世にも奇妙な物語 ブログの特別編

「世にも奇妙な物語 ファンサイトの特別編」管理人のブログです。

"幻"の特別編大公開!

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本日4月19日で、我らが「世にも妙な物語」も、放送31周年。

そして、当『ファンサイトの特別編』も無事(?)17周年を迎えることとなりました。

 

思えばこの17年間、ネット上に存在しなかった『世にも奇妙な物語』の貴重なデータやエピソードを収集しては、サイトやブログで公開してきました。足と時間と金銭を使って苦労して集めたのに、公開直後にWikipediaへすぐさま転載されてしまうのも日常茶飯事でしたが、そのおかげ(?)か、開設当初からの『世にもファンの知識を底上げすることで、ディープなファンを増やしたい』という狙いも、17年前と比べると十分成功しているようで何よりです。

 

しかし、それだけ経っていても、未だ『奇妙な世界』は謎に包まれていることだらけ。現在調査中のデータや情報も、10や20どころじゃありません。

 

……が、それでも地道に地道に番組の情報を集めずにいられないのがマニアの性。『コケの一念岩をも通す』という諺もあるように、地道にやり続けていると、ひょんなことから重大な発見や情報提供がもたらされることも往々にしてあったりします。

 

つい最近も、長い間『幻』であった、とある回の全貌が明らかになる出来事がありました。その回の名は──

 

 

『世にも妙な物語 10年目の特別編』

 

 

「映画の特別編」公開当日の2000年11月3日、深夜に放送された15分の番組です。

 

もちろん、時期的に考えて、劇場版の宣伝に絡めた番組であろうことは容易に察せられます。「ああ、よく映画の公開前にやってるミニ特番みたいなやつね」と。

 

ところが、当時告知らしき物は一切行われず、(当時を含む)ネット上にも視聴率情報以外の詳細が一切存在していません。2ちゃんねるの過去ログを調べてみても、見たという人の書き込みは皆無。

 

私自身も、この回の存在を知って以降、サイト上で呼びかけたり、マニアを自称する方々に尋ねてみるなど、10年ほど調査を続けてきたのですがこの回を見たことがある」「録画を持っている」という人間がまったく見当たりません

 

内容も内容ですし、時間帯も時間帯。これはもうタイムマシンでも無い限り、内容を把握することは不可能なのではないかと諦めかけた時。『録画を持ってます』というファンの方と奇跡的にコンタクトを取ることが出来、遂にその全貌が明らかになりました!

 

そこで今回は、その方のご厚意により提供していただいた画像やナレーション・番組構成データを基に、謎に包まれていた『10年目の特別編』と、HP開設17周年記念のオマケとして、劇場版の宣伝用にTSUTAYAで独占レンタルされていた超レアビデオ『無料ビデオの特別編』の内容を大公開致します!

 

以前から気になっていた方、実は見たことがあった方、全然知らなかったけれど、興味のある方……お待たせしました。世にものディープな世界を是非、ご堪能ください!

◆ 『10年目の特別編』書き起こし

 

映画予告 (奇妙にハマれVer.)


ナレーター(平井誠一)
「全ての物語は、ここにある……」

 

《劇中映像より》

タモリ『私もその話は知っています……どんな話を?』 

 

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『世にも妙な物語 10年目の特別編』

 

 

ダイジェスト映像 (1990~1992年)

「代打はヒットを打ったか?」「幸福の選択」「女優」「リフレイン」「妄想特急」

 

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ナレーター「振り返ること10年前、1990年にスタートした世にも妙な物語。それは奇妙でこそあれ、奇をてらった単なる驚かしではない。まったりと歪み、しみじみとひずむ、現実との交錯の物語なのである。それゆえに、奇妙な物語として描かれていたものが現実となり、また、なりうる状況へと変化し、我々が直面することとなった作品も多い」

 

『サブリミナル』映像

 

ナレーター「92年12月に放送された『サブリミナル』。高齢者の自殺が激増していることを不審に思った新聞記者が、テレビCMに隠された恐ろしいメッセージを発見する」

 

《『サブリミナル』劇中映像より》

西村「劇映画のスクリーンにその映画とは関係のないカットが短く映し出された。それは『ポップコーンを食べよう』などというメッセージで、その日売店での清涼飲料水とポップコーンの売上が急上昇した。意識下にこのメッセージが植え付けられたからである」

 

『サブリミナル』ラストシーン

 

ナレーター「このサブリミナルは、今では現実に影響があるものと認識されている」

 

『完全治療法』ダイジェスト映像

 

ナレーター「ガンに侵された体を人工冬眠させて未来の治療を待つという『完全治療法』。全身の型を取り、見事なクローンを作り出している」

 

ダイジェスト映像 (1994・1996年)

「恐竜はどこへ行ったのか?」「ミッドナイトDJ」

 

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ナレーター「さらに世にも奇妙な物語では、単純に奇妙イコール怖いだけでない様々な奇妙が存在するのも特徴である」

 

『ダジャレ禁止令』ダイジェスト映像

 

ナレーター「ダジャレ好きなサラリーマン。ダジャレを禁止された日常はどうなるのか。このおかしさもまた、奇妙である」

 

『さよなら6年2組』ダイジェスト映像

 

ナレーター「そして、本当に泣ける奇妙も登場した」

 

第3期OPよりタモリ猫化シーン

 

ナレーター「世紀末、西暦2000年。我々を待ち受ける世にも妙な物語とは一体──」

 

提供読み~CM

 


 

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ナレーター「現実世界との奇妙な交錯を描く世にも妙な物語。我々が生活する現実世界も、ふとした瞬間に交錯し、奇妙な物語へと迷い込むかもしれない」

 

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ナレーター「世にも妙な物語の放送開始から10年、これまでテレビシリーズでは実現不可能であった4つのエピソードの映画化がついに実現した。それが『世にも妙な物語 映画の別編』である」

 

 『雪山』ダイジェスト映像

 

ナレーター「吹雪の中、旅客機が墜落。奇跡的に生き残った5人は近くの山小屋へと向かうが、足を怪我した1人を見捨ててしまう……」

 

ナレーター「『雪山』では、これまでの奇妙な物語の手法であったラストのどんでん返しに新たな工夫を凝らしている」

 

『携帯忠臣蔵』ダイジェスト映像

 

ナレーター大石内蔵助は迷っていた。できれば討ち入りなどはしたくない。そんな時……携帯電話を手にした内蔵助の運命が動き出した」

 

ナレーター「世にもコミカルな感動作が、ここに完成!」

 

『チェス』ダイジェスト映像

 

ナレーター「チェスの駒同士が本当の殺し合いを進めていく、狂気のゲーム」

 

ナレーター「チェス盤の上に人生を描く、世界がチェス盤であるかのように──」

 

『結婚シミュレーター』ダイジェスト映像

 

ナレーター「結婚にもお試し期間があったら……それがモチーフとなった作品」

 

ナレーター「相思相愛の2人にも、予期せぬ出来事が山積みだった──」

 

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ナレーター「あまりにショッキングなホラーゆえにテレビでは実現しなかった『雪山』。奇妙史上初の本格的時代劇『携帯忠臣蔵』。膨大なスケールと予算をかけ遂に完成した『チェス』。練りに練ったラブストーリー『結婚シミュレーター』……4つの奇妙な世界が、今スクリーンサイズで描き出された──」

 

CM

 


 

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提供読み~END画面

 

◆ 『無料ビデオの特別編』書き起こし

 

映画予告

 

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ナレーター
「1990年からテレビ放送された『世にも妙な物語』。最高視聴率25.2%、平均視聴率20%以上をマークし、熱狂的な支持を受けた」

 

 「世にも妙な物語」作品リスト

 

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ナレーター
「これまで210話以上が制作され、今もなお続く人気シリーズである。同時に北川悦吏子三谷幸喜岩井俊二飯田譲治君塚良一といった、現在テレビ・映画・舞台の第一線で活躍するクリエイターや人気俳優たちが登場した」


ナレーター
「そして10周年、映画の特別編を演出するのは、奇妙シリーズを代表する4人の監督」

 

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ナレーター
「コミカルな本格時代劇『携帯忠臣蔵』に、映画『GTO』、テレビドラマ『王様のレストラン』『ショムニ』の鈴木雅之監督」

 
ナレーター
「第2話となるラブストーリー『結婚シミュレーター』には、テレビドラマ『ショカツ』『コーチ』『ニュースの女』の小椋久雄監督」

 
ナレーター
「膨大なスケールのサスペンス『チェス』を、テレビドラマ『古畑任三郎』『いいひと』『ソムリエ』の星護監督が演出」

 
ナレーター
「ラストとなるショッキングホラー『雪山』を演出したのは、映画『パラサイトイブ』同じく映画『催眠』の落合正幸監督」

 
ナレーター
「さらに奇妙シリーズの顔、ストーリーテラータモリがお馴染みのテーマ曲と共に登場」

 

