世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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傑作復活編 みどころ紹介

1990年4月19日に放送をスタートさせた「世にも奇妙な物語」が今年25周年を迎えました。

春には人気漫画家の作品を映像化した「人気マンガ家競演編」が放送され、続く秋SPにも期待が高まる最中、史上初となる歴代作品人気投票企画が実施され、TOP30の中から5作品をリメイクという驚きの企画が発表。

 

さらに今回はそれだけでなく、翌週には日本を代表する映画監督を起用した「映画監督編」なる完全新作も用意され、これまた番組史上初である2週連続スペシャルが実現するだけでなく、それに関連したコラボ企画も「ががばば」を始め多数登場と…2回の特番だけでアッサリ終わってしまった20周年とは比べ物にもならない力の入れよう! このお祭り感は映画版が公開された2000年以来では…!?

 

期待が高まるなか、情報解禁もようやく終了し、全ての作品のキャスト&スタッフが判明。今回も放送に先駆けて「傑作復活編」の各話のスタッフやキャストに関する情報や個人的な注目ポイントを簡単にご紹介していきたいと思います!

 

※ 11/19 時点で判明している情報に基づいており、実際の放送では順番等が変更される場合があります。

◆ 第1話「イマキヨさん」 (ランキング第1位 - オリジナル版放送:2006年3月28日)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数&旧作版スタッフ)

原作・脚本:中島直俊 《2》

 

演出:高丸雅隆 《6》:植田泰史)

 

主演:野村周平 《初》松本潤

【 高丸監督 選出コメント 】

「人気投票第1位作品ですし、なにより“都市伝説をテーマにしたブラックコメディー”という内容にひかれ選びました。さらにパワーアップした新しい『イマキヨさん』をお見せできるのではと思います。もちろんプレッシャーも感じておりますが、今作も愛される作品になるよう頑張ります!」

 

2006年の15周年の特別編内で放送された嵐の松本潤主演作「イマキヨさん」が、視聴者投票のランキング第1位を記録したことにより、9年の時を経てリメイク決定!

 

原作兼脚本は、オリジナル版と同じく中島直俊さんが担当。

中島さんは、2005年の函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞のグランプリを受賞した本作の原案である「タタズムヒト」がスタッフの目にとまったことで脚本家デビュー。近年では「惨殺半島赤目村」「RECORD」といった漫画作品の原作協力をされるなどして、ご活躍されています。デビュー作がランキング第1位となり、そのリメイク版をひっさげて番組に帰ってこられるなんて、故郷に錦を飾る…じゃないですが、ちょっとグッと来るものがありますね。9年ぶりに奇妙な世界に舞い戻ってきた「新イマキヨさん」に期待したいと思います!

 

演出には、過去に「死後婚」「相席の恋人」等を手がけられた高丸雅隆さんが、昨年春の「ニートな彼とキュートな彼女」以来1年半ぶりに登板。これまで「仮面ライダー響鬼」「実写版セーラームーン」「山田くんと7人の魔女」などの人気作を多数演出している傍ら、近年ではプロデューサーとしても活動されており、「救命病棟24時」「ストロベリーナイト」「リスクの神様」等を手がけられています。

 

個人的に高丸監督は「親切成金」「相席の恋人」などのハートウォーミング系の印象が強いですが、「7歳になったら」のようなブラック作も手がけられているので、今回の登板では、どうオリジナルを解釈して新たな「イマキヨさん」のブラックさを演出しているのかに期待したいと思います。

 

主演は、今年の夏に放送された月9「恋仲」でも福士蒼汰さんの恋敵役として存在感を放っていた野村周平さんが番組初登場。2009年にアミューズ主催のコンテストでグランプリを獲ったことから芸能界入りされたそうで、近年では「僕のいた時間」「若者たち2014」等にもご出演されています。

 

世間一般ではまだそれほど名前が知られていない方(ファンの方すみません)ではありますが、なんと本作が野村さんにとってドラマ初主演作だとか。実は番組では、ときたま業界注目枠みたいな枠がありまして、これまで脇役ばかりで一度も主演を務めたことのないものの、当時注目の俳優さんを起用するということをよくやっているんですが、今ほどメインストリームで活躍されていなかった堺雅人さん(2008)、西島秀俊(2004)さんらのドラマ初主演作も、なんと「世にも」なんです。そんな先輩方に続き、新たに未来の大人気俳優になるかもしれない野村さん。奇妙な世界で魅せるその演技に注目するしかない……!?!

