)

 

蓜島「ん、これは……何だっけ。こういう音何だっけ……このね、リズムはね。よく使うっていうか、たまに出てくるやつなんですよ。メロディーがね、感覚が違う……何だっけこれ。井戸の中に落ちちゃうやつじゃなくて……あ、思い出した。あの……あっ、名前が出てこない。あの"大黒さん"じゃなくて」

 

植田「ん?」

 

蓜島「大黒さんじゃなくて……何でしたっけ」

 

植田「あ。ああ、はい。そうですね」

 

蓜島「ね、ですよね。突っついてくる……何だっけ何だっけ」

 

植田「はい。『イマキヨさん』というタイトルの作品で」

 

蓜島「『イマキヨさん』だ。そうですよ、ちゃんとイマキヨさんって言ってるんですね」

 

植田「そうですね(笑) あのー、わらべ歌みたいな感じのメロディーにして欲しいってお願いして作ってもらいましたね、これは」

 

蓜島「そうだ。いやー『イマキヨさん』だ」

 

植田「名曲です」

 

蓜島「これも(CDに)入れたいですね」

 

植田「もう是非」

 

蓜島「これ無いんですよ、DATで」

 

植田「あ、そうですか」

 

蓜島「ええ……無い。欲しいけど無い」

 

植田「これDATありますよ」

 

蓜島「あ、ほんとに? それお借りしたい」

 

植田「あ、もう、もちろん」

 

蓜島「すごい。いいなぁ、今日ラッキーですわ。色々発掘できて」

 

植田「意外とやっぱり覚えてない感じで(笑)」

 

蓜島「『イマキヨさん』も面白かったですよね。かなり個性的で。どんどん増えていく」

 

イマキヨさん BGM3」(15周年の特別編「イマキヨさん」より)

 

植田「これはイマキヨさんが、あれですね。掟があって、その掟を破るとどんどん一体ずつ増えていくっていうか、倍々になっていくって話なんですよね」

 

蓜島「そうそうそうそう、そうですよね。映像出てきました」

 

植田「音楽的にも、どんどんとこう同じメロディーが増幅してくような音楽を作っていただいたんですね」

 

蓜島「そうですよね。そうだそうだ。……やっぱり『世にも』面白いのやってますねぇ、ほんとに。これはずっとファンがいるわけですよねぇ。まあ、こんだけ長く30年続いているのも、ファンがそんだけ支持してくれてるんですから。世界に無いですよね。30年こんな番組をやってるという」

 

植田「まあ、そうですね……有り難い話ですよね」

 

蓜島「素晴らしい。知力の集まりかもしれないっていう感じがすごくしてきて」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「初代の頃から名物監督とかおりましたね、やっぱり」

 

植田「ええ、そうですね」

 

蓜島「また今新しい監督がどんどん生まれてて。でも才能がすごくありますね。また違う、個性的なものがあって」

 

イマキヨさん BGM4」(15周年の特別編「イマキヨさん」より)

 

蓜島「おっ、すごい。これは映像ハマるわ。……男の人が主人公ですよね?」

 

植田「そうですね、嵐の松本潤さんが主役で」

 

蓜島「ですよね。女の人いませんでしたか、相方っていうか」

 

植田「あ、恋人役で高橋真唯さんっていう人がいまして。で、あとイマキヨさん役は酒井敏也さんですね」

 

蓜島「ああ、もう……役者さんだけでも素晴らしいですね。恵まれてますね」

 

植田「まあまあ、ほんとに。色々恵まれてますね」

 

蓜島「素晴らしい。創作の世界がある。やっぱり、ちゃんと(物語の)世界行きますね。その音楽がしてるな、ちゃんと。自分で言うのも何ですけど(笑)」

 

植田「いや、これほんと名曲ですね」

 

蓜島「ほんとにそうだ。素晴らしい」

 

植田「じゃ、次に行かせてもらって……」

 

蓜島「ええ。つい聞いちゃいますね、最後どうなるんだろうかと」

 

植田「ははは(笑) 聞きます?」

 

蓜島「いやいや、大丈夫です。感触だけわかるとすごく嬉しい。初期の頃は僕、カセットであげてました。なんか監督さんに」

 

植田「ああ、そうでしょうね」

 

