世にも奇妙な物語 ブログの特別編

「世にも奇妙な物語 ファンサイトの特別編」管理人のブログです。

はてなブログに移転しました

いつも「世にも奇妙な物語 -ファンサイトの特別編-」並びに「世にも奇妙な物語 -ブログの特別編-」にお越し下さりありがとうございます。

 

さて、2005年5月5日より運営して参りました「ブログの特別編」ですが、提供元であるYahoo!ブログが本年限りで終了&8月いっぱいでブログ投稿の受付が終了するのに伴い、当ブログは本日より新たにはてなブログへ移転致しました。 

 

これまでの記事につきましては、ひとまずYahoo!ブログ終了の12月15日まで以下の旧ブログより閲覧できるようにしてあります。(コメント投稿不可)

 

移転続きでご迷惑をおかけしますが、ファンサイトともども新たな「ブログの特別編」を今後もよろしくお願い致します!

'19雨の特別編 感想

令和初となるSP「'19雨の特別編」の放送が無事終了しました。

今回は歴代最遅となる6月のSPということで、非常に待ちくたびれた上での今回。

新時代の幕開けとなる特別編だけに、世にもファンなら注目するしかなかったですよね。

 

というわけで、今回も私の個人的な感想をつらつらと。

評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「さかさま少女のためのピアノソナタ」★★★ 

原作はミステリー作家 北山猛邦さんの同名小説。

 

タイトルに『さかさま』が入っているせいか画面を上下逆にしたカットが多く、そこがいい違和感を与えていて良かったのでは。女性が落下したまま停止しているカットは初見でドキッとして良いインパクトでした。引きの画面がシュールすぎてちょっと笑いそうになる部分もありましたが…(笑)当初は、新トワイライトゾーンの「静かなひととき」のように、時間を止め続けるしかなくなる哀しいオチなのかと。

 

ラストは正直「なんか(色んな意味で)気持ち悪い終わり方だ…」と思いました。コメディのようで、ブラックのようで、なんと表現したらいいのかわからない感情にただただ妙な後味が残りました。原作では、さかさま少年のくだりは無いらしいので、世にもならではのアレンジといった感じでしょうか。

 

演出を担当した岩田監督は2009年の「真夜中の殺人者」や2016年の「シンクロニシティ」などで、ラストに明るいBGMをあえて用いてギャップを際立たせていたので、コメディっぽいオチでありながら不穏なテイストにしているのは、恐らく同様の効果を狙っているのかなと。果たして彼は助かるのか、それとも……。色々考えるのも楽しいですね。

 

ツッコミどころとしては、物語の展開上、失敗するとピアノが弾けなくなる呪いの部分があまり意味をなしてない所。彼女を助けるために弾き続ければ失敗するかも……という、受け手をハラハラさせるための要素だったのかもですが、あまり伝わって来ず。そして、時間の停止を逆にすれば時間が戻るというやや矛盾している部分も気になります。後々原作小説の方もチェックですね。

 

当初の印象よりも奇妙な雰囲気たっぷりで、思ったより楽しめました。

原作がミステリーものなので、華麗などんでん返しありの内容でしたが「世にも」という枠組みで見るとやや綺麗にまとまりすぎかなとも。第1話としては地味ながらも、本回の明るめ中心のラインナップではいいアクセントになっていたのでは。★3つ。

◆ 第2話「しらず森」★★

原作はミステリー作家 乾緑郎さんの同名小説。

収録本である「思い出は満たされないまま」は連作物だそうで、この「しらず森」はその第1話。

主人公一家のその後の物語も収録されているそうなので、興味のある方は是非お買い求め下さい。

 

さて、率直な感想としては「いい話だけど『世にも』として見ると地味すぎるかな」といったところでしょうか。『世にも奇妙な物語』というよりも、『少し不思議な物語』といった印象。小説だとこういうのがいい味を出すんですけれどね…。この微妙なさじ加減が難しい。★2つ。

◆ 第3話「永遠のヒーロー」★★

これまでありそうでなかった特撮もの。一応「世にも」自体が広義の特撮番組なんですが、ヒーローものはこれまで無かったですね。

 

また、劇中のスーツは茨城県ローカルヒーローイバライガー』の物をそのまま使用。スーツアクターや監修もそちらのスタッフさんに全面協力していただいたとか。

 

感想としては、思っていたよりはちゃんとしていた……ですかね。こういう一見突飛な設定ほど小奇麗にまとめてくるのが「世にも」あるある。どんでん返しは予想できませんでしたが、それでも個人的にそこまで好きなタイプではなく……。色々と辻褄が合う面白さというのはありましたが、そこの部分の面白さのみに賭けた感じだったかなと。NHKの「トクサツガガガ」を楽しんで見ていた人間としては、バトルでもう少し頑張って欲しかった部分もあり。

 

良かったポイントしては、娘の手術の結果をそのまま描写せずに、どうなったかが表現できている所。近頃は「死んでる!」みたいにその辺を馬鹿丁寧にセリフで言わせたりすることがありましたしね。ほか、登場人物の名前が往年の特撮ものの役名や俳優名になっているところもニヤリと。芸が細かい(^^;)

 

基本この手の話はハートウォーミングで卒なくまとめられる一方、その卒のなさが物足りなさに繋がっているのかも。★2つ。

◆ 第4話「人間の種」★★★

恐らく「美女缶」を思い浮かべるファンの方も多かったと思うので、例に漏れず私自身も先は読めましたが、導入部からわかりやすく奇妙な展開に入り込める定石な作りで、ある意味一番「世にも」らしい作品だったのでは。

 

ただ、やはりハートウォーミングものが3連続で来るとさすがに食傷気味…(^^;)

「ブラック大好き人間」が跳梁跋扈しているのがこの業界(?)なので、やっぱりいい話は最低でも2本くらいがちょうど良い…かな?とはいえ、今回で一番雨が似合うタイトルの名に相応しい作品だったのでは。★3つ。

 

……ところで、種から生まれた母親の亡骸はどうしたのか気になってます。消えたと考えるのが自然ですが、私は『ドライフラワーにした説』を勝手に一人で推したいと思います。……それただのミイラか。

◆ 第5話「大根侍」★★

5年間封印されていたという『おバカ奇妙』が堂々(?)の復活。
ショートショート作家 田丸雅智さんの同名小説を2014年の「空想少女」のコンビが映像化した一編。

 

この手の話はとにかくファンの好き嫌いがくっきり分かれるタイプなわけですが、私は嫌いではなかったです。この手のキュートな女の子ものを上手く魅せるの結構難しいんですよね。ただ、やっぱりよく考えると「大根の刀って何だよ」「ブリガンマンって何だよ」となる冷静な自分もいるという…(笑)

 

ただ、ストーリーがあまりにも単純すぎること、そして何より前後編の構成…これが大幅マイナスです。

勢いが必要なコメディもので前後編に分けてクールダウンしてしまう、そしてED後に後編を持ってくる。前回同様本編作品でこれはいただけませんねぇ。★2つ。

 

なお、本編に登場した野菜はスタッフがサラダとポタージュにして美味しくいただいたそうです!