《『映画の特別編』劇中映像より》

 

タモリ「世の中には大きく分けて、2種類の人間がいます。物語を伝える人間と、それを聞く人間です。物語を伝える人間の中には、語ること自体が人生の全てになってしまった人たちがいます……ストーリーテラーと呼ばれる人々です」

 

タモリ「……どんな話を?」

 

 

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 『携帯忠臣蔵』撮影風景


ナレーター
「第1話となった鈴木雅之監督の『携帯忠臣蔵』。元禄14年、何故か携帯電話を拾ってしまった大石内蔵助、そして赤穂浪士たちの運命は果たしてどうなるのか。なんとも頼りない大石内蔵助を演じるのは中井貴一、その愛人かるに奥菜恵。『踊る大捜査線』の君塚良一が脚本を書いたシリーズ初の本格時代劇となるのが『携帯忠臣蔵』」

 

 『携帯忠臣蔵』紹介映像

 

 『結婚シミュレーター』撮影風景


ナレーター
「第2話は小椋久雄監督の『結婚シミュレーター』。結婚生活を疑似体験できるという式場のサービス『結婚シミュレーター』を試してみる2人。しかし、相思相愛の2人に予期せぬ出来事が起こってしまう。稲森いずみ柏原崇主演で送る『結婚シミュレーター』」

 

 『結婚シミュレーター』紹介映像

 

 『チェス』撮影風景


ナレーター
星護監督のサスペンス『チェス』。チェスの元世界チャンピオンを演じる武田真治、そして彼に挑戦する謎の大金持ちの老人に石橋蓮司。老人が挑むチェスとは現実の世界がチェス盤となり。駒同士が本当に殺し合う狂気のゲームだった。膨大なスケールと予算でテレビでは実現に至らなかったサスペンス『チェス』」

 

 『チェス』紹介映像

 

 『雪山』撮影風景

 
ナレーター
「第4話、あまりにショッキングなホラー描写のため、テレビシリーズでは制作できなかった作品。落合正幸監督、矢田亜希子鈴木一真大杉漣宝田明出演の『雪山』。ジャンボ旅客機が雪山に墜落し、生き残った5人は近くの山小屋へ向かう。
極限状態の中で彼らが見たものは……映画史上最も怖い25分『雪山』」

 

 『雪山』紹介映像

 

 映画予告 (「世にも映画」Ver.)

 

 『ビデオの特別編』告知

 

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ナレーター
「放送開始から10年……世にも奇妙なセレクション」

 

ナレーター「ビデオの特別編。11月15日、レンタル開始」

 

今回、『10年目の特別編』の情報提供&ブログでの掲載を快諾してくださった方、そして番組捜索のために呼びかけ等協力してくださった皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m

 

これからも引き続き、謎に包まれた番組の情報をひとつでも多く明らかにしていく所存ですので、是非今後とも『ファンサイトの特別編』並びに『ブログの特別編』をよろしくお願いいたします!

対談&30周年記念ラジオ紹介

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新年あけましておめでとうございます。昨年も毎度のように、世にもファンの方々には大変お世話になりました。本年も、当『ファンサイトの特別編』をどうぞよろしくお願いいたします!

 

さて新年一発目となる今回は、昨年12月に番組テーマの作曲家である蓜島邦明さんのラジオ番組『蓜島邦明のラッタラッタラ』で行われた番組特集回を書き起こしでご紹介していきたいと思います。

 

◆ 2020年12月22日 放送分より

 

12月22日放送分は、蓜島さんの友人でもあり、番組でも「常識酒場」「トラブルカフェ」等を手掛けた飯田譲治監督との対談。

NIGHT HEAD』の話が中心ではありますが、世にもに関する話題もチラホラあったため、その辺りを抜粋してご紹介。

 

 

蓜島えー今週は映画監督の飯田譲治さんのお宅に押しかけまして、ラジオ録音させていただいたものなのですが。まあ対談と言いましょうかね、部屋の中で足を投げ出してですね、2人で外の公園とか芝生の上でよくやるパターンの座り方なんですけど。

 

そういう感じで、一時リラックスモードでですね、色んなお話をお伺いさせていただきました。 『NIGHT HEAD』のことや『世にも奇妙な物語』のことも色々含めまして、非常に楽しいお話し合いで。 是非皆さんに聞いていただきたいと思います。飯田譲治監督

 


 

蓜島「今週は映画監督の飯田譲治さんのお宅に押しかけて、今録音させてもらっていますけど」

 

飯田「もう始まってんの?」

 

蓜島「もう始まってんの(笑)」

 

飯田「(笑) 久しぶりだよね、蓜島さん」

 

蓜島「何年ぶりですかね、もう」

 

飯田「会うのはもう10年どころじゃないでしょ?」

 

蓜島「えっ、そんな経ってますか?飯田さんがちょっと前に舞台やってたじゃないですか。中野?の時行った気がするんですよね」

 

飯田「そうだっけ?」

 

蓜島「うん、落合(正幸監督?)さんと一緒に行ったんですよ」

 

飯田「あ、そっかそっか。あれな」

 

蓜島「あの時見さしていただいて、それからですからね。3年? もっとか」

 

飯田「6年とか……あ、5年」

 

蓜島「あ、5年ぐらい? ほんとにまあ。元々『世にも奇妙な物語』をやらせてもらったのは、この飯田譲治監督のおかげで。共同テレビに言っていただいて」

 

飯田「そうだよ、蓜島さんの今があるのは俺のおかげだよ(笑)」

 

蓜島「そう、そうなんですよ(笑) 飯田さんのおかげなんですよ。ほんとに。冗談抜きで」

 

飯田「でもタイミングだからね?」

 

蓜島「そうですね。あの頃って深夜番組とか結構面白いのばっかりやってたじゃないですか」

 

飯田「そうそう、自由だったんだよ」

 

蓜島「その自由なのがすごいの生み出したんですよね。でまあ『NIGHT HEAD』もそうだし『世にも』もそうだし……『NIGHT HEAD』行きましたね。来年アニメやられるという」(筆者注:2021年7月放送予定の『NIGHT HEAD 2041』)

 

飯田「そうそう。でもあれは、俺は脚本に専念したというか」

 

蓜島「なんかいきなり未来行っちゃったんでビックリしちゃって」

 

飯田「そう、未来の話なんだよ」

 

蓜島「あのね、ちょっと前からみんな『NIGHT HEAD』のトヨエツ(豊川悦司)と武田真治の今が見たいって言う(声が)すごく多いんですよ。それだったら全然応援するっていう人たちが多くて……どうなんですか、今やられるの」

 

飯田「いや、実は実写でリブート版作りたいって話はしてるんだけど、まだ(企画が)動いてない」

 

蓜島「結構世にもファンとか、あの辺を見てた人達はかなり熱があって。クラウドファンディングやられても集まる気がすごいあるんですよ」

 

飯田「いやークラウドファンディングでやっちゃダメでしょ?(笑)」

 

蓜島「……と、いうあれもあるということを言っただけで(笑)」

 

(中略)

 

蓜島「『NIGHT HEAD』から出てった監督たちは今すごいじゃないですか。本広(克行)さんにしろ何にしろ。みんな結構良い所行ってしまって。 飯田さんも、みんなあそこらへんから上がってますよね。『世にも』が出発点の部分もあるんですよね」

 

飯田「そうだね。その前の『奇妙な出来事』ってのがあって、それで呼ばれてやって。それが『世にも奇妙な物語』になって。で、『世にも奇妙な物語』の中でやったドラマを『NIGHT HEAD』の原作にして出来たから。振り返ってみると企んだわけじゃなくて……自然な流れだったのかなって」

 

(中略)

 

飯田「(監督デビュー作の話から)『奇妙な出来事』が『世にも奇妙な物語』になるっていうんで。 で、作曲家探してるとかいうから。ちょうどほら、蓜島さんがあの時に三上博史の曲とか作ってたじゃん」

 

蓜島「あ、やってましたね」

 

飯田「あれ俺にくれたりしてたから。俺それ持っててさ、共テレに。で、『この人面白いよ、この人でやろうよ』つって俺言ったんだよ。 そしたらさ……今考えられないよ? だって、インストをメインテーマにしたんだもんね」

 

蓜島「そうですね(笑) テーマ出来上がるのに30曲ぐらい作ったような気がする」

 

飯田「でも今じゃもう、ね? あの曲を知らない日本人はいないって感じでしょ?」

 

蓜島「そうみたい……そうみたいっていうか、そう(笑) 30年やってたら刷り込みますよ」

 