 


 

さて、この「イマキヨさん」。結果発表後に「いくら何でも1位じゃないだろう」「ジャニーズファンは空気を読め」とネットで荒れに荒れたのが記憶に大変新しいですね。私もまったく予想していなかったので、かなりビックリしてしまいましたが、今になって思うと、1位はともかく(笑)、上位に来るのはそれなりに納得できるのでは?と思ったりしています。

 

投票期間中はオリジナルに出演した松潤ファンによる投票呼びかけ(一応公式側から組織票も歓迎と表明されていました)を度々目にしていたので、そこによるブーストも当然あったみたいですが、発表後にネットを見ていると、20代後半~10代後半辺りの知名度がかなり高く、「一番好き」「学校で話題になった」「これはよく覚えている」といった書き込みもかなり多く見られ、この年代にとっては『ズンベロ』みたいな定番作なんじゃないか、単なる組織票だけのランクインじゃないのかもな……と。

 

年季の入ったファンのために「ズンベロ」があるならば、多感な時期に「世にも」に触れた若いファンのために「イマキヨさん」があると考えれば、まぁそんなに悪く無いラインナップかもなとも思ったりするんですよね。昔からのファンだけ満足すればOKというのもちょっと違うでしょうし……!

 

最後は、ちょっとしたトリビアを一つ。原作者である中島さんご本人によれば、「イマキヨさん」というの名前の由来は、実は忌野清志郎さんから来ているのだそうです……(笑)

◆ 第2話「昨日公園」 (ランキング第4位 - オリジナル版放送:2006年10月2日)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数&旧作版スタッフ)

原作:朱川湊人 《3》

 

脚本:酒巻浩史 《初》佐藤久美子

 

演出:植田泰史 《21》三木康一郎

 

主演:有村架純 《2》堂本光一

【 植田監督 選出コメント 】

「原作者の朱川湊人さんの大ファンである私は“これやりたい!”と、ずっと思っていました。いざ担当してみると、今まで経験したことのない壁にぶち当たっています。原作と前作に対し恥ずかしくない作品にするべく頑張りたいと思います」

2006年秋の特別編で放送された近年の人気作である「昨日公園」。

番組では「栞の恋」でもおなじみの、小説家朱川湊人さんによって2003年に刊行された「都市伝説セピア」収録の同名作品が原作であります。2004年の映画「バタフライ・エフェクト」といい、こういうタイプのストーリーは個人的にツボなのでランキングTOP5の中では一番期待している作品だったり。

 

脚本は番組初参加となる酒巻浩史さん。

2006年に鶴田法男監督の映画「POV~呪われたフィルム~赤いコートの女」でデビューされてから数々のドラマでプロットライターとして活動された後、近年では「ほんとにあった怖い話」の「2階がこわい」「女子高大パニック」「犯人は誰だ」などを手掛けられている作家さんとのこと。

 

演出は2002年の「声をきかせて」から13年連続で「イマキヨさん」「さっきよりもいい人」「JANKEN」などの印象的な作品を数多く担当してきた植田泰史監督が登板。

 

2000年代以降の番組第2世代を牽引するメインディレクターの一人と言ってもいい方で、フジのドラマでは「アンフェア」LIAR GAME」なども手がけられてきました。近年はコメディ物専門といった向きのある植田監督でありましたが、ブラックな「爆弾男のスイッチ」からハートウォーミングな「自販機男」まで、幅広いジャンルを卒なくこなすオールマイティーな方という印象なので、まず外さないだろうなと。豪快なアレンジを施したストーリーをまとめる手腕に注目です。

 

主演は2013年のNHK朝ドラ「あまちゃん」で小泉今日子演じる天野春子の若かりし頃を演じて以降、今ではすっかり人気女優となった有村架純さん。「あまちゃん」放送中の時期に出演した2013年春の「石油が出た」辻浦澄子役から、たった2年で早くも主演を務めるとは実に驚きの出世ぶり!

