さて、このたび当ブログでは番組25周年のお祝い企画の一環として“世にも奇妙な物語の源流となった作品、後に影響を与えたであろう映像作品”を探っていく不定期シリーズを発足。今回はその第1弾として「世にも」の誕生前後に生まれたオムニバスホラービデオ作品を大特集!
日本で最初にビデオ専用のホラー作品が発売されたのは1985年頃のこと。当時はまだ放送コード関係無しのビデオ作品ということで、黎明期には今から見ればかなりアブナイ作品が大量に制作されていました。
いくつか例を挙げてみると……
- 竹中直人とWAHAHA本舗出演の差別的表現の多さから自主回収となった「竹中直人の放送禁止テレビ」。
- 女性を虐待したり、刃物で身体をバラバラにしていくリアル系スプラッタ「ギニーピッグ」シリーズ。
- 果ては焼死体・腐乱死体等、本物のグロ映像を次々と紹介する「デスファイル」「ジャンク」シリーズ
などなど…今だったら大問題になりそうな内容の作品が多数制作され、しかもこれらはレンタルの回転率が良いということで大人気シリーズにもなっていました。
それらが鳴りを潜める事となったのは、1988~89年に起こった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件。犯人である宮崎勤の部屋から、アニメや漫画作品だけでなく、前述の「ギニーピッグ」の4作目が見つかった事が問題視され、一部ホラー系作品の自主規制が進み、テレビでもかつてのような残酷描写の高いホラー作品の放送が取りやめられる等の影響を及ぼしました。そのため、ホラー作品のリリースは一気に激減し、事件による偏見も相まって、アニメファンだけでなく、ホラーファンにとってもかなり辛い時期を過ごすことに。
ところが、90年代に入ると、都市伝説・オカルトブームが巻き起こり、我らが「世にも」も大ヒット。以降、各業界でオムニバス構成が再注目され、後のビデオ市場にもじりじりとその影響が波及していくことになり、同時にスプラッタ頼みではない、新しいホラージャンルが芽生え始めて行きます。
ここからは、そんな今やなかなかお目にかかれないディープでアングラなオムニバスビデオホラーの世界を一挙ご紹介しましょう。
◆ 妖怪天国 (1986年9月21日 - 松竹)
──妖怪! 体験! 時代劇!
河童が襲う、おでんが呑む、ヘラヘラが笑う。怨念に呪いをこめて語る松姫の怪奇談
妖怪城に繰り広げられた 百鬼夜行の大宴会。今、日本がいちばん怖い!!
1968~1969年にかけて大映が行っていた妖怪映画シリーズの復活企画から生まれたオリジナルビデオ。
漫画家、手塚治虫さんのご子息である手塚眞監督による5話からなるオムニバス作品です。
ちなみにビデオが発売された当時、劇中に霊が映り込んでいると話題になったとか。
◆ フローズンナイト (1989年8月21日 - ポニーキャニオン)
──フローズン・ナイトは、お・ど・ろ・し・い。
《作品データ》
第1話「タクシー・ドライバーの恐怖」(脚本:武上純希、監督:小椋久雄、主演:左とん平)
第2話「ビデオショップ・オブ・ホラーズ」(脚本:武上純希、監督:小椋久雄、主演:永瀬正敏)
平成元年にフジテレビが制作したオムニバス形式のビデオ作品。
「世にも奇妙な物語」の母が「奇妙な出来事」だとすれば、本作はその祖母と言える作品。
スタッフも後々「世にも」に深く携わる面々が揃っており、ファンなら抑えておくべきビデオでしょう。
