世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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衝撃の世にも奇“怪”な物語&中国版「世にも」情報 その8

毎年恒例の「ほんとにあった怖い話」も終了し、夏のホラー番組の勢いも徐々に落ち着いていく今日この頃。

しかし、そんななかでもまだまだホラーが熱いのがDVD市場。ホラーコーナーでは怒涛の勢いで新作が次々と発表されています。

 

私はその中でも「ほんとにあった呪いのビデオ」シリーズが一番好きなんですが、このシリーズのヒットで類似作品が相次いでリリースされ、今やこういったオリジナルホラーのマニアが多数存在する一大ジャンルに。あまりにも膨大な量なので、私もいつからか制覇を諦めてしまったりも(^^;)

 

ホラーDVDシリーズも、こうした一大市場になってしまえば、中には他と差別化を図るべく、違ったアプローチを図る者が出てきます。そういった試行錯誤の中で伝説的な作品や意欲的な作品が生まれる一方、マニアが苦笑しながら「あぁ、あれね」と言いたくなるキワモノ、珍品も多数出てくるのは世の常。

 

今回は、その中から「世にも奇妙な物語」に真っ向から挑戦状を叩きつけた作品を一本ご紹介。その名も「世にも怪な物語」。奇妙でも怪奇でもありません。奇怪です。

 

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──世にも奇怪な恐怖が、怒涛の13連弾で襲いかかる!!!

 

「ほんとにあった呪いのビデオ」「2ちゃんねるの呪い」「あなたの知らない怖い話」のヒット作を手掛けて来たプロデューサーが、新鋭監督を起用したショートホラー作品を厳選して収録する、コンピレーション映像集!!TVや携帯電話、インターネットが普及した現代でも、まだまだ世の中には不可解な現象が数々起きている…そんな現代の奇妙で怪奇なあなたの知らない世界をお楽しみ下さい。

 

世にも奇妙な世界に、あなたをご招待致します。

《作品データ》

発売日:2014年5月2日 (レンタル販売のみ)

 

脚本:いよく直人/塚本玲美衣/楠雄貴/椎田公尋

監督:永江二朗/いよく直人/楠雄貴/椎田公尋

 

製作:酒匂暢彦/大橋孝史

プロデューサー:岡良亮/山口奈津子/金子誠二郎/中村裕

製作会社:株式会社チャンス イン / 株式会社ジョリー・ロジャー

 

第01話呪眼」(主演:佐藤涼平

第02話呪怨」(主演:川村泰生)

第03話死声」(主演鈴木美智子

第04話棲み人」(主演:北山めぐみ)

第05話おとしもの」(出演:都/中村利裕/橋倉靖彦/清子)

第06話轢死」(出演:西山麻矢/中村邦晃)

第07話轢死霊 佳織」(主演:西山麻矢)

第08話轢死霊 裕也」(主演:中村邦晃)

第09話センリツ」(出演:大日向祐美/橋本晃佑/村上俊輔)

第10話呪罰」(出演宇野祥平

第11話遭遇」(主演:吾妻麗子)

第12話呪解」(主演:佐倉亜実)

第13話樹齢」(出演佐藤博之/谷口徳宏/山戸玲奈)

 

ここまであからさまに「世にも」に寄せてきているオリジナルビデオ作品は初めて見ました。そのため、ネットでも「世にも奇妙な物語を借りてきたはずが……」という被害報告がチラホラと。

 

しかし、このB級臭さ、パチモノ臭さが実に素晴らしい! B級物好きの心を存分にくすぐります。DVDの宣伝文で、最後の最後に世にも奇妙な世界と言ってしまっている所も100点。

 

昨年には、別の会社から「ホラーの鬼才・井月鈴人の 世にも奇妙なものがたり」というDVDも発売されており、出演者のブログで「子供の頃から見ていた世にも~に出演できるなんて!」というコメントに胸を痛めていたのでよく覚えています。どうやら最近のホラーDVD業界では、「世にも」テイストを取り入れるのが流行ってきているのかもしれませんね。

 

さて、肝心の内容ですが、端的に言えば素人の自主制作ホラーを一つにまとめてみましたという感じで、安っぽさが全面に出ています。概ね大学の映像サークルの様なクオリティです。

 

各話、いじめを苦に自殺した同級生の霊、焼身自殺を図った女の声、古いアパートの霊などなど、非常にベッタベタな題材が続き、しかもほとんどが体験談風という始末。勿論、ベタな題材でも画が怖ければいいのですが……もっとやりようがあるんじゃないかなぁとも。ほとんどが2~3分程度の長さなので、テンポよくサクサク見れる所は非常に好感触。軽い気持ちで視聴できると思います。