◆ 「ストーリーテラー」★★

いつもは評価対象外ですが、今回は特別にドラマ仕立てだったので。

「雨の特別編」ということで、普段と違った趣向を……との意図で企画されたそうです。

 

雨の夜に男がストーリーテラーと出会い……というシチュエーションから思い浮かべずにいられないのはやっぱり「映画の特別編」。しかも、演出は世にも四天王の一人であり、番組の立ち上げからプロデューサー・監修役として携わり続けてきた小椋久雄監督!これはもう約束されているものだろうと確信してました。

 

……が、いざ蓋を開けてみたら、どうもいまいちな出来。

例えばテラーの導入部の台詞を見ていくと……。

 

「音楽はお好きですか?」→本編へ。

「正義の味方に捕まるといいですねぇ」→本編へ
「刃物は人を惑わす魔物ですよ」→本編へ。

 

いやいやいや、これはさすがに味気なさすぎる!!!

 

劇場版のようにテラーが男に物語を聞かせるテイじゃないのかと思っていたら「さっきから訳わかんねぇ話ばっかりしやがって」と男が言ってるので、どうやらちゃんと聞かせていた模様。

 

普段みたく長々喋らなくても良いので、せめて「音楽といえば、こんな奇妙な曲があるのをご存知ですか?」みたいな台詞をちょっと付け加えてくれるだけでだいぶ印象が違ってくると思うんですけどね。ただの短い映像をぶつ切りにして配置しただけという感じをかなり受けました。

 

雰囲気と試みは◎。だけどテラーパートというコンセプトから見ると非常に勿体無い。
いつもの椅子が出ないSMAP編(2008版)以来のEDや、エドガー・アラン・ポーの某作品風なラストなどは良かったんですけどね。小椋演出が存分に発揮されなかった構成の惜しさで★2つ。

 

あ、今回は変わり種のテラーパートになったため、使用されなかったテラーBGMの各バージョンを提供部分に流すファンサービスはちょっとグッときました(笑)

◆ 総評 ★

今回は令和最初の特別編ということもあってか、珍しく明るめの作風を中心とした回に。

 

これまでも暗い世相に対抗してあえてコメディを中心とした回なども存在しているため、恐らく新元号最初&梅雨の時期ということで、じめじめ気分を吹き飛ばすようなハートウォーミング系を取り揃えてみたんじゃないかなと。

 

ただやっぱり、世にものファン層は『ブラック大好き人間』がひしめいている訳なので恐らく熱心なファンほど物足りないという思いが強かったのではないでしょうか。かくいう私も、ほっこり作品が続くとたとえ完成度が高くてもじわじわ物足りなさが……(^^;)

 

たまにはこういう回があっても良いとは思うんですが、「こんないい話ばっかりの世にもなんて世にもじゃない!」という天の邪鬼な自分もいたり。とりあえずは「知らなかった。世にもって怖いのだけじゃないんだ」といった新規ファンへのアプローチ回だと解釈して、次回のSPではそんな視聴者をどん底へ叩き落とす意地の悪い作品群の到来を密かに期待しています…(笑)

 


 

……さて、ここからは各話以外に対する不満を。
マニア特有のめんどくさい言説が炸裂するので、興味の無い方はここまでで大丈夫です!

 

まず第一の不満点はやっぱり『本編を前後編に分ける』手法。ショート奇妙はまだ許せるんですが、本編でまでこれをやられるとやっぱり困ります。

 

そもそも、どうして前後編に分けるのか。前回の「マスマティック~」でも本気で首をひねったんですが、先日コードアワードでの『「女子高生AIりんな」企画('16秋)紹介ページ』(現在削除済み)のスクショを見返していてその答えらしきものを見つけたため、ちょっと引用。

 

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前編・後編に分けて放送することで、Twitter上で話題で気づいた人が番組後半からの視聴に間に合うようにし、視聴者増加へ繋げた。

 

……というわけで、『ネットでバズりそうなものを分けることで、SNSからその流れに乗るためにやってくる後追いの視聴者を引き寄せ、終了ギリギリまで視聴者数を増やす』というのが制作側の狙いと見てほぼ間違いないでしょう。

 

前回の「マスマティック~」も前後編に分けたことで不評の声をかなり目にしましたが、それらを天秤にかけてもやった方が得ということなんでしょうかね…。

 

これまで、様々な手法を用いて番組PRに注力する「世にも」の前向きな姿勢を評価してきた私ですが、今回の件でちょっと後悔してきたのも事実でして……。

 

なんかその風潮が徐々に本編内に侵食してきて、逆に悪影響を及ぼしてきてませんか!?

 

これまで老舗的な風格でやっていた「世にも」も、ふと気がつけば、ラテ欄が『○○○が○○に…!?』といったわかりやすい煽りで埋まったり、提供部分やEDに『続いては感動作!』『このあと衝撃の結末が…!?』といったネタバレテロップが出たり……。そこへ加えての本編の前後編。EDで終わらず、後編で終わるなどなど、番組の根幹を為す部分まで徐々にPR効果のために削がれてきてるのを目の当たりにすると、これ確実にダメな方向に進んでないか…?と、震えました。

 

少しでも多くの人に見て欲しい気持ちはよくわかるんですよ。番組ファンとしても望ましいことですしね。恐らく数字の上でもある程度結果が出ている上でのこういうことなのだと思います。

 

けど、バラエティの露骨なCMまたぎや、伸ばし等が徐々に視聴者のヘイトを稼いできている昨今。各々が抱える「これが世にも」というイメージの中に一切無いであろうこういったダメな要素は、短期的に結果を出せても、中長期的に見れば確実に番組を蝕んで、寿命を縮めることになると思うんですよ。

 

PRは大事です。PR企画を楽しんでいる若いファンの方々を見るとほっこりします。今後も続けていってくれたら嬉しいな~と常々思っています。

 

ただ、線引きは大事でしょう。これまで培われてきた番組の雰囲気そのものを台無しにしかかってまでやるPRはやらない方がマシです。これまで幾度も挑戦的な作風を歓迎してきましたが、こういった節操のないやり方は挑戦でも努力でも工夫でもなく、制作側の自己満足にしかなってない迎合以下の何かでしょう。

 

「PRをがんばってして多くの人に見てもらおう!」という意識が「ちょっとでもPRをねじこめる隙間があればどんどんねじ込んで効果をあげよう!」に変わっていっていないですか。

 

現在、徐々に制作陣も第4世代へ徐々に移り変わろうとしている時期。こういった悪い傾向を次世代に繋げることのないよう、PRは大事ですが、今の状況はよろしくないので、もうちょい別な方法も考えてみませんか?とネットの片隅でささやかな抗議をしておきたいと思います。

 


 

はい、まだ行きます。続いて第二に……。

わざわざ「雨の特別編」という幻の回と同じ名前を付ける必要があったか!?
もう『梅雨の特別編』で準備していた私の心を一気に曇らせた一番の要因です。

 

もしかしたら、あのお蔵入り回の全編解禁や、何かしらの関連性があるかもしれないので、なるべく放送前にグチグチ言わないようにしていたのですが、何も無かったので言います。

 

このタイトルを付けてしまう絶望的センスの無さ!!!