 

今となっては、彼女に尿瓶を持たせて「あなたのおしっこで世界を救って下さい」なんて台詞を言わせるなんて、もう不可能でしょうねぇ…(-▽-;)

 


 

2006年秋にKinki Kids堂本光一さん、「トリハダ」等でお馴染みの三木康一郎監督らによって映像化されてからはや9年……。今回のリメイクにあたり、主人公の性別変更という大胆なアレンジが行われたということで、ここまでガラッと変えてくれると、変にオリジナルを意識しなくていいと言いますか、新鮮な気持ちで視聴できそうで楽しみが増すばかりです。

 

また、本作はオリジナル版と原作版でラストが大きく異なっているので、今回のリメイク版ではどちらに寄せているのか大いに気になるところですが、性別変更という点も相まって、まったく新しい世界観の「昨日公園」が見られるのは確実でしょうね。

◆ 第3話「ズンドコベロンチョ」 (ランキング第7位 - オリジナル版放送:1991年4月18日)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数&旧作版スタッフ)

原作・脚本:北川悦吏子 《15》

 

共同脚本:ジェーン・スー《初》

 

演出:後藤庸介 《3》:金澤克次 )

 

主演:藤木直人 《3》草刈正雄

【 後藤監督 選出コメント 】

「思春期真っ盛りに衝撃を受けて以来、いつか自分もこんな作品を創りたい! と思っていました。25周年スペシャルに際し、このような形で夢がかなって本当にうれしいです。頑張ります」

世にも全作品の中では恐らく知名度ナンバー1!? ストーリーテラータモリも大のお気に入りな超人気作「ズンドコベロンチョ」が24年ぶりに大復活!

 

原作兼脚本は、オリジナルを手がけたズンドコベロンチョの生みの親である北川悦吏子さんが再び担当。今回の脚本はネット社会に対応させた2015年版として大幅に書き直しされたとのことです。

 

北川さんは「素顔のままで」「あすなろ白書」「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」「空から降る一億の星」「オレンジデイズ」等々の名作ドラマを多数執筆され、恋愛の神様という異名を持つ方でありますが、実はそんな才能を見出されるキッカケとなった番組こそ、我らが「世にも」なんですね。(一部は「月島水樹」名義で執筆)

 

番組では過去「もう一人の花嫁」「三日間だけのエース」といったハートウォーミングものや、「伝言板」「隣の声」といった恐怖ものを手がけられてきましたが、その一方で、「つまらない男」「大蒜」「佐藤・求む」「すみません、握手してください」といった異色作を多数生み出す珍作メーカーの一面もありました。そんな今からでは考えられないぶっ飛んだストーリーの真骨頂こそが、この「ズンドコベロンチョ」。19年ぶりに帰ってきた“恋愛の神様”のヤンチャっぷりに期待大です。

 

共同脚本を務めるのは、番組初参加で、作詞家、コラムニストとして知られるジェーン・スーさん。

お知り合いだった北川さんから突然「一緒にやろうか」と声をかけられて、苦労しながら頑張って共作されたとのことです。

 

ジェーン・スーさんは、生粋の日本人だそうで、Negiccoなどの作詞を務めている傍ら、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞し、さらにアイドルマニアの間では伝説となっているTomato n'Pine(アイドル好きの知人がものすごくベタ褒めしてたのを思い出します…)の音楽プロデュース、TBSラジオの「週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー相談は踊る」ではラジオパーソナリティーとして活動などなど…多方面でその才能を発揮されている方なんだとか。北川さんの生み出した奇妙な世界に、多彩な才能が加わることによる予測のできない化学反応が楽しみです!