飯田「30年続く番組の音楽を作ったっていうだけですごいよ? (笑)」

 

蓜島「いや、ほんとにね。みんなギターで弾いてもらって、YouTubeにあがってたりとかしてるんだけど、みんないつも一音が違うっていう(笑)」

 

飯田「ハハハ(笑)」

 

蓜島「実はね。あるんですよ、そこが(笑) あれね、即興で手弾きで作っちゃったんですよね。だからテンポとかズレてんですよ、最初の方。だからそこが気持ちいいんですよ。やっぱり生じゃないと」

 

飯田「いいね、70年代の。打ち込みと違う感じ(笑)」

 

蓜島「そうそうそう。バンドはさ、最初のテンポと終わったテンポで違うんだよ。それがカッコイイんだよ、ノリで(笑) そういう風に作っちゃったやつがみんな、タモリさんのテーマにしろ、あの時はすごかったですね」

 

飯田「面白かったよね」

 

蓜島「あの時代は監督とかプロデューサーも変わった人たちが多かったような気がするんですけど。勢いがあったっていうのかな。新しいものを生み出そうという、面白いもの出来てますね」

 

飯田「今と違うのはやっぱり、上の人の顔色窺ってなかったよね、みんな」

 

蓜島「そうですね、嫌なものは嫌だったっていう気がする。色んな監督もいましたけど、『世にも』やった時は5人の監督の意見を聞いて作んなきゃいけなかったっていう(笑)」

 

飯田「アハハ(笑)」

 

蓜島「それがまた、凄まじい人たちばっかりなんでもう……(笑)」

 

飯田「ほんとあれだよね……よくあの予算でやってたよね?」

 

蓜島「ほんとですねえ。まあ一時期は結構な予算で作ってたけど。なんかね、今年『世にも』が30周年なんで。キー局(フジテレビ)は何も……スルーをしよう(という風に見えた)というか、なんというか」

 

飯田「なんでだろうね?」

 

蓜島「うーん、コロナになってしまったし、予算も無くなったし……って色々あるかもしれないし。ただ今やってる『世にも』より、昔の脚本がすごかったような気がするんですよね」

 

飯田「なんだろうね。やっぱホラ音楽と同じでさ、マニュアルが出来るまでが面白いよね」

 

蓜島「うんうん、ですね。今ひとつ脚本がこう……若い子に合わせるという言い方は変ですけど。なんですかね、時代に合わせる?」

 

飯田「なんかこう、ルールが出来上がってて。そのルール通りにやることが正しいことみたいになっちゃうと、そっから面白くなくなるんだよね」

 

蓜島「それ役人仕事みたいじゃないですか。大体ホラ、創造していかなきゃいけないのが本来の筋で。なんか規定のもので売れるからってんで、そればっかりになっちゃってると……なんかねえ?」

 

飯田「そうそう。そうすっと面白くなくなってきて、だんだん違うのが突然出てくるとそっちが流れになったりするんだよね」

 

◆ 2020年12月29日 放送分より

 

続けて昨年12月29日に行われた世にも特集を。30周年記念として約1年ぶりとなる世にも関係の特集でしたが、既出音源がほとんどで初出のものは一部のみ。

 

そして、気になる30周年記念サントラについての言及もされましたが……。

 

「ガラモン・ソング」(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「えー『ラッタラッタラ』。今週はですね、『世にも奇妙な物語』30周年になるんですね。30年間、このテーマ曲を聞いていただきまして、本当にありがとうございます。今年ももう終わりなのでございますが、テレビの方では30周年記念ということも、何も出来ませんで。コロナの影響ですねえ…。寂しい限りですね。

 

えーそれでですね、30年間色んな劇伴を作っておりまして、その中で最近見つけ出しました劇伴を聞いていただいて、こうだったと、あれだったんだなと思い出していただこうと思いまして。これはCDにしたかったんですね色々と。ま、それも叶わぬことになっております。いずれは色んな劇伴を集めた世にものCDを出したいと思っておりますが……。

 

とりあえずですね。ここでしかもう聞けないと思いますね、こういう劇伴。まず映画の劇伴というのがCDに出来ないので。映画でですね、『世にも奇妙な物語』でやりました『携帯忠臣蔵』というものなんでございますが、中井貴一さんが主演でしたね。それでは、映画バージョン、『携帯忠臣蔵』」

 

「携帯忠臣蔵(映画の特別編「携帯忠臣蔵」より)

 

蓜島「えー『世にも奇妙な物語』の『携帯忠臣蔵』映画バージョン。世にもの本格時代劇のやつでございますが。吉良上野介の討ち入りに悩んでおりました大石内蔵助がある日、携帯電話を拾った所から話が始まるんですね。

 

次はですね。『望みの夢』という……これはテレビの中で放送しましたね。私が好きな劇伴ですね。『望みの夢』」

 

「望みの夢」('97秋「望みの夢」より)

 

蓜島「『望みの夢』、星護監督だったと思いますが。『望みの夢』ね、これ結構手こずって作った曲ですね。

 

えー次はですね、本当に世にも初期の頃の作品でございまして。『噂のマキオ』とか、一番最初に世にもが放送された時に入ってたやつですね。あと、双六の話ですね。それを混ぜたやつの劇伴でございます」

 

「セリフ劇場 (噂のマキオ~楊貴妃の双六~悪魔のゲームソフト)」(「サウンドトラック」より)

 

蓜島「30年前なので、ゲームソフトの音が古いですねえ。ああいう電子音の感じで作ってたんですね。

 

えー、それでですね。世にものクリスマスバージョンってのがありまして。クリスマスバージョン、ちょっと聞いていただけますでしょうか」

 

「ガラモン・ソング (クリスマスVer.)」('96聖夜の特別編より)

 

蓜島「世にもの聖夜バージョン。特別編のOPで作ったやつですね。次はですね、『ブルギさん』。『ブルギさん』お聞きください」

 

「ブルギさん」('95冬「ブルギさん」より)

 

蓜島「えー次はですね……『さとるの化物』」

 

「さとるの化物」('00秋「さとるの化物」より)

 

蓜島「当時はですね、5人の監督を相手にして、5パターン、色んなパターンを作んなきゃいけなかったんですね。それぞれ番組の内容によって、色んなものをね……作らさせていただきました。

 

最後にですね、映画のラストにかかってたんですが……これはですね、ダンスバージョンという形で『世にも』を作りたかったので、ダンスバージョン作ってしまったんですね。

 

30年間、本当にね……(楽曲を)聞いていただいて、ありがとうございます。来年もよろしく。来年も良い年だね」

 

「ガラモン・ダンス(劇場版ver)」(「映画の特別編」より)

 

 

というわけで、貴重な音源が多数放送されたわけですが……30周年記念サントラ盤企画が白紙になってしまったらしいのが本当に残念……!(T_T)

 

サントラの発売を心の支えのひとつに2020年を生きてきただけにショックも半端ないですが、こうなれば5年後、来る世にも35周年に向けて、より一層頑張らなければなと思いを新たにすることしかできません、はい。

 

そんなやがて来るであろう嬉しいサプライズの到来に期待しつつ、改めまして本年もどうぞよろしくおねがいします!

'20秋の特別編 感想

前回のEDで発表されていた『'20秋の特別編』の放送が終了しました。

 

前代未聞の春&秋同時撮影という衝撃のチャレンジにより、コロナの行方がどうなろうとも放送が決まっていることは本当に救いでした。そしてスタッフ・キャストの皆さんの遵法精神のおかげで「ほん怖」の二の舞にならなかったことも一安心! (よく知らない方はご自分で調べてみてください)

 

そんなわけで、30周年という記念の年を締めくくる今年最後のSP。今回も私の独断と偏見による感想を。評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「コインランドリー」★

原作は2019年にWebサイト『ジャンプ+』に掲載された鈴木祐斗さんの漫画「ロッカールーム」。公開直後からSNSで大きな話題となり、「世にも奇妙な物語みたい!」「世にもで映像化して欲しい」との声もあったため、当時読んだことがある方もかなり多かったのでは。

 

私は御存知の方も多い様に面倒くさいマニアなので、当時読んでみた際は「手堅くまとまってはいるけど『マジシャンのポケット』や『美女缶』とか似たようなネタの作品もあるし、オチも世にもに採用されるほどではないかな~ハハハ」なんてお気楽に判断していたんですが……とりあえず多くの方に土下座させていただこうと思いますm(_ _)m

 

 さて、そんなわけで原作を知った上での世にも版。「墓友」「サプライズ」の松木創監督3年ぶりの復帰作ということもあり、久々のブラックな松木ワールドを堪能できることを期待していました。序盤は所々ドキッとするカットもあって、十分楽しめていたものの……なんだか色々残念な仕上がりになってしまったような(- -;)

 

