世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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'14 春の特別編 キャスト&スタッフ紹介

いよいよ放送まであと僅かに迫った、今年最初のお楽しみ「世にも奇妙な物語 春の特別編」。

ネット上でも、かなり多くの方々から注目されているらしく、有難い事にいつもの3~4倍のアクセスもあり、まさに“お祭り”がやって来たなと思わされる今日このごろ。

 

私としても、連日ネットで番組情報や評判を確認したり、先日タモリさんが世にもの初期スタッフを誘って一緒にお酒を飲んだという話を聞き「10万払ってでも参加したい!」と心底羨ましがったり、話題の豊富な楽しい日々を過ごしています。

 

そんな今回のSP。昨年は個人的にも世間の評判的にも、2010年辺りから続いてた暗黒期からの脱却が感じられた年だっただけに、今年もその勢い乗って、記憶に残る名作・珍作が出てくることを期待したいところですが、特に今年の4月は春SPが放送されるだけでなく、番組24周年&当サイトの開設10周年&10年ぶりとなる海外リメイク版の制作と、例年と比べておめでたいニュースが立て続けに控えているだけに、今回の春SPには幸先の良いスタートを切ってもらいたいものです!

 

というわけで、新作に関する情報が全て出揃い、あとは放送を待つだけとなった現在。

今回も恒例(?)となった、春の特別編に携わるキャスト&スタッフのデータ&私の思う注目ポイントをご紹介していこうと思います。

 

《3/27時点で判明している情報に基づいており、放送順等は実際のものとは異なる可能性があります》

◆ 第1話 「墓友」

主演は、役者だけでなく、演劇の脚本・演出家としても活躍されている他、4月から始まるいいともの後番組「バイキング」の金曜レギュラーも決まった渡辺えりさん。まだ“渡辺えり子”時代の91年に放送された「朝まで生殺人」以来、23年ぶりの出演となります。ここ十数年間のホラー作品は若手女優ばかりだったので、50代の女優+ホラーというのは、なんとも新鮮な気がしますね。

 

脚本を務めるのは、番組初参加となる吉井三奈子さん。世にもに携わってきた脚本家が多数所属するマネジメント事務所、エムエーフィールドに在籍されているみたいですね。

90年代後半から、放送作家として「大阪ほんわかテレビ」「発見!仰天!!プレミアもん!!!土曜はダメよ」など、大阪の番組を中心に活動されており、近年ではNHKBSプレミアムで放送中の「コントの劇場 ~The Actors`Comedy~」にも参加されている様です。吉井さんは比較的コメディ系の番組に携わってこられた様ですが、コメディが得意な作家さんはホラーも得意というのはよくある事なので、新しい恐怖を見せてくれることを期待したいですね。

 

演出を務めるのは、12秋の「心霊アプリ」から本作で4作連続参加を果たし、既に世にもファンの間では落合正幸監督に代わるホラー担当として定着した松木監督。主にドキュメンタリー作品を撮られている方でして、最近では「ザ・ノンフィクション」「映画 中村勘三郎」などでもご活躍されています。

これまで「呪Web」「0.03フレームの女」と、若手女優主演のホラー作品で来ていた所、今回はまさかのベテラン女優×ホラーという新たなタイプに挑戦されるようです。ホラー担当といえど、落合監督の手掛けた作品群に比べると、まだまだ物足りない感の強い松木監督作品。4作目では納得の★5つ作品を期待したいですね!

 

あと、本作はこれまでのパターンから行くと、『墓友を作る→死んだ墓友の怨霊or狂気の墓友が主人公を殺そうとする→主人公死亡→一緒にお墓へ』というのが瞬時に予測できる訳ですが、さすがにそんな誰でも思いつく展開そのままというのだけは避けてほしいですね……(^^;)腐ってもプロの方々なので杞憂だとは思いますが、近年のホラージャンルはどうも満足の行く作品が出てこないので、少し不安な気も。仮にこのままの展開だとしても、何か一つ、キラリと光るアイディアを期待したいです。

◆ 第2話 「ニートな彼女」

原作は、ジュブナイルポルノライトノベルを中心に活動されているというわかつきひかるさんの同名小説。あのフランス書院美少女文庫というレーベルで最も多く本を出されている売れっ子作家さんとのことですが、2000年代後半よりライトノベルでも活躍されており、後に著作がゲーム化、コミック化、OVA化されるなど、幅広いジャンルでご活躍&評価されている方みたいですね。

 