 

演出は、過去に「試着室」「未来ドロボウ」を手掛けられた後藤庸介'''監督。

京大時代はフットボウラーとしても活動され、卒業後はTBSに入社し「さとうきび畑の唄 」「オレンジデイズ」「タイヨウのうた 」等で助監督を担当。TBSを退職後はフリーを経て共同テレビに入社し、現在ではフジ系で「鍵のない夢を見る」「星新一ミステリーSP」「妄想彼女」などのドラマの演出・プロデュースを手掛けられています。

 

そんな後藤監督、昨年の春から「世にも」プロデューサーとしてメインスタッフの一員となったのですが、その座に就くなり「滅多に再放送されない初期作を集めた『真夜中の特別編』の実施」「Twitterでの撮影状況公開」「実際の放送で裏話等を交えて実況」等のファンサービスを次々と行い、この1年で世にもフリークのハートを鷲掴み。そっち方面で評価がぐんぐん急上昇している方でもあります。

 

今年に入っただけでも「長年放置されていた公式サイトを大幅リニューアル」「毎週CSでの初期シリーズ再放送」「お台場で過去作品の上映会」「数々のスピンオフ企画を制作」と、ファン驚愕の企画を(当然他の方も携わっているでしょうが)次々打ち出され、これまでろくに再放送すら行われず無風だった奇妙界隈に、新風を巻き起こす革命児的存在(?)になりつつあるとかないとか……。

 

そんな新世代スタッフの顔でもある後藤監督が手掛けるのが、あの「ズンドコベロンチョ」だっていうんですから凄い話です。藤子F原作の「未来ドロボウ」では原作ファンからも一定の評価を得た様ですし、その熱意で新たなズンベロ伝説を作っていただけることに期待したいと思います!

 

ちなみに、後藤監督、奇しくもリメイク編の放送日がお誕生日だそうで…おめでとうございます!

 

主演は、「心がポキッとね」等の人気ドラマから、「おしゃれイズム」といったトーク番組まで幅広くご活躍されている藤木直人さん。前回とは打って変わってコミカルなキャラクターとして、昨年春の「復讐病棟」から1年ぶりの出演になります。

 

オリジナル版で草刈正雄さんが演じていたやり手広告マンから一転、現代版ではIT業界の最先端を行く男と今風の役柄に変更。しかも、藤木さんは当時の草刈さんとほぼ同年代……実際は藤木さんの方が5歳上(草刈さんは当時38歳)なんですけど、結構すごい事実ですね……(^^;)

 


 

この「ズンドコベロンチョ」は、『何度も脚本会議にかけられるのが通常であるなか、シナリオ提出後に即映像化が決定』『放送後フジテレビに問い合わせの電話が殺到』『ズンドコベロンチョ」という名前のアダルトビデオが発売』『さらには同じ名前の風俗店まで登場』『番組内でも多数のフォロワー作品が誕生』…と数々の伝説(?)を残す名作であります。

 

一般人気も知名度も非常に高く、当時の記事等を見ても必ずといっていいほど取り上げられている不動の作品でして、そのインパクト大の名前も相まって、未だにネットで「ズンドコベロンチョ」に言及される方が多数散見されています。私の経験上でも、当方が世にもファンだと知るなり「じゃぁ、あれ知ってるかな…ちょっとマニアックなんだけど…」と、勿体ぶって言ってくる人が「ズンベロ」を挙げてくる率は8割!(笑)

 

世にもフリーク間ではインパクト面での評価が大きいことと、定番中の定番すぎるため、真正面から言及されないことの多い作品ではありますが、数々のフォロワー作品まで生み出し、番組史を語る上では絶対に避けて通れない作品であることに異論を唱えるマニアはほぼいないでしょう。

 

旧いファン間では絶大な知名度を誇っている一方、若いファンの間ではあまり知られて来なかった「ズンドコベロンチョ」。今回そのリメイク版が世代間に大きな橋を架けるということで、老いも若きもズンドコベロンチョなひとときを過ごせる事に期待したいと思います!