例えば、原作では仕組みを主人公がある程度把握した上で行動していましたが、ドラマではそこを完全に伏せたままどんでん返しに持っていくという構成に変更したため、やや終盤が説明過多になってしまったかなと。

 

また、ドラマでは原作での余韻を残すオチをバッサリカットして、真相が明らかになった所で突然ブツリと落とすという『昨日公園(2006)』的な『イヤ~な後味残し』の手法が取られたわけですが……どうも本作はそれがハマってないなと。

 

過去の松木監督作品は突然バッサリと終わらせる演出を割と行っており、それが良い効果を産んでいる時もありましたが、今回は3年前の「夢男」の時と同じく『そこで切るのはちょっと早すぎでは?』という印象を強く持ちました。「これからどうなっちゃうんだ…」よりも「えっ、ここで終わり?」感とでもいいますか。これなら原作のラストをそのまま付け加えていても良かったのでは。

 

さらに、原作をそのまま映像化するには尺が足りなさ過ぎるので、ヒロイン役を投入するという案は正しかったと思いますが……主人公の優しさに好感を持っていたとはいえ、数回会っただけの相手にあそこまで入れ込んで介入してくるというのは、さすがにちょっとアブない人なのでは…?と思ったりも。男から見たらちょっと怖いですよ。

 

そういったことから、個人的には演出以上にシナリオ面が難ありだったなという印象。種明かし後も『よくわからない』と言われるのを恐れすぎた筆致になっていたかなと。特にラストの「つまり、俺も……」というセリフはあまりにも野暮すぎるのでは。もしかしたらスタッフ側からの注文だったかもしれませんが、良い効果は生み出してなかったように思います。

 

近年関連記事などで「もっとわかりやすく!」という注文が付けられることがあるのは知っていましたが、いくらなんでも…というケースが度々出てくるのはどうにかしてほしいなぁと。(本作のオチがわからないという声もネット上にチラホラあったので、そういう時代なのかもしれませんが)

 

ここまで来ると、1991年の「そこでは、お静かに」や1992年の「おやじ」辺りの不親切ぶりが逆に愛おしくも…(^^;) 当時のスタッフも子供に理解できない内容でも放送するという目論見があったようですしね。

 

そんなわけで評価は厳し目に見て★1つ。脚本・演出・アレンジ、どれも同じ目的に向かって狙いを定めていたはずなのに、何故かすべてが上手く絡み合わない作品になってしまったなと。ファンにお馴染みの松木監督作ですが、個人的にはとても良い時と残念な時とのギャップが激しいのが長所でも欠点でもあるので、次回作では「墓友」「夢みる機械」のようなホームランを是非期待したいですね。

 

なお原作版はWebにて絶賛公開中ですので、未読の方は是非。

ロッカールーム - 鈴木祐斗 | 少年ジャンプ+

◆ 第2話「タテモトマサコ」★★★★

これまで「ニュースおじさん」「ボランティア降臨」に出演し、名作請負人と呼んでも差し支えないであろう大竹しのぶの主演作。私としても今回の大本命として期待してました。

 

率直な感想としては、やっぱり大竹しのぶ主演作にハズレ無し!

このインパクト、この圧。『番組史上最強の超能力系主人公』とのコメントに間違いはなかったですね。あまりに便利な能力すぎて『こんなの一体どうやって倒せばいいんだ!』と少年漫画を読んでるような気分になってしまいました。

 

序盤無口だった所から、突然饒舌になる演技の切り替わりもさすが名女優の風格。確かにこのキャラを大竹しのぶでキャスティングするしかなかったのも頷けます。

結局は己の力によって自滅してしまうというギリシャ神話のメデューサ的な展開になりましたが、ベタながらもカタルシスを感じる筆運びによってそこがバッチリハマって好印象。鼻血という視覚的効果も良いアクセントになっていたのでは。

 

僅かな不満点としては、やや間延びした部分があったことと、やや少年漫画的展開に重きを置きすぎていた部分もあったため、もう少し奇妙な世界観を堪能させてほしかったな~という所でしょうか。そんな部分もあり★4つ。

 

 

放送後はネット上でもかなり評判が良かったので、この調子で今後もこういった役者の魅力を引き出せる名作の登場に期待したいですね。

◆ 第3話「イマジナリーフレンド」★★★★

前回、姉の広瀬アリスに続いて、広瀬すずが番組初登場。演出が同じ植田監督であったためか、「しみ」と同じレストランをロケに使用するなど、隠しリンクを用意する小ネタもしっかり仕込んでいた模様(^^;) さすがです。

 

展開としては二転三転ありつつ、ハートウォーミングに落とすという手堅い作り。また、ここに来るまでの2作が良くも悪くもアクが強かったので、18年連続参加記録更新中のベテラン・植田監督らしい見慣れた画作りはホッと一息つくのにピッタリだったように思います。

 

特にユキちゃんをフルCGではなく人形の操演にした所が『そう!わかってる!』と力強く頷くばかりでした。

 

個人的に「メリーポピンズ」や九重佑三子版の「コメットさん」、ヤン・シュヴァンクマイエル作品といった実写に人形やクレイアニメを合成するタイプの作品が好きなこともありますが、私は「世にも」を『究極のB級ドラマ』かつ『片足は絶対に日常の領域に着いているべき』と思っている人間なので、大金をかけたハイクオリティな映像表現よりも、こういった一見チープに見えつつも現実味のあるアナログ演出の方がピッタリだと常日頃思っているんですよね。(たまにいくら何でも…という演出もありますけど(笑))

 

そういった映像の面白さもありつつ、世にもの王道的な展開とも相まって視聴後の印象は好感触。ただ、娘をあんな風に失ったのに、未だそこまで心を入れ替えてないっぽい母親のキャラクターは妙なリアルさを帯びていて「なんだかなぁ…」と思ったりも(^^;) まあ、でも主人公が笑顔になれたら良しですね! ★4つ。

◆ 第4話「アップデート家族」★★★

原作は『第2回 うすた京平漫画賞』にて準大賞を獲得したチョモランマ服部さんによる同名作品。

 

改めて原作を読んでみると「全部ドッキリでした」という、そのまま映像化するにはいささか雑すぎるオチになっていたため、ややブラックに脚色した判断は正解だったなと。(ちょっとだけ『マンホール』(2002年)のラストがチラついたりも)

 

放送時間も短めに、テンポ良くギャグを繰り出していくおバカ加減は、昨今の『世にも』ではお馴染みのシュールギャグコメディ枠としても、今回のシメとしてもピッタリだったように思います。★3つ。

 

なお、後で知りましたが、犬のコロンちゃん役ことハナちゃんは、ゲーム実況で有名なYoutuberの加藤純一さんという方の飼い犬だそうで、話によればスタッフから直接オファーが来たとのこと。Youtuberをチェックする世代が番組の中心部に来はじめているとは、今後の番組も色々変わっていくんだろうな~とちょっぴり感慨深くもなりました。

 

こちらの原作も、現在『ジャンプルーキー!』にて無料公開中なので、気になる方は以下のリンクからどうぞ。

アップデート家族 - ジャンプルーキー!

◆ 総評 ★★

というわけで、30周年記念となる最後のスペシャルが終わってしまいました。

 

まずは、年2回の放送が無事出来たことに対して、スタッフ&キャストの皆さんに本当にお疲れ様でしたと言いたいです。インタビュー記事等から窺い知れる撮影状況だけでも相当な苦労があったようですし、春頃は諸々覚悟していた部分もあったので、例年と変わらず2回のお祭りを楽しめたことには感謝の言葉しかありません。

 

その甲斐もあってか、前回に引き続き2桁を維持する10.1%という好視聴率を記録し、ドラマ部門第8位。さらに、一週間のフジテレビ全番組の中では第3位。平均視聴人数は759万人、1分以上番組を見た到達人数は1964万人でドラマ部門第1位。内容面でも特に『タテモトマサコ』の高評価の声がネットでも散見され、成績・内容共に一応成功したと言っても過言ではないでしょう。

 

ただ、やはり4話は物足りないかなというのが今回も。昨今のテレビ不況により番組制作費は10年前よりだいぶ下がってしまっているようなのですが、サクサク見れるテンポの良さはやっぱり大事にして欲しい……! ワガママなのはわかっているんですけどね……!