今回の原作は、創元SF編賞の受賞作・最終候補作を収めたアンソロジー「原色の想像力2」に収録されているSFラブストーリーとのこと。「原色の想像力1」では「いじめられっこ」が映像化されましたが、スタッフは「2」もしっかりチェックしていたようです。なお、今回の映像化に際して、原作の電子書籍版(100円)の販売も開始されたようなので、手軽に読みたい方はこちらを選ばれても良いかと思います。

 

主演は、キスマイこと、人気グループKis-My-Ft2のメンバーであり、今年7月には過去に主演を務めたドラマ「信長のシェフ」の続編の製作も決定している玉森裕太さん。Kis-My-Ft2からは、昨年「0.03フレームの女」に出演された宮田俊哉さんがいましたが、あくまで助演扱いだったので、今回の玉森さんが初の主演ということになります。

番組初期からちょこちょこお目見えしている「世にも」のジャニーズ枠も、いよいよ世代交代の波が押し寄せてきたという感じでしょうかね。昨年の「信長のシェフ」は何だかんだ楽しんで見ていたので、続編に先駆けて、まずは本作をたっぷり楽しみたいと思います。

 

脚本を務めるのは、番組初参加となる小澤俊介さん。師匠は、過去に番組で「ともだち」「水を飲む男」を手掛けた石原武龍さんだそうです。

小澤さんはこれまで「怪盗セントテール」「名探偵コナン」「ゴルゴ13」といったアニメ作品や、「ルパン三世」「相棒DS」「怪談レストラン」などのゲーム脚本、ドラマ「ヤメ検の女」シリーズなど、幅広いジャンルで活動されてきた作家さんとのこと。原作者をして『原作以上に面白い』と言わしめたその手腕に注目です。

 

演出は過去に「親切成金」「死後婚」「相席の隣人」などを手がけてきた高丸雅隆さん。「美少女戦士セーラームン(実写版)」「仮面ライダー響鬼」「山田くんと7人の魔女」などの人気番組を手がけられてきた一方、近年では「救命病棟24時」「ストロベリーナイト」などのプロデュース業も行われています。昨年監督が演出され、視聴者の間でも評価の高かった「相席の隣人」に続く、心温まるラブストーリーを期待したいですね。

◆ 第3話 「ラスト・シネマ」

主演は、「メイちゃんの執事」「黒の女教師」などのドラマから、映画やCMなどでも大活躍されている榮倉奈々さん。2009年の「メイちゃんの執事」の時から、近いうちに来そうだな~とは思っていたんですが、あれから5年。ついに出演されることとなりました。

 

脚本を務めるのは、2011年の「ベビートークA錠」、翌年の「試着室」に続き3回目の参加となる小峯裕之さん。

慶応の法学部を卒業後、生命保険会社に勤務される傍ら、25歳の頃に初めて応募した脚本でテレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞優秀賞を受賞という凄い経歴の持ち主で、近年では、ドラマ「めしばな刑事タチバナ」、映画「男子高校生の日常」などでご活躍されています。これまで小峯さんが手掛けられた世にも作品は、比較的ハートウォーミングタイプの作品でしたが、果たして本作はどっちへ転ぶのでしょうか……。

 

演出は、番組初参加となる山内大典さん。

共同テレビ所属のADとして、これまで「わが家の歴史」「家族ゲーム」「謎解きはディナーのあとで」といったドラマの助監督を担当されており、「世にも」でも2011年春SPに助監督として参加されていました。どうやら本作が山内さん初となる監督作品(?)となる模様。新しいスタッフによる、新しい奇妙な世界に注目です。

◆ 第4話 「空想少女」

原作は、2010年に「伝説兄妹!」で第1回『このライトノベルがすごい!』大賞特別賞を受賞した作家、おかもと(仮)さんの空想少女は悶絶中。このミステリーがすごい大賞、このラブストーリーがすごい大賞らの受賞者との競作アンソロジー「5分で読める! ひと駅ストーリー 乗車編」に収録されています。

書籍の企画としては『ひと駅間の電車内で起こった出来事を描くショートショート』という事だったそうなんですが、映像化にあたり、さすがにひと駅分の出来事にするには厳しかったのか、番組では“通学に片道1時間40分かかるバスの車内”という設定になっている模様。

 

また、今回のドラマ化が決定したことにより、「空想少女~」を含むおかもと(仮)さんの短篇集「空想少女は悶絶中」の発売が放送前日の4月4日に決定とのこと。デビュー作の改訂版のほか、新たに書き下ろされた「空想少女は悶絶中」の続編も収録されるそうで、購入するならばこちらの方がオススメかもしれません。見てから読むか、読んでから見るか……楽しみ方はそれぞれですが、私はネタバレ嫌いなので、見てから読むことにします(^^;)