蓜島「その前は音効さんにオープン(リール)テープですからね。すごい時代の流れを感じるなぁ……」

 

植田「そうですよね、今やもうデータですもんね絶対に。ネットでやり取りですよね」

 

蓜島「そう、全てそっちになってしまって。いちいち持っていったもんね、オープンテープ。そしてカセットに落として、監督さんに分けて……」

 

「オレのベッピンガール (デモVer)」('07春「才能玉」より)

 

蓜島「あ、これ聞き覚えある。何でしたっけ? すごい…これ私歌ってるんですか?」

 

植田「そうですそうです(笑)」

 

蓜島「すごいね、世良公則だな(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「え、なんかすっごい忘れてる。でも、この『ベッピンガール』は覚えてるんです。何だったっけ……いや、凄いの持ってますね植田さん」

 

植田「もう、家宝ですからこれは」

 

蓜島「私も持ってない。初めて聞いたっていうか(笑) えっ、これ流しちゃったんですか、テレビで」

 

植田「これは流してないです、仮歌なんで」

 

蓜島「仮歌ですよね。誰が歌ってたんだろう」

 

植田「これはまたヒントを言うと、さっきの『イマキヨさん』と主演が同じグループの人です」

 

蓜島「あ、嵐が歌ってたんですか?」

 

植田「嵐が歌ってました」

 

蓜島「あっ、当時そうだったんだ」

 

植田「ええ、嵐の櫻井翔くんが」

 

蓜島「歌ってたんですねぇ。いや、これ流すわけないと思っていたんだけど。すごいなぁ」

 

植田「ええ、元バンドマンの面目躍如という感じの曲で」

 

蓜島「なんか野生に戻ってる匂いがすごくあるような気がするんですけど。もうホントに……いやぁ、強力なのお持ちですね」

 

植田「これは『才能玉』という、嵐の櫻井翔くんが主人公をやりましたドラマですね」

 

蓜島「そうだ。植田さんのやつ結構歌モノが付き物ですね。意外と」

 

植田「そうですね、でも……」

 

蓜島「そうでもないかな。でも好きですよね」

 

植田「まあ、わりと好きですね」

 

蓜島「僕も大好きなんですけど、すごく(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「いや、これはビックリしてしまった。すごい。今年の大ヒットですね。すごい。でも、なんか歌い方が古さが出て……(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「すごく、ほんとに……(笑)」

 

植田「これはあの、リクエストで。ちょっと古臭くて良いと。で、音楽の才能を求めている音楽青年なんだけど、なかなかその才能に恵まれなくてっていう話だったので、才能を開花させる3つの飴玉を舐めていくっていう話で、最後まで音楽の才能には恵まれないっていう青年が主人公なんですが」

 

蓜島「これってあれですか、『世にも』のスペシャルとかでやってました? スペシャルじゃなくて? この頃からもう春夏秋……シーズン明けでしたっけ」

 

植田「あっ、あの……もちろんもちろん。そうですね、これが2005年ぐらいだったと思うんですが」

 

蓜島「毎週のやつ?」

 

植田「あ、2007年ですね。12年前」

 

蓜島「11年前」

 

植田「12年前ですね」

 

蓜島「12年前だ。すごい古……古くないか。素晴らしい」

 

植田「そうですね。当時から古い感じの曲をっていう風にやって。微妙にちょっと外した感じとかを、変えてやってもらって」

 

蓜島「でもあれですね、作品自体が弾んでますね。色々と。バラエティに」

 

植田「まあまあ、そうですね。はい」

 

蓜島「最近やっぱり、ある程度落ち着いたっていうか。なんとなくこう色んな方向行ってた部分もあって。つい最近やった『世にも』のやつは非常にあの……『昔の世にもに戻った』っていう人たちが多くて」

 

植田「ああ、有り難い話ですね」

 

蓜島「かなり絶賛してましたよ、すごく」

 

植田「ありがとうございます」

 

蓜島「ネットなんかで『昔みたく良かった』『今回は見る価値があった』とかね、色々多かったですね」

 

植田「そうですね。まあ、温故知新でやりたいなと、いつも思ってるんでですね」

 

蓜島「やっぱり『世にも』の魅力ってそこらへんにあるんですよね」

 