 


 

さて、ここからは今回どうしても言いたくなってしまった不満を。

いつも通り面倒くさい内容なので、興味ない方は読まなくて大丈夫です。

 

 

ではいきます。

まずひとつめは『30周年のお祝いムード』がほぼ皆無だったこと。

 

「世にも」は2000年の10周年以降、5年ごとに何かしらアニバーサリイヤーであることに触れてきたわけですが、今回は何故か番組内ではその件に関してほぼスルー状態。

 

コロナ禍もあり、予算削減もあり、25周年ほど大々的にお祝いできないことはわかっていたものの、テラーの口からでさえその辺りのことが一切触れられていないのはさすがに淋しかったですね。そこは撮影や予算関係ない領域ですし。

 

 

ふたつめは、『PR企画での西野ン推し偏重化の兆し』。

今年、広告関係者で知らぬ者はいないACC賞で銀賞まで取ってしまった西野ン企画。つい最近YouTuberとしてもデビューし、チャンネル登録者数5万人を突破するなど着実に結果を出している彼。

 

私も定期的に覗いては、動画を楽しんで見させていただいております……が、最近ちょっと西野ン周辺を見ていて「危険だな…」と思うようになってきていたり。

 

そもそも、ここ4年ほど「世にも」のPR企画周りを担当しているのは面白法人カヤックというイベント企画会社さんで、(私が調べた限りでは)番組スタッフは企画立案&運営に関してそちらにほぼお任せしてるようなんですね。

 

で、そこの世にも担当チームの方々が、どうも西野ンというキャラクターとその人気ぶりに感激してしまったせいか、思い入れがだいぶ深くなってしまったようなんですよ

 

あえてどなたかは申しませんが、西野ンの中の方も『ずっとこの仕事だけしていたい!』と言うほどの入れ込み様で。ご自分が以前から好きだという漫画や趣味のレトログッズ収集を西野ンの趣味として設定してしまうなど、このまま本当に西野ンになってしまうのでは?と心配するほどだったり。

 

もちろん、PRスタッフさんの頭の中には今後西野ンをさらなる人気キャラクターに仕立て上げて、番組PRを容易に行えるインフルエンサーに成長させる……という目論見もあると思いますが、最近のYouTubeを見ていると『西野ンファンとの交流が楽しい!』という方向性にどんどん突き進んでいて、PRを建前にした半ば趣味としての活動になってきている様相が……。

 

私個人も西野ンというキャラクターは好きですし、動画も面白いとは思っているんですが、今後のPR企画がそれ一辺倒になっていくならば非常に危険だなと。

 

マンネリへの懸念はもちろん、もしこれが今後『西野ンありきの企画立案』になっていくならば、これまで試行錯誤しながら様々なチャレンジを続けてきた『世にも』の精神にも反するんじゃないかなと。

 

もちろんPRはPRしてナンボですから、ウケる要素はどんどん使っていくのは企画会社として間違ってはいませんが、近年番組を構成する要素のひとつにもなりつつある部分で安易にウケを狙う方向に流れていくのは、本体にもあまり良い影響を与えないような気がするんですよね。難しい所ではありますが。

 

 

最後は、『横スクロール短縮ED』。

夏SPは次回予告があったための措置であろうことはわかっていたものの、そこは関係ない今回でもそこを踏襲しているのが地味にショックでした。

 

近年どんどん短くなるOPムービーや提供バックのコメント併記に加え、奇妙な余韻に浸れるEDまであっさり処理にされてしまうと、哀しくて……あまりに哀しくなってしまって、三日くらい引きずったんです!!! (T_T) 今でもまだ引きずってますけど。

 

いやね……気持ちはわかるんですよ。淡々とEDを流してたら視聴者が離脱してしまうので、このテレビ不況の中、何とか最後まで引き止めて少しでも数字を上げようと、何とかしようという今の若手Pの方々の苦肉の策なのは。

 

でも、哀しすぎるんですよ!!(T_T)

 

去年の『'19雨の特別編』での『スタッフの反対を押し切って決めました(笑)』事件のこともあり、どうもここ2年ほどの若手プロデューサー陣は「世にも」に思い入れが無さすぎるんじゃないかと。流れ仕事すぎないかと。数字しか見てないんじゃないかと。やることなすこと、最低限の番組愛さえ感じないんですよね。

 

本当にもう、30年の歴史の中で最も番組が軽く扱われている様を、現在進行系で見せられているのが、マニアとしては哀しくてしょうがないです。そういう傷心もあったため、今回は★2つ。

 

 

後藤P帰ってきてくれ~~~~~!!!!!!(T_T)

 

 

 ……というわけで、以上総評でした。

 

不満点を挙げだすとキリがないですが、めいっぱい楽しんだのは本当です。こうやって文句もいいつつ、なんだかんだ見続けちゃうのが、世にもファンの業じゃないですか。……ね?

 


 

さてそんなこんなで改めまして…スタッフ&キャストの皆さん、今回もありがとうございました!

 

色々と不満点もあれど、30年目の奇妙を無事迎えられたことは本当に幸せでした。

 

いやー30年ですよ。当時XX歳だった私も今ではすっかりいい大人になってしまいましたが、初めて世にもを見た時の興奮と感動は未だずっとあの時のままなような気がします。

 

思えば、世にもに使われた小説や漫画に手を出して、様々な出逢いが広がっていきました。モチーフになった映画や使われていた音楽も聞いて、そこからさらに素敵な出逢いがあって───自分の中に生まれたエンタメの世界が広大な物になったのは間違いなく『世にも』があったからですし、物語の面白さに触れた原点でもありました。

 

これから番組は40周年に向かっていくわけですが、『浜の真砂は尽きるとも世に奇妙の種は尽きまじ』という言葉もあることですし(?)、まだまだ怖くて愉快で素敵な奇妙な物語が我々を楽しませてくれるに違いないでしょう!

 

そして、そんな素晴らしい未来に心躍らせているのは、きっと私だけではないはず。

 

これから先の10年も、ぜひ奇妙な世界の扉の前で待ち合わせしましょう。

 

 

『世にも妙な物語』30周年。本当におめでとう!

'20秋の特別編 みどころ紹介

『夏の特別編』のED内で突如発表され、多くのファンを驚かせた『秋の特別編』の放送告知から4ヶ月。

 

前期&後期の特番を同時撮影という史上初の試みもあってか、早い段階から安心してこの時を待つことができたわけですが……記念すべき30周年を締めくくる大事な回。前回以上に奇妙な世界を堪能できるか否かが肝心ですよね。

 

では、今回も『'20秋の特別編』の各話の見どころやスタッフ・キャストをご紹介!

 

※ 11/8 時点で判明している情報に基づいており、今後も情報が追加され次第更新して行きます。

◆ 第1話「イマジナリーフレンド」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 3 》

【主な奇妙作】『3つの願い』『配信者』(共に2020)

 

演出:植田泰史《 26 》

【主な代表作】『アンフェア』『遅咲きのヒマワリ』『人生が楽しくなる幸せの法則』など

【主な奇妙作】ネカマな男(2005)』『イマキヨさん(2006)』『しみ(2020)』など

 

主演:広瀬すず《 初 》

【主な代表作】ちはやふる』『anone』『なつぞら』など

【 注目ポイント 】

広瀬すずが遂に世にも初主演!

夏SPに出演した姉・広瀬アリスに続き、まさかの姉妹連続出演が実現!

◆ 第2話「コインランドリー」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:鈴木祐斗《 初 》

【主な代表作】『ロッカールーム』『骸区』

 

脚本:遠山絵梨香《 初 》

【主な代表作】『今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?』『アロハ・ソムリエ』など

 

演出:松木創《 10 》

【主な代表作】ラーメン大好き小泉さん』『警視庁いきもの係』『リカ』など

【主な奇妙作】『未来同窓会(2007)』『墓友(2014)』『夢みる機械(2016)』『夢男(2017)』など

 

主演:濱田岳《 2 》

【主な代表作】3年B組金八先生』『アヒルと鴨のコインロッカー』『フルーツ宅配便』など

【主な奇妙作】『ワタ毛男(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 原作は2019年にSNSで話題となったWeb漫画「ロッカールーム」!

昨年「世にもっぽい!」とネット上で話題になった『ジャンプ+』掲載漫画が舞台設定を変更して遂に映像化。

 

★ 10年代のホラー担当・松木創監督が3年ぶりの番組復帰!

2010年代のホラー担当として知られる松木監督の記念すべき10本目の作品とのこと。

◆ 第3話「アップデート家族」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原作:チョモランマ服部《 初 》

【主な代表作】『今週のかなでさん』『ゆずきさんのなぐさメシ』など

 

脚本:向田邦彦《 4 》

【主な代表作】みいつけた!』『わしも』など

【主な奇妙作】『空想少女(2014)』『大根侍(2019)』『恵美論(2019)』

 

演出:北坊信一《 初 》

【主な代表作】『She』『実況される男』『スター☆コンチェルト』など

 

主演:高橋克実《 2 》

【主な代表作】ショムニ』『トリビアの泉』『直撃LIVE グッディ!』など

【主な奇妙作】『来世不動産(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 原作は2017年「ジャンプルーキー」掲載の同名Web漫画!