 

主演は、昨年、NHK朝の連続テレビ小説あまちゃん」の主演に抜擢され、一躍人気女優の仲間入りを果たした能年玲奈さん。以前、週刊誌で"所属事務所が次の仕事をかなり慎重に精査している"という記事を見ましたが、なんとこの作品があまちゃん」後、初となるドラマ出演になります。

過去に似たような例では、同じ朝ドラ女優だった畠田理恵さんが、91年の「ルームメイト」で民放初主演を果たすというのがありましたね。今後主演映画の上映も決まっており、売り出し戦略の一手目という感じでしょうか。

 

個人的にはスポット中に『あまちゃん後、初ドラマ!』という煽りが入っているのには、めちゃくちゃビックリしました。過去SMAPやジャニーズ系が出演する時でさえ、こういう事は私の知る限り無かったもので、史上初の事ではないかと。もし前例が既にあれば是非教えて下さい(^^;)

 

あまちゃん」は、昨年「半沢直樹」同様に放送前から期待していており、なおかつ第1話からガッツリはまってしまったドラマだったので、今回の起用はかなり嬉しかったり。紅白歌合戦のワンコーナーのフリをして行われた『真の最終回』も感激しっぱなしで、正月の間に何度見なおしてしまったでしょうか……(^^;)天野アキのイメージからの脱却を果たし、女優・能年玲奈となる為の最初の一歩に「世にも」が選ばれたのは、ファンとしては実に有難い出来事。「あまちゃん」ファンとしては、新たな能年さんの一面が見られる事を期待したいです!

 

脚本を務められるのは、番組初参加となる向田邦彦さん。シティーボーイズ、ザ・ギースなどのコント作家として活動しており、「7歳になったら」などを手掛けたふじきみつ彦さんと同じ、NHKの「みいつけた!」にも参加されているようで、恐らくその流れでの参加ということになったんでしょうか。空想の戦国時代で繰り広げられるシュールでコミカルな世界観をどのように脚色されているのか注目したいと思います。

 

演出は、もはや「世にも」フリークの間ではお馴染みとなった植田泰史監督が、昨年秋の「人間電子レンジ」以来半年ぶりに参加。植田監督は、今年でなんと12年連続参加の記録を持つ方であり、これまで手がけてきた作品は「追いかけたい」「イマキヨさん」「ネカマな男」「さっきよりもいい人」「JANKEN」「ワタ毛男」「石油が出た」などなど、かなり異色なコメディ作品を数多く演出されてきた方でもあります。

ゼロ年代以降の世にもを代表する監督さんといっても過言では無い方が、若手作家と人気女優の織りなす世界をどのように映像化するかに注目ですね。

◆ 第5話 「復讐病棟」

原作は、パスティーシュ作品や、「やっとかめ探偵団」シリーズ等で知られる清水義範さんの同名作品。過去、世にもに採用された作品は「脅威の降霊術」「もれパス係長」「言葉の戦争」、劇場版の「携帯忠臣蔵」など、ちょっぴりヘンテコなコメディ作品が多い印象ですが、91年の「ロンドンは作られていない」のようなシリアスな作品も映像化されています。どうやら「復讐病棟」は後者のタイプの様ですね。

 

あらすじを見る限り、90年の「仰げば尊し」とテイストが似てる事に気づかれた方も多いと思いますが、「仰げば~」は割りと好きな作品ですので、本作も同じくらい……いや、それ以上にブラックな世界が繰り広げられるのではないのでしょうかね。14年ぶりに帰ってきた清水作品、大いに期待したいです。

 

主演は96年の聖夜の特別編で放送された「恐怖のカラオケ歌合戦」以来、約17年ぶりの出演となる藤木直人さん。その際は助演扱いであったため、今回が初主演作になります。

「恐怖のカラオケ~」は、まだ残酷描写が緩かった時代の放送だったので、血しぶきが飛びまくり、手がちぎれたりというやり放題の内容により、数多くの少年少女にトラウマを与えた伝説の作品(笑)ですが、規制が厳しくなった2014年では、別なトラウマを今の少年少女に与えてくれる事を期待します(?)。

 

脚本は、90年代の黄金期を支え、世にもフリークならばその名前を知らぬ者はいないであろう高山直也さんが担当。近年では「ダブルス~二人の刑事」「匿名探偵」「警部補 矢部謙三2」などでご活躍されています。

 

高山さんは番組を代表する脚本家さんの一人でして、これまで手がけてきた作品は「サブリミナル」「罰ゲーム」「思い出を売る男」「ウイルス」「懲役30日」「声をきかせて」などなど……、その名前を知らない方にも、高山作品の数々を列挙してみると、ファンの間での評価の高さが薄々把握できるのではないでしょうか。

新旧ファンから評価の声が高かった「不死身の夫」以来、約1年ぶりとなる今回。ストーリーもブラックテイストたっぷりのようですし、最近ライトな作風が多めになってしまい、不満が募っている硬派なファンには嬉しい「ザ・世にも」な作品が見られるかも……!?