 

これが作品内容の場合、私も所詮素人なので監督や作家さんの意図を見抜けていないだけだとか、そうせざるを得ない大人の事情等が背後にある場合があるため、こんなことは口が裂けても言えません。……が、特番タイトルはその辺一切関係ないと思うので。

 

たまたま被ってしまったのならまだしも、制作スタッフは「雨の特別編(1991)」の存在を確実に知っているわけじゃないですか。大した関連性もなく『梅雨だし、お蔵入りのあれ使ってみるか』みたいな安易な使い方をされたら「勘弁してくれよ」となります。ファンサービスのつもりなのだとしても、ファン心理が全然わかってないなと言わざるを得ません。

 

雪の特別編、桜の特別編というのが過去にあったのならまだわかりますが、これまでアニバーサリーイヤーを除き、基本季節(春・真夏・秋・冬)か行事(七夕・聖夜)が付けられてきたわけじゃないですか。その法則から言えば『梅雨』という最適な言葉があるのに、何故わざわざファンから幻の回として語り継がれてきた唯一無二の「雨の特別編」のタイトルをこうも大した考えなくポンと用いられるのか。その辺の感覚が私にはまったく理解できないです。

 

名付け親はどなたなのかはわかりませんが、仮に若手の方だとしたら番組の今後がちょっと不安になりますね…。というわけでこれらの抗議の意味も込めて、大幅マイナスの★1つ。

 

作品内容については思いっきり好き勝手してもらいたい私ですが、こういう番組の『粋』だとか『トーン』の部分をぶち壊すようなやり方だけは本当に地雷なので、勘弁してください…。

 

以上、めんどくさいマニアの愚痴でした。

◆ 追記 (11/18)

編成を担当したフジの渡辺さんのFcebookに命名の経緯が書かれていたのを発見。

 

 

は、反対の声を押し切ってまで…!?!?!

 

この渡辺さんは、昨年の'18秋から番組に携わり始めた30代の若手プロデューサーさんなんですが、ホントに新参の若手スタッフが軽い気持ちでしなくていい事をやっていたんだなぁ…と残念な気持ちが100倍増しに。てっきり共テレ方面だと思っていたら、まさかの犯人はフジ側にいたとは……。

 

いくら何でもこれは……これは無いですって……(T_T)

 


 

さて、色々書き連ねてきましたが、初見では頭をからっぽにして番組公式Twitterにツッコミをいれつつ、無邪気な小学生の如く、おもいっきり楽しんでいたのも事実。やっぱり年2回のお祭りなので存分に楽しむ姿勢でいなくちゃいけません。

 

色々文句は出ますが、改めて「世にも」好きだな。と再確認させられるばかりです。

今回楽しめた方も楽しめなかった方も、次回さらなる奇妙な物語を早くも期待していることでしょう。

 

そんな方々には、今回の良かった部分や悪かった部分について、番組宛てにメッセージを送られることをお勧めしておきます(https://www.fujitv.co.jp/kimyo/message.html)。番組関係者に視聴者の声が一番届くのはこっちですからね。このタイミングで思いを伝えるのは大事です!

 

というわけで「'19雨の特別編」の感想でした。

 

スタッフ&キャストの皆さん、今回も本当にありがとうございました。

 

次回は秋……もしかすると冬か聖夜になるかもしれませんが、今回の反動でえげつない作品が来るかもとこわごわしつつ、次回の特別編を楽しみにしていますね!

 

'19雨の特別編 みどころ紹介

令和最初の「世にも奇妙な物語」は史上初となる6月の放送に。

そして、特番タイトルもまさかまさかの「雨の特別編」!

 

一体今回はどんな作品が我々世にもファンを楽しませてくれるのか──。

というわけで、毎度のように放送前の個人的な見所とスタッフ情報を簡単にご紹介します。

 

※ 5/ 29 時点で判明している情報に基づいており、実際の放送では放送順等が変更される場合があります。

◆ 第1話「永遠のヒーロー」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:ブラジリィー・アン・山田《 6 》

【主な代表作】『トリハダ』『相棒』『こどもつかい』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『石油が出た(2013)』『不倫警察(2018)』など

 

演出:紙谷楓《 2 》

【主な代表作】『実況される男』『海月姫』『結婚相手は抽選で』など

【主な奇妙作】『写真(超短編)』『ポニーテール(超短編)』『マスマティックな夕暮れ(2018)』など

 

主演:郷ひろみ《 初 》

【主な代表作】『ムー』『舞姫』『刑事貴族』など

【 注目ポイント 】

★ 番組史上初となる特撮ヒーローもの!

広義の特撮番組の範疇にも入っている「世にも」に、本格的な特撮ヒーローものが登場。

 

新御三家では1人目となる郷ひろみが初主演!

元ジャニーズの人気アイドル郷ひろみが番組初登場。フジドラマは27年ぶり。

 

ローカルヒーロー時空戦士イバライガー」とコラボ!

主人公が変身するレッドライガーの衣装は茨城県のご当地ヒーロー「時空戦士イバライガー」の物を使用。

 ◆ 第2話「しらず森」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:乾緑郎 《 初 》

【主な代表作】『完全なる首長竜の日』『機巧のイヴ』など

 

脚本:守口悠介《 3 》

【主な代表作】『相棒』『アドレナリンの夜』『オー・マイ・ジャンプ!』など

【主な奇妙作】『サプライズ(2014)』『ハイ・ヌーン(2015)』

 

演出:小林義則《 7 》

【主な代表作】『アンフェア』『モンスターペアレント』『HEAT』など

【主な奇妙作】『採用試験(2002)』『まる子と会える町(2010)』『一本足りない(2017)』など

 

主演:吉田羊《 初 》

【主な代表作】純と愛』『コウノドリ』『コールドケース ~真実の扉~』など

【 注目ポイント 】

★ 原作はミステリー作家 乾緑郎の同名作品

本作は連作短編シリーズ「思い出は満たされないまま」の第1話とのこと。

 

★ 初出演の吉田羊によるファンタスティックストーリー

本人によれば「“たねあかし”のシーンはぞわわっとなります」と語っており、何かある……?

