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「知らなすぎた男」日韓比較

前回の記事にも書いたとおり、ようやく入手できた韓国リメイク版「誰も知らない話」のDVD。

 

あれから連日、素早く流れる小文字のスタッフロールを凝視してハングルを一文字ずつ解読し、翻訳した後データ収集するという苦行にも似た作業を行ってきました。今年は当分ハングルは見たくないですね…(笑)

 

 

では本題に入りまして、今回は予告通り『だれも知らない話』の本編に切り込んでいきましょう。まずは第1話「知らなすぎた男」の日韓版をそれぞれ比較しながら、その違いを簡単にご紹介。

 

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まずは見れば分かる通りタイトル画面。(以降の画像は全て、左が韓国、右がオリジナルとなっています)

 

主人公の諸沢英次は、韓国版ではカン・ソンウォンと言う名前に。オリジナルでは佐藤浩市さんが演じていましたが、韓国版ではチェ・ソングクさんが演じられています。

 

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まずは冒頭の煙突を昇るシーン。


日本版ではタイトル前の幻想的なシーンになっていますが、一方の韓国版では軽快な音楽と共に、煙突に登った主人公が「愛してる」と書いた垂れ幕を広げるという、情熱的な改変が行われています。

 

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続いては主人公の(実際の)妻。

 

オリジナル版の夫婦仲がかなり冷え切っているのに対し、韓国版は主人公が一方的に妻に対して幻滅しているといった印象を受けます。

 

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お次は主人公の職業。オリジナル版の職業は消防士ですが、韓国版では自動車修理工場の工員に改変されています。

 

とはいえ、展開自体はオリジナルと同じなので改変する意味もあまり感じられず。

 

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続いて、主人公の同僚がポジティブシンキングを実践したことによる幸運が舞い込むシーン。

 

オリジナル版をご覧になったことのある方は、主人公が酒場でポジティブシンキングというものを教えられる場面を覚えておいででしょう。そこで『あんな良い女が俺を見たということは惚れている』という話を同僚がしてくる訳ですが、展開としてはそこで終わってしまいます。

 

その後、火災現場で奮闘してペットを助けたことで家人から礼金を手に入れてみせるという流れになっていますが、韓国版ではその話をした後に同僚が実際に女性を口説きに行くシーンが付け加えられ、見事に彼女をゲット……というスムーズかつ自然な改変が行われています。

 

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続いて、ポジティブシンキングを実行してから出会う第2形態の妻。どちらも妻の職業は看護師となっており、展開もオリジナル版に忠実となっています。

 

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そしていよいよ登場するのが、最終形態の妻。


どちらにも化物の扮装をしている初登場シーンが存在していますが、オリジナルでは子供の首を絞める真似をするショッキングシーンだったのに対し、韓国版では子供を追いかけているだけの非常に微笑ましい物に。個人的にはこっちの方が自然かなという気も。

 

その後、シャワーのサービスシーンに進むわけですが、日本版が比較的セクシー風味に撮影されているのに対し、韓国版では規制の問題か、足に水をかけているだけのような淡白な撮り方に……(^^;)

 

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今度は主人公の娘の比較。まず韓国版の年齢が大幅に下げられています。この改変により、オリジナルにあった娘の意味深な行動がバッサリとカットされ、ごくごく無邪気な子供といった描き方に。

 

そしてもうひとつ大きな違いとなっているのは、ザリガニを飼っていないこと

 

ザリガニの登場をカットしたことにより、オリジナル版にあった『夫婦のベッドシーンの最中、主人公のアソコをザリガニが挟んでしまう』というコミカルなシーンも消滅。韓国版ではベッドシーン自体も大幅に改変され、『押し倒すものの、ふと思い立って辞めてしまう』というものに変更。

 

以前聞いた話では、韓国内で『クレヨンしんちゃん』が放送される際、しんのすけが下半身を丸出しにする描写が100%カットされているらしいので、元々お色気ネタや下ネタにかなり厳しいお国柄なのでしょう。

 

 

その後は離婚を取り止めにすることを決意する主人公という流れになりますが、オリジナルにも出てくるレストランに向う最中、主人公が道端で離婚届を破り捨てて、宙に放り投げる様をスロー処理とカッコイイBGMでじっくりと見せるという、いかにも韓流ドラマ然とした追加シーンが……(笑)

 

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そして、いよいよネタバラシとなる煙突シーン。オリジナルはやや不気味な演出となっていますが、韓国版では若干コミカルな味付けが施されています。(画像ではわかりにくいですが)

 

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最後はラストシーンである主人公の遺影。


オリジナル版のザリガニをカットしたことにより、元のコミカルな雰囲気から一転、ブラックな雰囲気で終わるというものに。もしこれがオリジナル同様『妻と娘からも嫌われている父親』という設定であったら、韓国版はかなり後味の悪い印象になっていたでしょうね。 

 

 

以上、日韓両国の「知らなすぎた男」比較でした。


細かい部分ではお国柄の違いが出るものの、元の脚本にあった部分を上手く脚色している部分もあり、「世にも奇妙な物語の公式リメイク」としては十分な出来となっているのでは。ただ、できることなら字幕付きで見たかったですが……(^^;)

 

次回は第2話「レンタルラブ」の日韓比較を行う予定。こちらも面白い違いが色々出ています。お楽しみに。