 

ストーリー性というより、ビックリ系に重点を置いただけなので、他の作品群と差別化ができてないどころか、他のDVD作品の中では雑な方の作りに。ハナからそこまで番組のことを意識してはいない作品であろうことは薄々感じていましたが、「世にも」風の名前を付けるからには、やっぱりストーリー性で勝負してもらいたいなとファンとしては勝手ながら思ってしまいます。

 

途中まで「何でこんなの借りてきてしまったんだろう…」と後悔しつつ見ていましたが、意外なことに「世にも」同様、常識に囚われない挑戦的な作品が含まれていたのは、思わぬ発見でありました。

 

その一例としてまずは個人的な傑作である第5話「おとしもの」のワンシーンをご紹介。

 

本作は、夜道でハンカチの落し物を拾った主人公が、そのまま会社にハンカチを持っていった所、一人で残業中に謎の怪奇現象が……というストーリー。そこから皆さんも薄々気づいている通り、最終的に突然落とし主の霊が主人公の前に現れ、ビックリさせる訳ですね。

 

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さて、ここで皆さんにちょっと考えて貰いたいのですが、あなたが演出家だとして、この場面からいかに怖く、いかにビックリするように霊を登場させますか?

 

王道を狙って左側から突然登場。不意打ちを狙って後ろから羽交い絞め。ちょっと外して右側から。どうせなら、おもいっきりシュールを狙って口から登場。逆に霊を出さない。主人公自身が霊に変身する……。

 

ベタなものから突飛なものまで色々考えられると思いますが、きっと本作の画期的なアイディアには到底太刀打ちできないでしょう。私も色々予想していましたが、ここまで裏切られたのは初めてです。

 

これまで様々なビックリオチを見てきましたが、今後二度と現れない物であることだけは断言できます。

 

 

準備はいいでしょうか?

 

 

それでは正解です。

 

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《答え》 後ろから普通にダッシュして、ガンをとばす

 

どうでしょう、この斬新かつ衝撃的な演出。雷が落ちた様なショックという意外ありません。よく心霊番組で見かける突然現れる幽霊だって、裏では普通にダッシュしているかもしれないのです。

 

そう、彼・彼女らだって元は人間。幽霊はダッシュしないという固定概念は本来疑うべき物なのです。そこに気付かされてしまった瞬間、世のホラー作品は既に過去の物へと消え去ってしまい、我々の胸に残されたのは、混乱・焦燥・絶望・不安定……。これまでの常識が失われ、無秩序と化した世界と対峙した際の、原始的かつ本能的な恐怖がそこにあるだけなのです!

 

ついに、我々はJホラー界の鬼才誕生の瞬間を目撃してしまったのかと思うのはまだ早い。これは2014年に突如出現した新たな才能の芽を一瞬垣間見ただけに過ぎないのです。

 

さらにその才能が存分に発揮されるのが、ラスト手前の第14話「呪解」です。

ストーリーは「見たら死ぬ呪いのサイトを見てしまい、友人が死亡。呪いを解くために様々な方法を試し、やっと呪いが解ける神社を見つけ、悪霊を祓う事に成功する」という、ベタながらも王道ホラーのテイスト。

 

ところが、この話呪いの侵食や、友人の死、追い詰められていく主人公といったホラーとして一番見せ所であるシーンをまさかの雑な回想とナレーションですっ飛ばし、我々にラストシーンである“呪いが解けて一安心”という所だけを切り取って提示しているという、これまでのホラーの常識を覆す斬新な手法を展開してくれます。

 

呪いによる友人の死を「私はあのサイトを見て親友を亡くしました」の一言で済ませ、呪いのサイトを見てしまう緊迫のシーンも主人公と友人が「呪い」と書かれた適当な作りのサイトを前に「ありえないー」「ありがちー」といったシンプルな台詞を半笑いでつぶやくだけというリアリティあふれる描写を用いています。勿論、解決策を見つけるまでのアレコレも「サイトに書かれていた手がかりをもとに神社を見つけました」と丁寧に説明してくれます。

 

これらの潔さと、ホラー表現を根本から疑ってかかる問題提起の鋭さと鮮やかさですよ。かつて男子小便器に名前を書いただけの「泉」を発表し、芸術のあり方そのものを大きく揺さぶった、マルセル・デュシャンの如きダダイズム ホラー界隈で話題になり、後世に多大な影響を与えていくのは、もはや時間の問題!