ビデオ発売に先駆け、8月12日にはフジテレビにて先行放送が行われるという太っ腹っぷりも。
◆ 永井豪のこわいゾーンシリーズ (1989年~1990年 - バンダイ)
──「デビルマン」の永井豪が贈る、恐くて、Hなホラームービー
《作品データ》
《永井豪のこわいゾーン 怪鬼》 (1989年8月25日発売)
「鬼餓」(原作・脚本・監督:永井豪、主演:遠山あかね)
「よみがえる闇」(原作:永井豪、脚本:芳賀健治、監督:早川光、主演:橘ゆかり)
《永井豪のこわいゾーン2 戦鬼》 (1990年8月24日発売)
「マジンガーZ」「デビルマン」「キューティーハニー」などで知られる漫画家、永井豪さんが原作・脚本・監督・ホストを務めるオムニバス作品。原作者ご本人がドップリ携わっている為か、過激なエロスあり、スプラッタありと、永井豪ワールドが炸裂した内容となっています。
1992年にはオムニバス形式を取りやめ、1話完結ものの『永井豪のホラー劇場』なるビデオシリーズが登場し、それぞれ「霧加神」「マネキン」の2巻が発売されました。
◆ スリラ~ブラウン管 (1991年2月25日発売 - 徳間ジャパン)
──秋元康は言い切った。「現代人の文化水準の高さは、スリラーを解するか否かで決まる」と。血も怪物もいらない。恐怖は我々の生活の中に機会を狙って、潜んでいるのだ。
《作品データ》
「おいしい毒」(脚本:秋元康、監督:堤ユキヒコ、主演:木内みどり)
「ハムエッグ」(脚本:秋元康、監督:堤ユキヒコ、主演:鈴木聖子)
「トランキライザー」(脚本:秋元康、監督:堤ユキヒコ、主演:平田満)
+ミニスリラー
企画・原作・総合プロデュースは、今やすっかりAKB48を作った人というイメージになった秋元康さん。
この時期の秋元さんは、とんねるず関連楽曲の作詞以外にも、映画を作ったり、カレーのCMに出たり、アニメや漫画の原作やら、色々手広くやってましたね~。
さて、本作は「世にも」の放送後、初めて発売されたオムニバスホラービデオであり、この嗅覚の鋭さとフットワークの軽さは相変わらず流石の一言。後に秋元さんが作った「着信アリ」の原点と言えなくもない…?
◆ あなたの知らない世界 シリーズ (1991年 - バップ)
──新倉イワオ監修、今関あきよし、小中和哉の演出によるビデオオリジナル怪奇ドラマ。この世には、生身の人間がはかり知ることのできない「あなたの知らない世界」がある。
《作品データ》
《あなたの知らない世界Ⅰ》 (1991年7月5日発売)
「死神峠」(脚本:小中和哉、監督:小中和哉、主演:小林彩子)
「呪夢」(脚本:浜田金広、監督:大原春宣、主演:飯野真由美)
「壁」(脚本:大嶋拓、監督:今関あきよし、主演:風見しんご)
《あなたの知らない世界Ⅱ》 (1991年12月5日発売)
「生むのが怖い」(脚本:吉村元希、監督:萩原一則、主演:飛田ゆき乃)
「禁じられた盤(ゲーム)」(脚本:佐藤善木、監督:佐藤善木、主演:増田未亜)
今なおホラーファンの間で根強い人気を誇る日本テレビの「あなたの知らない世界」(1973~1994)のオリジナルビデオ版。この時期の「あなたの知らない世界」は、前年に「世にも」を意識したオムニバスドラマ特番を2度も放送するなど、かなり攻めの姿勢を見せておりました。
◆ ほんとにあった怖い話 シリーズ (1991~1992年 - ジャパンホームビデオ)
──奇怪な心霊現象があなたを襲う! 実際に起った心霊現象を再現ドラマ化!
