世にも奇妙な物語 ブログの特別編

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'13 秋の特別編 キャスト&スタッフ紹介

放送まであと2週間程に迫った「世にも奇妙な物語 '13秋の特別編」。

個人的に、前回の春の特別編は低調気味だったここ2~3年では一番良かっただけに、

今度放送される新作も、春以上のさらなる飛躍を期待したい所だったりします。

 

さて、ある程度情報も出揃い、後は放送日まで待つだけとなった現在、今回も秋の特別編に携わるキャスト&スタッフの解説&私の考える注目ポイントを若干マニアックな視点からご紹介していこうと思います。

新作の放送を控え、何かしらの参考、または新作への期待に僅かでも寄与できれば幸いです……!

 

《9/30時点で判明している情報に基づいており、放送順等は実際のものとは異なる可能性があります》

◆ 第1話 「水を預かる」

主演は2001年の「エキストラ」以来なんと12年ぶりの出演となる香取慎吾さん。

過去の傾向から見ると、SMAP出演作品は完成度の高い作品が多いので、そう言う意味でも結構楽しみですね。

 

原作は、純文学雑誌「群像 (2011年4月号)」に掲載された淺川継太さんの同名小説。

「群像」といえば、文学界ではかなり有名な雑誌ですが、スタッフも渋い所から持ってきましたね~。

検索してもほとんど本作に関する情報が出てこないという事で、思っていた以上にスタッフはあらゆる所から原作を探してきているのだなぁ…と。一見硬そうに思えるものの、実は意外と奇妙と相性がよかったりする純文学……23年目の奇妙と融合したその成果に注目です。

 

脚本は、今回番組初参加となる岡ひろみさん。まったくお名前を聞いたこともなく、調べてみても「エースをねらえ!」の主人公しか出てこないので(笑)、ひょっとすると、どなたかのペンネームではないのかという可能性も……。実在する場合でも、全く情報が出てこない為、本作がドラマデビューなのかもしれないですね。どのように奇妙テイストに脚色をされているのか、楽しみにしたいと思います。

 

演出は、SMAPの特別編で放送された「BLACK ROOM」の石井克人監督が12年ぶりの再登板。石井監督は、木村拓哉岸部一徳が出演していたFMV、大野智&仲間由紀恵の森永チョコビスケットといったCMや、映画「鮫肌男と桃尻女」「山のあなた~徳市の恋~」等、幅広く活動されている監督さんです。

 

世にもでは2本目の演出作となる今回。監督のドラマ初演出作であった「BLACKROOM」は、放送から10年以上経った現在でもファンから人気の高い作品でありますが、以降「ママ新発売」や「JANKEN」といった、近年の世にもでは定番となったB級路線のシュールコメディ作品の源流を作ったといっても良い作品でもあります。主人公の豊かな妄想の世界をどのように表現しているのか。若手文学作家とCM界の鬼才が織り成すそのコラボレーションに期待したい所です。

◆ 第2話 「ある日、爆弾がおちてきて

主演は2009年の侍戦隊シンケンジャーのシンケンレッドに始まり、今や人気若手俳優となった松坂桃李さん。世にも奇妙な物語初出演&初主演ということで、世にもの世界観に再び新しい彩りが添えられることは間違いないでしょう。

 

原作は元カプコン社員で「バイオハザード」のスタッフでもあったという異色の経歴を持つ作家、古橋秀之さんの同名ライトノベルから。「世にも」作品でライトノベル作品が採用されるのは史上初のこと。「世にも」らしい壁の無さが非常に好感が持てますね。

(10/5追記) 正しくは、2002年秋の「声を聞かせて」が初のライトノベル原作とのことで、本作はラノベ2作目ということになるようです。

 

私としては古橋さんのお名前をお聞きしたことがある程度で、著書を読んだ事が全く無かったのですが、調べてみると、デビュー作「ブラックロッド」では、ライトノベル界の超有名レーベルである「電撃文庫」の流れを決定づけ、さらに本原作の収録本は、2005年に2ちゃんねるライトノベル板で大賞を取ったこともあるとのことで、読者から高評価を受けている作家さんである事は間違いないようです。

 

脚本は、昨年男性視聴者を中心に高評価を得た「相席の隣人」を手がけた和田清人さんが担当。あれから1年。今回も青春SF作品を担当ということで、視聴者のハートを震わせる手腕が光る事を大いに期待します。

 

演出は2009年の「クイズ天国・クイズ地獄」以来4年ぶりの参加となる城宝秀則監督が担当。近年では「フリーター、家を買う」「マルモのおきて」「リーガル・ハイ」など、人気ドラマを多数手がけられています。世にも作品では2007年の「カウントダウン」を含めた、シュール系コメディ作品2作のみの参加となっていましたが、久々の世にも復帰作は、これまでの作品とは全く違った青春SFもの。世にもファンの知らない新たな城宝演出に注目です。

◆ 第3話 「人間電子レンジ」

主演は、映画、ドラマ、舞台と幅広いジャンルで定評のある名脇役志賀廣太郎さん。

過去「世にも」には3回ご出演されていますが、今回遂に主演として奇妙な世界の住人となることになりました。「採用試験」の試験官、「サイゴノヒトトキ」の乗客……と、どれも存在感のある役柄を演じてきた志賀さんですが、私としてはやっぱり「BLACK ROOM」の父親役に尽きますね(笑) 今回は世にもでは鉄板の中年サラリーマン物という事で、期待を裏切らない演技を見せてくれる事でしょう。

 

原作は、2009年デビューの漫画家竹本友二さんの短編漫画「8 はち」に収録されている同名作品。件の漫画は未読なのですが、非日常や不条理SFといったテーマを扱い、各話たった8ページの漫画でありながら、しっかりオチが付いているという、「世にも」との相性がかなり抜群の内容であるとのこと。面白そうなので、早速これを書いている最中にAmazonカートに入れてしまいました(^^;)