植田「そうですよね。まあ懐古主義ばかりでもダメなんですけど。やっぱりあの、古くて良いものはちゃんと認めて…で、やっぱり新しいことにもチャレンジしてくっていうのが『世にも奇妙な物語』だと思ってやってますね」

 

蓜島「ですね。素晴らしいですよ。どんどんどんどん世代も変わってって、監督さんも変わっていってるんですけど。それをずーっと継続して、スタイルを壊さないでやっていってるって……日本の宝ですね、本当に。音楽的にも。ほんとに」

 

植田「おかげさまですね、本当に」

 

蓜島「他の局にもないし、世界的にもこのくらいの感じは無いと思うんですね。だから中国なんか行ったときに、みんな『世にも』知ってるんですよね」

 

植田「あ、らしいですね」

 

蓜島「みんなYouTubeで見てて。『私こういうの見た』『私こういうの』ってみんな結構言われてしまって。いや、だからすごいその、持ち上げて言うような……やっぱ認められるんですね、本物だと。結局本物が残ってきますもんね実際」

 

植田「まあ、ほんとそうなんですね」

 

蓜島「素晴らしいですね。……しかし、(自分が)歌ってるのはすごかった(笑)」

 

植田「あはは(笑) 僕でも、蓜島さんの歌声初めて聞いたんですけど。『いや、上手いな!』っていう風に当時思った覚えがあります」

 

蓜島「若い。凄いな」

 

植田「ま、ノリノリですね。でもね」

 

蓜島「すみません、ほんとに(笑)……貴重だ。まだ隠し玉あります?」

 

植田「そうですね。こっからはちょっとクイズというよりは、思い出を語らせていただくという感じで次の一枚を」

 

「太古の少年」(NHKドラマ「TAROの塔」より)

 

植田「これ、わかりますよね」

 

蓜島「これ『TAROの塔』ですよね。『太古の少年』ですよね」

 

植田「ええ」

 

蓜島「最初『世にも』かなと思ったんですけど。これは音が違う」

 

植田「これ実は『世にも奇妙』で使わせてもらってんですよ」

 

蓜島「あ、そうなんですか。ありがとうございます。これは秋田の花火大会でも使っていただいて」

 

植田「あ、そうですか」

 

蓜島「1キロの広さの花火をこの曲で打ち上げてたんですよ。それはすごかったです。岡本太郎さんの誕生100周年のドラマで。ちょうどこの時ね、震災あったんですよね。放送の日。だから放送が色々グチャグチャになっちゃって。これは『世にも』の何で使って…?」

 

植田「これはですね。実は『JANKEN』の中に使ってるんですね」

 

蓜島「あ、そうだ。そうだそうだ。ということは『JANKEN』と、これを作った時と大体同年代なんですね」

 

植田「そうですね。『JANKEN』と同時期に近いと思いますね。『JANKEN』も2011年なので。2011年の秋の特別編ですね」

 

蓜島「なるほどね。すごいわ~。すいません、これ使っていただいて」

 

植田「いえいえ(笑)」

 

蓜島「今ちょっと驚いてて。かなり『JANKEN』ってME(ミュージックエフェクト)を苦労されて作ってたような気がするんですけどね」

 

植田「そうですね、ええ」

 

蓜島「なるほどね、素晴らしい。いや~すごいなんか色々出てきますね」

 

ストーリーテラー(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「この話は、また来週」

 

◆ 2020年1月21日 放送分より

 

前回の対談の続きとなる1月21日放送分。

 

本回では『JAKEN』の舞台裏だけでなく、番組の根幹にまつわる話から今年の30周年企画についてまで……マニアックな話が続々飛び出した、またもファン必聴の回となりました。

 

 

「ガラモン・ダンス(劇場版ver)」(「映画の特別編」より)

 

蓜島えー『ラッタラッタラ』。今週も『世にも奇妙な物語』特集で、プロデューサー植田さんにお越しいただいております。

 

先週は『世にも』の作品の中で、植田さんが担当された『才能玉』途中までの話、その後半をお聞きいただきたいと思います。植田さん、植田さん、共同テレビ植田です!

