世にも奇妙な物語 ブログの特別編

「世にも奇妙な物語 ファンサイトの特別編」管理人のブログです。

'14 秋の特別編 キャスト&スタッフ紹介

今年もやってきました「世にも奇妙な物語 '14 秋の特別編」!

前回は、能年玲奈朝ドラ後初の出演により話題性豊富かつ「墓友」が色々な意味で好評を博した一方で、特番視聴率の歴代ワーストワンを12年ぶりに0.1%更新するという微妙に残念な結果になってしまったのも記憶に新しい所です。

 

それらを受けての今回の秋の特別編。今後フジテレビが中国と共同制作した海外リメイク版「不思議な夏」の日本公開や放送25周年といったイベントが控えているので、それらにスッキリとバトンを繋げられるような優れた作品群を期待したいところ。

 

そんな中、遂に先日9月22日には、ようやくフジテレビにて公式発表が行われ、秋SPの全貌が明らかに。

( http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2014/140922-384.html )

今回も放送に先駆けて「'14 秋の特別編」の各話のスタッフやキャストに関する情報や個人的な注目ポイントを簡単にご紹介。

 

※ 9/25 時点で判明している情報に基づいており、放送順等は実際のものとは異なる可能性があります。

◆ 第1話 「ファナモ」

原作・脚本・演出は、劇団「五反田団」を立ち上げ、戯曲や小説を執筆される傍ら、TVや映画の脚本・演出家としてもご活躍されている前田司郎さん。2008年にはあの岸田國士戯曲賞を受賞し、翌年には三島由紀夫賞を受賞するなど、近年頭角を現している方の様です。演劇畑からの起用は久々ですかね。

 

そして、今回の原作は2006年の「恋愛の解体と北区の滅亡」に収録された短編「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」。「ウ ン コ に 代 わ る 次 世 代 排 泄 物 フ ァ ナ モ」です。

 

なにやら危険で不穏な匂いがプンプンしますが、放送後、ネットで“ファナモ”が流行るのは間違いなし!ご本人によれば、「原作とは設定だけ一緒で内容は全然違います」とのことなので、新たに生まれ変わったストーリーに注目したいですね。

 

主演は、2008年の「これ……見て……」以来6年ぶりの出演となる戸田恵梨香さん。

昨年の「石油が出た」が可愛く思えるほどのド下ネタな作品を演じられる訳ですが、新たな戸田さんが見られるのは確実でしょうね。ただ、案外シリアスな方面に行く可能性もあるので、こればっかりは見てみない事には……。戸田さん6年ぶりの熱演に期待です!

◆ 第2話 「サプライズ」

主演は、世にも奇妙な物語初登場となる多部未華子さん。役柄としては普通の女の子との事なのでイメージ的にもピッタリですね。近年では「僕のいた時間」「ラストホープ」などでもご活躍されており、個人的に注目していた女優さんの一人だったので、奇妙な世界での熱演に期待です。

 

脚本は、番組初参加となる守口悠介さん。どこかでお名前をお見かけしたことがあるな~と思っていたら「相棒」に参加されていたんですね。過去には「左目探偵EYE」「新・おみやさん」なども手掛けられているとか。

またプロデューサーによれば、デヴィッド・フィンチャーの某映画(恐らく1997年の「ゲーム」?)から着想を得たそうで、シナリオ作りに3ヶ月以上掛けた大作との事。こだわって作られたストーリーに注目です!

 

演出は、今回で5連続登板になる松木監督。これまで「心霊アプリ」「呪web」などの王道ホラーを続けられていた所、あまり良い評判を聞きませんでしたが、心霊系から一転、心理ホラーに路線変更した前回の「墓友」が大きく話題になっただけに、今回はどうするのかその出方をず~~~っと気にしていましたが、今回も心霊系を一切排除。

「墓友」ともまた違ったより日常に近い奇妙さに舵を切っているようで、「墓友」の縮小再生産みたいな話になるんじゃないかという不安が拭えて安心しました。新たな奇妙へ進出する松木監督に期待大です。

◆ 第3話 「未来ドロボウ」

原作は「ドラえもん」でお馴染みの国民的漫画家藤子・F・不二雄さんの同名短編。

子供向け漫画のイメージが強い藤子さんですが、実は大人向け・青年向けのSF短編も数多く描かれています。以前「マツコ&有吉の怒り新党」でも一部紹介されていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