◆ 第3話「人間の種」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原案:山崎亮《 初 》

 

脚本:嶋田うれ葉《 初 》

【主な代表作】『隠蔽捜査』『アラサーちゃん』『こえ恋』など

 

演出: 河野圭太《 14 》

【主な代表作】古畑任三郎』『マルモのおきて』『僕らは奇跡でできている』など

【主な奇妙作】『23分間の奇跡(1991)』『和服の少女(1999)』『ボランティア降臨(2009)』『妻の記憶(2017)』など

 

主演:木村文乃《 2 》

【主な代表作】『ボク、運命の人です。』『伊藤くん A to E』など

【主な奇妙作】ニートな彼とキュートな彼女(2014)』

【 注目ポイント 】

★種から人間が生まれる不思議なハートフルストーリー

番組初参加の脚本家×ベテラン演出家の相乗効果に期待!

 

NHK朝ドラ『なつぞら』に出演した粟野咲莉が出演

メインヒロインの幼少期を演じた粟野咲莉がメインの役どころとして出演。

◆ 第4話「さかさま少女のためのピアノソナタ

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:北山猛邦《 初 》

【主な代表作】『「クロック城」殺人事件』『ダンガンロンパ霧切』など

 

脚本:皐月彩《 初 》

【主な代表作】ウルトラマンR/B』『セブンティーンモータース』など

 

演出:岩田和行《 13 》

【主な代表作】絶対零度』『福家警部補の挨拶』『ベイビーステップ』など

【主な奇妙作】『リプレイ(2006)』『真夜中の殺人者(2009)』『ベビートークA錠(2011)』『クリスマスの怪物(2018)』など

 

主演:玉森裕太《 2 》

【主な代表作】信長のシェフ』『ぴんとこな』『重要参考人探偵』など

【主な奇妙作】ニートな彼とキュートな彼女(2014)』

【 注目ポイント 】

★ 原作はメフィスト賞作家 北山猛邦による同名短編!

森博嗣殊能将之辻村深月などを輩出したメフィスト賞出身者によるサスペンス!

 

Kis-My-Ft2玉森裕太が2度目の番組主演!

2014年の「ニートな彼とキュートな彼女」の出演者2人が別々の作品で主演する珍しい回に。

◆ 第5話「大根侍」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:田丸雅智《 初 》

【主な代表作】『夢巻』『ショートショート千夜一夜』『おとぎカンパニー』など

 

脚本:向田邦彦《 2 》

【主な代表作】みいつけた!』『わしも』など

【主な奇妙作】『空想少女(2014)』

 

演出:植田泰史《 23 》

【主な代表作】『アンフェア』『遅咲きのヒマワリ』『人生が楽しくなる幸せの法則』など

【主な奇妙作】ネカマな男(2005)』『イマキヨさん(2006)』『JANKEN(2011)』『明日へのワープ(2018)』など

 

主演:浜辺美波《 本編初 》

【主な代表作】咲-Saki-』『君の膵臓をたべたい』『賭ケグルイ』など

【主な奇妙作】『しりとり家族(短編)』『しりとり家族ふたたび(短編)』(ともに2017)など

【 注目ポイント 】

★ 原作は、星新一の孫弟子である田丸雅智によるショートショート

星新一が認めた江坂遊を師とする新世代ショートショート作家による同名短編が原作。

 

★ 2014年の「空想少女」スタッフが送るシュールコメディ!?

ファンにはお馴染みの植田監督が5年ぶりに手がけるコメディ作品になります!

 

★ 業界注目女優の浜辺美波が本編作品初主演!

2017年の「しりとり家族」シリーズに出演した浜辺美波が初主演!

 ◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは…… 

・今回唯一後味の悪さが堪能できそう(?)な「さかさま少女のためのピアノソナタ

・植田監督の久々のコメディ作品「大根侍」

以上2作品。

 

正直「大根侍」は植田監督久々のコメディものということで期待したい一方で、「JANKEN」や「石油が出た」辺りは個人的にしょっぱい出来だったので、そっち方面に転んだりしないか若干怖い部分もあり…そこを大きく覆してくれることを期待したいですね。

 

あと今回は久々の小林Pが担当とのことですが、氏がメイン担当だった時期は私個人の『番組暗黒期(2010~2012春)』にほぼ被っているのであまり良い印象がなく若干不安な部分も。この偏見を完全に払拭できる出来になることを祈ります!

 

さて、今回公式からの定期的な情報解禁を見ていっていたわけですが、なぜか毎回「ほぉ…」「へぇ…」「なるほど…」と、妙に引いて見ている自分が。

 

いつも「うひゃー!こいつは面白そうだ!」と、遠足前夜の小学生並みにはしゃいでいる残念な人間の私ですが、今回は妙に例年とテイストが違う作品群が揃っているせいか、上手くはしゃげない自分にただただ動揺するばかり……。

 

色々考えた末の結論としては、「パッと見、明るめな作品が中心っぽく見えること」「原作・脚本のスタッフが新人多めでピンと来ない」「これまであまり見ないタイプのジャンル中心」辺りが原因なのかなと。

 

「世にも」は各回それぞれ狙いがあったり、プロデューサーによってカラーが変わるため、そこも番組の面白さのひとつなんですが……今回は特に今までにないタイプの、まさに令和時代の幕開けとなる新基軸の回になりそうな予感がしています。

 

そんなターニングポイントになる(かもしれない)雨の特別編……世にもファンなら絶対要チェック。

ファンじゃなくてもご家族、ご友人、猫も杓子もお誘いの上、ぜひ見届けましょう!

 

'19雨の特別編は、2019年6月8日 夜9時より放送。お見逃しなく!

ファンサイトの特別編 15周年!

本日4月19日で「世にも奇妙な物語」放送29周年。
そして我が「ファンサイトの特別編」もオープン15周年を迎えることとなりました。

 

先月末で開設当初からお世話になってきたYahoo!ジオシティーズのサービスが終了し、さらにこのブログも今年いっぱいでサービス終了ということで、だんだんネット界隈も15年前と比べて様変わりしてきています。

 

15年前は大量にあった個人サイトも今ではめっきり少なくなってしまい、一時このままブログでやっていこうかな~とも考えましたが、それだとやはり味気ないですし、何より「ファンサイトの特別編」と大仰な名前を名乗っているからには情報量を確保しやすいサイト形式を続けるしかない…ということで、個人サイトという形式が存続できなくなるか、私が奇妙な世界に誘われない限り、当サイトは続けていくことに致しました。

 

さらにここ数年のスマホの爆発的な普及により、そこからサイトを見るファンが急激に増えたことで、今の形式では閲覧が不便すぎることから、今回スマホにも対応したサイトの大リニューアルを決行しました!