 


 

蓜島「いやー、で……ね?(笑) 才能玉」

 

植田「ああ、はい。そうですね、『才能玉』もそうですし、ちょっと前にかけたのは『JANKEN』の中で使わせていただいた曲」

 

蓜島「あと、先程の『TAROの塔』も『JANKEN』の中に入ってたっていう」

 

植田「そうですね、『JANKEN』の一部で使わせてもらって。今日は『JANKEN』の他の曲は持ってきてないんですけど、あれもとても苦労していただいて作ったんですね」

 

蓜島「何でしたっけ」

 

植田「歌入りの曲はひとつ必要であると。曲の方向性として、僕は『バックドラフト』みたいにしたいとお願いしたんです。『バックドラフト』も当時の流行りとして歌入りの曲があったので、それに倣ってそういうものをお願いしたんですけど」

 

蓜島「ええ」

 

植田「で、最後のクライマックスにジャンケン勝負をして、主人公が勝って、人間として成長するというような話だったんですけど。そのジャンケン勝負のシーンがですね、20分の作品の中の半分くらいあるんですよ」

 

蓜島「あ、最後のね」

 

植田「最後のジャンケンバトルが10分近くあって。それをシームレスに曲を流して欲しいっていう風にお願いしたので、10分弱の壮大な曲を作っていただいたっていう。もちろんその中でブロックがあるので……」

 

蓜島「10分弱の壮大なやつって……(僕が)作ったんですか?」

 

植田「作ってもらいましたね。覚えてないですか?(笑)」

 

蓜島「いや、どういうんだったっけな。かなり前ですね?」

 

植田「『JANKEN』が……えっと、自分もちょっと記憶が曖昧なんで。いい加減なことも言えないんで……(書類をめくる音)『JANKEN』が2011年ですね、さっきも言った通り。2011年なんで8年前」

 

蓜島「なるほどね」

 

植田「で、その10分弱の曲を作っていただいて。そこのテーマがですね、"飽きさせない"というテーマがあって。単純にジャンケンをしてるだけなんですけど、映像的にもどんどんとこう、スケールアップしていくような感じで。最初はジャンケン勝負の会場で……」

 

蓜島「あ、思い出した。空飛んじゃったりとか、色々やりますよね。だんだん凄まじくなっていった」

 

植田「そうです。ワイヤーアクションをやったりとか」

 

蓜島「作った。ずーっと音楽だったような気がする」

 

植田「そうなんです、ずっと音楽。で、CGを駆使して最終的には宇宙空間まで行って…っていうような作りにしてましたね」

 

蓜島「そっか、そうですよね」

 

植田「そうなんですよ。10分もジャンケンやってるだけなんで、とにかく映像的にも飽きさせない、音楽的にも飽きさせないっていうようなことがテーマだったので、とても(蓜島さんを)苦労させた覚えがあります」

 

蓜島「なんか、何回も作り直ししたような気がする(笑)」

 

植田「その通りですねぇ(笑) 」

 

蓜島「途中のパートが、もっと力強くなる(ように作ってくれ)とか(笑)」

 

植田「そうですね、もっと力強く、切なくっていうんで」

 

蓜島「色んなあれがあるんですよね、10分間の中にね。ドラマというか……ジャンケンしてるんだけど」

 

植田「ええ、だから最初はちょっと抑え気味にしてもらって。で、最後カタルシスまでガッと持ってかなくちゃならないっていうんで、その構成から色々相談しながら、時には『ちょっと、やり直してください』というお願いしながら作った覚えがありますね」

 

蓜島「ですね、そうだ。……植田監督しか覚えていないものもある」

 

植田「ええ(笑) いや、もうトラウマの扉を開けてしまったんじゃないですか?」

 

蓜島「『JANKEN』と、その戦いもの……何でしたっけ。結構バトルものもありましたよね。『JANKEN』だけではなくて」

 

植田「バトル物は……」

 

蓜島「老師が出てくるのは『JANKEN』か」

 

植田「そうですね、ええ」

 

蓜島「あーそうか。先程のマイケルに歌ってもらったものも?」

 

植田「『JANKEN』ですね」

 

蓜島「『JANKEN』。かなり僕もイメージ強いんですよ『JANKEN』の」

 