世にもファンの間では、昔から「SF短篇集を映像化してほしい」という声がかなりの数存在しており、単行本を買い揃えるほどガッツリはまっていた私としても、かねてから熱望していたシリーズだったんですよね。藤子プロは権利関係が厳しいという噂をよく聞くので、私もほぼ諦めていた矢先に今回の映像化。興奮しない訳が無い!他の世にもファンの間でも「世にもに藤子作品が!?」と驚きの声があちこちに。

 

今回の原作はハートウォーミング系ですが、ブラック系にも名作が多いので今後「ある日…」「気楽に殺ろうよ」等にも期待したいですね。放送開始から24年、星新一筒井康隆手塚治虫等、数多くの有名作家が関わってきた「世にも」へ、遂に最後の巨人が進撃です!

 

主演は、番組初主演となる吉田鋼太郎さん。舞台を中心に活躍されており、朝ドラ「花子とアン」の嘉納伝助役としてご存知の方も多いのでは。人気俳優が、初めて奇妙な世界へ足を踏み入れるそのサマに是非とも注目したいと思います!

 

脚本を務められるのは「ダジャレ禁止令」「発電課長」「過去からの日記」等を手がけた大野敏哉さん。「才能玉」以来7年ぶりの参加です。90年代中期~00年代前期の世にも奇妙な物語を支えてきた作家さんの一人として、ファンの間では有名な方なので、今回の登板は心強いですね。

 

近年はアニメを中心に活躍されており「スイートプリキュア♪」「ガッチャマン クラウズ」等の他、藤子さん原作の「ドラえもん」にも参加されているので本作に相応しい人選かもしれません。「世にも」での大野さんは心温まる作品が得意という印象なので、本作の良さをしっかり活かしてくれている事を期待したいです。

 

演出は、2012年の「試着室」以来2年ぶりの参加となる後藤庸介監督。今年の春SPから引き続きプロデューサーとしても参加されています。ご本人のTwitterによれば「秋の「奇妙」面白いはずですので宜しくお願いします(≧∇≦)」との事なので、しっかり期待させていただこうと思います!(笑)

◆ 第4話 「冷える」

主演は、元朝ドラヒロインの若村麻由美さん。1991年の「記憶の沼」以来、23年ぶりの出演です。ご結婚されて一時期芸能活動から離れていたようですが、最近は「匿名探偵」「福家警部補の挨拶」などでお見かけする機会が増えてきましたね。前回の「記憶の沼」では水に濡れる苦労をされたそうですが、今回は寒さだけでなく熱さまで。久々に奇妙の洗礼を受けた若村さんの熱演に注目です!

 

脚本は、2008年の「さっきよりもいい人」を手掛けられた山岡潤平さん。2010年春のストーリーテラー構成以来4年半ぶりの参加です。世にもでのドラマデビューからはや6年、「マジすか学園」「GTO」「ハニー・トラップ」等の人気作品を手掛けてこられた山岡さん。久々の奇妙に期待したいですね。

 

演出は、過去に「マニュアル警察」「銃男」「超税金対策殺人事件」などを手掛けられた村上正典監督。2010年の「はじめの一歩」以来、4年ぶりの参加になります。

村上さんは、「白鳥麗子でございます!」「木曜の怪談」「白い巨塔」「1リットルの涙」などの人気ドラマを多数演出されている監督さんで、近年でも「カラマーゾフの兄弟」「SMOKING GUN ~決定的証拠~」など、ドラマ業界の第一線で活躍されています。ブラックからコミカルまで幅広く扱うその手腕に注目です。

◆ 第5話 「走る取的」

原作は「時をかける少女」「富豪刑事」「七瀬ふたたび」などで知られる筒井康隆さんの同名小説。過去「世にも」では「時の女神」「最後の喫煙者」「熊の木本線」「夢の検閲官」等が映像化されていますが、なんと本作で9作目の採用となり、歴代で最も番組に作品が採用された原作者さんということになります。俳優としても活動されており、世にもでは「遠すぎた男」や「いきいきデー」の医師役等でお馴染みですね。

 

この「走る取的」は、昔から大好きな作品でして、とにかく「厭な要素」しかない作品です!(笑)密かに世にも奇妙な物語での映像化を期待していた作品だったので、今回の決定には興奮しかありません。ちなみに“取的(とりてき)”とは(位の低い)お相撲さんのことで、この少しだけ日常にとって異質な存在というチョイスが最高なんですよね。筒井作品のブラックな所がたっぷり出た傑作だと思っているので、厭な気分になりたい方は是非注目してみては!

