2004年に韓国で制作された初の「世にも」海外リメイク番組「金曜サスペンス」と「誰も知らない話」から10年、ついに今年中国でも「世にも」のリメイク版ネットドラマシリーズが作られることが決定。
一昨年から中国進出に力を入れているフジテレビとしては、映画「Mr. & Mrs. シングル」、「101回目のプロポーズ」に続く日中共同企画第3弾。規制の厳しい中国のテレビ業界では、フジテレビの強みであるミステリータッチのドラマや、刑事・医療物の放送が難しいため、そこで比較的規制のないネットの世界に場所を移して、開拓していくという計画の様で、その先陣を任されたのがずばり「世にも」なんだとか。
フジ側の説明によれば、中国の地上波ではホラー映画の放送ができず、業界にもホラージャンルのノウハウがあまり無いそうで、ネットドラマであれば、ホラーやブラック色の強いドラマの制作が可能ということから、中国国内でもファンの多い「世にも」に白羽の矢が立ったようです。
2004年の韓国版はリメイク権を売っただけで、フジテレビはほぼ制作にノータッチだった様ですが、今回の中国版は日本の脚本家がシナリオを担当し、フジテレビの演出家や技術スタッフも派遣、さらに音楽や特殊効果等もほぼ日本側で担当するという、かなりガッツリ携わった企画なっています。これらは、リメイク権販売&本格的な出資で大きな利益を取ると共に、各コンテンツのクオリティを上げて中国の視聴者に受け入れられやすくするという戦略なんだとか。
ほか、「イタズラなKiss~Love in TOKYO」の放送を機に、中国版Twitterのフォロワー数が100万人を突破するほどあちらで大人気だという若手俳優の古川雄輝さんが「ストーリーテラー的なポジション」としての起用が決定しており、そちらの意味でも向こうでは評判の様ですね。
配信は7月31日にiQIYIという大手動画サイトで行われ、後々日本での公開も決っているそうです。多分、CSでの初放送になりそうですね……(^^;)
さて、そんな中国版の公開まであと一ヶ月と少しとなった今日この頃。今回は、以前ブログで掲載していた中国版に関するニュースの続報をご紹介していきたいと思います。
既に制作も最終段階に入り、思った以上にニュースが出始め、翻訳が追いつかない状態となっていますので、今回は、まず4月下旬~5月下旬までに発表された情報をまとめさせていただくことにしました。
※ 毎度のことですが、中国由来ソースの翻訳文については、Web翻訳や辞書を参考にした素人翻訳のため、間違っている表現が多々存在している可能性があります。大まかな内容を掴む程度のつもりでご覧ください。
それでは、まずは亜細亜伝媒のプロデューサーである桂延文さんのSNSに掲載されたツイートから。
第1シリーズは異なる15話の物語で構成されており、現在、既に10話分の撮影が完了しています。どれも素晴らしい出来です!注目の古川雄輝さんが主演するストーリーも、日本スタッフの準備が整い、間もなく東京・北京での撮影が始まります。(4/27)
全ての制作スタッフ及び、熱演してくださった出演者各位に感謝します!制作班は近いうちに日本へ場所を移し、古川雄輝さんを加えた撮影が東京にて行われます。このドラマは7月末に、iQIYIとPPS影音で配信されます! (5/11)
続けて、とある制作関係者の中国版Facebookの文章。
14作分がクランクアップした後に行われた飲み会の様子が記されています。
“奇妙物語”中国版の14作分が今日クランクアップし、フジテレビの著名な監督である久保田さん率いる制作チームは協力した中国のチームとも打ち解け、皆からの尊敬と承認を得ました!カメラマンの福田さん、貝谷さん、照明の小西さんらの技術も、更なる称賛を皆から得ています。制作の後半となる音楽や特殊効果は全て日本で制作します。ご期待ください!
(注)写真は、今日、日本人スタッフが帰国するので、照明の小西さんと助手の方のために、皆が酒を飲み交わしながら涙ながらに別れを惜しんでいる所です……芸術に国境はありません!