◆ 第4話「思い出を売る男」 (ランキング第26位 - オリジナル版放送:1994年10月10日)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数&旧作版スタッフ)

原案:高山直也 《29》、林誠人 《6》

 

脚本:本田隆朗 《初》林誠人

 

演出:岩田和行 《10》土方政人

 

主演:木梨憲武 《初》小堺一機

【 岩田監督 選出コメント 】

「放送されてから21年。当時はSFだった事も、現在では実現可能な事に変化しつつあります。しかし、時を経ても変わらない“ある普遍的なテーマ”がこの作品には描かれています。そこにとてもひかれました。 熱烈なファンも多い“奇妙屈指の感動作”に新たなキャスト・スタッフで挑みます」

原案は過去に「サブリミナル」「懲役30日」「走る取的」などの印象に残る名作を多数手掛けてきた脚本家高山直也さんと、「楊貴妃の双六」「家族の肖像」「夢を買う男」のほか、オリジナル版の「思い出を売る男」の脚本を手掛けられた林誠人さん。

 

脚本を務めるのは、今回番組初参加となる本田隆朗さん。

2013年に「駒田准教授とモンキー画伯」で第25回フジテレビヤングシナリオ大賞の佳作を受賞され、近年では「本棚食堂」「ミステリなふたり」といったテレビドラマを手掛けられています。

何といってもファンから人気の高い感動作であるだけに、どのように脚色されているのが気になる所ですが、フレッシュな才能が魅せる新しい奇妙な世界に期待したいと思います。

 

演出は過去に「リプレイ」「自殺者リサイクル法」「栞の恋」「来世不動産」などを手掛けられた岩田和行監督。

近年では「メイちゃんの執事」「家族ゲーム」「福家警部補の挨拶」「美しき罠」といった人気ドラマを多数演出されている方であります。

 

世にもではどちらかというとブラック色の強い作品のイメージが強い岩田作品ですが、個人的には「透き通った一日」「ベビートークA錠」等を見る限り、ストーリーはブラックだったり、コミカルな一方、その前後に挿入される爽やかかつ綺麗なシーンの印象も強かったりしますね。岩田監督が手掛けられたその真骨頂とも言える「栞の恋」も、今回ランキングでTOP30内に入っていることですし、名作に新たな彩りが添えられることを楽しみにしています!

 

主演を務めるのは、本業はもちろん、俳優やアーティストとしても活動されているとんねるず木梨憲武さん。

奥様である安田成美さんは1998年の「5分後の女」に出演経験があるので、これでようやく(?)夫婦揃って奇妙な世界の住人となってしまいます!

 

実は“とんねるず”と“世にも”の関係は意外に深く、当初木曜8時に放送されていた「世にも」の終了後、9時からは「とんねるずのみなさんのおかげです」が放送され、コントコーナーで「世にも」のパロディも放送していたため、ある意味ではテレビ業界を長年共に生き抜いてきた戦友とも言える間柄。

オリジナル版の小堺一機さんともまた少し違ったキャストによる悲しくも暖かいストーリーに注目です。

◆ 第5話「ハイ・ヌーン」 (ランキング第27位 - オリジナル版放送:1992年6月11日)

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数&旧作版スタッフ)

原作:江口寿史 《2》

 

脚本:守口悠介《2》:神戸一彦)

 

演出:都築淳一 《11》 坂本太郎

 

主演:和田アキ子 《初》 玉置浩二

【 都築監督 選出コメント 】

「『ハイ・ヌーン』は名作中の名作です。名だたる先輩たちがその完成度に嫉妬した、と聞いています。そんな作品をぜひ自分の手で復活させてみたい、と思い選びました。楽しみであると同時にプレッシャーも感じていますが『世にも奇妙な物語』がさらなる飛躍を遂げるような作品に創り上げます」

原作は「すすめ!!パイレーツ」「ストップ!!ひばりくん!」などで知られる漫画家江口寿史さんの「史上最大の生中継」。元々は少年ジャンプに連載されていた野球ギャグ漫画「すすめ!!パイレーツ」の一編として書かれた作品なんですが、そんな作品が一体どういう成り行きで採用に至ったのか非常に気になる所(^^;)こういったあらゆるところから原作を探してくるのも「世にも奇妙な物語」の面白いところです。