 

演出は「ストロベリーナイト」「リーガル・ハイ」「謎解きはディナーのあとで」などで活躍されている石川淳一監督。

世にもでは「いきいきデー」「呪い裁判」「ドッキリチューブ」など、一見コミカルながらも、毒々しいブラックさ全開の作品を手掛けられ、昨年、高山直也さんとタッグを組まれた「不死身の夫」でも、そのブラックな(?)手腕を存分に発揮されていたのも記憶に新しい所。

「不死身の夫」と同じ脚本家で挑む本作。あらすじから漂う、隠し切れないブラック臭は期待度十分です!

雑感

今回の中で私が特に注目しているのは、

若手作家×能年玲奈×植田監督の相乗効果が期待できそうな「空想少女」

感動系かブラック系か、どっちにも転びそうな設定が期待できる「ラスト・シネマ」

メンタルをじわじわ責めるブラック系な予感の「復讐病棟」

以上の3作。

 

今回もなかなか面白そうな作品が揃っているなという印象ですが、それは毎度の事ですからね……(笑) こればっかりは、実際の放送を見てみないことにはどうしようもありませんが、やはり"予想を裏切り、期待を裏切らない" が「世にも」の醍醐味だと思いますので、期待だけはたっぷりしておこうと思います。

 

今回はいわゆるライトノベル界隈で活躍されている方による原作が2つも使われており、新しい風が吹いてきているなという印象が強いですね。

 

前回の「ある日、爆弾がおちてきて」は、内容以前にラノベ原作という事を問題視する声がかなり多く見られましたが、2002年にラノベの映像化が既にありましたし、少女漫画、投稿動画、芸能人の体験談、都市伝説を集めた本まで、昔からジャンルに囚われず、スタッフが面白いと思えば何でも採用してきた訳なので、マニアからすれば何を今更という話です。

 

とはいえ、「空想少女」は、アンソロジー用に書き下ろされたショートショート、「ニートな彼~」の方は、過去に映像化された「いじめられっこ」と同じSFアンソロジーシリーズに収録されていた作品なので、スタッフが積極的にラノベ作家の作品を使おうという意識があった訳では無く、選んでみたら、たまたま作者がライトノベル系の作家だったという事なのでしょう。現在の制作スタイルやインタビュー記事を見る限り、特定のジャンルに縛って採用するというのはまずやらないでしょうし、そういう選ばれ方が一番健全だと思います。

 

今回は2作品とも、ライトノベルレーベルから発売された物ではないので、ラノベ云々という所で語るのはちょっとズレているとも思いますが、こうやって、ラノベ界隈の才能が番組に進出してくるというのは、個人的には大いに歓迎したいですね。番組のコンセプトとも合致している訳ですから。……勿論、面白くなければ面白く無いと率直に言いますけどね…(^^;)ラノベは全然読まない私ですが、妙な巷の偏見を吹き飛ばす出来であれば良いなと。

 

後は、オリジナル作品が原作付きの物に引けをとらない面白さをしっかり出してくれていれば。ホントに最近オリジナル作品の元気が無さ過ぎるので……昨年評判の良かった「不死身の夫」「仮婚」の勢いに乗ってもらいたいですね。

 

ここ20数年の間、私が初めて「これホントにヤバイぞ」と危機感を覚えた2010年~2012年春辺りの「暗黒期」からようやく脱却している実感が感じられている今、他にも色々心配ごとはありますが、贅沢は言いません。「墓友」が予想を裏切っていてさえくれればいいです……!(笑)

 

半年間待ち焦がれた特別編。果たして、今年はどんな奇妙な世界へ我々を連れて行ってくれるんでしょうか。古くからのファン、まだ歴の浅いファン、初めて番組を見る方、それぞれの目の前で、今回も素晴らしい奇妙が繰り広げられますように。

 

世にも奇妙な物語 春の特別編」は4月5日(土)夜9時より放送です。お見逃しなく!