本作の原作も、現代的らしいWeb漫画。「短編ならではのキレを楽しんで」とのこと。

◆ 第4話「タテモトマサコ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

原案:荒木哉仁

 

脚本:山岡潤平《 5 》

【主な代表作】マジすか学園』『家政夫のミタゾノ』『仮面同窓会』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『冷える(2014)』『コールドスリープ(2019)』など

 

演出:小林義則《 8 》

【主な代表作】『アンフェア』『HEAT』『駐在刑事』など

【主な奇妙作】『採用試験(2002)』『まる子と会える町(2010)』『しらず森(2019)』など

 

主演:大竹しのぶ《 3 》

【主な代表作】男女7人夏物語』『黒い家』『後妻業の女』など

【主な奇妙作】『ニュースおじさん(1991)』『ボランティア降臨(2009)』

【 注目ポイント 】

★ 11年ぶりの登場となる大竹しのぶ主演による奇妙な一編!

プロデューサーによれば『番組史上最強の超能力系主人公』とのこと……!

◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは…… 

 

・ありそうでなかった新しい題材の相乗効果が期待できそうな『イマジナリーフレンド』

・主演作が全て名作な大竹しのぶ久々の主演作『タテモトマサコ』

 

以上2作品。

 

2連続で続いてきた完全オリジナル新作から、今回は原作付きとオリジナルが半々といった内容に。しかも原作は全てWeb漫画から採用と、今の時代ならではといった感じも。

 

そして夏SP同様の4話編成となっており、ショート奇妙枠らしきものも今の所未発表。前回は若干間延びした部分もあったため、個人的には何か他にサプライズも欲しい所ですが……はてさてどうなることやら。あったとしても、恐らく西野ン関係ですかね。

 

30周年のシメ回なだけあり、期待十分、不安もちょっぴりな今回。未だ続く過酷な現実からほんの一歩踏み出して、奇妙な奇妙な世界を覗いてみようじゃありませんか。

 

'20秋の特別編は、2020年11月14日 夜9時より放送。お見逃しなく!

'20夏の特別編 感想

今年最初のお楽しみ『'20夏の特別編』の放送が終了しました。

 

当初は春SPとして5月23日の予定だったものの、新型コロナの影響で一部作品の撮影が不可能となり放送延期。結果、26年ぶりとなる夏季放送が実現という異例の新作SPとなりました。

 

30周年という記念すべき年最初の回でありながら、奇妙な現実に翻弄されてしまった今回のSP。本編ではこの状況を逆手に取った挑戦も色々行っている様で、世にものチャレンジ精神は未だ失われていない模様。

 

そんなわけで、今回も私の独断と偏見による感想をつらつらと。評価は★5つが最高となっています。

◆ 第1話「しみ」★★★

前回大ヒットした『恋の記憶、止まらないで』『ソロキャンプ』を引っ提げ、彗星のごとく現れた新人作家 諸橋隼人さんと、『イマキヨさん』や『コールドスリープ』などでファンにはお馴染みの植田泰史監督という新旧タッグによるホラー作品。

 

ここ最近コメディと感動物中心だった植田監督久々のホラーというマニア的な興奮ポイントもあり、今回の大本命として注目しておりました。

 

内容としては、序盤からテンポ良くホラーを展開してからのどんでん返し。勿論、そこに至るまでの様々な伏線と深読みできる余白も用意して……といった、前作同様の諸橋さんの細やかな仕事ぶりはさすがの一言。

 

ただ、個人的にはいくつか「うーん…」となってしまった部分もあったり。

 

ひとつめは、どんでん返しがあるとはいえ、中盤までのホラー展開がややベタすぎる点。全体の構成から考えれば決して無駄な展開では無いと思うんですが、『本来の世にもの怖さってこういうこと(幽霊や呪い)だけじゃなかったよなぁ…』と、昨今のホラー物に関することまで気にかかってしまい……。この辺は『恋の記憶~』よりも直球だったせいもあるとは思いますが。

 

ふたつめは、同じ系統の『箱』(2015年)とどうしても比較してしまうという点。

これはSNSなどでもかなり言われていたので、恐らく同じ印象を持った方も多いはず。

別に同じアプローチによる話があっても全然構わないのですが、いかんせん5年前の作品だと、さすがにまだ記憶に新しすぎるといいますか、既視感が拭えないというか……。また、個人的に番組に求めている要素を比べると、どうしても『箱』の方に軍配が上がってしまう部分も。

 

とはいえ、一発目に相応しいパンチの効かせ方は好感触。提供横の『しみ抜きの基本は早めの処置です』というメッセージも、オチを踏まえてみれば「なるほど!」と。当初はてっきり洗濯のワンポイントアドバイスだとばかり…(^^;)

 

いつか同じタッグによる新たなアプローチのホラー作の再登場に期待も込めて★3つ。諸橋脚本、まだまだ注目するしかないですよ……!

◆ 第2話「3つの願い」★★

 1話減少となった影響によるものか、史上最長となる40分という長編作品。CMを入れると実質ちょっとした一時間ドラマくらいの体感でした…(^^;) さすがに長過ぎた様な気もします。

 

さて、この種の短編ではすっかりお馴染みの『3つの願い』ものを土台に、新たに刑事サスペンス物としての視点を入れたことで、あまり見ないタイプの作品になっている新しさは◎。40分もの長編を書くにあたって、脚本家さんもこの部分にかなり助けられたことでしょう。

 

そんなファンタジー+警察+サスペンスという食い合わせの悪そうな要素同士を上手くまとめているとは思うのですが……如何せんあのラストはしょっぱいことになっちゃいましたね。

 

既にネット上でも散々指摘されているように、心臓や妻の出処はどうなっているんだと。

いや、わかります。わざわざテラーに『親殺しのパラドックス』の説明をさせたりしている所から見て、スタッフ間にそこの懸念があったことは容易に想像できるんです。

 

ただ、それにしても引っ掛かりがありすぎるんじゃないかと。

最初だけ魔人が用意していたとしても『無から有を生み出してるじゃん』『等価交換じゃないじゃん』って話になりますし、テラーの言うような事後選択モデルに当てはめようとしてもちょっと苦しいですし、いっそ平行世界の主人公から持ってきて、そこで回していると考えても何だか変なことになり……。

 

他の創作物なんかではその矛盾込みで楽しませる物もありますし、矛盾があること自体は悪いわけではないのですが、本作のような『つじつま合わせタイプ』の種明かしでそこを放置されてしまうと、逆に粗だけが目立ってしまうなと。

 

先日放送されていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もそうですが、時間をテーマにした作品は矛盾がほぼ無くて面白いという所が一番の肝であり見せ所だと思っているので、こういう所で多くの視聴者をモヤモヤさせてしまっている時点で、あんまりスマートなシナリオではないなというのが正直な所。

 

長編としての意欲は買うものの、種明かしのツメの甘さとやや冗長気味だったことで★2つ。あんなことするなら最初に全部主人公に説明しといて欲しいですよね、ホント…(笑)

 

なお、パラドックスを克服できる説を思いつかれた方がいましたら、是非教えてください。

◆ 第3話「燃えない親父」★★★★

今年1月に起こった不倫騒動から初のドラマ出演となる杏主演の一編。ひとつ前の時間帯で放送されていた『ドッキリGP 2時間SP』では、騒動の発端である夫の東出昌大がゲスト出演というあざとさも印象的でした…(^^;)

 

さて、本作の感想ですが…今回文句なしのベストワン作品だと思います!