植田「そうですね。最初の修行のシーンが、歌の『Life is JANKEN』という曲ですね。あれも名曲だったんですが。で、後半の老師が死んでしまって、一人で修行するというシーンには『TAROの塔』の曲を使わせてもらって。

 

で、ジャンケンのマスターになって、いよいよ最終バトルをすると。そこに10分間の長い長いバトルシーンがあって、それを一曲で包んだという感じですね」

 

蓜島「いやー、さすがやっぱり……覚えてますね」

 

植田「(笑) あれは、僕も実は結構(蓜島さんの自宅がある)八王子通った覚えがあります。あの時、何度か」

 

蓜島「言えてますね。覚えてる、何度かいらっしゃいました。テラス平山城址って、今(の住所)と違う場所だったんですけど、山の中腹にいて。上がってきましたね、みんなあそこまで。よくいらしていただいたわ。みんな熱意が有るんですよね、ほんとに。いらしていただいて、ちゃんと見て納得していただくってこと最近ないですからね」

 

植田「ああ、まあね。もうネットでやり取り済みますからね。でもなんかやっぱり、一緒に同じスピーカーから出てる音を聞きながら、あーでもないこーでもないっていうのも大事な時間なんじゃないかなっていう気がしますね」

 

蓜島「でも、ネットでやり取りするよりも、結局やっぱり作ってるサイド、監督さんとかと会って作ったほうがより深いとことかね、監督さんが持ってるものが伝わりやすいんですよね。その場で変更していって、ちゃんとしたものが出来上がるっていう過程がやっぱり大事ですもんね。だから作品自体も良いものが生まれてたんですよね、『世にも』ね」

 

植田「そうですね」

 

蓜島「みんな昔から、監督さん自身が初期の頃も家に何度か (音源を)取りに来ていただいたとか、色々来ていただいたっていうのが多いですね、最近は無くなりましたね、ほんとに。みんな忙しいんですかね?」

 

植田「まあまあ……そうですね」

 

蓜島「余裕も、下準備からもあったし、その分やっぱ豊かですね」

 

植田「そうですね。今やっぱり聞き直してみても、とても力がある感じがしますよね」

 

蓜島「うん、そうそう」

 

植田「あの、さっき『イマキヨさん』のMDを聞いていただいて、最初の方の何曲かを飛ばしたんですけど……まあ正直言うとですね、全部没になった曲なんですよ(笑)」

 

蓜島「(笑)」

 

植田「2枚目のCDが全部リテイクしたものなんですけど。やっぱこういっちゃ何ですけど……やっぱ神がかってる気がしますね。2回目のほうが。で、今の僕が1回目のMDで貰ったもの、あれもなかなかいい曲だったんで(今なら)OKを出してただろうなっていう気がしていて。当時は『まだイケるだろう』っていうような……」

 

蓜島「あのね、『まだイケるだろう』なんですよ、みんな。ほんとに監督さんがそうなんですよ。まだ出るだろうって。『世にも』のテーマソングを作ったときに、最初10個ぐらい持ってって、これで大丈夫だろうって。ところが『まだイケるだろう』ってな感じで、次持ってって『まだイケるだろう』……3回くらいやったような気がするんですよ。

 

だから曲数が多くて。おかげでそれが劇伴になったり、タモリさんの登場のね『ストーリーテラー』になったりとか色々ね、出来たんですけど。まだイケるだろうっていうのがすごくみんな……熱意ある人が多かったですね。ただ、作品も良い物を撮ってます」

 

植田「そうですね。それがやっぱり何かで覚えてしまうと、やっぱりもう『蓜島さんはこんなもんじゃないだろう』っていう風に思ってしまって、苦しめている所もあると思うんですけど(笑)」

 

蓜島「全然苦しくないです。楽しいですからね、すごく。自分の考え方と違う考え方っていうか、物事は刺激的なんですよね。『あ、そういう所から来るんだ』っていう。そこで考え方を変えてまた作業が出来るんで。思い描いていた世界観がお互い出来上がってくるじゃないですか。作品としてもやっぱり先程の力強さっていうものが出てくると思うんですよね」

 

植田「ええ、そうですね」

 

蓜島「いやー素晴らしいですね、良い時代ですね。最近でも、もうちょっと『世にも』やらしてほしいんですけどなんて言ってたら、ちょっとずつやらしていただいてきて(笑)」

