世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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世にも奇妙な物語と怪奇現象 その2

世にも奇妙な物語」の撮影にまつわる恐怖エピソードを取り扱う『世にも奇妙な物語と怪奇現象』前回に続く第2弾では、もう少しまともな(笑)エピソードの数々をご紹介しようと思います。

 

今回の情報源は、週刊女性セブン1991年2月14日号に掲載された特集記事

その名も、『超常体験 身も凍るエピソード 世にも奇妙な物語収録現場』

 

当時は毎週視聴率が20%台であった奇妙ブームのまっただ中ということもあり、見開きで4ページに文字がぎっしりと詰め込まれた濃いめの特集記事になっております。TVガイドの記事にもあった『猿の手様』のエピソードの詳細あり、『身も凍る…?』と首を傾げる他愛もないエピソードもあり、読み応えもバッチリ。

 

それでは以下、あまり公に語られることのない5つの奇妙な出来事の数々をご覧頂きましょう!

 

《"前夜の鳴き声の噂"におびえた布施博

 

"猿の手"は、願いごとを3つだけかなえてくれる神様だ、という、地方のいい伝えをもとにしたドラマ『猿の手様』の収録のときのこと。ドラマの成否を決めるのは、"猿の手"だと、美術スタッフは異常に盛りあがった。数日後、出来上がった猿の手を見たスタッフと出演者たちは驚きの声をあげた。本物そっくりだったのだ。

 

あまりのリアルさに、またたく間に"猿の手のミイラだ"と噂が広まったそうだ。

「そういえば、昨晩スタジオの外に、猿の毛が落ちていたのを見た」

「キーキーという叫び声が夜中の2時ごろ、ギャーッと鳴いてピタッとやんだ」

主演の布施博も、桐の箱に収められたものをおそるおそるのぞいて、気味悪がり、撮影がなかなか始まらなかった。

 

「ロケバスの中に、神棚をつくって、お祓いの用意がしてあったんです。スタッフ用だったんですが、布施さんが"ぜひ、ぼくも一緒にやらせてほしい"というので、お清めの塩、お神酒とお札を用意して、お祈りしました」(制作スタッフ)

 

お祓いが済んだ後は、布施もきをとりなおして、NGを出すこともなく撮了。

終了後「気をつけて帰らないとね」と、あくまで慎重だったという。

 

じつは、"猿の手伝説"には、3つだけ願いをかなえるかわりになにかそれに見合うような被害にもあう、というオチがついている。この収録にも、こんな話が。

 

「監督が、収録の前に、車で事故ったんです。ただの不注意だったみたいですが、その話を後から聞いて、ちょっとゾッとしたのを覚えています。番組が番組だけに、もしかすると、そこで監督が猿の手被害を一身に受けてくれたのかも……なんて」(制作スタッフ)

 

最初は、謎の声、監督の事故、お祓い……と、かなり王道テイストのエピソードが登場。

前回の記事では『神主に扮したスタッフにお祓いを受けた』ということしか語られてなかったのが嘘のような完成度(^^;)

 

《骨折の原因に思い至ったスタッフ》

 

じつはこの番組、いまではすべてのドラマの収録前に、お祓いをする習慣になっている。

制作会社によって、日枝神社明治神宮に分かれているが、スタッフは必ず全員で出かける。

というのも、こんなエピソードがあるのだ。

 

昨年4月、番組が深夜からゴールデンタイムに進出したとき、ヒット祈願で、タモリからフジテレビ、制作会社のスタッフ全員がお祓いに出かけたのだが、ある会社のスタッフだけ、都合がつかなかった。そんなことはすっかり全員が忘れていた数か月後、スタジオのなんでもない所で突然、出演者がすべってころび、足を強く打つ事故が起こったのだ。収録が続行されたが、後から、骨折していたことがわかり、本人も周囲も仰天したという。

 

このときのスタッフが"お祓いできなかった"人たちだった。その事故のあと、すべてのロケバスには神棚を備えているし、神社に参ったときには、神主さんにお祓いを頼んでいるという。タモリは毎回ロケバスでお祓いする他、神社にも2回参っている。

 

毎週木曜の午後8時から9時までの、この番組は、もともと89年10月から20回、深夜枠で『奇妙な出来事』というタイトルで放映されていた。深夜にもかかわらず、平均視聴率がよかったことから、90年4月から13回、ゴールデンタイムで放映、あまりの好評ぶりに、この1月から再開されたという出世番組なのだ。

 

"撮影現場の呪いは、最近では、映画『ポルターガイスト』に出演者たちの謎の連続死が有名だ。

「みんな真剣にお参りします。たんなる迷信とも思えませんし、他番組での同じような話を聞くと、なおさら……ね。まあヒットも、これのおかげかな、と思ってます」(制作スタッフ)

 

続けてスタッフの災難エピソード再び。

それにしても、撮影前のお祓いだけでなくロケバスに神棚を備えて撮影していたというのが驚きです。

当時は心霊や呪いといった題材を扱うこともありましたが……今でもこういったことをしているんでしょうかね?