一個前の「3つの願い」でちょっと集中力が切れかけていた所で、ガラッと気持ちを切り替えられる清涼剤的な一本だったのでは。

 

父親が火葬できないというインパクト大の導入部からすぐさま掴まれ、ハートウォーミングとコミカルを適度に行ったり来たりする、緩急のバランス感覚もバッチリ。ラストはそれでも火葬できないというオチでも良かった所、ああいう素敵な落とし方でまとめた所も個人的には高ポイント。

 

ただ一点めちゃくちゃ気になったのは、オネェのジャスミンさんが登場する際にカルチャー・クラブの『カーマは気まぐれ』を流すという、とても令和のテレビとは思えないベタを通り越した古臭いバラエティ風演出。

 

シナリオはほぼ文句無しの出来だったため、チープ感を出したかったのだとしても、今時日テレのバラエティでもやらないレベルのダサさ&全体からの浮きっぷりが個人的にはかなり引っかかりました。そこで減点して★4つ。

◆ 第4話「配信者」★

フジテレビ局内のみでの撮影&一人芝居中心という、コロナ禍で撮影できる物を急遽用意した感のある本作。他の作品と違って、確実に脚本コンペ通過していないでしょうね。

 

さて、世にもだけでなく大半のテレビドラマに通じることですが、ネット描写があまりにも類型的すぎると、なんだかもやもやとなってしまうんですよね。もちろん、配信を批判するコメントを出した所で展開上ノイズにしかならないのはわかるんですが、『とはいえ、リアリティが無いよなぁ…』と気になる自分がいるという。

 

 さらに、本作はこれまで度々あったネット風刺ネタなのはわかるんですが、さすがに『バズるために好き勝手やっていたら罰が当たるぞ』というテーマは2020年にわざわざやるような物なのかなとも。そこを省いて見ても、あのラストは不完全燃焼感が残る仕上がりにもなっていたように思います。

 

ゲストキャラクターである西野ンの立ち回りがちょっと面白かったものの、単体として見ると"間に合わせ感"が強く感じられたため、★1つ。

◆ 総評 ★★

今年は新型コロナの感染拡大もあり、年内の放送はどうなってしまうのかとヒヤヒヤしていたので、まずは無事放送できたことがとにかく嬉しかったです!(T_T)

 

視聴率も1年半ぶりの2ケタ復帰となる10.7%で、ドラマ部門第8位。さらに、一週間のフジテレビ全番組の中で第1位&唯一の2ケタという結果に。

また、最近ビデオリサーチが新たに設けた『平均視聴人数データ』によれば、平均視聴人数は833.9万人。1分以上番組を見た到達人数は2139万人でドラマ部門第1位。これも、西野ンの頑張りのおかげなのでしょうか…(^^;) 

 

 

さて、今回40分の長編やテラーパートが各話を繋ぐという斬新な構成など、様々な挑戦が感じられた一方で、やはりコロナの影響で妥協せざるを得なかったであろう要素も感じられた特別編だったように思います。

 

その大きな要因としては、実質『3話+短編』という構成になったためか、全体的に引き伸ばし、冗長気味なところ。世にもらしい"テンポの良さ"を損なう形になったのではないかなと。やっぱり話数は4話以上ないとキツいでしょうね。

 

大変な状況での撮影であったことは公式の記事などからヒシヒシと感じますが、『頑張ったんだから多少問題があっても大目に見てあげようよ』というのも、逆に失礼だと思っているので……30周年一発目ということもあり、厳しめに見て★2つ。

 

 

そんなわけで、内容としてはもう少しという感じでしたが、EDの『秋の特別編』予告サプライズには度肝を抜かれました……横スクロールの短縮EDという、個人的に地雷ど真ん中のやり口でありながら、そんな事さえ吹っ飛ぶくらいの衝撃でした。全編撮影済みの次回予告なんて、前代未聞ですよ。

 

初期からの伝統芸であるスケジュールギリギリ進行により、放送日に完パケテープが出来上がることさえあるこの番組のスタッフとは思えない手際の良さ。

 

こんなの我々の知ってる『世にも』じゃない!!

 

しかも周年企画のお約束なのか、秋編の方が力が入ってそう!(笑) さらに、コロナ第二波で万が一のことがあっても、確実に放送できる所も非常に安心。夏編はこっちに注力するために色々妥協した結果だったとすれば、しょうがなくも……ないか。

 

 

というわけで、最後に…スタッフ&キャストの皆さん、今回もありがとうございました!

 

世界を巻き込む大変な状況の中、史上初の見逃し配信の実施や、過去作配信など30周年らしい企画を何とか用意しようとしてくれたことについても感謝の一言。

 

欲を言えば秋以降もサプライズを色々期待したいところではありますが、ひとまずは「秋の特別編」の出演者の皆さんが、薬物・不倫・その他犯罪行為をしないことをひたすら祈っています!(笑)

'20夏の特別編 みどころ紹介

 

……というわけで、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた『'20春の特別編』が『'20夏の特別編』として放送されることが決定しました!

 

いやー、良かった……本当に良かったです(T_T)。正直年内の放送は最低でも秋以降になるだろうと思っていたもので……スタッフの皆さんに感謝。

 

 

さて、放送が決まったとなれば夏SPの内容がさっそく気になってしまいますが、どうやら今回の30周年一発目でついに『コラボ企画からの卒業』を決意した模様。まあ、20、25周年でめぼしい物はやり尽くしてしまいましたしね…(^^;)

 

そして、『'18春の特別編』以来2年ぶりの4話構成にショート奇妙などの短編がプラスされるかどうかは現時点では不明。一部作品は予想通り緊急事態宣言前に撮影を済ませていたようですが、状況が状況なので単純に1話減らす判断になっていても仕方ないかなと。

 

これらの要素から、ここ最近の周年企画の中では地味なSPになっていますが、その一方で7/4から『過去作の順次配信』や、8/2よりCSで『奇妙な出来事』の再放送(7話は欠番)が決定するなど、30周年らしいお祝い企画をちゃんと用意してくれているので、古くからのファンの方もご安心ください!

 

……というわけで、そんな記念すべき30周年の始まりを告げる『夏の特別編』の各話の見どころやスタッフ・キャストをいつものようにご紹介!

 

※ 7/2 時点で判明している情報に基づいており、今後も情報が追加され次第更新して行きます。

◆ 第1話「しみ」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:諸橋隼人《 3 》

【主な代表作】『パフェちっく!』など

【主な奇妙作】『恋の記憶、止まらないで』『ソロキャンプ』(共に2019)

 

演出:植田泰史《 25 》

【主な代表作】『アンフェア』『遅咲きのヒマワリ』『人生が楽しくなる幸せの法則』など

【主な奇妙作】ネカマな男(2005)』『イマキヨさん(2006)』『コールドスリープ(2019)』など

 

主演:広瀬アリス《 初 》

【主な代表作】明日の光をつかめ』『探偵が早すぎる』など

【 注目ポイント 】

★ 『恋の記憶~』『ソロキャンプ』脚本家が贈るホラーサスペンス!

昨年ファンの間で大好評を博した『恋の記憶~』で鮮烈デビューを果たした諸橋隼人さんの世にも最新作となります!

 

★ ドラマやバラエティで活躍中の広瀬アリスが番組初出演!

ご本人は『私のシリアスな新たな一面を見て頂けると思います』とのこと。

◆ 第2話「燃えない親父」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:坂本絵美《 初 》

【主な代表作】『ブスと野獣』『オトナヘノベル』など

 

演出:河野圭太《 15 》

【主な代表作】古畑任三郎』『マルモのおきて』『僕らは奇跡でできている』など

【主な奇妙作】『23分間の奇跡(1991)』『ボランティア降臨(2009)』『人間の種(2019)』など

 

主演:杏《 2 》※ 初主演

【主な代表作】ごちそうさん』『花咲舞が黙ってない』『デート』など

【主な奇妙作】『分身(2011)』

【 注目ポイント 】

★ 絶対燃えない父親の遺体に関するコミカルなハートウォーミングストーリー!

プロデューサーによれば『火葬場が舞台でも、少し笑ってしまって大丈夫なお話』とのこと。

 

★ 杏が今年1月の夫不倫騒動後初となるドラマ出演!

番組では2011年の『分身』以来9年ぶりの出演&世にも初主演作になります。

◆ 第3話「3つの願い」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 初 》

 

演出:河野圭太《 16 》

 

主演:伊藤英明《 3 》

【主な代表作】海猿』『悪の教典』『僕のヤバイ妻』など

【主な奇妙作】『さっきよりもいい人(2008)』『蛇口(2012)』

【 注目ポイント 】

★ 歴代最長(?)となる40分の中編作品に!

1話減少による妥協策か、はたまたチャレンジか…!? 深夜ドラマ並の長さの作品が登場です!

 

伊藤英明の8年ぶり3度目となる世にも主演作!

『大変な時期での撮影になり、少数精鋭で頑張って乗り越えたので、是非楽しみにしてください!』とのこと。

◆ 第4話「配信者」

【 スタッフ & キャスト 】(名前横は番組参加回数)

脚本:荒木哉仁《 2 》

 

演出:淵上正人《 初 》

【主な代表作】『HOPE ~期待ゼロの新入社員~』『新宿セブン』など

 

主演:白洲迅《 3 》 ※初主演

【主な代表作】『刑事7人』『僕はまだ君を愛さないことができる』など

【主な奇妙作】『蟲たちの家』『嘘が生まれた日』(共に2015)

【 注目ポイント 】

★ 動画配信をテーマにした現代版ホラーサスペンス!