 

植田「そうですね、最近でも、前回の秋の奇妙で名曲をまた作っていただいて」

 

蓜島斉藤由貴さんの歌ったやつとか」

 

植田「そうですね、ええ」

 

蓜島「その前、郷ひろみさんのライダー物になっちゃうやつがあって……ほんとにね、色々やっぱやってると楽しいですね」

 

植田「あのー、前回作っていただいた斉藤由貴さんの曲もですね、あれも斉藤由貴さんのお気に入りで」

 

蓜島「あ、そうなんですか」

 

植田「ライブでも歌われたっていう」

 

蓜島「あ、良かったです。……良かったですじゃないか(笑) あれなんか評判良かったですよね」

 

植田「あれはもうほんとに。撮影中もですね、みんなもう頭に残ると。ずーっと頭の中でループして鳴ってるよっていうようなことを言ってましたし。放送後もやっぱそういう意見多かったですね。あの曲が頭に残って……また怖い話だったんで。ちょっと眠れなくなったみたいな話もあったんですけど(笑)」

 

蓜島「トイレ行けないじゃないかって、どうしてくれるんだっていう(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「久々の感覚だったんじゃないですかね、あの感じ。『世にも』が戻ってきたっていうか。まあ元々怖い話をやる番組だったんですよね。でもホラーではなかったんですよね、あくまでも。やっぱブラックジョークが結構効いてて、それで社会批判もあったじゃないですか、かなり。そういう所もまとまってましたよね。奥が深い番組ですね、やっぱり」

 

植田「ああ、そうですねぇ……」

 

蓜島「こないだちょろっと見て…初期の『世にも奇妙な物語』"四天王監督"っていうのが出てたんですけど、四天王っていうと小椋(久雄)さん?」

 

植田「小椋さん、落合(正幸)さん、鈴木雅之さん、あとは……星さん。星護さんですね」

 

蓜島「ほんとに初期のメンバーですよね」

 

植田「そうですね、ええ」

 

蓜島「強力でしたね、皆さん。個性強くて」

 

植田「まあ個性強いですね」

 

蓜島「すごい強い……星さん個性強すぎ(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「星さん夜中の2時に家に来て、廊下で行進して『この速度!』ってのやったの覚えてますね。夜中だったか10時だったか、大体夜中に近かったですけど。速度をちゃんと確かめていく監督だった」

 

植田「まあね、一番その4人の中でも音楽にこだわりのある人ですからね」

 

蓜島「そうそう、すごいこだわって。ボクシングのシーンがあって、相手を殴るとこなんですけど。普通だとそこにシンバルを入れて、スッというスピード感を出すんですけど、『いや、ちゃんとした音楽にしてくれないと困る!』って言われて。

 

そこでジャジャジャジャジャン!とかいう(曲にして)。そういうとこのこだわりがすごく……細かったんですよね、とても。でも、やっててすごいやりがいがあって、面白かったですけど。落合さんは落合さんで、また違う現代音楽的なものがすごく好きな」

 

植田「ああ、そうですね」

 

蓜島「その割にはすごく"Love"とかね、そういう物も意外と表現したいような。小椋さんも小椋さんで、鈴木さんも……皆さん個性的ですよね、かなり。今でも『世にも』を担当してらっしゃる監督さんってのは何人……?」

 

植田「あのー、そうですね……まあ外部の監督に入ってもらうこともありますし、うちの監督でも色んな人が、それこそ若手からベテランまで色んな人が登用される……うちの会社の大きな財産ですので。なので、専従の監督というのは特に無いという状態ですね」

 

蓜島「うんうん」

 

植田「でも、やっぱりその……番組を始めた4人の監督がそれこそ個性が豊かだったので。そこら辺からの影響でですね、なるべく個性的なものを作っていこうというような所はスピリットとして残っている感じですね」

 

蓜島「あのーやっぱ、個性っていうか、独創的なんですよね。生み出す力も。やっぱり人の真似ではなく自分の物を持っているっていうんですかね、監督自体が。色……色っていうんですかね。それが出ている人たちで作るとすごいものができてきますよね。それなりの個性というか」

 