続いて、荒井敦史さんの5月19日のブログ( http://ameblo.jp/atsushi-arai-we/entry-11855163697.html )で行われた日本初(?)の公式発表。
古川さん以外にも、日本人俳優の出演箇所は色々あるんでしょうか。気になる所です。
中国配信ドラマ「奇妙物語」に出演します。※7月末から、Iqiyiにて配信予定。分かりやすく言うと中国版の「世にも奇妙な物語」に出演します。
オール中国ロケ…そう…中国に行ってました。
「奇妙物語」では全編中国語台詞に挑戦しています! 見て下さい。笑
次はプロデューサーの桂延文さんの5月19日のツイートを。
この日からストーリーテラー的なパートを日本で撮影する事になっていたようで、この日より古川雄輝さんが撮影に初参加したとのこと。
そして、こちらは当日の撮影で使用されたという香盤表の一部。
とある掲示板では制作関係者の知人を名乗る人物から、こういった撮影風景や日本スタッフ向けの香盤表といった画像がアップされており、そこから14話分の邦題や、テラーパートの出演者などが判明することとなった訳ですが、こういう所は本当に「中国らしいな~」と(笑)
また、テラーパート用の香盤表から読み取れた情報を総合してみると、どうやら本作のキーマンである古川さんは本多京一という役名で、助演の喜多嶋操役には、中国のネット上から火が付き、今や“国民的美少女”と言われているチャン・ シンユァンさんが起用されているようです。他にも、これらのパートには、子役や脇役でお馴染みの人まで登場しているようで、ますます映像版が楽しみになりますね。
そして、以前の記事では古川さんがストーリーテラー役らしいと書きましたが、どうもタモリさんの様に各話の解説を語るというよりかは、図書館を舞台にした一つの物語が各話少しずつ進展していくという「トリハダ」や「ホラーアクシデンタル」等でよく見られるサイドストーリー形式の様な印象です。
推測では毎回一冊の本を手に取って読む(=各話放送)、そして最後の本では古川さん自身が奇妙な世界に巻き込まれる展開に、というパターンかなとも。
※(6/16 追記) フジから発表された内容によると、古川さんは奇妙な図書館の司書として、視聴者に15の奇妙な世界を案内していくという形式となっている様です。
続けて、日本人スタッフの一人であるカメラマンの福田陽平さんの5月20日のツイートを。こういう何気ない文章が意外とグッと来ちゃうんですよね。嗚呼、中国版の公開が待ちきれない!
@kaoriyuki1218 ありがとうございます!
— 福田 陽平 (@youhei_fukuda) 2014年5月20日
監督もすごい方で…
ほんと日中合作って大変で、そして本当の意味で中国スタッフと一緒に協力しあって作った作品です!
撮影も頑張ります
みんなが喜んでくれるといいなぁ
でもそれを目指して仲間で作ってます!
いつもありがとう
そして最後は、捜狐娯楽より5月30日のニュース記事。この記事では、初めて中国版のストーリーがハッキリ明かされています。
【チェン・メイシン、初めての日本合作「秘密の通販」で、感情的なもつれをこじらせる】
先日、90年代生まれの実力派スターであるチェン・メイシンが中日合作ドラマ《世にも奇妙な物語「秘密の通販」》の撮影に参加した。
このドラマは日本の著名な監督である久保田氏が演出し、初めて日本の撮影班と協力することとなったチェン・メイシンは「とても楽しかったです。再び合作できる事を期待しています」と率直に答え、そして、自ら演じた“フー・ユエ”が非常に見所のある役だと漏らした。医者である夫との感情的なもつれがこじれていく中、次々に通販事件が重なってくるサスペンスという、非常に独特な設定のストーリーだ。
作中でチェン・メイシンはフー・ユエに扮し、医者である夫が多忙で滅多に家に帰らないため、夫から浮気を疑われることとなるが、さらにそこへ一連の不思議な出来事が起こり、感情的なドラマ以外にサスペンスの要素も少し加えられ、見所のある場面が続々と登場する。
さらに今回、日本の撮影班が協力することに言及したチェン・メイシンは、「日本の大人気作品《世にも奇妙な物語》シリーズに参加できたことが非常に嬉しい。現場でも各班の専門性を感じたほか、言葉が通じない場であっても常にユーモアを絶やさないため、とても面白く、非常に特別な撮影経験ができました」と語った。
以上が4月下旬~5月上旬に公開された中国版に関する情報になります。
次回、中国版情報その3では、6月13日より行われた古川雄輝さんの北京ロケに関する報道や、インタビュー記事を掲載予定。お楽しみに。