 

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前回から5年ぶりとはいえ、実質サイト誕生史上最大のリニューアルということで、これまでサイトに寄せられたご意見を元に、各種データの充実、さらにちょっとしたお遊びなども入れて、より「ファンサイトの特別編」の看板をかかげられるに相応しいものができたんじゃないかと勝手に(?)自負しています。

 

PC、タブレットスマホとそれぞれ対応できていると思います……が、長年素人勉強でやってきた管理人なのでもしかしたら一部表示の不具合があるかもしれません。その辺は追々修正していく予定ですのでどうかあたたか~い目でご覧いただければ…m(_ _)m

 

来年はいよいよ番組も30周年。当サイトもますます気合を入れて陰ながら盛り上げていく予定です。15年前から来られていた方も、最近になって来られていた方も、これまで本当にありがとうございました。

今後はますますパワーアップした「世にも奇妙な物語 ファンサイトの特別編」をどうぞよろしくお願いいたします。

世にも奇妙な物語 新作SP 放送日決定!

そして皆さんが気になっている新作SPの放送が6月8日に決定。
本日発売されたノラベライズ本の帯にての情報解禁となりましたが、史上初の「梅雨の特別編」になったら面白いな~と思いつつ、まだ1ヶ月以上も待たないといけないのかとガックリした気分も…(^^;)

 

令和突入による記念特番ラッシュのアオリを食らったのか、それとも新元号一発目ということでいつも以上にスタッフが頑張っているのかはわかりませんが、今回も奇妙な世界は我々を待ち受けているようで何より。

 

毎回同様、詳細が判明次第サイトやこのブログで情報を掲載する予定です。

あなたが作る世にも奇妙な物語&海外版(?)情報

新年あけましておめでとうございます!

 

旧年中はBBS、メール、その他色々な所で情報提供・感想、コメントなど、世界中の世にもファンの方々に大変お世話になりました。今年も相変わらず細々とマイペースな運営ではありますが「ファンサイトの特別編」をよろしくお願いいたします。

◆ あなたが作る世にも奇妙な物語 第1弾公開!

さて、新年一発目に当方が打ち出す企画は、2016年に募集を開始したファンによる非公式創作企画『あなたが作る世にも奇妙な物語』(http://kimyofansite.g1.xrea.com/content/etc/ystory.htm)

 

これまで幾度も「間もなく公開します」というやるやる詐欺を行ってきたこの企画が募集開始から3年目にようやく公開!当方の入院やら環境の変化やらその他色々なことが重なったせいで作業が延びに延び……本当に長らくお待たせ致しました。

 

今回は第1弾として、2018年までに送られてきた8作品が登場。思っていた以上に奇妙な作品が揃いぶみ。私すら忘れかけていた昔の思いつきのアイディアを使っていただいた作品もあり、シンプルながら切れ味の鋭い作品もあり、春SPまでのちょっとした楽しみとしてご覧いただければと思います。

 

ご意見・ご感想などもメールフォームにて受付中(後々ブログで掲載させていただくかもしれません)なので、見る専の方もぜひどうぞ。

 

さらに、第1弾公開と同時に創作企画第2弾の募集も開始!

(http://kimyofansite.g1.xrea.com/content/etc/ystory-info.htm)

 

第1弾のラインナップを見て「こんな風に書けばいいのか」と参考にするもよし、「俺の方が良いの作れるぞ」と張り切るもよし。もちろん過去にご自身が作った作品を送っていただいても構いません。さらなる奇妙な物語の応募をお待ちしております。

 

──目指せ、映像化!(?)

◆ 海外版情報続々

世にもファンの皆さん、30周年までまだまだ先だから…と気を抜いていませんか?

なんと我々の知らない所で、またも『海外版』が制作されるというニュースがチラホラと出ていたりするのです!

 

まずは2018年の3月に中国で発表されたこちらのニュースを。(※注:管理人による素人翻訳です)

 

『ウェーブスターが日本との共同プロジェクト 中国版『世にも奇妙な物語』を発表』

 

3月24日、上海ウェーブスターフィルムの映画&TV戦略発表会見が行われ、戦略投資家の李崑龍、映画監督の洪梁、脚本家のユー・ジャフゥイらが出席した。

 

ウェーブスターは日本のフジテレビとの戦略的協力を展開し、名作ドラマ「GTO」のリメイク化と、世にも奇妙な物語」を制作するフジテレビが、中国人監督による中国版「世にも奇妙な物語」のサポートを行うことを発表した。中国版のタイトルは「奇怪的世界」で、ファンタジー、SF、写実的といった内容を含むマルチ要素ドラマだ。

 

会見では、ウェーブスターの2018年の映画・テレビドラマの製作計画が正式発表。

ウェーブスターは短く洗練されたストーリーの開発に専念しており、それぞれ異なるテーマ・背景による想像力や未来へのビジョンに満ちた作品を制作するという。

 

会見によると、ウェーブスターと洪亮が制作した短編映画「父の宅配便」は、2018年のカンヌ映画歳短編部門にノミネートされたという。この「父の宅配便」はスーパーウェブドラマ「奇怪的世界」から生まれた一編で、「奇怪的世界」はウェーブスターが来年から制作する期待のシリーズだ。

 

今回のハイライトはファンタジー、SF、写実的といった内容を含むマルチ要素ドラマ「奇怪的世界」だった。「ブラックミラー」や「世にも奇妙な物語」のような1回につき2話のオムニバスは、中国では滅多にない構成だ。未来社会によるハイテク技術と人間との関係や、幻想的な手法を用いて、普通の人間の物語を繰り広げていくという。

 

会見によると、「世にも奇妙な物語」を制作したフジテレビは、中国人監督を全力で支えながら「奇怪的世界」を制作するそうだ。

 

(2018年3月25日『電影網』記事より)

( http://www.1905.com/news/20180325/1264927.shtml )

 2014年の「不思議な夏」から5年経ち、2度めの中国版になるかもしれない「奇怪的世界」。

 

ただ、ちょっと気をつけたいのは『世にもの中国版っぽいドラマの制作にフジが協力する』とも読めること。中国のニュースサイトはちょっとでも不思議系なドラマがあるとすぐ「中国版世にも!」と勝手につけることが多いので……。今後の報道に期待したいですね。

 

そしてもう一つは韓国からの報道。こちらは映画リメイクらしいのですが、何と韓国映画ではなく……!