《作品データ》
《ほんとにあった怖い話》 (1991年7月5日発売)
脚本:小中千昭、鶴田法男
監督:鶴田法男
「ひとりぼっちの少女」(主演:浅沼順子)
「幽体飛行」(主演:森口舞)
「赤いイアリングの怪」(主演:後藤宙美)
《ほんとにあった怖い話 第二夜》 (1992年1月24日発売)
脚本:小中千昭
監督:鶴田法男
「夏の体育館」(主演:寺田恵美)
「霊にうごめく家」(主演:小笠原亜里沙)
「真夜中の病棟」(主演:相沢朱音)
《新ほんとにあった怖い話 幽玄界》 (1992年7月24日発売)
脚本:小中千昭
監督:鶴田法男
「婆去れ!」(主演:山中ひとみ)
「廃屋の黒髪」(主演:小堺忍)
「踊り場のともだち」(主演:相沢朱音)
「かなしばり」(主演:山田寿子)
現在も毎年夏に放送されているフジテレビ「ほんとにあった怖い話」の原点となったオリジナルビデオ作品。
朝日ソノラマの同名雑誌を原作に、鶴田法男&小中千昭というホラーの名手となった方々が映像化を手掛けており、後の「呪怨」「回路」などにも大きな影響を与え、Jホラーの原点として位置づけられている伝説的作品となっています。
2004年には、上記3本を一つにまとめたDVD「ほんとにあった怖い話 完全版」が発売されているので、Jホラー好きの方は是非チェックを。
◆ コロッケの不思議体験ゾーン シリーズ (1991年7月22日 - レッドウェイブ)
──笑いの伝道師・日本一のエンターテイナー、コロッケがあなたを恐怖の世界へご案内します。
《作品データ》
《コロッケの不思議体験ゾーン 霊界編》
「マジカルミステリーツアー」(脚本:山本優、監督:星野仁、主演:田島都)
「えんどれす・ラブ」(脚本:山本優・中本博通、監督:鈴木一、主演:横須賀昌美)
《コロッケの不思議体験ゾーン 超常魔界編》
「僕の彼女はミステリアン」(脚本:中本博通、監督:平田道夫、主演:高橋由美子 )
「プリティ・ベイビー」(脚本:山本優、監督:星野仁、主演:相沢なほこ )
《コロッケの不思議体験ゾーン 悪霊編》
「フォクシーレディー」(脚本:中本博通、監督:星野仁、主演:藤田芳子)
「デスゲーム」(脚本:山本優、監督:平田道夫、主演:星遙子)
ものまねタレントのコロッケがホスト役を務めるオムニバスシリーズ。
主演がどれも女性に限られている事から判るように、内容は若干お色気要素が多めの様です。
◆ 君と見たい恐い話 (1992年1月25日 - 徳間ジャパン)
──見えない恐怖が聞こえてくる!
前述の「スリラ~ブラウン管」の続編とも言える作品で、今回も企画・原案は秋元康さん。
ビデオパッケージの説明によれば「ライトサイド立体音響システム」なる物を用いているそうですが、実はこれ前作にも採用されていたんです。本作ではそこを大きなウリとして押し出している模様。
昔ある方から、道端で拾ったビデオテープに収められた映像に関する質問をいただいたことがあり、調べた結果本作の映像だったという事があったもので、個人的には妙に印象深い作品であります。
2006年11月24日にDVD化もされているので、興味のある方は是非チェックしてみては。
◆ 実相寺昭雄の不思議館 シリーズ (1992年 - バンダイビジュアル)
──今、未知なる幻想ミステリーへの扉が開かれる……。
「ウルトラマン」シリーズ、「帝都物語」の実相寺昭雄総監修の和製トワイライトゾーン登場!
《作品データ》
《実相寺昭雄の不思議館 vol.1》(1992年4月23日発売)
「かぐや姫」(脚本:実相寺昭雄、監督:実相寺昭雄、主演:仙葉由季)
「床屋」(脚本:岸田理生、監督:大木淳吉、主演:新舩聡子)
「受胎告知」(脚本:油谷岩夫、監督:池谷仙克、主演:加賀恵子)
《実相寺昭雄の不思議館 vol.2》(1992年6月20日発売)
「顔面喪失」(脚本:原口智生、監督:原口智生、主演:手塚眞)
「時の鉱石」(脚本:油谷岩夫、監督:油谷岩夫、主演:中山昭二)
