世にも奇妙な物語 ブログの特別編

「世にも奇妙な物語 ファンサイトの特別編」管理人のブログです。

ほんとは面白い?隠れた世にも奇妙な物語 後編

新年あけましておめでとうございます。

 

旧年中は情報提供や間違いの訂正、BBSやブログへのコメントも含め、多くの世にもファンの方々には大変お世話になりました。また、閲覧のみであったROM専派なファンの方々も、アクセス数は大変励みになりました。皆様本当にありがとうございます。

 

昨年は、春も秋もここ数年から見て良作の割合も多く、バランスも取れており、非常に良い流れを生んだ年だった様に思います。「AIRドクター」「不死身の夫」「水を預かる」といった評判の良い作品の登場も嬉しかったですね。

 

一方、過去のブログ等を見ていくと、春SPの情報の遅さや、DVDの販売延期にヤキモキさせられたりですとか、

某書籍に登場していた自称世にもファンサイト運営者の実在が怪しまれた為に、各ファンサイト様や著者の方まで巻き込んでその真偽を探ってみたりもして、プラスも、マイナスも、おかしな話題まであった非常に賑やかな一年だったんだなぁと……(^^;)

 

今年は当サイトのオープン10周年となる記念の年という事で、例年以上に多くの世にもファンの方々に楽しんでいただけるようにしていきたいですね。2014年も、どうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m

 

さて、今年一発目の更新となる今回は、予定から一ヶ月以上遅れてしまった「ほんとは面白い?隠れた世にも奇妙な物語」の後編をお届け。残る5篇は全て第3シリーズから一挙ご紹介。ちなみに、"隠れている作品"の判断基準は「世にもデータベース」さんのコメント数が一桁の物となっております。

◆ 血も涙もない (1992年4月16日)

ヤクザの結城は信販会社の亀田に300万円の支払いを催促されていた。

ある日、結城の母親が危篤になり、急いで病院に駆けつける彼だったが、そこには亀田がいて、母親に「息子さんの借金を立て替えてから死んでください」と喋っていた……。

 

──結城さん。当デパートのお買い上げ代金+利子325万7862円、お支払いいただきたく思います。

 

借金の取立て人として冷酷な事も平気でやるヤクザが、その遥かに上を行く非情な取立てを受けるというシンプルなお話。本作のオチは少し弱い……というか、人によっては全然落ちていないと思う方もいるとは思いますが、そんな事は一切気になりません。

 

それもこれも、暴力や脅しは一切使わずに、穏やかで上品な佇まいでありながらヤクザに「血も涙もない」と言わせてしまう亀田のキャラクターのおかげ。

 

殺そうとしても「どうぞ殺してください。明日には私の代わりの者が来ることになっておりますから」と怯む素振りも見せないどころか、銃撃戦の最中にまで現れて、喉元に銃口を突きつけられても眉一つ動かさないという徹底っぷりが、ついつい笑いを誘ってしまいます(笑)

 

どう見ても、借金の取立て人には不釣り合いな和服美人とのギャップも強烈。ある意味番組至上稀に見るインパクトのキャラではないでしょうか。

 

ズンドコベロンチョ」や「ハイ・ヌーン」のようなちょっぴりシュールな雰囲気のコメディが好きな方にはオススメ。今の知名度の低さが何とももったいなさすぎる、インパクト大のキャラクター亀田は絶対に見るべし。

逆探知 (1992年5月4日)

誘拐事件の一報を受けた刑事の中元と佐久間は被害者の家へ向かう。

子供の母親千恵子は動転しながらも子供の特徴を説明。まもなく犯人から電話が入った。そこに帰宅した父親から子供は1年前に死んでいることを聞かされる……

 

──もしかすると、私達は別の現実で起きた怪事件に巻き込まれてしまったのかもしれない

 

「復讐クラブ」「笑う頭脳」に並ぶ、橋爪功主演の社会派SF3部作の一篇。

前述の2作品の人気と比べて、若干知名度は低いようではありますが、2000年に「傑作選」で放送、「雑誌の特別編」でコミカライズ化されたりと、今回挙げてきた10作品の中では一番評価されている作品であることは間違いありません。実は私も好きな作品の一つだったり(^^;)

 

母親から依頼された誘拐事件の捜査に向かうものの、父親の話では既に子供は死んでいることを聞かされる。おかしな人物が騒いだだけと思いきや、誘拐犯を名乗る男からの電話がかかり、さらに死んだはずの子供の声までが……。ここだけで掴みとしては高得点。その後も事態が二転三転し、この後どうなってしまうのか、予想のつかない展開に思わず見入ってしまいます。そしてラストには、ただただ不気味で奇妙な後味だけが……。

 

一定のパターンに沿っている物の、数々の工夫がキラリと光る名佳作。こういう雰囲気の作品が今の新作にも欲しいところですね~。不気味な奇妙がお好きな方、読めないオチが大好きな方には地味にハマってくるはず。オススメです。

◆ リフレクション (1992年6月4日)