 

『子役俳優ジャン・スンヨン 米国版世にも奇妙な物語「a full house」に出演』

 

子役俳優ジャン・スンヨンがハリウッド映画「a full house」に出演することが決まった。「a full house」は、日本映画「世にも奇妙な物語」をリメイクした映画であり、ミステリーものだ。

 

「a full house」には、ハリウッド俳優たちが出演し、シアトルのレーン・エム監督が演出を担当する。来年半ばに撮影が行われ、脚本は今年の冬に俳優たちに送られる予定だ。

 

(2018年9月14日『Money S』記事より)

( http://moneys.mt.co.kr/news/mwView.php?no=2018091309258030483 )

 

『キム・ヘソン、10日にハリウッド製作陣とミーティング 相手役はイ・ビョンジュンが有力か』

 

ハリウッド進出で話題を集めた俳優キム・ヘソンが、先日製作陣とミーティングを行い、作品についての具体的な議論を進めたということが、「時事ウィーク」の単独取材の結果、判明した。キム・ヘソンの相手役には俳優イ・ビョンジュンが有力とのことだ。

 

「時事ウィーク」が取材したところによると、キム・ヘソンは10日に来韓した脚本家のジャック・フランケル・リー、監督のレーン・エムなどの現地製作陣とソウル某所で会議を行い、作品について議論したことが確認された。

 

キム・ヘソンが出演する作品は「Full House Hell」という作品で、日本映画「世にも奇妙な物語」のリメイク版である。国内では数万人の観客を動員した「神と一緒に」と似たような雰囲気の作品で知られている。

 

キム・ヘソンは今回の作品で、シアトルの小さな食料品店を運営する韓国人の中年夫婦の妻フィウン役を引き受けた。彼女は映画の導入部分で緊迫した演技を披露し、観客の興味を掻き立てさせる予定である。

 

(2018年11月16日『時事ウィーク』記事より)

( http://www.sisaweek.com/news/articleView.html?idxno=115594 )

 

というわけで、まさかのハリウッド映画化の報道が。ただ、韓国版ならばまだしも、個人的には眉唾臭い印象があるのも確か。

 

というのも、世にもは韓国で「奇妙な話」と翻訳されているのですが、シンプルな題名のせいで他の海外ドラマの訳題に使われる事例が多々あり、報道側がそれと勘違いしている可能性も無きにしもあらず。

 

ただ……これが事実であればとんでもないことですけどね!

 

近年フジテレビは海外へのコンテンツ輸出に力を入れていることもあり、これからは海外での展開にも目を向けていきたい所。詳細が判明次第、随時サイトや当ブログでも情報を発信していきますのでお楽しみに。

 

……続報が無ければ、察してください(笑)

'18秋の特別編 感想

というわけで、平成最後(?)になるかもしれない今回のスペシャルが放送を終えました。

 

今回もレジェンド星護監督の11年ぶりの復帰作や人気Youtuberのゲスト出演など、あらゆる層にサプライズを用意するホスピタリティ満載といった装いではありますが、それでもやっぱり肝心なのは面白いかどうか。これです。

 

というわけで、今回も番組を愛するがゆえの不満やべた褒めや贔屓などを織り交ぜつつ、私の個人的な感想を。評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「脱出不可」 ★

俳優業の傍ら小説や舞台脚本なども手掛けているコヤナギシン(小柳心)さん原作の脱出もの。
この手の作品は映画「CUBE」や「SAW」などでも知られる鉄板ジャンルではありますが、しょっぱいものも数多く存在するジャンルだったりしますよね。「CUBE」なんて類似タイトルが一体いくつあるんだという…。

 

さて、そんなジャンルに果敢に挑戦した本作ですが……なんだか微妙な後味が。
やりたいことはよーくわかるんです。テーマとそれを表現するための構成も理解できるんです。風刺も効いています。

 

故意ではないとはいえ火災被害者から復讐対象に選ばれ、脱出までの間に個人情報を暴露されネット上で叩かれ、脱出後もライターが同じというだけで放火魔扱いされ、脱出不可なのは実は世間の目からだった……と筋も通っています。

 

そこに不確かな情報に踊らされ、私刑に走る極端なネットユーザーへの批判が乗っかるという、非常に優等生的な作り。ただ、それを踏まえて見直してもどこかスッキリしないんですよね。

 

自分なりに考えてみた理由は2つあって、まずネット描写がリアリティに欠けているからかなというのがひとつ。テレビや映画に出てくるネット描写って、妙に古いスラングを使ってたり、一枚岩すぎたり、妙にヘンテコなことが多いじゃないですか。そこの違和感も自分の中で結構あったように思います。あの速さで個人が特定されるのはさすがに早すぎじゃ…とも思いましたが、これは扇動役がいると考えれば一応納得。

 

もうひとつは、復讐モノと思わせてネット風刺モノだったという最後の切り替えが上手く行ってないのかなと。
特にPCモニターの「逃げられると思うなよ」が出てくる非現実的な演出。現実寄りの話だと思った所でああいう表現を出されるとと若干困惑。ネット上の悪意が蠢き始めたわかりやすい表現だとしても、怖さより「あれは何だったの?」という不完全燃焼感の方が強かったです。また「主人公が真犯人ではないか?」という余地を作ってしまったのもあまりよろしくないかなと。そういう解釈もありにすると訳がわからなくなりますし。

 

うちのBBSやネットを見ていても、ラストの部分で評価を下げる方が多いようなので、やはりこの部分の問題が大きいのかなと。というわけでプロットのみだと★3。ダメにしてしまった後半で大きくマイナスし、★1つ。

 

最後に、こうだったら私が好きだなと思うラストの修正案を考えてみました。

 

脱出成功→扉の向こうは同じ作りの別室→床に自分のスマホが置かれている→電話で彼女に助けを求めるも拒否→冤罪を知る→モニターに放火現場の映像表示→「違う!俺じゃない!」→モニターに「逃げられると思うなよ」のコメント群→開けたままの扉が閉まっていく→コメントに埋め尽くされる主人公→鍵のかかる音と同時に暗転→タイトル『脱出不可』→END

 

……どうでしょう?

◆ 第2話「あしたのあたし」 ★★

ミュージックビデオ界で活躍されている高橋栄樹監督による奇妙作品。

 

『自分の次回予告』というアイディアは良いの思いついたなという感じですね。「あなたの物語」とも少し違う切り口で。なにより予告BGMが「東京ラブストーリー」の「赤名リカのテーマ」なのもニクい! この曲大好きなんですよ。

 

内容的にはシンプルな奇妙作品ということで概ね不満なし。ただ、ラストのターミネーター風のアレはさすがにちょっと滑っ…突飛すぎた様な気がしますね。そこからの死亡ENDも若干置いていかれてしまった感がありますが、とある方が唱えていた「看護師だから的確に主人公の急所を狙えた」説で納得したいと思います。

 

アイディアは面白いものの、多少の物足りなさがあるということで★2つ。

◆ 第3話「幽霊社員」 ★★★★

佐野史郎×星護という「地獄のタクシー」以来のコンビが復活した一本。
やっぱりこの番組で中年男性モノは鉄板ですね。単なるいい話で終わらなかった所もクスリと出来て◎。

 

ただ、どうしても本作は演出家四天王の一人、星護監督が11年ぶりの番組復帰作という部分が非常に大きい!SNSなどを見ても、世にもフリークな方々の間では大ニュース。いやぁ、もう参加はされないのかと思ってました。

 

もうこれだけで無条件に★×5をあげてしまいたくなるんですが……! なかなか冷静に判断するのが難しい!ハンバーグ美味しいですよね? カレー美味しいですよね? そこへハンバーグカレー出されたら抗えますかって話なんですよ(?)