「漁火」(脚本:遊法仁、監督:小林浩一、主演:下條正巳)
寺田農さん演じる常磐台蓑作博士(水先案内人)がホストを務めるSFミステリードラマシリーズ。ウルトラシリーズの有名監督であり、世にもでも「切腹都市」の題字を務められた実相寺昭雄監督が総監修を担当しています。
8月21日にはvol.3と4の発売が予定されていたそうなのですが、発売中止となってしまい、それらは後の1997年に後述の「実相寺昭雄のミステリーファイル」というビデオシリーズとしてリリースされ、2005年にはこれら全てをまとめたDVD&DVD-BOXも発売されました。
◆ 稲川淳二のホラービデオ パンドラの箱 (1992年6月26日 - BMGビクター)
とうとう夏の風物詩、稲川淳二もホラービデオ作品に進出。恐怖話の再現ドラマが2話収録されています。
厳密には、前年に発売されたオムニバスビデオ「稲川淳二のトゥルーストーリー」が初のビデオ作品ではありますが、こちらは関西の「DRAMADOS」で放送された物をビデオ化しただけなので、本作が初のオリジナルビデオ作品という位置づけになりますね。
◆ 神秘の街への招待状Ⅰ 黒衣の女たち (1992年7月17日 - ポニーキャニオン)
──誘惑…倒錯…そして恐怖──秘められた女の内面をあばくミステリアスオムニバスドラマ
当時「世にも」のメインスポンサーであったセシールの制作による、“セシールビデオシネマシリーズ”第1弾。豪華キャスト&スタッフからなる3話オムニバス構成と「世にも」を意識しているのがよくわかります。
本作は「Ⅰ」と銘打たれていることから、初めからシリーズ化を視野に入れていたようですが、結局セシールビデオシネマはこれが最初で最後の作品に。セシールはこの後、映画に力を入れ始め、翌1993年には4月に結婚をテーマにしたオムニバス映画「結婚」や、平松愛理のヒット曲をモチーフにした「部屋とYシャツと私」などを制作。が、ヒット作を出せず、バブル崩壊後の余波もあってか、これらを最後にセシールは映画事業からも撤退することとなったのでした。
◆ 稲川淳二・怪奇心霊実話 凍りつく病棟 (1992年7月21日 - 大陸書房)
──戦慄する霊体験の全貌──恐怖の語り部が動き始めた!!
稲川淳二が原案、脚本、総監督、特殊メイク、ストーリーテラーを務めるオリジナルビデオ第2弾。ビデオ作品ならではのスプラッタ描写等、ホラーファンの間ではトラウマ級の伝説的作品となっているそうです。
◆ 現実にあった身の毛も妖逆(よだ)つ怖いお話し (1993年3月26日 - ハゴロモ)
──欲しいのは、お前の断末魔…。恐怖にひきつる顔を、霊はブラウン管からじっと見ている…。
《作品データ》
「死者は語る…」(脚本:是安弥生、監督:清野城一、主演:犬塚賀子)
「専門能力開発会社」(脚本:是安弥生、監督:稲葉裕之、主演:小栗香織 )
「真夏の海の記念写真」(脚本:是安弥生、監督:宮本拓、主演:西奈真里)
仮面ライダーの死神博士で知られる天本英世がホストを務めるオムニバスホラー作品。
◆ バイノーラル・ミステリー 学校の怪談 (1994年4月21日 - 日本コロムビア)
──声が、音が、悲鳴が、あなたの後ろから横から追ってくる!
《作品データ》
脚本:大川タケシ、青山邦子、石関秀行
監督:大川才求
第1巻「死霊が歌う!」「トイレが異次元へ誘う」
第2巻「校庭の桜の木」「本の中の顔!」
第3巻「13番の靴箱」「人喰いピアノ」
当時は関西テレビ系で「学校の怪談」がスタートし、じわじわと怪談ブームが訪れ始めていた時期。ビデオシリーズとしては、本作がこのジャンルの先駆けとなっている作品です。
また、「バイノーラル」とは、音声収録の際に用いられている「バイノーラル3D録音」のことだそうで、本作をヘッドホンで視聴することにより、いわゆる立体音響を体験できる趣向となっています。
◆ 戦慄のムー体験 (1994年7月21日 - パル企画)
──心霊・怪奇・超常現象…いま、あなたはすべての恐怖を体感できる!