女が車で出勤中、運悪くバッテリーが上がってしまう。会社につくと青い服を着た女がぶつかってきた。それからというもの、ペットショップをはじめ行く先々で青い服の女に出会う彼女は、何とか青い服の女から逃げようとする。

 

──偶然よ、偶然偶然。

 

初見の際オチがすぐに読めたにもかかわらず、私のお気に入りとなった一篇。

ハマればでかいものの、ちょっと勘のいい人にはすぐさま読まれてしまう単純なワンアンディアでありますが、それを踏まえながら見返してみると、両者の背景に想像を広げながら場面場面でクスリとしてしまったり、悲しくもなったり。

 

「世にも」って、どうしても奇想天外なストーリーやアッと驚くどんでん返しばかり目を行きがちではありますが、こういった『明日自分の身にも起こるかもしれない』という、これまでの退屈な日常が少し違って見える要素も大好きなんですよね。素朴な奇妙がお好きな方、登場人物の背景をあれこれ妄想するのが好きな方、オススメです。

◆ マジシャンのポケット (1992年7月9日)

マジシャンの小泉はウサギを出す手品の最中、ウサギを忘れてきたことに気づき、慌てていた。そのとき、客が踊り子を出せと騒ぐとポケットから踊り子が出現する。以来、客が要望するものを次々と出せるようになった。

 

──あなたは、世界一のマジシャンです。

 

ファンの間ではこれを挙げるとちょっと通ぶれる感(主観100%)のある、個人的には本当に隠れた名作。今回挙げた10篇の中では一番好きな作品でして、まさに"ドラマ"で魅せるストーリー。

 

不思議な能力のおかげでマジシャンとしての名声を得るだけでなく、銀行にある大金を盗みだした小泉は、時効寸前まで札束を隠しておくことにして、それまでの間マジシャンとして大いに稼ぎまくります。

そして、時効の日に引退を決定。最後の晴れ舞台の日に、事件の担当刑事が現れ「盗まれたお金を出して欲しい」と言い出す……。

 

台詞を極力少なくして、画で語ろうとするという、昨今の説明過多になりがちなドラマと比べ、しっかりした芯を感じる作品。あらすじを読むだけでは勿体無い。これは確実に映像として見なければその魅力を感じることは絶対できないでしょう!こんな作品を隠れたままにしておくのは損。是非とも、明るいところへ出してあげるべきだなと……!

◆ 奇跡を呼ぶ男 (1992年9月10日)

何者かに追われていた渡ジョーは、偶然その場を通りかかった社長の車から発せられたおもちゃのサイレンのお陰で危機を逃れる。

 

その車には繊維メーカー「大翔紡績」のロゴがプリントされているのに気づき、ジョーは翌日その会社へと向かう。そこでは社長以下重役たちが、業績の悪化により、このまま倒産かライバル会社との合併かの選択を迫られていた……。

 

──それからもう一つ、どんなことがあろうとも決して許可なしに私の部屋に入るな。これは必ず守ってもらう。

 

本作一番の面白いところを下手に語るとネタバレになってしまうので、あえてここは一言だけ。番組至上類を見ない"ある要素"がとても目立つ超珍作、かつ究極の一発ネタ。マニアを名乗るなら見て損は無し。おすすめです。

 


 

というわけで、以上、年を跨いでお送りしました「ほんとは面白い?隠れた世にも奇妙な物語」でした。

 

今回、判断基準に利用させていただきましたデータベースさんは凄く便利なサイトですし、訪問者数もうちと較べて遥かに多いのですが、サイトの性質上、あらすじの出来不出来もバラバラだったり、映像の面白さが中心となっている作品の魅力を十分に伝えきれない事もあり、それを持ってして、未視聴の方に作品の良し悪しを判断されてしまうのが、常々非常に勿体無いと思っていたんですよね~。

 

今回挙げた作品群を見て、こういった作品が好きだというも方いれば、全く面白くないと思う方もいるとは思いますが、こういった作品があるからこその「世にも奇妙な物語」な訳で、奇妙な世界のディープな部分へ是非ハマってくだされば、私としても申し分無しですね。お気に入りのディープな奇妙が見つかる事を祈ります。

 

次回の「本当は○○な世にも奇妙な物語」は、なかなか日の当たらないあの年代を取り上げる予定。その間に、2,3くらい別なテーマの記事が出る……かもしれないですね。今年は更新増が目標です。

 

なお、今後取り上げて欲しいテーマがありましたら、是非コメント欄やBBS等へご意見をお送りください。後々の参考にさせていただきます。

《メールフォームのお返事》

【Q】 世にも奇妙な物語の最近の傑作選ではタモリの解説や出演シーンがカットされていて悲しいです。やっぱり版権の問題なのでしょうか?

 

【A】確かに、傑作選ではストーリーテラーのシーンがカットされている事がよくあります。

しかし、一部の傑作選ではカットされていない作品も存在するため、私個人の見解としましては、版権処理の手間を省く為は勿論あるでしょうが、一番は放送時間内に入りきるようにする為というのが理由ではないかと思っています。