 

というわけで、マニアの欲目部分として★を1つ引いて、★4つで手を打たせてください!

 

四天王のうち、共同テレビに在籍している唯一のメンバーになってしまった星監督……。
「70歳くらいまで一生奇妙(の監督)だと思う」…以前おっしゃっていたこの言葉、まだまだ信じていますよ!

◆ 第4話「クリスマスの怪物」 ★★★★

初見での感想は、いじめ問題などを織り交ぜた意外とリアル寄りな話だったなというのが正直なところ。
放送前にあらすじをあまり読まない派なので、謎の存在に追い回されるようなストーリーを想像していたんですよね。

 

彼氏の正体が黒サンタ(悪い子に罰を与えるサンタ)というファンタジー路線も賛否分かれそうなところ。
いじめられていた子の兄弟もしくは親類がサンタを騙っただけという解釈もできると思いますが、劇中の非現実的な描写から考えるとまず無いでしょうしね。

 

とはいえ、なかなかブラックな話でしたし、川栄さんの豹変っぷりも好感触。
さらに近年珍しいクリスマスものという新鮮さに加え、勧善懲悪展開のおかげかそこまで後味も悪くなかったので★4つ。

◆ 第5話「マスマティックな夕暮れ」 ★★★

劇団ヨーロッパ企画の自主制作映画を原作にしたコミカルな一本。

 

何でも、原作の未成年飲酒・喫煙・無免許運転シーンがスポンサー関係で引っかかるため、そこの修正を巡って「それだったらできない」と原作側と揉めたそうなんですが「何度も留年を繰り返したため全員成人済み」という離れ業で何とか制作にこぎつけたんだとか。現代ドラマの不良もなかなか大変です。

 

内容としては「行列のできる刑事」のようなヘンテココメディ枠が大好きなので、かなり満足。
ただ、前後編に分けたのは判断をミスったんじゃないかなと。1話分も挟まったせいで大幅にテンションが下がってしまったので、コメディに必要な勢いが削がれてしまったように思います。ネットを見ていても「分けないほうがよかった」という声もかなり多いみたいですしね。やっぱり特番はEDでキッチリ締めて欲しいです。

 

個人的には★4つ相当。しかし無理のある前後編仕様で減点し★3つ。

◆ 総評 ★★★

一般、ファン向け、それぞれのサプライズを用意するなど意欲的な作りで満足した反面、必要性の感じられない前後編など、ところどころ引っかかる部分もあったため、総合評価は★3つとさせてもらいます。

 

それにしても、やっぱり5話構成っていいもんですねぇ…(´▽`)

 

ショート奇妙枠があれど、やっぱり「世にも」は5話はないと調子が狂っちゃいます。まずは復活してくれたスタッフさんに感謝。次回からまた5話でガンガン行ってもらいたいですが、はてさて……(^^;)

 

他、今回のエピソード以外の部分で印象に残ったのはYoutuber「水溜りボンド」とのコラボ企画。
元々都市伝説の検証企画などで知られていた方々らしいのですが、コラボするキッカケの大元になったのは水溜りボンドファンの勝手な勘違い

 

昨年彼らが「深夜の特別編」の自販機企画を実際に体験してみるという動画を配信したのと同じ頃、志尊淳さん演じる役名が、メンバーの一人である富永知義さんのあだ名と同じ『トミー』であったこと、さらに同時期にお台場方面での仕事があることを知ったファンたちが「世にもとコラボするに違いない!」と情報を拡散し、番組の公式Twitterへもリプライが寄せられる事態に。当然何もなかったわけですが、恐らくその事件を機にスタッフが彼らを知り今回に繋がった模様。

 

失礼ながら「ヒカキンなら知ってるけど、知名度低くない?大丈夫?」と思ってたんですが、発表後にSNSで話題沸騰からの一気にトレンド入りというのはジェネレーションギャップをまざまざと感じさせてくれましたね(笑) 水溜りボンドのお二人すみません!

 

もちろん、だからといってそこをゴリ押ししすぎることなく、診断企画も知ってる人だけ関連ワードを打ち込んで楽しませるというバランスは好感。変にクドすぎることなく、テレビメインでない層への効果的なプロモーション方法で良かったのではないでしょうかね。

 

視聴率も10.9%と、ここ2年で一番の高視聴率。週間ではドラマ部門第8位、フジ全体では第3位。ほか今年土曜プレミアム枠で放送された30を超える番組中では第4位ということで、ひとまず結果は出せた様子。30周年まではとりあえず安泰そうで何より。

 

そんなわけで平成最後?になるかもしれない「世にも奇妙な物語」。それに相応しい原点回帰も合わせつつなSPだったと思います。次回ひょっとするとギリギリ平成に間に合うかもしれませんが、Youtuberまで出したからにはきっとさらなる企みが用意されるのは間違いないでしょう。

 

スタッフ&キャストの皆さん、今回もお疲れ様でした。

30周年へ向かう新時代の「奇妙」もたっぷり楽しませていただきますよ!

'18秋の特別編 みどころ紹介

前回からもう半年も経ってしまったという驚きと共に発表された「'18秋の特別編」

今回は星護監督の復活や、3年ぶりの5話編成などのサプライズが目白押し!

平成最後となるスペシャルでは、一体どんなラインナップがお目見えするのでしょうか。

 

というわけで今回も毎度のように放送前の個人的な見所と今回のスタッフ情報を簡単に。

 

※ 11/ 2 時点で判明している情報に基づいており、実際の放送では放送順等が変更される場合があります。

◆ 第1話「幽霊社員」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:赤松新 《 初 》

【主な代表作】『アンラッキーな夜』(第29回フジテレビヤングシナリオ大賞 佳作)

 

演出:星護 《 31 》

【主な代表作】古畑任三郎』『いいひと。』『僕の生きる道』『高校入試』など

【主な奇妙作】『女優(1991)』『恐竜はどこへ行ったのか?(1994)』『壁の小説(1996)』『迷路(2003)』など

 

主演:佐野史郎 《 10 》

【主な代表作】『ずっとあなたが好きだった』『感染』『限界団地』など

【主な奇妙作】『恐竜はどこへ行ったのか?(1994)』『地獄のタクシー(1995)』『推理タクシー(2008)』など

【 注目ポイント 】

★ 世にも演出家四天王の一人 星護監督が11年ぶりに番組復帰!

第1回の「噂のマキオ」に始まり、数々の名作を手がけてきた星監督が遂に復活!

2007年の「バーチャル・メモリー」以来11年ぶりに魅せる奇妙な世界はファンなら見逃し厳禁!?

 

★ 現役の吉本芸人が番組初脚本を担当!