 

脚本を務めるのは昨年秋に放送された「サプライズ」以来1年ぶりの登板となる守口悠介さん。

これまでテレビ朝日系で放送されている大人気ドラマ「相棒」「新・おみやさん」等の警察ものを多数手掛けられている守口さんですが、これまでのお仕事や「サプライズ」のように伏線やミスリードといった手口が通用しない「ハイ・ヌーン」という奇妙な物語をどう脚色しているのか注目しておきたいと思います!

 

演出は、2011年秋の「いじめられっこ」以来4年ぶりの番組復帰となる都築淳一監督。

近年では「カラマーゾフの兄弟」「ママとパパが生きる理由」「心がポキッとね」などのフジドラを中心にご活躍されている方で、番組内では「誘い水」「あなたの物語」「密告ネット」「フラッシュバック」といった印象的な作品を多数手掛けられています。

 

主にホラー、ブラックコメディ系のイメージが個人的に強い監督さんなので、どういった「ハイ・ヌーン」になるのか大いに気になる所ですが、久々にその手腕をおおいに奮っていただけるには、十分すぎる作品であることは間違いないでしょう!

 

主演を務めるのはオリジナルの玉置浩二さんに代わって、通称ゴッド姉ちゃんこと和田アキ子さんに決定!

番組では過去に男性主人公の女装バージョンを女優さんが演じられたことはありますが、完全なる男性役を演じるのは初めてのこと。アーティスト繋がりなのか、インパクト重視で選んだのか、とにかく本回一番のぶっ飛んだキャスティングであることには違いありません!(笑)

 

ネットでは早くも「よりにもよって和田アキ子なんて…玉置浩二と全然違うだろう!」とお怒りの方がたくさんいらっしゃっていますが、スタッフもきっとそんな反応は想定内のはず。きっと何か勝算があっての起用なのは間違いないはず…ですよね?(-▽-;)

 


 

さて、本作はキャスティング発表前のネットで「孤独のグルメ」の松重豊さんではないかという予測が結構出ていましたが、「世にも」は昔からあまりにもベタすぎる起用はしないタイプの番組なので、ちょっと意外な感じの男優さんを連れてくるんだろうな~とはなんとなく思っていましたが……いくら何でも意外すぎるを通り越してもはや悪ふざけにも近い!(笑)

 

とにもかくにも人気作のリメイクに対して、ここまでの英断はかなり大きな賭けであることは確か。

発表後から「面白い!」と「大丈夫か…?」の二つの心の間で、ぐらぐら揺れまくっている私ではありますが、今回私はあえてその賭けにおもいっきり乗ってみるつもりです!

 

果たして「こういうのも有りだったのか!」となるか「やっぱり無茶だった!」となるのか、その結果をTVの前でしっかりと目に焼き付けたいと思います。どうか裏切って欲しい…!

◆ 雑感

今回選出された5作品。ファンの間ではやっぱりというか何というか賛否両論ではありますが、大多数のファンからある程度文句が出ないであろう定番作「ズンベロ」「ハイ・ヌーン」、人気作でありながらちょっと渋めな、マニアも嬉しい「思い出を売る男」、10代後半~20代前後の若い層にも懐かしい「イマキヨさん」「昨日公園」と、幅広い層に向けた無難かつ手堅いチョイスであることは確かです。

 

そんな本回の中で私が注目しているのは、

和田アキ子の男役というインパクトを持ってきたギャンブル作「ハイ・ヌーン」

・北川脚本×後藤演出という新旧メインスタッフの化学反応に大注目の「ズンドコベロンチョ

以上2作品。

 

残る3作品はスタッフ側でよほど悪手を指し続けない限り、悲惨な出来になることはまず無いでしょうが、この2作品は脚本演出側で大きくカラーが変わってしまう絶妙なバランス感覚の上に基づくタイプの作品なので、その辺の塩梅が非常に難しいのではないかなと。

