前回に引き続き、韓国リメイク特番『金曜サスペンス』の話題です。
今回取り上げるのは、第1話「ミッドナイトDJ」。当初放送予定だった「エキストラ」が、ジャニーズ事務所からのクレームによってお蔵入りとなったため、その代替として制作された作品です。
1回にまとめる予定だったのですが、ちょっとボリュームが増えてしまったため、前後編に分けて、簡単にご紹介。
主人公の榊原達彦こと"カン・ジュノ"を演じるのは、歌手兼俳優のシン・ソンウさん。日本公式ファンクラブもあるので、いわゆる韓流スターの一人ということみたいなですね。
オリジナル版と違い、韓国版での主人公の口ぶりは比較的穏やか。敬語も度々使っているようで、いわゆる慇懃無礼な言い方をする人物として描かれているようですね。
続いて重要人物の1人、村瀬基美こと"アン・ソニョン"を演じるチョン・カウルさん。オリジナルとほぼ同じ服装をしているのがニクいですね。
こちらは、電話を繋ぐリスナーを選択する画面と、ボタン。
オリジナル版の制作から8年経っているだけあって、小道具もだいぶ今っぽくになっています。
電話をかけようか迷っているソニョン。見ると、毛糸の色がオリジナルの黄から赤になってますね。
また、このシーンではクーデター妄想を語る学生との会話が続いているのですが、オリジナル版の熱の入った演技とは異なり、いささか棒読み気味です(^^;)
プロデューサーから苦言を呈されるシーン。
台本ではオリジナル同様にスーパーマンの例を挙げて釘を刺すのですが、聞いてみてもそれらしき単語は出ず。恐らく台本とは違う台詞を言っているのではないかと推測されます。
そして後の伏線でもある、ボタンの謎の故障シーン。さらに、ADが帰り際にドアを閉めると、おもむろに主人公が立ち上がり……
扉を開けるとADの姿はなく、そこにはオペレーターが。
驚くジュノ。この部分に関して、リメイク版台本には『予兆』と書かれており、今後を暗示するような場面と位置づけられている模様。
ここで登場するのが、オリジナルにも登場するセロハンテープの指巻き。
オリジナルでは精神が不安定になるたび巻いていきますが、韓国版ではワンシーンだけの登場となっています。
電話をかけるソニョン。たどたどしい口ぶりはオリジナルの管野美穂を相当意識しているのでは。
「学校に行きたくない」と言う彼女を馬鹿にするジュノ。毛糸を指に巻くシーンもしっかり再現。
ソニョンが電話を切り、気まずい空気の番組スタッフと悪びれていないジュノ。
鏡の前に立つソニョン。置かれているマリア像がなんとなく今後を予感させます。
オリジナルではこの間、ゲイの男性との会話が続いており、韓国版の台本にも同様に書かれていたのですが……実際の映像では『上司との職場恋愛を相談する女性』に変更されています。
そして物語は佳境に。占星術師を名乗る男からの電話がかかってきます。展開も台本に忠実のようで、超能力の話題に移っていきます。
オリジナルでは台詞のみだった主人公の暮らしぶりを言い当てていくシーン。リメイク版では映像が出るようになっています。
左の画像は、台本だと「焼きたてのパンを売るようなお店」でしたが、これは……パン屋なんでしょうか。韓国語が聞き取れないため本当にパン屋なのかどうなのかは不明です。
ちなみに店名にモザイクがかかっているのは、どうも韓国では商品名や企業名を出す間接的な広告が厳しく規制されているそうで、そのための処理だと思われます。
調べて見ると日本に入ってきているドラマにも同様の処理が行われている物もあるんだとか。酷い場合は本放送の段階でモザイクが入ることもあるそうで……なんだか複雑な気分になりますね。
キッチン、そして妻と息子の眠っている姿。
時間帯は夜なんですがおもいっきり昼間。画面として見ると明るいほうが正解ではあるんでしょうが……ちょっと違和感を感じたりも。
ガス漏れを指摘され動揺するジュノと、息子のジフンくんの寝顔。
オリジナルでは、公表していない息子の名前を男が語った直後、主人公がCDを乱暴に突っ込み、ブースを飛び出すというかなり緊迫した演出となっているのですが……
ゆっくりCDを入れ……
ゆっくりブースを出て……
ゆっくり電話をかけます…(笑)
このように、テンポを早くして緊迫感を出しているオリジナルと比べ、韓国版は全体的にゆったりとした演出が目立つ印象を受けました。お国柄の違いなんでしょうかね。
というわけで、リメイク版「ミッドナイトDJ」前編はここまで。
この先の展開はリメイク版ではどのようになっているのか…気になる答えは次回、後編で。