赤松さんは過去フジのシナリオ大賞で28回最終選考、29回佳作を受賞されています。

芸人としてはまだ無名ながら脚本の才能で頭角を現し始めた赤松さんの初映像化(?)作品に期待!

 

★ 世にもの名優佐野史郎が10年ぶりに奇妙な世界へ

1990年の「超・能・力!」から定期的に名作に携わってきた佐野史郎が10年ぶりに番組出演。

1995年の「地獄のタクシー」以来23年ぶりに星監督とタッグを組みます!

◆ 第2話「あしたのあたし」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原案:赤松新 《 初 》

【主な代表作】『アンラッキーな夜』(第29回フジテレビヤングシナリオ大賞 佳作)

 

脚本:武井彩 《 5 》

【主な代表作】カラマーゾフの兄弟』『家族の裏事情』『受験のシンデレラ』など

【主な奇妙作】『採用試験(2002)』『連載小説(2002)』『爆弾男のスイッチ(2009)』など

 

演出:高橋栄樹 《 初 》

【主な代表作】『終わりなき旅(MV)』『ポニーテールとシュシュ(MV)』『DOCUMENTARY of AKB48』など

 

主演:国仲涼子 《 2 》

【主な代表作】ちゅらさん』『結婚できない男』『デート~恋とはどんなものかしら~』など

【主な奇妙作】『PETS(2011)』

【 注目ポイント 】

★ ミュージックビデオ業界で活躍中のディレクターが演出を担当!

Mr.ChildrenTHE YELLOW MONKEY、ゆず、AKB48などのMVを手がけてきた高橋栄樹が初参加。

近年ではAKBグループのドキュメンタリー映画なども手掛けており、ファンからの信頼も厚いとか。

 

国仲涼子 産後復帰第一作目&番組初主演!

第2子出産後初の復帰作に。また2011年の「PETS」以来7年半ぶりの出演で番組初主演。

◆ 第3話「クリスマスの怪物」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:朱川湊人 《 4 》

【主な代表作】『都市伝説セピア』『花まんま』『箱庭旅団』など

【主な奇妙作】『昨日公園(2006&2015)』『栞の恋(2010)』

 

脚本:和田清人 《 5 》

【主な代表作】深夜食堂』『武道館』『新宿セブン』

【主な奇妙作】『相席の隣人(2012)』『仮婚(2013)』『妻の記憶(2017)』など

 

演出:岩田和行 《 12 》

【主な代表作】シバトラ』『絶対零度』『福家警部補の挨拶』など

【主な奇妙作】『リプレイ(2006)』『ベビートークA錠(2011)』『シンクロニシティ(2016)』など

 

主演:川栄李奈 《 初 》

【主な代表作】『セーラーゾンビ』『とと姉ちゃん』『僕たちがやりました』など

【 注目ポイント 】

朱川湊人原作の昨今珍しいクリスマスホラー!

昨今の「世にも」では見かけなかったクリスマスシーズンものが久々に登場。

原作は「昨日公園」「栞の恋」でお馴染みの朱川湊人さん。番組らしいホラーに期待大!

 

★ 元AKB48川栄李奈が番組初主演!

2015年にアイドルグループAKB48を卒業後、ドラマやCMで活躍中の川栄李奈が番組初登場。

今年の上半期CMランキング第4位、来年の大河にも出演が決定と、業界注目株の女優さんの演技に期待!

◆ 第4話「脱出不可」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原案:コヤナギシン 《 初 》

【主な代表作】『笑った顔が一番素敵。』など

 

脚本:山岡潤平 《 3 》

【主な代表作】GTO(2012)』『家政夫のミタゾノ』『遺留捜査』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『冷える(2014)』

 

演出:都築淳一 《 13 》

【主な代表作】『パズル』『カラマーゾフの兄弟』『犯罪症候群』など

【主な奇妙作】『密告ネット(2005)』『フラッシュバック(2008)』『いじめられっこ(2011)』『寺島(2017)』など

 

主演:坂口健太郎 《 初 》

【主な代表作】コウノドリ』『とと姉ちゃん』『シグナル』など

【 注目ポイント 】

★ 人気俳優 坂口健太郎主演による密室サスペンス!

人気ドラマ「シグナル」で主演を務めた坂口健太郎が番組初出演。

◆ 第5話「マスマティックな夕暮れ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:諏訪雅 《 初 》

 

脚本:上田誠 《 本編では初 》

【主な代表作】サマータイムマシン・ブルース』『四畳半神話大系』『ペンギン・ハイウェイ』など

【主な奇妙作】ストーリーテラーパート (2015秋)』

 

演出:紙谷楓 《 本編では初 》

【主な代表作】『実況される男』『海月姫』『結婚相手は抽選で』など

【主な奇妙作】『赤』『写真』『ポニーテール』『女子力』(全て2017)

 

主演:玉城ティナ 《 初 》

【主な代表作】『貞子vs伽椰子』『PとJK』『わたしに××しなさい!』など

【 注目ポイント 】

★ 原作は劇団ヨーロッパ企画の自主制作映画!

サマータイムマシン・ブルース」等で知られる劇団ヨーロッパ企画のスタッフが手がける本作は、

2017年6月に京都で行われた「ヨーロッパ企画の京都ニューシネマ Vol.5」内で上映された同名の短編映画が原作。映像作品が原作となるのはリメイク版を除くと2009年秋の「検索する女」以来9年ぶり!

◆ 雑感

 今回の中で私が特に注目しているのは……

・奇妙レジェンド星護監督11年ぶりの番組復帰作「幽霊社員」

・22年ぶりのXマスホラーに挑戦した川栄李奈主演「クリスマスの怪物」

以上2作品。

 

中でも「クリスマス」はここ最近では珍しいタイプの作品になりそうでかなり期待しています。

主演の川栄さんも絶対今年か来年に来ると思ってたんですよね。なんせ「世にも」って業界注目株の若手俳優大好きじゃないですか…(笑)「ごめんね青春!」「フランケンシュタインの恋」「僕たちがやりました」などで好演を見せてらしたので、実は個人的にも待望していました。

 

ほか、全体的に見た感想としては今回結構期待できそうじゃないですか…!?と。星監督の復帰や、春秋体制になってからスルーされ続けていたクリスマスもの、異業種からの起用などのサプライズもありましたが、なんといっても3年ぶりの5話編成復活ですよ! 昨今話題を集め続けていた連動企画も恐らく今回は無し。従来どおりの奇妙な5話だけで勝負する硬派なスペシャルとなりそうです!

 

様々な“奇妙”を育んできた平成を締めくくる今回、これぞ「世にも奇妙な物語」と呼べる良回…いや、神回を期待したいですね!昔からのファンも新しいファンも皆が楽しめる特別編になることを祈りつつ、放送を心待ちにしたいと思います。

 

'18秋の特別編は、2018年11月10日 夜9時より放送。お見逃しなく!