 

不安点としては、例えば「ハイ・ヌーン」なんかは、番組の発表内容を見る限り、オリジナルとアプローチの方向が少し変わっているようですし、和田アキ子という個性の強いタレントさんが男装ということで、その違和感がついつい脳裏をよぎって純粋に楽しめないのではないか。

ズンドコベロンチョ」では、オリジナルと同じ脚本家さんとはいえ、現代的な内容になるように大幅に書き直しをされたとのことで、かえってリアル寄りになってしまい、粗が目立つのではいか……なんてことを思ったりはします。

 

ほかにも不満点はいくつかあり、やっぱり私としては、歴代マイベストワンの「23分間の奇跡」やってほしかったんですよ~(T_T) とはいえ、海外の作家さんが原作ということで、大人の事情がややこしいですし、「許可が降りない」みたいな話もあったそうなので仕方ないですが…。

 

後は、ブラック作・ホラー作の割合がかなり少ない(人によってはゼロに見えるかも)のも、やっぱり残念だなと。ここ最近のスタッフの発言を見る限り「(過去の様なホラーは)現在ではコンプライアンス上できない表現が多い」「あまり怖くないように作ってくれと言われるが、それはさすがに…」と、端々から難しい制作環境が垣間見えていたものの、もう少し思い切ってしまってもよかったんじゃないかなという気はしますね。

 

リメイク候補のTOP30の中では「ロッカー」「サブリミナル」辺りは工夫すれば十分リメイクできたんじゃないかと、素人ながら思っていたりもするんです。(あとは「雪山」をやれたらすごいですが、これは映画用の予算を使ったからこそ出来た作品なので、TVサイズではまず無理でしょうね)

 

……とはいうものの、今回改めてリメイク編に対する感情を聞かれると、正直期待しかありません!

というのも、今回は濃い世にもファンであればあるほど「安易に過去の名作をリメイクしたんでしょ?手抜きでしょ?」という見方をしてしまっては、非っっっ常に勿体無いなと思っているんです。

 

まず、これまでご紹介してきたスタッフの方々を見れば、脚本家は「ズンベロ」「イマキヨさん」を除いて、ほぼ新顔の方々ばかり、さらに演出家の方々は2000年代頃から番組に携わり、ゼロ年代後半~現在のメインスタッフとも言える方々が揃っています。

 

25年経って皆さん偉くなったとはいえ、初期スタッフの方々はほぼ現役ですし、そういった方々をこの機に連れてくることは難しいことではないと思うんですね。私自身「25周年だから、黄金期世代を数名連れてくるんだろうな~」なんて考えていたくらいなので。さらに当初はスタッフ側からも「黄金メンバー復活」を考えている素振りを見せていたので、てっきりやってくるだろうとおもいきや、蓋を開ければほぼ若手世代の方々。ディレクターは旧世代完全排除です。

 

これって要は、現在の若手スタッフが黄金期スタッフに挑みますということですよね。アツい……激アツじゃないですか……これはズルい!「黄金期に立ち向かうのはさすがに無茶だろう…」という言葉が出ちゃいそうになるものの、そのアツい感じ……嫌いじゃないんですよね、これが!

 

しかも、昨年の“後藤ショック”とも勝手に名付けるべき、これまで誰もやらなかった企画を次々打ち出した新進気鋭の後藤プロデューサーがですよ。少しでも変なことをすれば、(私みたいな)めんどくさいファンから一番叩かれるであろう「ズンドコベロンチョ」を演出するっていうんですからもうどうかしてるでしょう!