プロデューサーによれば『SNSに象徴される現代社会の“責任のない悪意”を描きたいと思い企画しました』とのこと。

◆ 雑感

今回の中で私が特に注目しているのは…… 

 

・「恋の記憶~」の諸橋脚本×植田演出という新旧タッグが気になる『しみ』

・40分という歴代1番の長尺作品『3つの願い』

インパクト大のアイディアで期待できそうな『燃えない親父』

 

以上3作品。

 

そんなわけで、ひととおり情報が出揃ったわけですが……前回の好評ぶりを意識してか、今回も原作付きを排除した完全オリジナル脚本のみで勝負&ブラックテイスト中心。これはファンには嬉しい傾向ですね。

 

中でも、前回ネット上でも大好評を博した「恋の記憶~」と「ソロキャンプ」を手掛けた諸橋隼人さんの最新作『しみ』は、マニア的にはかなり注目したい所だったり。

 

なんせ、ここ最近の世にも新人常連作家はコメディ寄りの方が多かったので、質の高いホラーが書ける新人さんは貴重ですからね。本作が20年代の一発目というのも見逃せません。

 

そして、恐らくコロナ禍による1話削減の余波を受けたであろう長さの「3つの願い」や、今回の状況下で撮影できそうな脚本に急遽差し替えた感のある「配信者」など、スタッフの苦労の後がどことなく忍ばれる部分も。制作が見送られてしまった脚本も恐らくあったんだろうなと……。

 

 

さて、これまでアニバーサリーイヤーでのコラボ企画に慣れてきたファンからすると、あまりにも地味なラインナップとなった今回。

30周年一発目にしてはどこか寂しい気持ちを覚える部分もありますが、時勢が時勢。ひとまずは今年も奇妙な世界からの便りが届いたことが一番のお祝いだと思いたいです。(これまでのパターンだと記念の年は秋SPが本番だし…という気持ちもありつつ…(^^;))

 

奇妙で過酷な現実の中、しばしのあいだ奇妙で怖くて楽しい世界に一旦身をおいて、今年最初のリフレッシュ(?)してみませんか。

 

'20夏の特別編は、2020年7月11日 夜9時より放送です。お見逃しなく!

30周年!&「ifもしも」ラジオ特集

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2020年4月19日、『世にも奇妙な物語』の放送開始から遂に30年を迎えました。

記念すべきアニバーサリーイヤーということで、今年の番組展開に大いに期待したい!

 

……と、思っていましたが!

 

昨今の新型コロナウイルス感染拡大による自粛の嵐。そこから各テレビ局でも番組の撮影や収録が次々に休止となる事態に。

春の新ドラマやアニメの放送も続々延期され、再放送の割合も日増しに増えてきています。

 

我らが「世にも奇妙な物語」はご存じの方も多いように、どんなに早く撮影を始めても何故か放送当日まで編集作業が終わらないことがしょっちゅうなギリギリ進行。これはもう放送初期からの伝統芸でもあるため、既にすべての撮影を終えている…なんてことはまず無いでしょう。

 

過去のケースから考えて、現在はようやく脚本の大部分が出来ていて、そろそろ順次撮影、もしくは1本くらいは撮影を終えている頃かな?という段階だったと思われますが、連ドラの撮影が見送られている今、優先順位の低い特番ドラマの撮影となるとなおのこと厳しいでしょう。

 

テラーの年齢のこともありますし、先がまったく読めない状況でもあるため、最悪放送回数が減ってしまう可能性も無くはないと思っていたり。(ひとまずは今月24日発売のノベライズ帯に情報が載るかどうかですが……)

 

よりにもよって30周年という節目の年にこんなことになるなんて……と落胆半分、しょうがないかと諦め半分という心境ですが、それでも番組の30周年という大事な年には代わりありません。

 

今の「世にも」ファンに出来る唯一のことは「世にも奇妙な物語」を見たい。待っている。スタッフ頑張れ!……そんな気持ちを伝えることではないでしょうか。

 

もちろん、伝えたからといって感染症の流行が急速に収まるなんてことはないでしょうが……この先番組がどんな状況に陥ったとしても必ず後押しする力になれるのがファンの声だと思っているので、30周年のお祝い、再放送希望、新作への期待などなど、各々の想いを伝えてみませんか…?

 

www.fujitv.co.jp

 

 

ちなみに、同日『ファンサイトの特別編』も誕生16周年。今後とも是非よろしくお願い致します!

※ 追記 (4/24)

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この日、ノベライズ本「教室の裏側にひそむ暗闇編」が発売され、帯には『'20春の特別編』の放送日が掲載されましたが……。

 

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世にも奇妙な物語 ’20春の特別編 放送延期のお知らせ>


集英社より4月24日に発売された当番組のノベライズ本「世にも奇妙な物語 教室の裏側にひそむ暗闇編~」の帯に次回の放送日について「土曜プレミアム 世にも奇妙な物語’20春の特別編」5月23日(土)よる9時と掲載していましたが、放送は延期になりました。


今後の放送予定は未定ですが、決まり次第、このHPでご案内いたします。

( https://www.fujitv.co.jp/kimyo/ )

 

……ということで、春SPの延期が正式に発表。

収束の兆しが未だ見えないだけに、放送は早くても夏以降になるのは間違いなさそうですね。

◆ 第5回投票企画 結果発表 (5/5追記)

 昨年11月から約5ヶ月間行ってきました『ベストエピソード投票 10年代後半編』。

その集計結果ページを公開致しました。

 

kimyofansite.g1.xrea.com

 

第1位は大方の予想通りあの作品。第1位に選ぶ方が多かったのも頷けるクオリティの作品だったと思います。同じく得票数の高かった第2位と共に圧倒的な支持を受けました。

 

今回投票してくださった皆様、本当にありがとうございました。

次回第6回投票企画は現在考え中。何か良いテーマがあれば是非提案してください(^^;)

 

また、創作企画『あなたの考える世にも奇妙な物語』ですが、4月末を持って掲載期間の満了と共に終了とさせていただきました。ご応募してくださった皆様、ありがとうございましたm(_ _)m

◆ 「ifもしも」ラジオ特集 書き起こし

 

このブログでは既にお馴染み『蓜島邦明のラッタラッタラ』3月17日放送分にて、姉妹番組『ifもしも』特集が行われました。

 

これまでの『世にも』特集と違いサントラ収録曲の紹介のみでしたが、貴重な回には違いありませんので、これまで同様書き起こしでご紹介。

 

「もしも」

 

コンピューターが世の中の全てのことを1か0かで理解している、と聞くとあなたはきっとこう思うはずだ。

 

『人生はそんな単純なものじゃない』

 

確かに生きていくもは大変なことだ。

悩んだり、迷ったりするのは、学校や会社のことだけではない。家族のこと、恋人のこと、お金のこと、将来のこと。

 

時には地球の未来のことだって考えるし、生きる目的について考えることだってあるかもしれない

 

(※ 「サウンドトラック」ブックレット (フジテレビ・小牧次郎氏)より)

 

「選択 (語り手)」

 

「フレンチシック」

 

蓜島「(ブックレットを読みながら)1993年4月にはじまった『ifもしも』。フジテレビの木曜夜8時から…そういうね、オーバーに言えば人生の岐路にたったあなたが、 選ばなかった方の道の結末まで見せてしまおうという結末のふたつあるドラマだったんですね。

 

一見奇抜なアイデアで作られた番組のようだが…そんなことはない。連続ドラマで主人公に感情移入したあなたが危機に向かう時必ず思う…あの時、ああしていれば良かった」

 

「ダーリン」

 

テレビとしては実に変な企画であるのは間違いないわけで、 制作にはこの人たちしかできないという『世にも奇妙な物語』のベストスタッフに結集してもらった。

 

その中でも最も重要なのが、音楽の蓜島さんだ。

 

彼が全体の雰囲気をつくってくれないと、人生の皮肉を味わう異空間をつくりだすことは絶対にできないからだ。

 

(※ 「サウンドトラック」ブックレット (フジテレビ・小牧次郎氏)より)

 

「富と地位」

 

蓜島「えー『世にも奇妙な物語』の後釜として作られた『ifもしも』。

これはね、結末が2つあるドラマだったんですね。もしあの時、道をこっちに行ってたらどうなっちゃうかっていう…滅茶苦茶な企画ですよね。素晴らしいです。

 

この時、皆さんすごい色んな発想をなさる方たちばっかりでですね。奇抜なことをやろうという、意気込みがとても多かった時代ですね。

フジテレビの深夜から始まって『世にも』になって、そして『世にも』終わった後『ifもしも』になってね。司会はもちろんタモリさんだったんですね。

 

2つ劇伴書かなくちゃいけなかったんですよ、結末を。途中も。結構大変だった記憶がございます。愚痴です」

 

「心臓を押さえるように」

 

「最低以下」

 

蓜島「これは、東京に生きるサラリーマンの話です」

 

「出勤兵士」

 

蓜島「『ifもしも』。この頃はイタリアに影響受けてたような気がしますねぇ。フェリーニ大好きでしたからね。

本当に3拍子多いですね。でも、新鮮ですね。……来週もまた。『ifもしも』でした」

 

「END THEME」