 

脚本は、2007年の「自販機男」を手がけられた加藤公平さん。2011年秋のストーリーテラーパートを除けば、実に6年ぶりの参加となります。近年ではテレビ東京宇宙犬作戦」TBS「オルトロスの犬」、フジテレビ「女医・倉石祥子」シリーズなどを執筆されていらっしゃる様ですね。前回の「自販機男」といい、今回も哀愁漂う中年男性を描いた作品になるようですが、前作の完成度から見ても、外す事はまず無いでしょう。楽しみです。

 

演出はお馴染み植田泰史監督。10月8日スタートの「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」にも参加されています。番組では「イマキヨさん」「さっきよりもいい人」「JANKEN」「ワタ毛男」や前回の「石油が出た」などを手がけられており、基本的にはコメディ系の得意な監督さんであるというイメージが強く、今回も中年+奇妙なアイテム物と言うことで面白さは十分期待できるんじゃないかなと。

 

2000年代の新演出家四天王との呼び声もある、安心と信頼の植田監督演出作品。今回も、しっかり仕込んでいるであろう、"小ネタ"にも要注目です!

◆ 第4話 「仮婚」

主演は2007年の「未来同窓会」以来6年ぶりの出演となる石原さとみさん。

ここ数年の女優さんは初主演の方ばかりだったので、当時以上に実力を高めた石原さん久々の奇妙に期待したいですね。

 

脚本は「ある日、爆弾がおちてきて」と同じ和田清人さん。前回の高山直也さん同様にひとつの回で2作を手がけられる様です。こちらは今回のSPで唯一のオリジナル作品であり、「相席の恋人」の様なハートウォーミング物の様なので、心温まる物語が楽しめそうですね。

 

演出は、今回「世にも奇妙な物語」初参加となる元村次宏さんが担当。過去には「学問ノススメ」「土曜ワイド劇場」といったドラマの演出を手がけられています。調べてみると、2008年の「どつきどつかれて生きるのさ」の大阪パートを制作した東通企画の東京支社に所属されているということで、ゲストで参加ということなのか、久々の外部制作作品が登場することになるのか、その辺も気になるところです。

◆ 第5話 「0.03フレームの女」

主演は「ピカルの定理」といったバラエティから「純と愛」などのドラマ、竹中直人さんとの共演が印象的なモビットのCMと、幅広く活躍されている女優、夏菜さん。番組定番のホラー+若手女優ということで、普通のドラマでは見られない恐怖に怯える彼女の演技はファン必見間違いなし。

 

原作は、小中千昭さんの同名小説から。

小中さんと言えば、Jホラーファン、特撮・アニメファンには大変有名な脚本家であり、「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンガイア」といったウルトラマンシリーズや、「デジモン」シリーズ、フジのノイタミナ枠で放送された「怪 ~ayakashi~」「モノノ怪」、さらに今ではお馴染みの「ほんとにあった怖い話」の源流となったオリジナルビデオ版や、テレビドラマ版「学校の怪談」などなど、幅広いジャンルで、各界のファンから人気の高い&各方面に大きな影響を与えてきた作品を多数手がけられてきています。

また、小中さんはデビュー間もない頃「世にも」の第1シリーズ「屋上風景」に脚本として参加されたことがあり、番組に関わるのは実に23年ぶり(!)。現在のJホラーの基礎を作ったホラーの名手が生み出したストーリーが、どのように番組と絡み合うのかに注目したいですね。

 

脚本は昨年「蛇口」を手がけられた北川亜矢子さんが1年ぶりに担当。

最近では「ショムニ2013」などのドラマでお見かけする機会も増え、着々とキャリアを積まれている北川さん。女性ならではの感性で、原作をどのように脚色していくのか、その辺りに大いに期待したいと思います。

 

演出は昨年の秋SP「心霊アプリ」から今回で3回連続参加となる松木創さんが担当。

過去2作で早くも「世にも」のホラー担当のイメージが付いてきた松木監督ですが、今回もホラー系とのこと。ホラー物を同じ監督が何回も続けて演出するというのは、近年ではまず無かった事なので、スタッフは、落合監督に続く新たなホラー担当者をじっくり育てていく腹積もりなのでしょうか?

松木監督は前回前々回を経て、番組のテイストに合ったホラー演出のスタイルを徐々に確立していっている感があり、今回3作目のホラーとなる本作は、今後ホラー担当として定着するかどうかの大きなターニングポイントとなりそうな予感がしており、かなり注目していたりします……!

最後に

以上が、今回放送される5作品のキャスト・スタッフに関する情報と個人的な注目ポイントとなります。

 

ちなみに今回の中で私が特に注目しているのは、

香取慎吾×石井克人のシュールな妄想世界が楽しめそうな「水を預かる」

ラノベ原作となる青春SF作品ある日、爆弾がおちてきて

松木監督のホラー第3作目となる「0.03フレームの女」の3つ。

 

今回は、原作付き作品が4つと、比率の高めな回ではありますが、あくまでストーリーの面白さを優先した結果だとすれば、こういうのも悪くはないかもしれませんね。出演者も、内容も相変わらず多種多様。ベテランから新顔まで奇妙な世界の彩りがまた少し鮮やかになりそうです。

 

前回の印象が良かっただけに、秋SPに対する期待も不安も半々といったところですが、ひとまずは、純粋に約半年待ち焦がれていた新たな5つの"奇妙な物語"を楽しみたいと思います。

 

世にも奇妙な物語 '13秋の特別編」は10月12日(土)夜9時放送です。お見逃しなく!