植田「そうですね、ええ」

 

蓜島「色って出ますよね、個人のね。体験したことが自分の中に入ってて、結局それで演技指導から何からやるわけじゃないですか、美術とか。その中の体験感っていうのが監督のものが出てきて。色が、自分の思ったような創作性がすごく出るのが『世にも』とかやってると、ほんとに。みんな面白がってやってますよね。みんな楽しいっていうか」

 

植田「そうですね。あのー、やっぱり産みの苦しみも当然あるはあるんですけど。他のメディア、媒体に比べると自由度が大きいと言うか。そもそもが個性的で、自分らしさというものを出せというようなお題のある番組というか」

 

蓜島「あれですよね、意外と脚本に対してもハードル高いですよね?」

 

植田「そうですね、20分のものなんですけど。結構時間かけてじっくり作っていますね。脚本に関しては」

 

蓜島「ですよね。すごいハードル高いですよねぇ。某有名な…色んな方がですね、『脚本書いて出しても、いくら有名でもダメ』っていう(笑) そのハードルの高さっていうんですか。動じないというか。ちゃんとしたものを、やっぱり色を出したいっていうね、その辺の個性感が確固たるものがあって」

 

植田「そうですね、そこはフェアですね。たとえ大御所であっても、やっぱり奇妙としての世界観というのが足りてなかったらそりゃ直してもらいますし、直すことができないというのであれば……」

 

蓜島「(採用は)辞めようっていう」

 

植田「そうですね。という形で」

 

蓜島「はっきりしてるんですね」

 

植田「そうですね、それはもうほんと」

 

蓜島「ちゃんとしてる。僕の知り合いの方がやって『いやー、ハードル高いよ』って言っていたの覚えてますけど。そんなね、奇妙なんですけど。来年30周年で……何かやられる?」

 

植田「あのー……まあ何かしらは思うんですが、まだ色々とみんなで考えてるというところですね」

 

蓜島「楽しみですね、すごく。どういうものが出来上がるのかね。いやーなかなか……植田さん、いいお話いっぱい聞かせていただいて。すごい喜びますよ『世にも』ファン」

 

植田「だと良いんですけどね」

 

蓜島「僕が知ってる関西の方の監督は『世にも』みんな知ってますからね。何言ってもすぐ話せるっていうぐらいマニアックで。『僕に話させてくれたらずっと話してますよ』っていう人が多い、意外と。やっぱみんなそれなりのね、番組の中で……今週もプロデューサーの植田さん、ありがとうございます。来年がまた楽しみです。2021年、世にも30周年記念」

 

植田「ええ、2021年……ん? 2020年」

 

蓜島「20年だ。さらに行ってしまった(笑)」

 

植田「来年2020年が30周年ですね」(筆者注:対談収録は2019年)

 

蓜島「そうそう(笑)」

 

植田「僕が入社したのが1990年なんですね、共同テレビに入ったのが。で、4月入社で、4月から始まったのが『世にも奇妙な物語』。ゴールデン移ったばっかりだったんですけど」

 

蓜島「ちょうど入社した時」

 

植田「 入社した時に、一番最初に右も左もわからない状態で下っ端の助監督して入ったのが『世にも奇妙な物語』だったんですけど。そんな番組にずっと携われたっていうのがほんとに……有り難い話だなという」

 

蓜島「素晴らしい、素晴らしいです」

 

植田「あの、ちょっと(蓜島さんと)お話したかったことをいくつか……」

 

蓜島「ええ」

 

植田「蓜島さんの音楽の魅力についてちょっとお話したいなっていう風に思っていたんですけど…… 自分の音楽の特異性ってどこにあると思います?」

 

蓜島「音楽の特異性ねぇ……あんまり考えないで作ってるからね、いつも(笑)。まあ得意な分野ってのはあると思うんですよね。でも、意外と最近なんかは歌謡曲系のものをやらせていただいたりとか。

 

あのー『世にも』をやっていたので、結局その後『NIGHT HEAD』とか作ったりしてたじゃないですか。 で、結局イメージが『怖いもの』っていう…サスペンスとかね。そっちの方のイメージが結構ついてて。 未だに怖いもののオーダーが来ることが多いというか。まあ結局"陰界な世界"っていうかな。