 

主演は「レンタル・ラブ」以来11年ぶりの出演となる仲村トオルさん。世にもでの主演は本作が初になります。人気俳優さんなので「あれ、初主演だったっけ?」と言う気がしますが、まだまだ奇妙の世界の標的はゴロゴロしてそうですね。夜の街を恐怖やパニックと共に疾走する、普段のドラマでは見れない仲村さんの姿に是非注目したいと思います。

 

脚本は、「サブリミナル」「懲役30日」などの名作を手掛け、世にもを語る上で外せない作家である高山直也さん。近年「不死身の夫」「復讐病棟」などで番組に参加される機会が増えていますが、今回は大野さんだけでなく高山さんもいるということでホッとしている自分がいます(^^;) 本作は下手をすればギャグにしか見えなくなる難しいストーリーなので、今回の映像化に不安が多々あるんですが、番組初期からのベテランであれば安心かなと!硬派な古参ファンからライトな作風に慣れている新規ファンまで、全方位を厭な気分にさせてくれるであろうことを祈ります!

 

演出は、「来世不動産」以来2年ぶりの参加となる岩田和行監督。これまで「栞の恋」や「透き通った一日」のような爽やかな作品を演出されていますが、番組では「自殺者リサイクル法」「ゴミ女」のようなブラックな作品の方が多めの印象。原作の不条理かつブラックな持ち味を存分に引き出してくれることを期待したいですね。

超短編

そして今回、最も注目すべきニュースが、この「超短編」8年ぶりの復活でしょう。

 

もともと1990年の放送開始から1991年3月まで、OP前に流されていた15秒のアバンストーリーという物がありまして、それが2006年の放送15周年の記念企画として「15周年の特別編」「'06 秋の特別編」内で復活。この奇跡の復活から8年、5つの物語を引っさげて超短編が再び我々の前に帰ってきます!しかも、今回はどれも過去作のリメイク一切なしの完全オリジナルストーリーなんだとか。

 

まず1話目の「インターホン」の主演は、ハマカワフミエさん。長らく学生演劇を中心に活動されてきており、今年WOWOWで放送された「モザイクジャパン」のヒロインを務めらたそうです。

 

第2話「捨てられない女」の主演は、2013年に最もブレイクしたタレント1位の大久保佳代子さん。大久保さんを超短編で起用というだけで、もうかなり面白いんですが、知名度の高いタレントさんがこのシリーズに出演するのは初なので、こういった所での冒険(?)も、この番組らしくて非常に良いですね。タイトルからして再現VTRみたいなノリになりそうな予感もしますが、果たして…(^^;)

 

第3話「クリームソーダ」で主演を務められるのは岸井ゆきのさん。「勇者ヨシヒコと魔王の城」「悪の教典」「銀の匙 Silver Spoon」等の他、現在はカップヌードルCM「壁ドン篇」にも出演されているそうです。

 

第4話「シャドーボクシング」の主演は、アクションスター千葉真一の息子であり、最近バラエティ等でも時々お見かけする真剣佑さん。アメリカの映画やショートフィルムを中心に活動されてきたようで、真剣佑名義での本格的な日本ドラマ出演は本作が初めてになる模様。

 

そして最後となる5話「標識の人」は、「ミヤネ屋」「Mr.サンデー」でもお馴染みのアナウンサー宮根誠司さん。このキャスティングには「そう来たか!」と思わされましたね。これぞ「世にも」が初期から地味に続けてきた異業種枠(別名:飛び道具枠)の真骨頂(笑)。大昔には、現・東京都知事舛添要一さんの起用が検討された事もあったくらいですから、この思い切りは大いに歓迎したいですね。超短編ですし、異業種すぎて胸焼けすることも無いと思うので、一体どんな珍作が登場するのか、かなり注目してみたいと思います!

◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは、

松木監督の新たな奇妙ワールドが垣間見えそうな「サプライズ

・ファン待望であった藤子作品初の映像化となる「未来ドロボウ

・個人的に映像化を待ち望んでいた「走る取的

以上の3作品。ここがしっかり出来ていれば、今度の新作はほぼ大丈夫でしょう。

 

 

さて、今回の発表内容を見て私が最初に思ったのがこれ。

 

「……今回は、かなり本気だな」

 

なんといっても待望の藤子作品・人気の高い筒井作品・超短編の復活等々、普段と違った謎の意気込みをヒシヒシと感じるのだから仕方ありません。さらに追い打ちをかけたのが、プロデューサーを担当されている後藤庸介さんのコメント

 

「24年続いている今作の歴史の中でも、最高傑作の一つだと言っていいと思います。原点回帰をテーマに、人智を超えた“怖くて、不思議で、どこかポップな”物語を作りました。超短編も含めた10作品。絶対に予想できないラストを用意して待っています。是非見て下さい!!」

 

いや~この発言には心底驚愕しました。これ、マニアからすれば相当とんでもない事を言ってるんですよ。なぜなら、これまでスタッフの側から新作について「傑作」というフレーズが出た事は、ここ10数年の間一度も無いんです。

 

これまでのコメントを振りかえってみると「選りすぐりの」「贅沢な」「豪華な」「自信を持って」「集大成」「総力をあげて」など、悪く言えば“聞こえの良い無難なフレーズ”を使って、制作の意気込みや、回そのものの豪華さ・ジャンルの多様さをアピールするのがほとんどで、出来そのもについてはあまり触れられてきませんでした。

 

そこへ来て今回いきなり“最高傑作”ですよ。しかも、これまで後藤P自身が手がけた中でという意味ではなく「番組史上最高傑作の一つ」と堂々たる発言。おまけに「絶対に予想できないラスト」なんて、ハードルを上げまくりの発言、ビックリマークも2つ。まさに前代未聞のコメントとしか言いようがありません。

 

とはいえ、後藤Pは本格的に番組に参与してまだ2年の新参スタッフなので、大袈裟すぎる発言にも聞こえます。もしや、後藤Pにはビッグマウス癖があるのかなと思うものの、前回のコメントはごくごく無難な内容。そんな中、同時に発表されていた編成担当からのコメントにも目を向けてみると…。

 

世にも奇妙な物語』でしかできない怖さ、不思議さ、感動、衝撃を味わえ、24年間続いた所以がわかるすばらしい出来だと思っています」

 

24年間続いた所以がわかるすばらしい出来”ですよ。節目の年でもないのにここまで言いますか…。あまりにもベタ褒めなコメントが出ているのは異例中の異例すぎて、今回動揺が凄いです……。とにもかくにも、スタッフにとってここ数年間で最も自信がある回なのは間違いないでしょう。

 

しかし、本当に最高傑作か、素晴らしい出来なのかは、実際の放送見てみないことにはわかりません。が、長年マニアしてきた私個人の勘では、あながちただのハッタリとも言えないのではないかと。

 

さらに近年の世にもでは初(?)の“原点回帰”をテーマにしているという所も、マニアからしてみれば放っておけない要素。何かしら傑作・佳作は生まれるでしょうが、今回はひょっとすれば……ひょっとするかもしれません! 遂に来てしまうのかもしれません!

 

ここ数日ネットを見まわしていても、しばらく番組から離れていたという《元・世にもファン》の方々までも騒ぎ始めているだけに、最近の現状に失望している世にもファンの方々は、念のために録画だけでもされてみては。後悔が先に立つことは決してありませんよ……!

 

そういうわけで、今回私は心の保険を全て解除して、ハードルをぐんぐん上げておこうと思います。もしもこれが裏切られたなら、私は今後人間らしい感情を一切失った人間になるかもしれませんが、スタッフの言葉を信じ、全力で一点賭けします! ……死亡フラグという奴ではないです!

 

と、さすがに煽り気味に書きすぎているような気がしたのでここらで辞めておきますが、今回は放送25周年に向けてバトンを渡すための大事な秋SP。ひとまずは手放しで「あ~面白かった!」と言える回であることを願いたいですね。秋の夜長には、奇妙がなくっちゃ始まりません。

 

世にも奇妙な物語 '14 秋の特別編」は、10月18日(土)夜9時より放送です。お見逃しなく!

 

 

──今度の「世にも」は、恐らく本気だ……!