 

ご本人は恐らくそんなこと微塵も思ってないでしょうが、私としてはこれを“これまでの25年を象徴する名作を手掛けることで、今後の番組を背負う覚悟の表明”と受け取りたいです。勝手に。いやはや、一体どこまでアツい男なんでしょうか、後藤Pは! さすが元フットボウラー自ら奇妙な世界のクォーターバックを買って出てしまうとは!(※主観100%) いやはや、してやられました。

 

 

さらに、今回のリメイク編。当初一部ファンからも「リメイクなんてもう終わり」「新作を作る気さえないなんて」といった声もありましたが、そんな声を見越して、翌週に完全新作の『映画監督編』を発表し、ぐうの音も出させないという二段構え。これには痺れましたね。考えもしなかったです。

 

リメイク編だけでも一応収まりが付くというのに、わざわざ苦労して二週連続で制作するんですよ。スタッフさんのTwitterなんかを見てても、相当キツキツでやってるのが伺えるだけでなく、現時点(11/19)でもまだ制作が終わってないってんですからその熱意もアツい!

 

ここ最近続々投入されているスピンオフ企画もアツい。中には正直「ん…?」というものもあったりはしますが(笑)、誰もやってこなかったことをやってみようというチャレンジ精神こそ番組の真髄! 長寿ドラマの上にあぐらを書いてちゃあいけません。

 

そして旧いファンからは「もっと昔のをやれ」と批判されがちな2006年の「イマキヨさん」と「昨日公園」。私も本音をいえばもっと古い作品が良いです! が、世にもファンって初期から見ていた人だけじゃなく、やっぱり若いファンも多いんですよね。

 

新旧のファンが共に同じ回を見て「懐かしい」「当時の自分はこんなだった」とリアルやネットで言い合える2時間20分って素敵じゃないですか。そして、旧いファンからは「思っていたより最近のも面白い」、若いファンからは「昔の作品って面白い」と思っていただけるような内容であれば、一介のファンとしてこれ以上嬉しいことはないです。

 

……とまぁ、毎度のようにまとまりなくグダグダ書いてしましましたが、今回のスペシャルをマニアな視点から見てみてみれば、やはり『意外にアツいぞ!』の一言に尽きます!

 

基本的にリメイクなんてものは、どうやろうが何かしら叩かれたり、文句言われるのに決まってるんですよね。私も実はガッチガチのオリジナル至上主義者なんで、そういった気持ちが皆無とは言いません。ま、何だかんだ文句の一つは絶対言いそうになっちゃうでしょう。

 

が、「世にも奇妙な物語原理主義者でもある私から言わせれば、これも挑戦を続けてきた『古き好き「世にも奇妙な物語」』なんですよね。いやはやそこが悩ましいところなんです!(-▽-;)一見、後ろ向きな企画に見えて、その内実は若手世代の今後への決意表明というマニア好みの様相を帯びているんですから、実に心憎い。

 

あとは『リメイク=オリジナルの再現や、旧作の上書き』ではないと思っていますし、映像を重ね合わせて100%同じでない限りは別作品という解釈をするつもりなので、今回は「オリジナルの核である魅力を継承できているか」+「旧作とは違った魅力を新しく提示できているか」辺りを基準に楽しみたいなと。

 

……なんて、偉そうな事を書いてしまいましたが、結局問答無用で面白ければすべてOKなんですよ

 

早くも批判的な声の多い今回のリメイク編ですが、是非とも私含めためんどくさいファンたちを黙らせていただきたいものです。脚本が~演出が~矛盾が~オリジナルが~といった細々したことよりも、やっぱりみんな開口一番「面白かった!」と言いたくて見ているはず。

 

そして、きっと番組スタッフの方々が今回のSP放送後に聞きたいのも、そんな視聴者の皆さんの声なのは間違いないはずですし、そのつもりで頑張られてきているはず。ということで、最後に、今回のSPの制作前に、後藤プロデューサーがTwitterにて行った決意表明(?)を引用して、締めとさせていただきたいと思います。

 

これ以上ない期待と不安を抱えながらも、今回のリメイク編に対してワクワクしかないのは、やっぱりこのコメントがあったのも大きかったしれません。想いの結果、しかと見せていただきます。

 

 

世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP ~傑作復活編~は、2015年11月21日夜9時より放送です。奇妙の節目となる今回、次の25年へ向かおうとする若手スタッフたちのアツい情熱の結晶をお見逃しなく…!