 

クーロンズゲート』っていうゲームもそうなんですけど。『クーロンズゲート』も今年22年経って、アナログ盤が出来たんですよ。22年経ったときに。『クローズンゲート』は元々『NIGHT HEAD』を見た人が『絶対これ合う』ってやったんで、結局"陰界"なんですよね。

結局もう特色って言ったら"怖い"。音楽界の稲川淳二っていう(笑)」

 

植田「(笑)」

 

蓜島「こないだ取材に来てさ。うちの部屋で撮影するって言うんで、それで照明入れるって言うから。 『照明出来上がりました』って入ってみたら、うちの部屋青くなってるんですよね(笑) お化け屋敷じゃないんだからさ(笑)

 

辞めて欲しいと思ったんだけど『いや、これがやっぱり良いと思う』って言うから。しょうがないから下から顔(に照明)当てられてお岩さんみたくなっちゃって(笑)。でもね、やっぱりそういうイメージが強いんですよ」

 

植田「なるほど」

 

蓜島「うん、それはそれで良い方だなと。おかげさまで怖いところの作り方とか、どういう音が怖いとかね。色んな研究させてもらって。 こないだもラジオで喋ったんですけど、高周波とかってのはちょうど魔界の口が開くような所まで行くんですよね」

 

植田「ほう……」

 

蓜島「最近特にソフトシンセっていうのは、普通のアナログシンセよりももっと高周波が出るんで。 ちょうど『仮面ライダーアマゾンズ』やってたときに、ピーッって高い音の所から笑い声が聞こえ始めたんですよね。『あっ、これヤバイな』って思って。周波数が合っちゃったんですよ、そこの所で。

 

よく周波数が合うとかって言うじゃないですか。みんな電波で動いているもんだから。 下の方は下の方なんですけど、低音部でずーっとチューニングを落としていくんですよね。そうするとね、地獄の釜の蓋が開いたような感覚に陥る。

 

こう、ゴーッとという…とこの周波数があるんですよ。そういう風なこととか、色々研究させていただいて、音作りもね。怖いものはすぐ出来るようになってしまったっていう(笑) これが良いんだか悪いんだかどうなんですかね」

 

植田「そうですね。自分はもちろん怖い音楽というか音というのもお得意であるというのはよく知ってるんですけど。自分なんかブラックコメディとか多くやってて、それにぴったりな音楽も作っていただいてるので。"怖い"という風にはカテゴライズできないなって思うんですけど」

 

蓜島「僕ね、あとやっぱブラックジョーク好きなんですよね。ニーノ・ロータとかね。独特な音楽のニュアンスでやるじゃないですか。ああいうのも取り入れて、ヨーロッパ系とか色んなそういう物が混ざってくると『世にも』なんですよね。

 

ただ『世にも』は『世にも』にしかない音があるんですよ。世界観とか。他の番組にも『世にも』っぽいやつ作っても全然合わない。ニュアンスがちょっと違うんですよね、色んな形で。なので、色々と別け隔てなくやっていくと……やっぱりあれですね。どれが個性なのかと言われても、その作品によりますね」

 

植田まあ、そうですね。僕は一言で言うとですね、ちょっと失礼な言葉を使って言うと"洗練されてない所"が蓜島さんの良い所というか。一番の売りなんじゃないかなっていう……

 

「オレのベッピンガール (デモVer)」('07春「才能玉」より)

 

蓜島「えー、話は続いておりますけれど。来週もこの続き聞きたいよなぁ~。来週は……」

 

 

前回に引き続き、興味深い話が続々登場した後編。なんだかさらに続きそうな感じで終わっていますが、以降3週連続で再放送になっていたので、どうやらこれで完結となっている模様。

あまりに意味深な終わり方だったので、まだ続きがあるんじゃないかとここ1ヶ月ほど振り回されてしまいました…(笑)

 

それにしても、スタッフみんなで考えているという30周年企画には期待しかないですねぇ。

サントラの発売も控えていることですし、ファンにとって何かと楽しみの多い1年になれば良いのですが……!

 

なお、話題の途中に出てきた"青い部屋"の件ですが、気になる方は以下の記事へ。本当に青いです!(笑)

 

ontomo-mag.com