 

《差し入れを食べると"話がつながらない"!?》

 

タモリは、映画監督のヒッチコック(自分の作品には必ずチラッと出演していた)のように、1回放映分の3本のドラマのうち1本には必ず出演している。声だけのときもあるし、通行人のときもある。

 

タモリさんが、おでん屋さんのオヤジに扮したことがあったんです。すぐ終わると思っていたので、朝からなにも食べていないまま、スタジオで収録にはいったんですね。

そうしたら、盛りあがったスタッフたちが延々と6時間も撮影を続けちゃって」(ディレクター)

 

あまりの空腹に、タモリが目の前にあったおでんのウィンナーを食べようとした。「そこでストップをかけたのが、ADのS。こいつは、デブのSって呼ばれてるんだけど、大声で、"タモリさん、それ食べると前の絵(画像)とつながらなくなっちゃうんですよ"っていったんです。タモリさんは"こんなのわかんないよ"っていったんですが、完璧にやりたいというSの強い主張に根負けしましたね。空腹のままとうとう最後まで続けましたよ」(フジTV編成部)

 

しかし、このときのタモリの空腹ぶりは相当なもので、うらみも大きかったらしい。

 

「で、後日談です。タモリさんが収録中、シュークリームを差し入れてくれたんですね。スタッフ一同大喜びで"いただきまーす"と手を出したら、タモリさんがSに向かって"お前は食べるなよ。絵がつながらなくなるだろ"だって。もう爆笑でしたね。それで、生まれた警句が"差し入れを食べると、絵がつながらなくなる"」

 

編集の終わったテープの画面が進むにつれて、続々と食べ物が減っていったら……これほど怖いことはない!?

 

続けて、片岡鶴太郎さん主演の「帰らない」より、ちょっぴり面白い撮影裏話。

前半自体は過去に「笑っていいとも」等でタモリさんが度々語っていた話なので、ご存知の方も多いとは思いますが、ここで注目すべきは後日談。

 

さすがストーリーテラーというかなんというか……タモリさんも一筋縄ではいかないお人のようで(-▽-;)そしてADのSさん、今は何をされてるんでしょうか。

 

《幽霊出没の噂に、ピリピリのいしだあゆみ

 

いしだあゆみさんは『昔みたい』という作品に、幽霊の役で出演しました。このロケの集合場所は、青山斎場の前、ロケ地は青山墓地だったんだそうです。そのうえ、スタジオは、ずいぶん前から幽霊が出るという噂のスタジオ。なにかあると怖いので、周囲もいしださんをおどかしたりせず、神妙に行動していました」(制作スタッフ)

 

収録場所に加えて幽霊の役ということで、いしだ本人も、"ちょっと怖いわ"ともらしていたという。

 

「10年前に別れた恋人どうしが、思い出の絵の展示場で再会するというストーリー。会いにきた男は、女の部屋に招かれてがく然とするんです。女はふたりが同棲していたアパートで昔そのままの暮らしをしている。じつは、女は10年前に死んでしまった幽霊だったんです。竹脇無我さんといしださんのコンビが"大人の恐怖"をうまく演じて、見ているこっちがゾクッとしましたね」

 

ふたりがワイングラスを合わせるシーンでは、周囲がシーンと静まりかえった。幽霊に、この世からあの世へ連れ去られてしまう設定が、万が一にも現実になってしまっては困ると皆が本気で思っていたのだ、という。

 

そろそろトーンダウンしてきたかな…という感じではありますが(笑)、番組のこういった裏話はほぼ全くまとめられてきていないので、こういうシンプルな内容でもかなり貴重ですね。

 

《使い捨てカイロを落としても平然!中森明菜

 

「涙がでるようないい話だ」というのが、明菜のドラマ出演承諾の言葉だった。

 

役柄は、小学校の先生。ある放課後"カゴメカゴメ"をうたう声に校庭に出てみると、見たことのない子供たちがたくさんいる。じつは、その子たちは幽霊で明菜の母の小学校の同級生。みな東京大空襲で亡くなったのだった。明菜先生は、その子たちが死ぬ3月9日までに、生き残った自分の母に会わせると約束する。

 

「撮影は12月の夜中、学校の校庭でしたから、全員に使い捨てカイロが配られました。明菜さんも、それを身につけていたんですが、幽霊の子供たちと別れる、いちばんの涙の場面でポトッと落ちたんです。シーンとしていましたから、音も聞こえました」

 

寒さと緊張の漂っていた現場が一瞬の間をおいて大爆笑になった。こういうシーンでのハプニングは、お祓いの対象になりがちだが明菜は、あの笑顔で笑い飛ばした。

 

最後はちょっとしたNG話。アイドル主演ということで、同時期の週刊明星内でも取り上げられているエピソードだったりします。完全に趣旨とズレていないか?なんてツッコミはこの際野暮というものでしょう。

 

 

というわけで、前回に続き番組初期に起こった奇妙エピソードたちをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

 

思っていたほど……という方が大半だとは思いますが(^^;)、大人気番組でありながら、こういったエピソードが語られる機会が本当に少ないので、こういった記事に巡りあうと本当に新鮮な気持ちになれるんですよね。当時の記憶がある方が多い今のうちにムック本でも出てくれればいいんですけど……!

 

現時点で私が入手した怪奇現象のエピソードは以上となりますが、なにぶん雑誌というのは無数にありますので、もしかしたらまだ見ぬ恐怖エピソードが眠ってる可能性も、もちろんありますよね。今後も歴史に埋もれている番組情報を掴み次第、このブログで紹介していく予定です。

 

ファンの皆様からの情報提供も随時受け付けておりますので、「こんな恐怖エピソードがあったぞ」というものがあれば、確かな情報元と合わせてお寄せいただければと思います!