《作品データ》
脚本:小中千昭
監督:鶴田法男
「古ミシン」(主演:飛松加奈子)
「展望台の怪異」(主演:田村美保)
「田園の悪夢」(主演:酒井理華)
「あたしが二人いる!」(主演:吉原貴和子)
「踏切の惨事」(主演:安田久美子)
雑誌「ムー」に寄せられた読者の体験談の映像化。ビデオ版「ほん怖」と同じスタッフが手がけています。
当時は全くビデオが売れず、1999年に『真・恐怖体験 戦慄のムー体験 特別版』と改題し、パッケージをリング風に変更して再発売した所、予想以上のヒットになったんだとか。なお、制作のパル企画はこの5年後、現在まで続く超大人気シリーズ「ほんとにあった呪いのビデオ」シリーズを生み出すことに。
◆ 1995年以降のビデオ作品
1995年に入ると、映画「学校の怪談」が大ヒットし、記憶にも新しい学校の怪談ブームが本格化。
東映ビデオからは、アニメと実写を織り交ぜた「学校の幽霊」シリーズがリリースされ、稲川淳二関連でも「稲川淳二の恐怖への招待状」「稲川淳二の超こわい話」などが発売されていきますが、この頃にはドラマではなく、トークが主体の物に。
この頃には「世にも」的な物から、怪談物、Jホラー物がビデオ市場で幅を利かせていく事となり、後の「リング」でホラージャンルは一気にこちらの路線へ舵を切る事となりました。勿論、オムニバスホラー作品のリリースは細々と続けられたものの、怪談・Jホラーの影響が強いため、この辺りの作品群については以下、簡単なリストでの紹介に留めておきます。
◆「スクランブルQ」 (1995年11月22日 - EMS)
恐怖の物語を2話オムニバスで贈るエロティック・ホラービデオ。
◆「ハッピーピープル」 (1996年3月1日 - バップ)
人気漫画を映像化した3話オムニバス。翌年映画版が公開されることとなる。
◆「呪われた美女たち 悪霊怪談」 (1996年3月22日 - Vムーヴィ) ★DVDあり
ギリギリガールズ主演のオムニバス。過去にビデオ激安王で発売されていたシリーズを一本化。
◆「学校のY談」 (1996年7月21日 - ビクターエンタテインメント)
学校の怪談ブームに乗じて出された、ちょっぴり怪談チックなY談を3話集めたオムニバス。
◆「会社の怪談」シリーズ (1997年5月30日&9月2日 - ケイエスエス) ★DVDあり
毎回会社で起こった怪談話を2話贈るコンセプトのオフィスホラー・ストーリー。
◆「ムーン・アフェア 不思議な月夜の珍事ファイル」 (1997年6月21日 - 松竹)
月夜に起きた不思議な物語を贈る2話オムニバス。
◆「こどものこわい話」シリーズ (1997年~2000年 - 東映ビデオ)
4話オムニバスで贈る子供視点のホラービデオ。子供向けと思いきや、意外に良作多し。
◆「ナイトメア・シナリオ 悪夢のような出来事」 (1997年7月19日 - 松竹)
お色気要素を含んだ2話オムニバスのシニカルストーリー集。
◆「学園怪談」 (1997年7月25日 - ジャパンホームビデオ)
学園に潜む恐怖を描いた3話構成のオムニバスホラー。
◆「実相寺昭雄のミステリーファイル」シリーズ (1997年12月19日 - エアフィールド ) ★DVDあり
前述「実相寺昭雄の不思議館」の未発売作品を集めた全3巻、計9話のビデオシリーズ。
ここから2000年代に入ると、前述の「呪いのビデオ」シリーズのヒットを機に、心霊映像・心霊写真・心霊スポットを紹介するタイプの作品が爆発的に増え、オムニバス形式のホラードラマはほぼ完全に絶滅危惧種と化していくのでした。
そんなわけで今やすっかり鳴りを潜めてしまったオムニバスホラービデオ作品ですが、似たようなコンセプトのものがあふれている現在だからこそ、ここらでまたこういったタイプのジャンルに挑戦するメーカーが出てきてほしいもの。今だったらアイドルホラー枠でこういったジャンルが出てきそうな気はするんですけどね~。
そして、ひと通り眺めてみて、これらのビデオの「世にも」関係者率の高さですよ……(笑)「世にも」エッセンスは、当時のビデオ市場へも確実に影響を及ぼしていたということなのでしょうか。一本でも気になる作品があった方は是非お近くのレンタル店、もしくは中古ビデオショップへ!
以上「世にも奇妙な物語」の源流と影響 オリジナルビデオ編でした。次回第2弾では、こちらもなかなかディープな「邦画」編を扱う予定。お楽しみに。