 

「世にも」がストーリー性を追求していく番組であるとすれば、本作はJホラー演出という物に対して新たな可能性を追求し、昨今のJホラー界に一石を投じようとした意欲的な作品だったと言えるでしょう。今こうして思い出すだけで笑い…いや、恐怖が蘇りそうです!

 

一方、長編である「センリツ」「樹齢」の2作は、どんでん返しあり、奇妙な雰囲気ありと、意外とマトモ。他の作品と演出も内容もまるきりテイストが違っており、ギリギリ「世にも」っぽいので、この作品だけかなり浮いているという本末転倒っぷりもなかなかポイント高し(^^;)

 

そのうち、世にもファン向けで言えば、「樹齢」が一番オススメかなと。車で轢き殺してしまった女性は、実は過去に死んでいたはずの知人女性だった…という導入部は秀逸。かなり冗長な感じはありますが、パッケージにも写っている人形の不気味さや、ラストの疾走シーンはなかなか怖かったです。今後こういう作品だけを集めていく方向にシフトしていけば面白くなりそうです。

 

制作会社によれば今後シリーズ化の予定があるそうなので、今後どのような意欲的な作品が誕生していくのか、陰ながら今後の動向を探っていきたいなと思います。

 

脳髄を揺さぶられる衝撃体験をしたい方は是非、レンタル店へ!

 

……なお、苦情は一切受け付けませんのであしからず m(_ _)m

※ 9/4追記 ※

全13作のうち「おとしもの」「センリツ」以外は全て過去に配信・上映されていた作品と判明。

 

「樹齢」は2009年に自主制作映画として上映されており、残りの作品は全て2013年の「90秒ホラー」という企画でネット配信されたそうです。通りで、コンセプトに統一感が無かった訳ですね…(^^;)

◆ 中国版「世にも」情報 その8

8月8日より配信された世にも奇妙な物語中国リメイク版「不思議な夏」

 

配信から10日で、早くも中国での累計再生数が2000万回を突破。中国の世にもコミュニティでも、不思議な夏に関する様々なスレッドが立てられ、連日賛否両論が書き込まれています。中国のファンたちの感想をざっと見てみると、私の印象では「日本版と比べたらまだまだ、でも中国でこれをやった意義は買いたい」というのが主流な意見のようですね。

 

この10日の間、「不思議な夏」に関する情報はだいぶ落ち着きましたが、小さな所ではまだまだ情報が出てきているようです。

 

まず、8月12日には、iQIYIがストーリーテラーパートのみを抜き出した「古川雄輝特集 ミニシアター」が開設。翌13日には、9月に韓国で行われる国際放送映像見本市に出品される他、シンガポール、フランス、ニョーヨーク等での放送計画が進行中との発表が。

 

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同日、iQIYIより「秘密の通販」「ファンレター」「解体少女」「5分間」「消えない女」をイラスト化した新ポスターデザインも発表。(上の画像は「消えない女」と「ファンレター」のもの)

 

さらにその翌日8月14日のTechWeb.comからは、「不思議な夏」のホットワード急上昇の記事が。1000%って一見冗談みたいな数字ですが、一応順調なようで、世にもファンとしてうれしいですね~。

 

※ 掲載している翻訳文は、Web翻訳や辞書を参考にした素人翻訳によるもののため、間違っている表現が多々存在していると思われます。大まかな内容を掴む程度のつもりでご覧ください。

 

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【iQIYIの自製ドラマ《不思議な夏》が、同種ドラマを超え、検索数で第一位に】

 

2014年は、動画サイトの自製ネットドラマが大ブレイクした年と言えるだろう。

iQIYIでは、近頃ドラマの自製に力を入れており、今年7月までのネット検索数は10億を突破している。

 

様々な内容の自製番組おかげで、iQIYIはユーザーの視聴時間の長さ等の各指標で、業界第一位を維持している。そのうち《不思議な夏》は、百度(Baidu)ホットキーワードのネットドラマ部門で急上昇している。

 

(中略)

 

《不思議な夏》は8月8日にiQIYIで独占配信されており、これは亜細亜伝媒、日本フジテレビとの共同制作で、古川雄輝、ゴン・ベイビー、ワン・イエ、チャン・シンユァンらが主演している。

ドラマの配信後から、検索数は高い位置を保っており、ネット上でホットな話題となっていた。

 

百度ネットドラマランキング8月11日のデータでは、《不思議な夏》の急上昇率が1000%に達し、2位、3位の倍以上となった。さらにその上昇スピードも、他の自製ドラマを遥かに超える結果となっている。